1. なんのために生命保険に加入するのか?
日本人の約9割の人が加入しているといわれる生命保険。でも、加入するきっかけや理由は人それぞれです。「就職」や「結婚」に「出産」、「マイホーム購入」など人生におけるライフステージのなかで守るべき人がふえた、または変わった。といったときに考え始めるきっかけになった方が多いのではないでしょうか。
また、生命保険への漠然とした必要性や不安を感じながらも、そもそも本当に加入する必要があるのか?という疑問も同時にもたれたこともあるのではないでしょうか。
もちろん不必要に保険料を払うことにはなりたくはないですし、誰かの言いなりや勧められるがままには加入したくないと思うのが一般的な心情ですよね。
ではいったい何を根拠に生命保険の必要性という本質を考えていけばよいのでしょうか。ここが明確になっていないとあなたにとっての最適な生命保険選びは難しくなるでしょう。
生命保険の入り方に正解はなく、加入者自身の価値観や目的に合っていればそれが一番よい商品となります。まずは大きな視点から生命保険でできる3つの役割についてを抑えておきましょう。
(1)保障の必要性
生命保険本来の役割でもある万が一時の保障。その“万が一”といっても生命保険は人生におけるリスクならなんでもというふうに万能ではなく、カバーできるリスクは大きく4つにわけられています。
生命保険といえば「死亡」時にお金が払われるイメージが強いかと思いますが、その他に「病気やケガ」「介護」「長生き」といった場面で役立つものとされています。
これらのリスクは“いつか”“誰でも”起こるまたは起こる可能性があるものです。保障をもつということは将来のお金の準備をするということです。大事なことは“今”万が一のことがあったらその準備がすでにできているかということを考えてみるとよいでしょう。
逆に、準備をしなくても今ある貯蓄でカバーできたり、お金のことで他に迷惑を掛けてしまう人がいないということであれば保障の必要性は無いといえるでしょう。
(2)貯蓄性
生命保険といえば掛け捨て。とイメージされる方も多いかと思いますが、なかには保険を使わずに将来解約したとき、支払った保険料またはその一部が戻ってくるタイプのものもあります。
さらに商品そのものの特質やお金を受け取るタイミングによっては自分が支払った保険料以上に手元に戻ってくるものも存在します。
もちろんその間に万が一のことがあれば多くは、その時点で支払った保険料以上の保険金が払われるため、お金を貯めながら途中で何かあったときの保障がつくという合理的な貯蓄手段のひとつでもあるのが生命保険の魅力とも言われています。
ここまでの話だけではメリットしかないように感じる人もいると思いますが、大きなデメリットとしては保険料を払いきる前に途中で払えなくなったり、やむを得ず解約をしてしまうようなことがあれば、そこまで支払った保険料を下回る分のお金しか返ってこないことがほとんどのため注意が必要です。
お子様の教育資金やご夫婦の老後資金といった、将来に向けて計画的な貯蓄が必要でかつ、途中で万が一のことがあった際はのこる人に迷惑をかけてしまうような場合に生命保険を活用することを考えるとよいでしょう。
(3)税効果
生命保険でできることの3つ目として、税効果が挙げられます。個人契約の場合、大きく2つの場面でメリットがあるとされています。
1つ目は保険料を支払っているときは「生命保険料控除」が利用でき、支払った保険料に応じて税金が軽減される制度があります。これは支払った保険料の一定額がその年の所得から差し引かれるしくみになっていて、実際の所得税や住民税の負担を軽くさせる効果があります。
そして2つ目は保険金の受取時にあり、入院・手術・就業不能時に受け取れるお金は原則、非課税で受け取れます。また、死亡・満期・解約した時に受け取るお金は課税対象となりますが、一定の非課税枠等もありますので結果としてメリットになるケースは多いです。
ただし、契約形態(契約者と被保険者、受取人が誰なのか)によって課税関係は変わってくるので注意が必要です。
(5)保険料はいつまで払う?
仮に保険料を毎月支払う場合、保障額と保険期間が同条件であれば支払期間が短いほど月々の保険料は高くなりますが、支払総額は安くなることがほとんどです。
逆に支払期間を長くすればするほど月々の保険料は安くなりますが支払総額は高くなります。
保険期間が終身の場合は、支払期間も終身タイプとできるものもあり、生きている間または契約している間はずっと払い続けるといった設定もできますが生命保険はできるだけ無理ない金額で短い期間で払いきってしまったほうが総支払額の面でお得になるケースが多いとされています。
(6)いくら戻ってくる?
商品によっては契約した保険が満期になったときや、途中で解約したときに戻ってくるお金があるものがあります。
将来、必要な時期に必要なお金を生命保険を使って計画的に準備をすることもできます。しかし、予定よりも早くお金が必要になり途中で解約してしまうと元本割れを起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。