ズバリ解決!生命保険の見直しの6つの「鉄則」!

保険証券

こんにちはFPバンク編集部です。

今、加入している生命保険。何のために入ったのか忘れてしまっていませんか?守るべき大事なこどものために自分に必要なものに見直したい!なんてタイミングを迎えていませんか?

自分以外に本当に大切な人ができると今までは「大丈夫」と思っていたことも心配になったりしませんか?

そんな大事な人のためにしっかり学びたいというあなたにぴったり!必要な分を必要なだけ、無駄なく保険を準備する解決策がみつかること間違いなし。是非、大事な人のために最後まで一緒に学びを深めましょう!!

目次

1. 保険を見直すとはどういうことか?

「保険の見直し」とは、現在、加入している保険を見直すことを言います。そういう意味では、現在、保険に加入していない人も、広義の意味では保険を見直すと言ってよいでしょう。

(1)理由① ライフステージで人のリスクは変化する

人生のライフステージには数多くの変化が伴います。守るべきものが増えたので、保険を増やすべきか検討する人もいれば、逆に子育てもひと段落すると、保険を小さくしたり、遺族に残すために見直したいと思う人もいるでしょう。
詳細については3-(1)~3-(6)で解説します。

(2)理由② 保険商品は進化する

保険商品が進化する理由は主に5つあるのではないかと思います。

①医療技術の進歩 
②競合他社との商品開発競争
③保険業法等の規制緩和、強化
④利用者の需要の変化
⑤お宝保険が少なくなった

保険業界はネット系の生命保険会社が新しく出てきたり、規制が緩和されたりと非常に進化が激しい業界の1つといえます。また、保険料の価格競争も激化も相まって、ワンコインで入れる保険も出ているくらいです。

このことから言えることは、生命保険は必要に応じて、進化させていくことで保険料が下がったり、保障内容が充実させられたりすることができる可能性があるということです。

(3)理由③ 公的な保障変化

公的な保障については2つの変化があります。

①いままで受けられなかった公的保障が受けられるようになった場合
②新しい制度ができた、既存の制度の変更があった場合

①については、例えば結婚によって、公的保障が充実したり、子どもができた場合は受けられる公的保障の幅が広がったりします。ここでは受けられる公的保障を6つ列挙しておきます。

1) 公的医療制度

医療費等の自己負担が3割で済む心強い制度です。
※企業独自の健康保険組合等ある場合は、自己負担が1割、2割で済むところもあります。自分の健康保険組合を調べてみましょう。

・自営業の方など→国民健康保険
・会社員の方(大企業勤務など)→健康保険(健康保険組合)(各企業のホームページ参照)
・会社員の方(中小企業勤務など)→健康保険(協会けんぽ)
・船員の方→船員保険
・公務員や私学教職員→共済組合(各団体ホームページ参照)
・75歳以上の方→後期高齢者医療保険

2)高額療養費制度

高額療養費制度*とは、病気やけがの治療費で支払う医療費が一定限度を超えた場合、お金が戻ってくる制度です。年齢や所得によって、返還額は変わりますが、非常に助けになってくれる制度ですので、保険の見直し等に関係なく、知っておいていただきたい制度です。

〈参照サイト〉*厚生労働省ホームページ 高額療養費制度を利用される皆さまへ

3)傷病手当金

傷病手当金*は会社員の方で健康保険に加入している人が、病気やケガが原因で働けなくなってしまった場合、休業を余儀なくされてしまった場合に、その人の生活を守るために作られた制度です。

もらえる金額は給料の2/3程度で、もらえる期間は、最長1年6ヶ月となっております。ただし、自営業(国民健康保険加入者)の方は基本的にはもらえないのが注意点です。

〈参照サイト〉*全国健康保険協会 協会けんぽホームページ 傷病手当金について

4)障害年金

障害年金*は、働くことや日常生活が困難になった場合にもらえる公的年金の1つです。会社員の方であれば「(3)傷病手当金」が終わった後に一定の要件を満たせばもらえるお金になります。

〈参照サイト〉*日本年金機構ホームページ 障害年金

5)遺族年金

遺族年金*は遺された家族のための生活費を確保するための公的年金の1つです。生命保険の見直しを検討する際は必ず把握しておきたいものと言えます。

いくらもらえるかは、人によって条件が違うので要チェック!わからない場合は問い合わせましょう。

〈参照サイト〉*日本年金機構ホームページ 遺族年金

6)介護保険

介護保険*とは、介護が必要な方にその費用を給付してくれる保険のことです。
基本的には何かしらの介護のサービスを受けるには原則1割の自己負担が必要となります。ただし所得に応じて、自己負担率が2~3割になる場合もあります。

若い方はあまり介護の聞いても、ピンとこないと方も多いとかもしれませんが、高齢になっていけばいくほど介護になる確率はぐっと上がりますので、将来のリスクとしてはしっかりと考えておかないといけないといえます。

〈参照サイト〉*厚生労働省ホームページ 介護保険制度の概要

2. 保険の見直し6つの「鉄則」

ここからは、保険の見直しには6つのポイントついてご紹介します。実際に現在のライフステージによって、「具体的な見直し方法」も変わってくるでしょう。
では早速、解説していきます。

(1)生命保険でカバーできること、守れるリスクの理解

生命保険でカバーできることは主に9つあります。分け方により、数は変わるかもしれませんが、概ね下記の表1でカバーできるでしょう。

生命保険でカバーできることここで注意点です。「がんが心配だからがん保険に加入する」というシンプルに考えてしまうのは危険です。がんになってしまったら、治療費だけでなく、収入が減少する。

もしかしたら、働けなくなる可能性も考えられます。①~⑧それぞれのリスクを正しく理解しなければなりません。

(2)ライフステージの変化

生きていれば、独身→夫→父→祖父のような形でライフステージが変わるごとに役割や責任も変わってきます。下記の図でもわかるようにそれぞれのライフステージによって、収入や支出も変化していきます。

特に支出はマイホームの購入や学費がかかるタイミングで増加します。だからこそ、お金の流れがかわるタイミングである人生の節目、節目で生命保険は見直していただくのが保険の見直しの適切なタイミングといえます。

一般的に保険の見直しの節目となるライフステージは以下のようなものが考えられます。
①独身
②結婚
③出産・こども幼少
④マイホーム購入
⑤子どもの独立
⑥セカンドライフ
⑦次の世代に

(3)保険の3つのカタチを理解

生命保険の商品を見ていると非常に種類が多く、一見するととても複雑な印象を持たれる方も多いかもしれませんが、実は基本的な形は4つしかありません。

もちろん、保険商品は、年々複雑化しているため、①と②が組み合わせになっていたりもしますが、下記の①~④の種類を理解できていれば、商品を見た際に、理解が早いと思います。詳しくは別のコラムにて、詳しく解説しているので、そちらをご参照ください。今回は、簡単に触れます。

青色は「貯蓄性なし」、赤色は「貯蓄性あり」を表しています。

①定期保険

特徴:保障期間が決まった保険です。掛捨てタイプに多く、保険料が抑えられるのが特徴。
ポイント:子どもが独立するまで、住宅ローンの返済が終わるまでなど、ある一定期間、万一のことがあった時に経済的な損失が大きい期間だけ保障を手厚くしたいと思ったときに重宝します。

②終身保険

特徴:いわゆる「保障は一生涯」というタイプ。貯蓄性があるものが多いが、医療保険のような掛け捨てタイプもある。
ポイント:死亡リスクや何かしらの病気になるリスクなど、基本的に生きていれば高い確率で降りかかるリスクに備えるのに向いています。

あとは、貯蓄性があるため、ほぼほぼ払った保険料は返ってくるものも多いので、保険料を無駄にしたくないと人にはおすすめ。ただ、保険料は①の掛捨てタイプによりは割高なので、家計とのバランスが重要になります。

③養老保険

特徴:一定期間積み立てていき、保険金と同額の満期金がもらえるタイプです。
ポイント:学資保険に使われるケースが多いです。例えば子どもが大学入学するためのお金は必ず貯めて、満期金を学費に充てたいと思ったときに重宝します。

実際に保険の支払いは縛りが強く、出金しにくいため、「必ず○○円は貯めたい、手を付けたくない」という性質のものを貯めていくには非常に有効な手段です。

教育資金目的だけでなく、住宅の頭金や繰り上げ返済、結婚資金の準備などに使えますし、老後資金の準備にも有効です。

④年金保険

特徴:養老保険の特徴に近い。保険料を納めることで、契約時に定めたときから、年金または一時金として保険金を受け取ることできる。
ポイント:「年金」という名前がついているので、基本的には公的年金や会社の企業年金などでは不足する部分を自分で用意するために使われます。個人年金保険料控除にもなるので、節税対策としても有効です。

(4)誰のため、いつまで、いくら、どのような保障内容にするかを検討

①誰のために

生命保険には3人の登場人物がいます。死亡の場合が分かりやすいので、解説します。

・被保険者……「実際に死亡してしまった場合の人、つまり保障を受ける人」
・保険契約者……「保険会社に契約の申し込みをし、保険料を実際に支払う人」
・保険金受取人……「保険金を受け取る人」

誰のためにとは、簡単言えば、「誰を経済的な損失から守ってあげたいか」を意味します。この登場人物を整理することがまずはスタートになります。

②いつまで

次に保険を「いつまで必要か」を検討します。これは、考えるリスクによって、変わってくると思いますが、死亡を例にした場合、実際には主に4つの保険期間があります。

・こどもが独立するまで(例)22年
・配偶者が老齢年金を受取開始まで(例)65歳まで
・配偶者の平均余命(例)88歳まで
・配偶者100歳まで

この期間でどこまで考えるかが保険料や保障額を左右します。実際に期間が長くなればなるほど保険料は高くなりますので、バランスもしっかりと検討する必要があります。

③いくら

次に、「いくらの保障にするか」ですが、これはある程度計算することが可能です。ポイントの(6)計算例を挙げていますので、そちらをご参考にしてみてください。

注意していただきたいのは、こちらは心配事を増やせば増やすほど必要保障額は大きくなり、保険料も比例して高くなる傾向にありますので、優先順位をつけて考えるのが得策です。

④どの保障内容にするか

最後に「どの範囲まで」は保障内容をどうするかということです。そもそも保険は必要ないのか、ここまで線引きをして生命保険を活用するのか。

確率であったり、その人のパーソナルな部分だったり、最も人によって考え方が分かれるところですので、この部分はしっかりと時間をとって、考えてほしいと思います。

(5)「貯蓄・運用で守る」と「保険で守る」をきっちり分ける

下記の図をご覧ください。これは、起こる確率が「高いもの」と「低いもの」、その際の経済的なコストが「高いもの」「低いもの」の相関関係を表しています。みなさんなら、生命保険という商品はどこを備えるのに向いていると考えるでしょうか?

実は、「起こる確率低いが、起こった場合、経済的コスト高いもの」に備えるのが、最も生命保険の本領を発揮している領域になります。②~④は必ずしも生命保険でないと、備えることができないという訳ではありません。

貯蓄や運用でも代替手段になりえるでしょう。しかし、①の領域はそうはいきません。一度起きたら、成す術がありませんので、①についてしっかり検討するのが生命保険を見直すうえで最も大切であることを覚えておいて下さい。

図1 生命保険を検討する上でのリスクのコストの相関関係
生命保険を検討する上でのリスクのコストの相関関係
①~④ではどんなものがあるか、見ておきましょう。

①について

  • 起こる確率:低い
  • 経済的コスト:高い
  • 具体例:がんなどの大病、就労不能、死亡(早期)、介護(早期)など

②について

  • 起こる確率:高い
  • 経済的コスト:高い
  • 具体例:住宅の購入資金、大学費用、老後資金、結婚資金など

③について

  • 起こる確率:高い
  • 経済的コスト:低い
  • 具体例:風邪、歯医者などの治療費、ちょっとしたケガなどの治療費、生活費など

④について

  • 起こる確率:低い
  • 経済的コスト:低い
  • 具体例:家具家電の買替え、引越しなど

(6)必要保障額の計算のステップ(自分でできる必要保障額の出し方)

必要保障額とは、死亡した際や就労不能になった際にいくら必要なのかを計算したものになります。

今回は「死亡保障」の必要保障額の出し方について、「夫、妻、子ども2人」の4人家族を例に解説します。「死亡」時の必要保障額の出し方は4ステップです。

ステップ①
支出の把握(生活費、将来の教育資金、住宅資金いくらかけたいか)
 ↓
ステップ②
死亡時に係る費用の把握
 ↓
ステップ③
「公的な保障でもらえる金額」を計算
 ↓
ステップ④
必要保障の不足額の計算(①+②ー③)

本来は専用のソフトを使えばもっとも細かく出すことができますが、考え方は上記のステップ①~④で計算していただければ、それほど大きくずれることは無いと思います。

簡単ですが、計算のイメージだけ解説してみます。多くの場合の下記の図のように必要保障額は年代とともに変化していきますので、逆に言えば、年代とともに必要保障額は変化させていかなければ、保険料が高いままという可能性もあります。図を参考に必要保障額の検証をして頂けると良いかもしれません。
 
今回は下記の図の★のところを例に計算してみたいと思います。

図2 必要保障額と年齢の関係
必要保障額と年齢の関係
※期間については色々と考え方があると思いますが、ここでは生命保険は最低限にするということを念頭に子どもが独立するまでの期間として切りよく22年で計算しています。

【ステップ①】支出の把握(生活費、将来の教育資金、住宅資金いくらかけたいか)

〈生存時〉
・生活費 10万円×12か月×22年=2,640万円
・住居費 12万円×12か月×22年=3,168万円
・教育費 1500万円×2人     =3,000万円
                8,807万円
〈死亡時〉
一般的に成人の大人な1人無くなると家族の生活費は60~70%になるといわれているので今回は
70%で計算します、
・生活費 7万円×12か月×22年= 1,848万円
・住居費 12万円×12か月×22年=3,168万円
・教育費 1500万円×2人     =3,000万円
                 8,016万円
※注意 
住宅を購入するタイミングにより住居費は変わります。すでに家を買っている場合は団体信用生命保険があり、住宅ローンが無くなりますので、住居のところはほぼ管理費や税金だけの負担で大丈夫ですが、逆に賃貸の場合は、半永久的にかかり続けることになりますので、やはり、住宅を購入するかどうかは生命保険の金額を決めるにあたり非常に重要な要素といえます。今回は賃貸の場合で計算しております。

【ステップ②】死亡時に係る費用の把握

お葬式代とお墓代はそれぞれ考慮しておかなくはいけません。一般的にはお葬式代は数十万円~数百万円と非常に幅がありますし、お墓代も数百万くらいはかかります。こちらも考慮しておく必要があるでしょう。

ここでは 一般的な相場として、250万円で計算しておきます。

【ステップ③】「公的な保障でもらえる金額」を計算

具体的には遺族年金の計算になります。遺族年金の計算はある程度計算はできますが、収入によって金額変わりますので、明確に計算するのは難しいため、月収が40万円、賞与150万円くらいの方であれば約14万円~15万円位になりますので、今回はそちらで計算することとします。

具体的に知りたい方はシミュレーションや早見表もありますので、参考にしてください。そうすると遺族年金の金額は少なくとも22年の間に総額で3,000万円はもらえる計算になります。

※本来は詳しく計算できるものですが、今回は文字数の関係で計算式を省略したことご了承ください。

【ステップ④】必要保障の不足額の計算(①+②ー③)

①8,016万円+②250万円-③3,000万円=5,266万円

結果、死亡した際に必要となる保障額は約 5,266万円ということになります。あくまで今回の計算例は簡易的なものですが、計算の中に、娯楽費、塾代、車の費用など細かく入力すれば、より細かく出すこともできるようになります。Excelが得意な方であれば、比較的、簡単に作れると思います。

(7)「加入時のハードル」と「保険金受取り時」のハードルを理解する

①加入時のハードルについて

まずは、下記の図をご覧ください。下記の図は健康状態と保険料の相関関係を表した図になります。

簡単に言えば、「健康状態=良い、保険料=安い(加入できる可能性高い)」、「健康状態=良くない、保険料=高い⋀加入できる可能性低い」ということになります。

下記の図の「〇」、「△」、「×」のゾーンの中で誰が一番生命保険に加入したいと思っているでしょうか?恐らく、「×」のゾーンの方ではないでしょうか?

「×」ゾーンの方が仮に生命保険に加入したいと思っても保険料が高い、若しくはそもそも加入ができない可能性が高いです。生命保険とは実はとてもシビアな金融商品なのです。逆に、「〇」ゾーンの方は保険の必要性のそもそも感じていない人が多いのではないでしょうか。

このことから言えることは生命保険の加入時のハードルは健康状態に非常に左右されるため、生命保険は、「〇」の状態の時から検討していただくのが実はもっとも保険料が抑えられて、なおかつ、最も良い条件で加入できる可能性が高いのです。

ちなみに「△」ゾーンの方は保険には加入できるけれども、加入に条件がついたり、保険料が割高になったりします。

図3 健康状態と保険料の関係
健康状態と保険料の関係

②保険金受取り時のハードルについて

生命保険は非常に合理的な金融商品です。死亡するリスクの確率やがんになる確率などは細かな計算をされたうえで保険料は算出されています。

つまり、「誰でも入れます」保険は「加入時のハードルは低いけれども、給付金をもらうハードルは高い」可能性が高いということも言えます。

生命保険は、受け取れないと意味の無いものですので、「加入のしやすさ」と「給付金の受け取りやすさ」は加入する前にしっかりと確認しておかなければなりません。

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3.見直しのタイミング

具体的な見直しのタイミングは主に7つあります。

(1)独身

独身時代は特に生命保険の必要を感じていない人が比較的に多いのではないでしょうか。ただ、独身の方でも気を付けないといけないことはあります。それは年齢にかかわらず(1)であげたリスクのうち①~④と⑨は起こる確率というのはゼロ無いということです。

もし、どれかが起こった場合、必ず金銭的な負担は発生する上、それを誰かが負担しなくはいけません。その金額も10万かもしれませんし、1000万以上になる可能性もあります。もし、自分に貯金があまりない状態であれば、別の誰が負担しないといけなくなります。誰が負担するか?

多くの場合は「親」が負担者になるでしょう。親がお金持ちで経済的な余力があるならばそれほど心配はないかもしれませんが、そういう家庭は多くは無いでしょう。そういった意味でも独身だからと言って生命保険は全く必要ないと考えるのは危険といえます。

(2)結婚

結婚したことによって、守るべきものが増えた場合、特に今後お子様を検討している方はこの機会に保険だけでなく、今後のライフプランなども夫婦で話し合っておくことが何より大切です。

(3)出産・子ども幼少

子育てには大きなお金が必要になります。妊娠しているときから少しずつ準備をしておくことが大切です。今後必要となるであろう保障の内容もしっかり考えておきましょう。

特に、家族が増えることで、死亡保障の額を上げておくことや学資保険の検討しておくことが望ましいタイミングです。

(4)自宅の購入

マイホームを購入するタイミングは、生命保険を見直す良いタイミングです。マイホームを購入すると団体信用生命保険という生命保険に加入します。

基本的には、死亡や高度障害になった際に、残りの住宅ローンをチャラにしてくれるものですが、金利の上乗せなどをすることで保障の範囲を広げることが可能です。そういった意味でも住宅ローンを組む際は生命保険の見直しのタイミングといえるでしょう。

(5)こどもが独立したら

子どもが独立すると教育費や生活費の負担がぐっと減ります。その時は様々な保障を小さくしても良くなります。特に、死亡保障の金額は減らして保険料を抑えると良いでしょう。

(6)セカンドライフ

セカンドライフは主に子どもが独立したタイミングと近いです。守ってきた大事なこどもたちの独立を経て、今度はご夫婦2人で公的年金を含む、生涯年収の算出と叶えたい生活水準で100年生き抜けるか確認し、最低限の保障に見直すタイミングと言えるでしょう。

(7)次の世代のために

生命保険の保険金は受取人固有の財産といわれます。この人にお金を残してあげたいと思ったときに、誰にも邪魔されることなく残してあげることができます。その上、生命保険という金融商品は不動産と同じように非常に相続対策、節税対策に有効な手段です。次の世代のために、お金を残す手段として検討しても良いでしょう。

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4.保険の見直しで注意してほしい4つのこと

(1)現在の保険の内容を正しく理解する

今の加入している生命保険の保障内容はわかりますか?生命保険というのは、加入時はしっかりと理解しているつもりでも1週間経つともう忘れてしまっているという非常に記憶に残りにくい金融商品の1つです。

保険の見直しの際は、保障内容が重複しないように、どんな内容だったか確認しておきましょう。

(2)先走った解約は絶対にダメ

生命保険の見直しをした際についやってしまうのが古い生命保険の先走った解約です。生命保険の見直し後に新しい保険に加入される場合、2つのリスクが存在します。

1つは加入には診査があること、2つ目は、特定の病気に不担保期間があることです。

生命保険に申込みをするそれで安心してしまい、古い契約を解約してしまう人がたまにいますが、これは絶対にやめてください。もし、審査が通らなかった場合、無保険状態になり、万が一のことがあった時にすべて自己負担になってしまう可能性があります。

特に「がん」関連の保険は、この不担保期間が存在するものが多いです。ですので、安易な先走った解約は絶対にやめください。

(3)ランキングだけで選ぶこと

ランキングが悪いということではありませんが、ランキングを参照する際は気を付けていただきたい点は2つあります。

①恣意性(ランキングを使った人の意図)が入っている可能性がある。
簡単に言えば売りたい商品が上位にきている可能性があることです。

②本当に自分にあっているものが上位かどうかわからない
ランキングは何も自分のために作られているものではありません。20代の人が見ていることもあれば、60代の人が見ていることもあります。生命保険という特性上、20代と60代が全く同じ商品ということは考えにくいでしょう。

さらに独身と結婚している人、男性と女性でも変わってくるはずです。そういう意味でもランキングを見るときは十分注意する必要があるといえます。それらを考慮したうえで、結果的にランキング上位の商品を選ぶことについては全く問題ありません。

(4)保険料だけで判断すること

「保険料が安い=良い商品」と判断するのは非常に危険です。全く同じ保障内容であっても、会社の信用度だったり、担当者の力量、アフターフォローの充実度合だったり、給付のスピードだったり、しっかり見ようとするとかなり複雑です。

さらに安い保険には入ったが、まったく必要の無い保障だったら、本末転倒です。そういう意味でも、保険は高い買い物ですので、十分に吟味してほしいですが、保険料に重きを置きすぎないでほしいと思います。

5.よくある質問

(1)本当に保険っているの?

保険は必要か必要でないかというと、結論どちらも正解といえます。私は最高の備えはやはり「現金」だと思っています。例えば、総資産で「兆」を超えているような資産をもっているような人が生命保険は必要でしょうか?賛否はありますが、必ずしも必要ではないでしょう。

ですが、貯金がほぼゼロの人ならどうでしょうか。もし、貯金が無い状態で何か大きな病気なってしまったら、治療費も払えず、ただ、何もできずに過ごすことになってしまうでしょう。(誰かが大金を払ってくれるなら話は別ですが)。

小さな金額で大きな保障を得られるのが生命保険の大きな特徴ですので、やはり現金での経済的な準備が不足している人には生命保険は有効な方法だといえます。

(2)貯蓄性保険VS掛け捨て保険どっちが良いの?

この質問は気になっている方も多いのではないでしょうか?いろんなコラムやWEBサイトを調べてみても「貯蓄と保障は分けて、生命保険は掛捨て、貯蓄は資産運用が良い」という人もいれば、「掛捨の保険はもったいない、無駄にならないために貯蓄性保険を選択する方良い」という人もいます。

ではどちらが良いのでしょうか?

生命保険というのは非常に合理的な金融商品です。「貯蓄性保険」と「掛け捨て保険+貯蓄・運用」とで、大きな差が生れるのであれば、どちらかはとっくに淘汰されていなかればなりません。そうなっていないということは、どちらを選択しても間違いではないのです。

結局、自分のライフプランを考えれば、「貯蓄をすること」も「万一のために保障をもつこと」も必要になります。

であれば、自分で貯蓄や資産運用をしっかりできて、その貯めたお金を出さないでやりくりできる人は「保障と貯蓄・運用を分けて」も良いかもしれませんし、逆に、「貯めたお金を使ってしまうかもしれないから、生命保険で強制的に貯まる方が良い」「保障と貯蓄が一緒にできるのであればシンプルでわかりやすい」と考える人は貯蓄性保険でやれば良いのです。

もっと言えば、「掛け捨て保険」と「貯蓄性保険」のハイブリットにしたって良いのです。この質問については本当に様々な意見があると思いますが、どちらが良いかなんていうのはその人の主観に過ぎないので、考えても答えはありません。

資産運用だって元本割れするリスクはあるものですから、不確実なものと比較するのがそもそも難しいのです。ご自身の性格や考え方によって、理解、納得した上で、選択していただければ、それが結果的にあなたにとっての正解になります。

(3)保険に加入しているのに保険金、給付金が何ももらえないは損なのか?

そもそも生命保険とは、もしものことが無ければ1円たりとももらえないのが基本です。何事もないのにお金がもらえるのであれば、みんな利用します。健康お祝い金や配当金が出るタイプの生命保険もありますが、それらの原資は元をたどれば、皆さんが払った保険料です。

そういう還付があるものは継続や健康を促すうえでも有用なので、必ずしも悪いわけではありませんが、生命保険というのは非常に複雑ですので、何も知らない人と保険会社とでは絶対に保険会社が有利になります。

ぜひ皆さんは、本当に必要な範囲を見極めて、理解、納得した上で生命保険という金融商品を活用してほしいと思います。

<関連コラム>生命保険は必要なし!?あなたが保険に入る必要がない3つの理由

6.まとめ

生命保険は日本人の90%近い人が加入しているといわれています。ですが、保障内容や商品の特徴を詳しく理解していない人が多いのも特徴です。

生命保険には「情報の非対称性」が存在します。何も知らなければ、間違いなく負けてしまいます。

保険を見直す際にも商品の良し悪しの前に「誰のために、いつまで、いくら、どのような保障を必要なのか」ということを確認し、通常ではカバーできないところを補う意識をもっておくことが何よりも大切です。

生命保険は決して、一般論では選べません。必ず、その人のパーソナルな部分が選択する上でのカギになります。

一度始めると非常に長く、高額になるのが生命保険ですので、ぜひ「価値あるお金の使い方ができる」ようにしてほしいと思います。

2020年6月11日
text by 久保田 正広
FPバンク

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