FP相談で効果を最大にする6のポイント

FP相談の6つのポイント

住宅の購入や資産運用などを考えた時、専門家の意見も聞いてみたいって思うことありませんか?

そんな時、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する人が増えています。

FP相談には、あなたのお金の不安を解消し、向かうべき方向を明らかにしてくれる効果があります。

ただまだ新しいサービスゆえに、疑問や不安な点がある方も多いのではないでしょうか。

せっかく相談に行ったのに「そういう相談はやっていません」となったり、相談に乗ってくれたけど一般的なことしか聞けなかったり、なんてことにならないようにしたいですよね。

そこでこの記事は、安心してFP相談していただくためのガイドとして、

  1. FP相談ってどんなことをするの?
  2. FP相談の要は「ライフプラン・シミュレーション」
  3. FP相談で効果を最大にする6つのポイント
  4. FPに相談できること・できないこと
  5. FP相談の料金相場はどのくらい?
  6. FP相談の注意点
  7. FP相談の流れと準備すること

以上の7項目をまとめしました。

貴重な時間を使って行くFP相談を成功させるためにも、サクッと読んで、疑問をスッキリ解決しましょう!

1. FP相談ってどんなことするの?

FP相談ってどんなことするの?

FP相談とは、人生の夢や希望を実現するために、ファイナンシャルプランナー(FP)に経済的な側面からアドバイス(ファイナンシャル・プランニング)をしてもらうことです。

人生の夢や希望には、例えば、

  • 老後は海外に移住したい
  • 子供を留学させたい
  • マイホームがほしい

などが挙げられます。

FPは、どんな資金計画を立てたらその夢や希望を叶えられるのかを一緒に考え、最適なプランを作ります。

これは、単に数字や金額を書き出して表にまとめる、だけではありません。
相談者の価値観や想いも加味した、ライフプラン(人生計画)を作るのです。

もちろんプランを作るだけでなく、実現にあたっての課題の洗い出しや、解決のサポートまで行います。

その結果、将来の資金を計画的に準備することが可能になり、漠然としたお金の不安を解消することができるのです。

2. FP相談の要は「ライフプラン・シミュレーション」

FP相談の要は、相談者の現状や将来の夢をもとに作成した、ライフプランのシミュレーションです。

そのためFPは「ライフプラン・シミュレーションのプロ」とも言えます。

ライフプランは、相談者の現在の家族構成、家計の収支状況・資産・負債などのデータ、将来に思い描く人生の夢や希望などをベースに作成します。

そしてライフプランを使って、家計の収支や貯蓄残高がどのように推移していくのかを生涯にわたってシミュレーションすると、“家計の課題”や“夢の実現に必要なもの”を明確にできるのです。

シミュレーションする内容としては、例えば、以下のようなものがあります。

  • これから子供をもう1人産んでもやっていけるか?
  • 子の独立まで毎年必ず家族旅行にいきたい
  • 65歳で定年退職して、海外に移住したい
  • この住宅を買っても家計は大丈夫か?

ライフプランシミュレーションを行うと、こういった人生の岐路において、根拠のある判断材料をもって選択することができるようになります。

このように、ライフプランはFP相談で必須のツールであり、相談の要なのです。

3. FP相談で効果を最大にする6つのポイント

さて、FP相談さえすればあなたの抱える不安が全部解決する、という訳ではありません。

その効果を最大にするためには、以下の6つのポイントを押さえておくことが大切です。

(1) 相談の目的を家族のHappyに設定する

FP相談で大切なのは、自分や家族の希望・想いを伝えることです。

相談を受けるFPが、あなたの相談の目的やゴールを決めるのではありません。

相談の目的を”家族のHappy”に置いて、不安に思っていること・解決したいこと・叶えたい願いなど、漠然とした状態でも構いませんので、しっかり伝えましょう。

≪Happyな状態の具体例≫
  • 漠然としたお金の不安が解消できた!
  • 将来が見通せるから、もやもやがスッキリ!
  • 教育方針など夫婦で話し合えてGood!
  • いくら使って良いかわかり、罪悪感が消える
  • 無理なく節約できて、負担感から解放される
  • 安心して住宅の購入ができるようになる
  • 転職や第2子の判断ができるようになる

(2) 家計の現状分析で課題を”見える化”する

FP相談を単なるお悩み相談で終わらせないためには、「本当の問題は何なのか」という課題の洗い出しが重要です。

FPは、まずキャッシュフロー表を使って、家計の健康診断(家計の現状分析)を行います。家計の収支や貯金残高を将来に渡ってシミュレーションして”見える化”するのです。

ここまでやるからこそ、貯金ができなかった本当の理由など、自分では気づけなかった課題を発見できるのです。

(3) 「6分野の幅広い観点で見てほしい」と依頼する

例えば、家計改善のために保険の見直しをしたいと思った時、保険だけに焦点をあてるのでは不十分です。

ライフプラン・保険・資産運用・税金・不動産・相続、これらFPの6分野全ての観点から検討してくれるようにFPに依頼しましょう。

生涯にわたる大事な判断をするわけですから、視野を広げて、多面的かつトータルな分析やプランにすることが大切です。

(4) 将来の夢や想いを載せたプランにする

改善後のライフプランは「現在だけ見る・数字だけ直す」でなく、叶えたい夢や家族への想いが形になった未来に焦点を当てて、作りましょう。

そうすることで「我慢して仕方なくやる対策」ではなく、「自分がやりたいことを叶えるための前向きな対策」が打てるのです。

例えば

  • 子供に留学させたい
  • 一戸建てがほしい
  • 早期リタイアしたい
  • 老後は海外移住したい

など、希望を明確にしましょう。

(5) 自分だけのオリジナルな対策にする

家計の健康診断によって、自分の固有の課題が明確になります。

そこから導き出される改善策は、万人向けの一般論でなく、自分だけのオリジナルな対策になります。

家計がどう変化するか見えるので、どんな対策を打つべきか、自ら判断できるようになるでしょう。
そうすれば、目的を持って具体的な行動に移せることになるので、着実に相談効果を引き出せるようになります。

(6) 定期的に見直しをしてもらう

ライフプランは、30年を超える長い計画です。一度立てたら終わり、ではありません

年齢とともに家庭の状況にも変化が出てくるでしょう。

定期健康診断を受けるのと同じような感覚で、数年に一度、家計の健康診断をしていくと、何か問題が生じていても早期発見ができます。
そうすることで、かかりつけ医のように、何か不都合があればすぐに相談に乗れるといったメンテナンスが可能になります。

ライフプランを立てているからこそ、ずれたかどうかのチェックができるのです。

以上のようなポイントに対応してくれるFPかどうか、ホームページ等でチェックしましょう。または、初回相談無料の制度があれば利用して、本当に相談相手として相応しいかどうか見定めてから有料相談に進むかどうか決めるのもお勧めです。

4. FPに相談できること・できないこと

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する時、「こんな事相談していいのかなあ?」「こんな要望に応えてくれるかなあ?」など、ためらってしまうことがないように、相談できること・できないことを事前に知っておきましょう。

(1) こんな相談いいの?FPに相談できること

FPに相談できることとしては、例えば次のようなものが挙げられます。

<家計管理>
  • 家計診断と家計見直しの処方箋
  • 節約・節税して貯蓄を殖やす方法
  • 扶養範囲内で働ける金額っていくら?
  • 結婚したら、夫婦でお金の管理はどうする?
<資産運用>
  • 初心者向けの投資信託の選び方は?
  • 資産運用の初心者におすすめは?
  • 資産運用の方法について相談したい
  • iDeCoやNISAについて知りたい
<住宅購入>
  • この物件買っても家計は大丈夫か
  • いくらの物件なら購入できるか相談したい
  • 今の時期、不動産は買うべきか
  • 住宅購入資金準備
<住宅ローン>
  • おすすめの住宅 ローン教えて
  • 変動金利と固定金利、自分の場合はどっち?
  • 住宅 ローンの選び方
  • 借り換えか繰り上げ返済か相談したい
<教育資金>
  • 子供の教育資金はどう準備する
  • おすすめの学資保険を知りたい
  • 住宅ローンと教育費の両方を払えるか不安
  • 留学させたいが、いくら貯めたらよいか
  • 生命保険の見直し方法を相談したい
  • 生命保険の選び方を知りたい
  • もっと保険料が安くならないか
  • おすすめの保険を知りたい
<相続・贈与>
  • 遺産を受け取った。どう運用すべきか
  • 遺言など、相続の準備について知りたい
  • 相続でもめないようにするにはどうする
  • 生前贈与で相続税の対策をしたい
<老後資金・年金>
  • 老後の生活費はどのくらいかかる?
  • 老後資金はどのように準備したらいいか
  • 年金はいくらもらえるの?
  • おすすめの個人年金を知りたい

(2) FPに相談できないこと

税理士や弁護士の行っている業務を、その資格を持たない者が行うのは、法律で禁じられています。
例えば、FPは一般的な税制の仕組みなどは説明できますが、税務書類の作成や税務代理など税理士の業務を行うことはできません。

<税理士業>
  • 確定申告書など税務書類の作成
  • 具体的な税額の計算
<弁護士業>
  • 遺言書の具体的な作成指導
  • 法律に基づく判断の提供

(3) FP相談のメリット・デメリット

FPには相談できること・できないことがあるのは、お分かりいただけたかと思います。

これに加えて、FP相談のメリット・デメリットも押さえておきましょう。

「何ができて、何ができないか」「どんなメリット・デメリットがあるか」、
これらを知っておくと、どんな時にFP相談をするべきか、その悩みの解決にFP相談がふさわしいかを判断してもらえます。

FP相談のメリット・デメリットには、次のようなものが挙げられます。

<FP相談のメリット>
  • 自分の場合どうすべきか、を正しく判断できる
  • 商品ありきにならない
<FP相談のデメリット>
  • 良いFPに出会うのは難しい
  • 相談するだけでは本当の解決にならない

要所要所で上手にFP相談を活用して、悩みを解決していきましょう。

5. FP相談の料金相場はどのくらい?

FP相談の料金相場も確認しておきましょう。

(1) 有料相談の料金相場

FPが有料相談を行う場合の一般的な料金相場は、時間当たりの料金に換算すると、おおよそ5,000円~20,000円の範囲に集約されます。FP業界として、定められた料金規定はなく、ビジネスモデルや相談内容などによって、各FP事務所が独自に設定しており、実際の料金設定方法や料金体系は様々です。

1時間当たりのFP相談料の調査結果(日本FP協会調べ)

引用:日本FP協会 相談料の目安(有料相談)

(2) 無料相談ってどうなの?

FPへの相談は、基本的には有料です。なぜかというと「相談そのもの」が商品だからです。

ですが当社のように、初回面談は無料にしているところもあります。
当社は、「FP相談をもっと気軽に利用してもらいたい」という思いがあるので、このようにしています。

6. FP相談の注意点

FP相談での注意点を知るには、まずFPの種類を知ることがはずせません。

FPは大きく分けて2種類に分けられます。
1つは銀行など金融機関に勤務している「企業系FP」。
もう1つは金融機関の資本が入らず、独立した立場で相談を受けている「独立系FP」です。

企業系FPへの相談では、その会社の金融商品の提案が前提になっていることを覚えておきましょう。
中には、商品を買ってもらうために相談結果を甘めに伝えてくる人もいます。

独立系FPへの相談では、本当にお客様のためになることをアドバイスするので、例えば「今回の住宅購入は身の丈に合っていません」など、厳しい判断をお伝えするケースもあります。

ただしそれだけでなく、どうすれば安心して購入できるか改善策もご提案します。むしろそれこそが独立系FPに相談することのメリットなのです。

7. FP相談の流れと準備すること

(1) FP相談の流れ

①現状分析
まずは、ご相談内容をじっくりと伺い、夢や希望を一緒に整理します。そ状分析のために、ライフプランシミュレーションを行います。

②家計見直しのご提案
ライフプランシミュレーションの結果から家計見直しが必要かどうか確認します。必要に応じて見直しのプランを提案します。

③実行支援
収支の改善や貯金のしくみなど、見直しプランの実行支援を行います。

★アフターサポート
ライフプランや環境の変化の際、または定期的に相談し、家計見直しが必要かどうかチェックします。まさに家計の定期健康診断ですね。

(2) 相談当日の持ち物

ご相談の際には、以下の資料があるとスムーズに相談を進めることができます。
もちろんご用意できる範囲で大丈夫ですし、用意できなくてもFPがしっかりヒアリングいたします。

ですが、限られた時間を有効に使うためにも、現在の貯金額やローンなど資産・負債の状況や収入・支出の状況がわかる資料を用意しておけるとベターですね。

また、どういった内容の相談をしたいか事前におおまかに伝えておくと、もっと効果的です。

<家計相談>
  • 家計簿(毎月の支出がわかるもの)
  • 預貯金の明細
  • 源泉徴収票
<住宅ローン相談>
  • 住宅ローン返済予定表
  • 住宅ローン残高証明書
  • 源泉徴収票
<保険相談>
  • 保険証券またはご契約内容のお知らせ
  • 老後資金・年金相談
  • ねんきん定期便
  • 年金保険やその他積立保険商品の証券
<資産運用相談>
  • 金融資産の明細
  • 運用可能な資金額

8. 最後に

FPは、お金の専門家ではありますが、お金のことだけをサポートしているのではありません。

お金の計画を含めた、ライフプランニングを大切にするために、相談そのものを大切にしているのです。

そのお客様にとって、本当に良いプランを提案するためには、真摯に話を聞き、どんな人生を送りたいのか、深く理解しなくてはなりません

環境の変化があってもすぐに的確なアドバイスができるのも、お客様一人一人のことを理解しているからです。

人生の長きに渡ってお客様をサポートする、それが本来のFPの役割です。

公開日:2018年12月18日
著者:久保田 正広
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