いくら必要?どう準備する?老後資金

海辺、砂浜、波打ち際

こんにちはFPバンク編集部です。
老後資金って、2000万円不足問題などが出てきましたが、かかるとはわかっているけど実態の見えませんよね。

実際いくら必要なのかってなかなかわからないものです。
そこで、老後の必要額を不足する原因と不足額、その解決方法までわかりやすくご紹介します。このコラムを読んで、老後資金の悩みとおさらばしましょう

1. 老後資金の必要額はいくら?

(1)余裕をもった生活を過ごすならいくら必要?

いざ、老後の生活費っていくら必要になるかと言われたら想像するのはなかなか難しいものです。
実際に余裕のある老後おくるには、一体いくら老後資金が必要となるのでしょうか。

家計の調査年報 平成30年度によると、余裕のある老後生活費は毎月36.1万円かかると言われています。ここから基礎年金および厚生年金、退職金を差し引くと、正味の老後資金不足額を調べることができます。

以下の条件で、夫婦ともに95歳まで余裕のある老後生活を送ろうとした場合いくら必要になるか計算してみましょう。

【条件】
・夫婦ともに65歳
・夫の定年退職65歳
・妻は専業主婦
・年金受給額は、夫は厚生年金受給額の全国平均、妻は基礎年金受給額の全国平均とする

361,000円-163,840円(夫厚生年金)-53,342円(妻基礎年金)=143,818円
143,818円×12か月×(95歳-65歳)=約5,177万円

ここから退職金があれば差し引きます。ここでは1,000万円と仮定します。
5,177万円-1,000万円=4,177万円となります。

65歳まで夫が働いていたためこの金額で済みましたが、定年退職が60歳で、65歳まで勤務できず収入が途絶えてしまった場合は、2,170万円が追加でかかり、合計で7,347万円必要になります。

(2)一般平均から必要額を考える

一般的に老後のひと月の生活費は、税金等込みで26万円~27万円ほどかかると統計データで出ています。この生活費より基礎年金および厚生年金、退職金を差し引いた正味の老後資金不足額を調べてみましょう。余裕のある老後生活と比較をするためにも、生活費以外の条件は同一とします。

270,000円-163,840円-53,342円=52,818円
52,818円×12か月×(95-65)=19,014,480円≒1,901万円
退職金が1,000万円あるので差し引くと1,901万円-1,000万円=901万円となります。

余裕のある生活と比較してみると、月々9.1万円ほどの差しかありません。しかし、その期間が30年もの長期間になると
9.1万円×12か月×30年=3,276万円と大きな差となります。

自分がどのような老後を送りたいかしっかりとイメージをした上で、老後資金の貯蓄を開始することが成功の第一歩になると言えるでしょう。

<関連記事>自分がどのような老後を送りたいかイメージする

2.老後資金が不足する原因を知ろう

前章にて、どのような老後を過ごしたいかによって必要となる老後資金が大きくかわってくることを述べましたが、そもそもなぜ老後資金が不足してしまうのでしょうか。

1番の理由は、年々年金の受給年齢が65歳まで引き上げられたことにあります。
ひと昔前は、現役世代が老後世代よりも多く年金の支払い原資も豊富にあったため老齢厚生年金が60歳から受け取ることができました。

しかし、近年の少子高齢化による年金の支払い原資が不足により老齢厚生年金の受給年齢が65歳まで引き上げられたため定年退職が60歳だった場合、再雇用による継続勤務をしないと最大で5年間収入がなくなる事態が発生するようになりました。

また、再雇用にて60歳以降も引き続き給与がもらえたとしても、現役世代の時と比べると50%程度に下がってしまうケースがほとんどです。にも関わらず生活のレベルを下げることは非常に難しいため生活費を減らすことができず、貯蓄を食いつぶしてしまい、老後資金が不足する原因となります。

次に物価の上昇(インフレーション)があげられます。
自動販売機のジュースを例に挙げてみると、30年ほど前の缶ジュースは100円買うことができました。しかし今はジュースを買うために130円払わなければなりません。

すべての物の価値がジュースと同様の比率で上がっているわけではありませんが、様々な物やサービスがインフレーションにより(日本のインフレ率推移)、年々より多くの金銭を支払う必要がでてきているにもかかわらず、受け取る年金額は、増えるどころか徐々に減少しており、現状、すでに年金受給額だけでは老後の生活費を賄うことができなくなるレベルにまで達しています。

そんな中でインフレーションによる物価の上昇がより一層進めば、老後資金が不足することは当たり前と言えるでしょう。

<関連記事>年金だけで老後生活は送れる?送れない?

3.どうやって貯める?

(1)どんな方法があるのだろう

老後資金の貯蓄には以下の方法があります。

・銀行の定期積立
・個人年金保険
・iDeCo
・つみたてNISA
・株式投資信託

どの方法にも共通しているのは、長期的に貯蓄(運用)して、収益を得る仕組みになっているということです。では、なぜ長期的な貯蓄が基本とされているのでしょう。

一つ目は、老後資金は貯蓄目標額が数千万円にのぼるため、積立の期間が短いと1回に積み立てる金額が莫大になってしまい、家計を圧迫しまうからです。
老後の安定のために貯蓄をするのに、その貯蓄のために現在の家計が回らなくなってしまったら本末転倒もいいところです。

二つ目は、より高いリスクを許容しなければならなくなることです。
短期間で数千万円という目標額を貯蓄しようとした場合、値動きが激しい商品で運用をすることになります。この値動きは必ずしも貯蓄額にプラスの作用をもたらすものではなく、場合によっては積立した金額よりも受け取れる金額が少なくないし、無くなってしまう可能性すらあります。

老後世代に近づくほど、再度貯蓄をすることは難しくなります。ましてや何千万円といった金額になればなおさらです。

(2)あなたにとってベストな方法を実践しよう

老後資金は短期間で積立てないほうがよいと伝えました。では、あなたにとってのベストな方法は一体なんなのでしょうか。それを考えるには2つ把握しておくべきことがあります。

まずは、積立期間をどのくらい用意できるかです。
例えば、老後資金が3,000万円不足するとしても、貯蓄期間が30年あれば月々の貯金額は8.5万円ですみます。また、期間に余裕があれば、iDeCoなども利用することにより、税金の還付が受けながら貯蓄するこことも可能になり、結果より効率的に貯蓄をすることができます。

逆に10年しか貯蓄期間がなければ、月々25.5万円もの金額を積立てる必要が出てきます。これに生活費や子供の教育資金が重なってきたら・・・簡単に5~60万円はかかってしまうでしょう。

目標金額に対して、何年で貯蓄しなければならないかが分かれば、自ずとどのような貯蓄方法で貯蓄をしたら良いのかの判断ができるようになります。

2つ目はどれ程の収益を求めるかです。
多く収益が見込めるならば、それだけ積み立てる金額は少なくて済みます。

いくら老後資金は長期的に積立て、元本を欠損しないようにした方が良いとのセオリーはありますが、とどのつまりは貯蓄にすぎません。最終的には実際に貯蓄しているあなたの状況や嗜好によって決定すべきです。

一生懸命貯蓄をしていても日々の生活に困窮してしまったら意味がありませんし、収益があまりに少なくて、貯蓄に意味が見出せなければそもそも継続すること自体が難しくなります。

多くの収益を求めると、リスクを許容する必要が出てきますが、あなたが充実感を感じられるものがあなたにとってよい貯蓄方法であると言えるでしょう。

この2点を頭に入れておけば、きっとあなたにとって1番よい方法貯蓄ができるようになっているでしょう。

<関連記事>資産運用のベストな相談先とは?知っておきたい大きな違い

4.まとめ

老後資金のセオリーとしては、元本欠損などが起きないよう安定性の高いもので長期に貯蓄や運用する方が良いとは言われています。

しかし、例えリスクがあったとしても、満足する収益性が見込める等、あなたにとって充実感が得られるもので貯蓄や運用することが長続きもしますし、結果あなたにとって一番よい貯蓄・運用になります。

たくさんの情報があふれていますが、これを機会にあなたにとってよい貯蓄法が見つかることを切に祈っています。

2020年7月7日
text by 久保田 正広
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