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2020.6.12
資産運用・投資

資産運用のベストな相談先とは?知っておきたい大きな違い

こんにちはFPバンク編集部です。
昨年末に老後資産2000万円不足問題がニュースになってから、資産運用に関心をもつ方々が増えてきました。

でもいざ始めてみようとすると、口座開設する金融機関をどこにするか、具体的な運用方法や商品の選び方はどうすればいいか等、たくさんの悩みが出てくると思います。

しかも、それを相談したいけど、誰にどこに聞けばいいのか分からない、という困った状況になっているのではないでしょうか。

そこで今回は、資産運用のベストな相談先について、それぞれの特徴や注意点をあげて解説していきます。

1. 資産運用を始めたいと思った時にまず考えること

(1)資産運用の目的・目標を決める

資産運用を始めようと思ったとき、相談先探しよりも前にやっておくべき大事なことがあります。それは運用の目的・目標を明確にすることです。

目的とは、例えば老後のための資産形成や子供の教育資金の準備といったものが挙げられます。使い道とも言いかえられます。これがあるのとないのとでは、資産運用に対する気持ちの入れ具合がかなり変わってきます。

目的がなかったら少しお金が殖えてきた時に「ちょっとぐらいいいよね」と使ってしまったり、資産の金額が大きく目減りしてしまったときに資産運用自体をやめたくなってしまったりするかもしれません。

資産運用は長期間つづけることによって成果が出るものです。運用する目的を決めておくのは運用の成果を上げるためにはとても重要なのです。

次に決めるのは目標です。金額と期間の目標を定めます。目標の金額と期間によって運用方針が変わってきます。たとえば老後のための資産形成が目的なら「60歳までに3000万円」という目標がたてられます。

仮にあなたが30歳だとすれば30年という期間で運用することになります。30年は体感的にも長いですし資産運用においても長期に当たります。

資産運用の強い味方である「時間」を有効に活用できるので、少しリスクが高めの運用を行ったとしても成果を上げられる可能性が高いです。子供の教育資金の準備を目的とする場合はどうでしょう。

「10年後に1000万円」といったところでしょうか。資産運用の味方になってくれる時間が少し短く、教育資金はいざ必要なときに減ってしまっていては困る資金です。この場合には高いリスクを取った運用は適切ではありません。

そうなるとリスク低めの運用を考えることになります。

このように目的・目標を明確にするだけでどの程度のリスクを取っていいかが判明します。これを事前に準備しておくことで、目先のおすすめ商品に流されず相談を有意義なものにすることが出来るのです。

リスク・運用期間

(2)資産運用にあてるお金はどんなお金?

目的と目標を決めたら、次は資産運用にあてるお金がどんなお金なのかを確認します。

一般的に「資産運用にまわすお金は余裕資金がいい」と言われています。でもこれは半分正解半分不正解といったところです。正確には「リスクの高い資産運用にまわすお金は余裕資金がいい」という表現が正しいと言えます。

金融商品にはたくさんの種類がありハイリスク・ハイリターンもあればローリスク・ローリターンもあります。したがって資産運用にあてようとしている資金がどんなリスクを取れるかを考える必要があります。その目安として考えるべきなのはお金の性格なのです。

お金は性格によって以下の三つにわけることが出来ます。

  1. 流動性資金:換金性が高い(現金化しやすい)お金
    例)現金、普通預金
  2. 安定性資金:将来使うため減らしたくないお金
    例)定期預金、債券
  3. 収益性資金:増やすために積極的に運用にまわせるお金
    例)株式、投資信託

〈参照サイト〉日本証券業協会ホームページ

このお金の性格がわかっていれば、自分の資産のうちどの程度までを安定性資金として安定的に運用するべきか、どの程度収益性資金として積極的に運用するべきか、そもそも流動性資金として現金のままにしておくべきかなどを把握することが出来ます。

そして相談を受けた方も、このお金の性格ごとにアドバイスをすることができれば見当違いなアドバイスを減らすことが出来ます。

たとえば安定性資金とするべきお金に対して株式等による積極的な運用を勧められ損失を出してしまった。収益性資金に位置づけられるのに普通預金にしてしまい全然お金が増えなかった。こんな事態をさけられるのです。

ただこれから資産運用を始めたいと思っている人にとってはこれらを理解して配分するのは難しくて面倒なことに見えてしまうと思います。

もし自分だけで考えるのが難しいということでしたら、相談をしにいったときにこのお金の性格の話をしてみてください。

2. 資産運用のベストな相談先とは?

(1)資産運用のベストな相談先とは?

さて、いよいよここからこの記事のタイトルにある「資産運用のベストな相談先」についてお話をしていきます。とはいっても資産運用に関するどんな悩みも全て解決してくれる相談先というものは正直に言ってないと思います。

相談先によって扱える商品に違いがあり、アドバイスできる分野も異なり、得意・不得意もあります。そんな中で自分にとってのベストな相談先を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?

大切なのは自分が相談したいことは何かを明確にしておくことです。まずはそれを解決してもらうことが最低限必要ですし、その相談したいことの専門家を探せばベストな相談先に近づくはずです。

さらに皆さんが気づいていない潜在的なニーズやリスクのことまで言及してもらえたらベストな相談先と言えるのだと思います。

(2)相談するときに気を付けておきたいこと

実際に相談するにあたってはまず自分の考えをしっかりと持っておくことを大切です。資産運用をする目的と目標を決められれば、この点はおおむねクリアしていると言えます。

資産運用や金融商品に関する知識をつけるのは時間がかかります。そして現役で働いている人が資産運用の勉強の時間を取るのはなかなか難しいものがあると思います。だから少なくとも「自分はこうしたい」という目的と目標を持っておくことが相談において重要になるのです。

資産運用は意思決定の連続です。「資産運用をやってみよう」と思い立つことから始まり、「どの金融機関で」「いつ」「何を」「いくら」「買うのか」「売るのか」など、考えることはたくさんあります。

そこで一番やってはいけないのが、「よく分からないから」「知識がないから」という理由で、自分の資産運用の判断を他の人にすべて任せてしまうことです。残念ながら日本の金融機関の多くは資産運用をやる上での本当の味方になってくれるとはかぎりません。

この理由については後述しますが、自分の資産を守るためには知識をつけることも大事ですが、まずは自分の考えをしっかりと持つことを一番大事にしてほしいと思います。

3.主な相談先の特徴と注意点

では本項では実際に相談先として挙げられる金融機関などの特徴と注意点を見ていきましょう。本記事を読み進めていただいているみなさんならば、相談する前の準備(運用目的の設定等)が大事なのはご理解いただけたと思います。

これから挙げるポイントを読んでどこが自分にとって適切な相談先なのかを確認していきましょう。

(1)銀行

皆さんにとってもっとも身近な相談先の金融機関としてはまず銀行が思い浮かぶのではないでしょうか。

銀行は店舗数も多く資産運用等のセミナーも頻繁に開催しています。相談窓口も多く設置されているため気軽に運用相談できる環境はととのっていると言えます。また預金口座を開設している銀行であれば銀行側はあなたの資産状況を把握しています。そのため自分の資産状況にあった運用提案をしてもらいやすいとも考えられます。

 注意すべき点としては取り扱っている金融商品の種類が少ないことがあげられます。銀行は証券会社に比べると商品ラインナップも少ない傾向にあります。資産状況を考慮した運用提案をしてもらえるというメリットはありますがラインナップが少ないのでお客様にあった資産運用が提案できない可能性もあります。

また銀行窓口での資産運用に関するアドバイスのレベルがあまり高くないケースもあります。理由は銀行窓口にとって運用商品の販売は専業ではないからです。運用商品にかぎらず販売のための知識はありますが、それは資産運用のための知識ではない場合もあるということです。

 そして基本的に手数料が高い商品のおすすめが多い傾向にあります。金融機関は主に商品の販売手数料で利益を上げています。運用商品の中には手数料が低いものもありますが、相談に行ったときに手数料の低い商品を勧められる可能性はとても低いでしょう。無料相談はボランティアではなく最終的に手数料の高い商品を買ってもらいたい意図があるということを頭に入れておく必要があります。

(2)証券会社

次に候補に上がることが多いのが証券会社です。銀行と証券会社を資産運用のアドバイザーとしての面で比較してみると、証券会社の方がより専門的といえるでしょう。

銀行よりも扱える金融商品の種類が多く、商品ラインナップも豊富です。特に、全ての金融機関の中で唯一株式をあつかうことが出来ます。

株式は投資信託に比べて、国内外問わず日々のニュースの影響をダイレクト且つリアルタイムに受けるため証券会社の営業マンは相場情報に敏感です。

会社としても相場動向に関する見解を常に持ち、最新情報や調査レポートを数多く揃えそれらを使いこなして運用の提案を行っています。したがって資産運用の相談先としてはメリットも多いと考えられます。

注意すべき点は銀行と同じく手数料の高い商品を提案される可能性が高い点です。証券会社も金融商品の販売手数料で利益をあげていることが理由となります。

基本的に手数料の低い商品は案内されず、つみたて投資より一括投資を勧められるので注意が必要です。

加えて証券会社各社が販売推奨する商品があるためそちらに誘導される可能性が高いという点もあげられます。

世界のトレンドや情勢に合った商品もありますが、購入時の手数料だけでなく運用中のランニングコストが高い商品もあり、費用対効果の面で疑問に思う商品もあります。

そして証券会社に相談するときに頭に入れておいてほしいことがもう1つあります。それは証券会社の営業マンは資産運用のプロでなく、商品販売のプロであるということです。

証券会社の営業マンの成績は商品売上高と販売手数料額が大きく関わってきます。販売した商品が値上がりしたかどうかはあまり関係ありません。

顧客の損益に関係なく商品の販売をできる人が評価される風土があるということです。

近年は取引が販売手数料を稼ぐための回転売買になっていないか、顧客資産を大きく損なっていないかを厳しくチェックされるようになりましたが、顧客利益を重視するフィデューシャリー・デューティーという考え方はまだはじまったばかりです。

したがって相談先に証券会社を選ぶ際には、銀行同様に自分の資産運用の目的と目標をしっかりと持つことがとても重要となります。

(3)保険会社

意外かもしれませんが保険会社も資産運用の相談ができる場所として挙げられることがあります。

米ドルを活用した外貨保険や投資信託に近い運用をする変額保険など、貯蓄性や運用性のある商品をラインナップとして持っていることが理由かもしれません。

また保険会社の人が資産運用のアドバイスをしてくれるのは保険が人生設計に大きく関わることが理由として考えられます。

資産運用は自分の資産を総合的に見て判断する必要がありますので、例えば外貨資産を持ちたいと考えた時に、保険商品を外貨建てにする等の選択肢を考えられるかもしれません。

注意すべき点は、担当者が資産運用の知識を持っていたとしてもあくまで彼らは保険のプロということです。

扱える商品は保険のみですから、必然的に保険を活用した提案になります。保険は途中解約にはデメリットが多くありますので、運用先として考えるときには十分注意してください。

(4)IFA

IFAとは“Independent Financial Advisor” の略であり、独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる職業です。特定の金融機関に属さないため、中立的な立場で資産運用アドバイスを行えるのが特徴です。

また銀行や証券会社と違い、転勤や人事異動がないので中長期的な目線での運用提案と、長期的な関係を築くことが出来ます。つまり、銀行や証券会社に比べると顧客の利益を優先して提案をしてくれる可能性が高いと言えます。

またIFAは資産運用だけでなく、例えばライフプランニングや税金関連、不動産など、多方面にわたるアドバイスを出せる場合が多いです。顧客の資産全体を増やすことを目的としているので、それに関わる事柄を幅広くカバーする必要があるからです。

注意すべき点は、銀行や証券会社と同じように、販売手数料が高い運用商品にかたよる傾向にあるということです。IFAは特定の金融機関に所属していませんが、顧客資産管理や取引のシステムは既存のネット証券等のものを使っています。

そして顧客が金融商品を買う時に払った購入手数料の一部を受け取ることで利益を上げています。そのため自分でネット証券から商品を購入するのに比べて、同じ商品を買ったとしても手数料が高くなる場合が多いです。さらにアドバイス料金やコンサルティング料が必要な場合もあります。

IFAが主な顧客としているのは富裕層となります。IFAはまだ日本では広く普及しているとは言えず、事業規模も小さいところが多いです。

そういった事業者が大手金融機関よりも顧客に寄り添ったサービスを提供するには、提供先を限定する必要があります。加えてIFAの主な収入源は商品の販売手数料です。そのため富裕層を中心とした、ある程度まとまった金額で運用してくれる人でないと利益を上げられないという事情があります。

(5)FP(ファイナンシャルプランナー)

FPは大きく二種類、銀行や証券会社等の企業に属するFPと属さない独立系FPに分けることが出来ます。ここでは独立系FPについてお話ししたいと思います。

独立系FPの特徴は、前項のIFAでもお話しした通り、中立的な立場で資産運用アドバイスが出来ることです。またFPのサービスの中心はライフプランニングにあります。

ライフプランニングとは、簡単に言うとお金の人生計画を立てること。つまり資産運用でお金を増やす提案だけでなく、家計改善やローン計画も含めた、あなたの資産形成全体についてアドバイスをもらえる可能性があります。

また、銀行・証券会社・保険会社・IFAと異なり、主な収益源はコンサルティング料である場合が多いです。そのため、手数料の高い商品を販売するより顧客に利益を出してもらってアドバイザー契約を長く続けることがFPにとってもプラスとなり、基本的には長期的な関係を築くことになります。

注意すべき点は、FP個人や事務所の能力や経験によって相談結果に差が出ることです。

FPがカバーできる分野は、家計改善・ライフプランニング・不動産・保険・資産運用・相続贈与・税金など多岐にわたるため、提供できるレベルにばらつきが出ることがあります。

したがって、資産運用の相談にFPを利用する際はそのFP個人ないしは事務所が運用相談を得意としているかどうか、自分の目的や目標にあったコンサルティングをしてくれるのかどうかを調べておく必要があるでしょう。

資産運用の相談先としての特徴と注意点まとめ

4.相談内容早見表

以下に、資産運用に関してよく耳にする相談内容と、どこが相談先に適しているかを一覧表にまとめてみました。参考にしてみてください。

相談先一覧表

5.まとめ

資産運用のベストな相談先について、なにかヒントは得られたでしょうか?

ここに書いたことが、各項目の全ての会社や事業者にあてはまるわけではありません。

例えば証券業界では近年ネット証券が存在感を増してきたり、資産運用に関して既存の金融機関とは異なる新しいサービスを展開する会社が出てきたりしています。

また4~5年程前に金融庁が全ての金融機関に対して顧客本位の業務運営に関する原則を提示したこともあり、顧客の利益に重きを置く流れが少しずつ起こりつつあります。

ネットでも多くの情報を集められるようになっているので、これからどんどん資産運用をするための環境は整ってくると考えられるでしょう。

繰り返しになりますが、資産運用のベストな相談先を選ぶためにはまず自分の考えを明確にしてください。

それを行った上で、本記事で書いた各相談先の特徴と注意点を踏まえて相談してみてください。きっとあなたの資産運用の心強い味方になってくれるでしょう。

2020年6月12日
text by 久保田 正広
FPバンク

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