FPへ有料相談ってどうなの?無料相談との違いや料金相場、メリット・デメリットを解説

FPへ有料相談ってどうなの?無料相談との違いや料金相場、メリット・デメリットを解説

こんにちはFPバンク編集部です。

1.FPの有料相談の料金相場と料金体系

「お金のこと、誰かに相談したい。でも、どこに頼ればいいのかわからない」
そんなときに浮かぶ選択肢の一つが、ファイナンシャルプランナー(FP)です。
でも、いざ相談となると 「費用はどれくらい?」「無料でも大丈夫?」と、不安や疑問を感じてしまうもの。
FP相談には「無料」と「有料」の2つがあり、相談できる内容や対応スタイルにも違いがあります。
この記事では、FP相談の料金相場や相談方法の違い、そして無料・有料それぞれのメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。

(1)有料のFP相談の料金相場

独立系FPへの相談は、相談そのものが目的ですから、通常相談は有料です。
ライフプランシミュレーションをしたり、金融の最新情報の入手など、相談して本当に良かったと思える相談体制やサービス内容を整える必要があるからです。
FPの有料相談の料金は、いったいどのくらいなのか、一般的な料金相場から見てみましょう。
FP業界として、有料相談の定められた料金規定はなく、ビジネスモデルや相談内容などによって、各FP事務所が独自に設定しています。

設定方法や料金体系は様々ですが、これらを時間当たりの料金に換算すると、おおよそ5,000円〜20,000円の範囲に集約されます。

1時間当たりの相談料の調査結果

1時間当たりの相談料の調査結果
出典:日本FP協会 FP業務調査 料金体系について

しかし、これでは相談内容やサービスの中身がはっきりしないので、次に大まかなサービス内容に対する料金体系と料金相場を見てみましょう。

(2)FPの相談内容と料金体系の関係

(FPバンクの独自調査による2020年8月)

(FPバンクの独自調査による2020年8月)

これである程度の相場感や同業者間の比較はできると思います。
しかし、お金を払ってまで相談する価値やメリットがあるのか、あるいは後で述べる無料相談でも十分なのか、わかりにくいでしょう。
そこで、次に無料組談の相談内容やメリット・デメリットについて理解を深めることで、有料相談に価値があるかどうか検証していきましょう。

2.FPの無料相談でどこまでできる?

2.FPの無料相談でどこまでできる?

1)企業系FPに相談する場合

金融機関に勤務するFP(企業系のFP)に相談する場合は、
その会社の金融商品を購入検討して頂くのが前提ですから、もちろん相談料はかかりません。無料です。
その商品に関してはどこのFPよりも詳しいのですが、他社商品や比較についてはあまり期待できないでしょう。

(2)独立系FPの無料相談を利用する場合

一方、独立系FPの場合は、基本は有料なのですが、無料相談もあります。
その場合の収益の柱は企業系FPと同じように金融商品の提供によるものです。独立系FPでも金融商品を提供することで、金融機関より手数料を受け取ることができ、エンドユーザーは無料で相談を受けることができます。
独立系FPによる無料相談の営業形態は、「乗合いの保険代理店」や「IFA」などがそれに当たります。

①乗合いの保険代理店とは

保険ショップの訪問版と言って良いでしょう。
FP無料相談で最も目にするのはこのパターンと言えます。様々な保険会社の商品を扱えるため、公式に比較ができ、商品選択の幅が広がるというメリットがあります。

②IFAとは

IFA(Independent Financial Advisor)とは、銀行や証券会社といった特定の金融機関に属さず、独立した立場から中立的なアドバイスを提供できる専門家のことです。
金融機関の営業方針や販売ノルマに縛られず、「お客様本位」の姿勢で提案ができるのが最大の特徴です。

同じ金融商品購入でも金融機関より、IFAや保険の乗合い代理店、保険ショップに相談した方が、選択の幅が広がり、相談も無料で行えるということになります。ここが企業系FPと独立系FPの大きな差です。
私たちFPバンクは、IFAとしての金融商品仲介業に加え、銀行代理業・生命保険・損害保険・宅建業といった幅広い業務を通じて、人生のさまざまなシーンに寄り添いながら、ワンストップで対応しています。
資産を「増やす」「守る」だけでなく、次の世代にどう引き継いでいくかまでを見据えたご提案を行うのが、私たちIFAの役割であると考えています。

(3)無料相談の内容やメリット・デメリット

これまでの内容を整理して、FPに無料相談する際のメリットとデメリットをみてみましょう。

メリット

FPに無料相談する際のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  1. 現在のお金に関する疑問や不安に回答してもらえる
  2. 現在から将来にわたってお金に関する課題がわかる
  3. お金をかけずに納得いくまで相談ができる
  4. 自分に合った最適な商品を教えてもらえる

無料のFP相談をすることで、お金に関する疑問や不安に対してプロのアドバイスが受けられます。それによって、現状の自分の課題が浮き彫りになるかもしれません。

時間制限のある場合もありますが、無料相談であれば分からない点や不安な点を、じっくりと納得できるまで質問することも可能です。

またローンや金融商品など、自分に合った商品やサービスを提案してもらえるというメリットもあります。

デメリット

FPへの無料相談によるデメリットは、以下のようなものがあります。

  1. FPによって知識に偏りがある
  2. 販売している商品ありきの提案になる可能性がある
  3. 不要な商品を提案されることがある

たとえば、住宅ローンについて相談したかったのに、対応したFPの専門が保険だった。
そんなケースでは、期待した情報が得られず、問題が解決しないこともあります。
同じ「お金のプロ」でも、得意分野や経験は人によって大きく異なります。
そのため、住宅ローンなら不動産や銀行系のFPへ、保険の相談なら保険代理店のFPへと、相談内容に合った窓口選びが大切です。

また、企業系FPの無料相談では、商品販売が前提となっているケースも。
この場合、販売ありきの提案になりがちで、必要のない商品を勧められるリスクがあるため注意が必要です。
「不安を減らしたくて相談したのに、かえって悩みが増えてしまった」
そんな事態を防ぐためにも、FPの選び方はとても重要です。
こうしたデメリットへの対策として「チーム制」で対応しているFPサービスの活用をお勧めします。
不動産・保険・資産運用など、専門分野を持つFPが連携して対応する体制であれば、 一度の相談で複数の視点からアドバイスを受けることができるため、提案の偏りも防げます。
それぞれの専門家が協力し合うことで、より安心で実践的なサポートが受けられるでしょう。

3.FPの有料相談の本当のメリットとデメリット

3.FPの有料相談の本当のメリットとデメリット

(1)米国のFP事情から見えてくるもの

FPの先進国であるアメリカではどのような料金体系でしょうか。チップの習慣など、日本に比べサービスに対する、フィー(相談料)の支払が常態化している米国ではFP業界においてもフィーオンリーの文化が進んでいます。 ※フィーオンリーとは:商品の販売をしない有料相談のみのサービスのこと

米国ではFP業務が法的にも整備されていることもあって、販売手数料を得ずに、フィーオンリーで独立系FPが活躍する事務所が多数存在します。肝心のフィー(相談料)ですが、最低でも年間に30万円はかかります。資産が多ければ年間数百万円になることも。長期間利用すれば相当な額になるでしょう。(億単位の金融資産を持っていれば問題ありませんが・・)

米国のフィーオンリー(相談料のみ)制度にも課題があります。それは、証券分野のみに限定される点と富裕層のみを相手にしている点です。「誰でも6分野の相談を気軽に」という形にはなっていません。

(1)米国のFP事情から見えてくるもの

(2)日本の独立系FP(有料相談)のメリット

では改めて日本において、独立系FPに有料で相談するメリットは何か?
わざわざ有料で相談して、効果やメリットが期待できる相談って一体どのような相談なのでしょうか?
FP相談の検討で最も大事な部分がこの話と言っても過言ではありませんので、よーく考えてみましょう。

1つは、先ほどの無料相談のデメリットの裏返しで、業種を超えた相談ができるということです。
Aさんの相談目的が、まさに「どうすべきか」という判断を求めている場合こそ、1業種に偏ったFPではどうしても限界があるのです。
これが業種を超えて相談にフラットな立場で相談に乗れるのであれば、運用するのか保険を使うのか、家を買うのが優先なのか、どれが正解なのかを考えることに相談者の立場になって徹底的に考えるという構図が生まれます。

それを表しているものの1つに相談の流れがあります。
それは、相談者の意図を潜在的なものも含めて丹念にヒアリングし、その上で入念な現状分析をしっかり時間をかけて行います。これがキャッシュフロー分析を中心としたライフプランニングです。
Aさんが住まいをどうすべきかの答えはここまでやらないとでてきません。
将来に渡って30年、50年といった長期のスパンで、子供のこと、働き方、年金や老後のこと・・総合的な見地からみて、課題は何なのか、どうすべきなのか最適解を導いていくこと、これこそがお金を払ってでも受けたい相談内容であり、有料相談のメリットなのです。

ここまで見てくると、FP相談に適したFPや適正な相談料というのは、厳密に言うと米国の例でもわかるように、無料か有料かということではありません。
本質は相談内容に対応できる体制にあるかどうかが大きく関わってきます。その体制とは、業種を超えた知識があるか、公式な提案ができる資格を保有しているか、特定の商品を勧めることがないようなインセンティブ(報酬体系)になっているかということです。

(3)日本の独立系FP(有料相談)の課題

①二重コストを払う恐れがある

日本の金融商品には販売手数料が含まれています。
言い換えれば、相談料無料を前提とした商品設計になっています。
これが金融機関や保険ショップでも相談が無料な理由です。ということは、もしFPに支払う相談料が高過ぎると、最終的に解決手段として金融商品を使う際に二重にコストがかかることになります。

②振り出しに戻る恐れがある

有料相談そのものは顧客にとって良質な情報を得やすくなりますが、最終的に課題解決手段として金融機関で商品を購入する段階で振り出しに戻ってしまうことです。
それは、購入時に結局企業系のFPに相談するという展開になるので、後出しのFPの提案に染まってしまう人が多いということです。これではせっかく独立系FPに有料相談しても、期待された効果を得られないということになってしまいます。

4.日本でベストな料金体系とは

それでは、このような日本の現状において、相談者にとって優位になるFP相談の仕組みはどんな形態でしょうか?
それは『一人のFPが全てを抱え込むのではなく、各分野に強みを持つFPがチームで連携する』という形です。

金融、保険、不動産、税制など、専門性の高い領域ごとに知識と経験を持ったFPが連携することで、手頃な料金でも質の高い総合的なアドバイスが受けられます。

専門性と相談実力を兼ね備えた『チーム制のFPサービス』
こうした体制が、これからの時代のベストな相談のあり方になっていくかもしれません。

5.FPの有料相談における注意点

5.FPの有料相談における注意点

有料のFPに相談する際にも、注意して頂きたい点があるので解説します。

相談料がかかるから良いFP、とは限らない

「有料相談料だから良い提案をしてくれる」とは限らないので注意してください。FPにはそれぞれ得意分野があり、保険商品のプロもいれば資産運用のプロもいます。
人によって得意とする分野が異なるため、「有料で相談したい分野の知識が不足していた」という場合もあります。

また相談に応じてもらえても、具体的な商品の提案や契約をしてもらえない場合も要注意です。

最適な商品を自分で探さなければならなかったり、契約を自分でしなければならないなど、サービス内容への不満や不足を感じることがあるかもしれません。

中立な提案でないケースもある

相談料が有料のFPであっても、中立な立場ではない可能性があるので気を付けましょう。

独立系FPであっても、商品を紹介したり販売したりすることで、手数料を受け取っているケースもあります。「有料相談でのFPの提案だから絶対に大丈夫」と過信することなく、本当に自分に必要な商品か、商品の内容を理解できているかを確認することをおすすめします。

事前に相談内容と相談相手をよく確認

FPに相談する前に、自分が相談したい内容と相談相手の資格や経歴をよく確認することも大切です。

相談したい内容が曖昧だと、FPも何を提案すべきか把握できない可能性があります。有料で相談したにも関わらず、何も解決しなかったという最悪のケースが起こるかもしれません。

自分が不安に感じているのが、NISAやiDeCoといった資産運用についてなのか、相続や終活についてなのか、不安点や疑問点を具体的に書き出してみると良いでしょう。

自身の相談内容に合わせて、その分野に強みを持つFPに担当してもらえる体制であれば、より的確で納得感のある提案が受けられます。
とくに、複数分野にまたがるライフプランの相談では、チームで対応するFP事務所ならではのメリットが感じられるはずです。

6.「初回相談無料」を活用しよう

6.「初回相談無料」を活用しよう

FPの有料相談を検討する際には、料金だけでなく「信頼できる相手かどうか」や「相談に値するか」といった点も気になるものです。

そこで活用したいのが「初回相談無料」です。
初回相談は、FPの提案力だけでなく、人柄や考え方を知る絶好の機会です。
特に、そのFPや事務所が掲げる「ミッション(=お客様にどうなってほしいか)」と、実際の対応にズレがないかは注目すべきポイント。
納得できるかどうかが、長く付き合えるかどうかの判断材料になります。

また、FPには得意分野があります。
保険・住宅ローン・資産運用・相続・教育資金など、相談内容に応じて適切なFPを選ぶことが重要です。
複数分野をカバーする事務所であれば、必要に応じて専門家と連携しながら対応してくれることもあります。
「この人なら安心して相談できる」と思えるかどうかは、実際に話してみないとわからないもの。
ぜひ初回相談を活用して、自分に合ったFPを見つけてください。

公開日:2025年08月29日
著者:久保田 正広
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