FPに相談しようと思った時、あれ、相談を本業としているFPってどこにいるの?FPの相談業務って一般的に普及しているサービスのかなあ?そもそもFPってどんな仕事なんだろうなんて素朴な疑問を持ったことはないでしょうか。
確かにFP相談は欧米に比べて普及も遅く、まだまだなじみのないサービスと言えるでしょう。また、仮に相談するにしてもFPってどんな人がやってるの?資格ってどんな概要で、何ができる人達なの?といった疑問が湧いて当然かと思います。
そこでこの記事では、FPとはどんな人かについてお伝えします。またFPを探す時に、押さえておきたい選択基準や、FPの分類についてもお伝えしますので、良いFPに出会うための基礎知識としても有効です。
例えば、「子供ができたら、教育資金として毎年3万円貯めましょう」と、一般論や平均値だけ言われても、簡単には納得、行動できませんよね。人それぞれ、家計の状態や将来必要になる額や、毎月貯められる額は全く違いますから。例えば、収入や年金の加入状況、家族構成やその変化、生活水準などの支出、金融資産や不動産、住宅ローンの金利や返済状況など、様々なデータから分析をします。これが家計の健康診断です。
ライフプラン相談とは、結婚したら家計はどうする?子供をもう1人産んでもやっていけるか?この住宅買っても大丈夫?老後資金いくら貯めたらいいの?など将来の夢や目標を実現するための人生設計(ライフプラン)についてお金の面で相談することです。
FPに結婚や老後など将来の人生設計=ライフプランの相談をする際には、家計の収支や貯蓄のシミュレーションが有効です。住宅購入・住宅ローンの診断や保険の見直し、貯蓄計画においても根拠のある判断材料を提供してくれます。FPはライフプランシミュレーションのプロフェッショナルなのです。
ライフプランシミュレーションとは毎年の家計の収支や貯蓄残高が、将来(生涯にわたって)どのように推移していくのかを予測・シミュレーションすることです。これによって結婚や子育て、老後における家計の姿がはっきりと見える化できるから、家計診断をする上で、極めて優れた人生設計ツールとなります。
1.ファイナンシャルプランナーとは
(1)そもそもFPって何をする人?
FPはくらしやお金の相談にのり、様々な悩みを一緒に考え、ライフプランの実現に向けて、家計を改善する専門家です。
あなたの豊かな暮らしや夢の実現のために、最適な解決策を立案・アドバイスし、実行をサポートできるよう、金融、税制、不動産、教育資金、年金制度など家計に関する幅広い知識が要求されるFP資格を保有しています。
日頃からお金やくらしに関する幅広く最新の知識を備え、私たちに寄り添って家計を見守ってくれる、言わばお金のホームドクターです。
FPに相談すれば、家計の見直し方やお金の貯め方・使い方がわかるのはもちろんのこと、人生100年時代、これからのライフプラン全体を見渡しながら、安心した暮らしができるようになるでしょう。
日本FP協会 FPとは
金融財政事情研究会 FPとは
(2)金融先進国アメリカでは・・
このように米国ではFPに相談することが当たり前になってきていますが、日本ではまだ始まったばかりです。
(3)FPはライフプランシミュレーションのプロ
ライフプランに基づく将来の収支の見通しを立てる手法で、課題の発見と改善策の立案に役立つ人生設計ツール。
2.FP資格ってどんなもの?
(1)FPの相談実力は、まず資格の確認から
一般的に普及している資格や検定には、NPO法人日本FP協会が認定するCFP資格・AFP資格と、国家検定であるFP技能士(1~3級)があります。それぞれの資格ランクの対応関係は下の表の通りです。どちらでもほぼ同じレベルの資格と言えます。
CFP資格
世界24カ国・地域で認められ、世界共通水準のファイナンシャル・プランニング・サービスを提供できるプロフェッショナルであることを証明する上級資格です。国際CFP組織FPSBとのライセンス契約の下に、日本では日本FP協会が認定を行っており、CFP認定者は2.2万人(2020年2月現在)
AFP資格
25年以上の歴史を持ち、国内で幅広く普及しているFP資格で、認定者は16.0万人(2020年2月現在)AFPとCFPは、2年ごとの資格更新に所定の継続教育が義務付けられている
日本FP協会 資格と検定の種類
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)
国家検定のひとつで、1~3級まであります。FP技能士の資格取得状況は、1級2.3万人、2級46.5万人、3級91.8万人(2020年7月現在)
尚、2級以上に合格し日本FP協会のAFP認定研修修了者は「AFP資格」の登録権利が得られます。
金融財政事情研究会
(2)FPの6分野に精通している証
実はFPは職業の名称として誰でも名乗ることができます。ただし、家計やライフプランに関するアドバイスは多岐にわたるため、まずは上の4つのいずれかの資格を持っているかチェックしましょう。以下の 「FPの6分野」は、FP資格の試験項目になっています。
FPの6分野
- ライフプランニング
- リスクと保険
- 資産運用設計
- タックスプランニング
- 不動産運用設計(住宅ローン)
- 相続、事業承継設計
日本FP協会 FPガイドブック
(3)FP業務に関連する法令などについて
FPは、各種の関連する法律に基づき活動しており、資格・認可が必要とされる業務については、法律の定める資格・認可を得ることなく、かかる業務を行ってはならない。
金融商品取引法
金融商品の複雑化、多様性ゆえに取引上のトラブルが増加してきました中で、金融商品の取引に関して投資家の保護を徹底するとともに、投資活動を促進するために制定された。 金融商品取引業を行うには内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
金融庁
金融商品販売法
金融商品についての知識・情報が金融商品販売業者に比べて乏しい顧客に対して業者の説明が不十分なために、トラブルになるケースが増えている。元本割れが生ずるおそれがあるときはその旨及びそれがどのような要因で起こるおそれがあるかについての説明がなされる。
金融庁
消費者契約法
消費者が事業者と契約をするとき、両者の間には持っている情報の質・量や交渉力に格差があり、消費者の利益を守るため施行された。消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を規定している。
消費者庁
特定商取引に関する法律
訪問販売、通信販売、連鎖販売取引等といった消費者トラブルを生じやすい特定の取引形態を対象として、消費者保護と健全な市場形成の観点から、取引の適正化を図っている。事業者の不適正な勧誘・取引を取り締まるための「行為規制」やトラブル防止・解決のための「民事ルール」(クーリング・オフ等)を定めている。
消費者庁
税理士法
非税理士により行うことが禁止される税理士業務
- 税務代理:税務官公署に対する申告等につき、又はその申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること。
- 税務書類の作成:税務官公署に対する申告等に係る申告書等を作成すること。
- 税務相談:税務官公署に対する申告等、主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずること。
国税庁
個人情報保護法
個人情報保護法は、利用者や消費者が安心できるように、企業や団体に個人情報をきちんと大切に扱ってもらった上で、有効に活用できるよう共通のルールを定めた法律。
個人情報保護委員会
日本情報経済社会推進協会