結婚にはいくらお金が必要?用意すべき金額の目安と準備方法を解説

結婚式

こんにちはFPバンク編集部です。
社会人になると、にわかに現実味を帯びてくるのが「結婚」ですよね。結婚は嬉しいことである反面、やっぱり気になるのはお金のこと。

「結婚にかかるお金はいくらなの?」
「せっかくだから色々お金をかけたい!貯金がないと結婚できない?」
「ブライダルローンって使ってもいいもの?」

等々、考えると知りたいことがいくつも出てくると思います。

そこで今回は、結婚前の準備から結婚後の新生活を安心して進められるように、結婚をリアルに考え始めた人に伝えたい、用意すべき金額の目安と準備方法を書いてみました!
あなたが知りたい、結婚を機に変わるお金のことをお話しします!

1.結婚式にかかる費用は平均393.4万円(2021年・首都圏)

(1)結婚にかかる費用は平均393.4万円(2021年・首都圏)

あなたがパートナーとの結婚を考え始めたら、お金のことが頭をよぎるのではないでしょうか?
ひとくちに「結婚」といっても、指輪、結婚式場、挙式、披露宴、新婚旅行、新居などなど、出費は色々です。

ブライダル大手のゼクシィが毎年結婚トレンド調査を行っているので、2021年の結果(調査対象2020年4月~2021年3月までに行った結婚式)を確認してみましょう。
結果は以下の通りでした。

費用名 2020年4月~2021年3月の平均額
結納式 19.4万円
両家の顔合わせ費用 6.9万円
婚約指輪 38.6万円
結婚指輪(2人分) 27万円
挙式・披露宴・披露パーティ 323.6万円
新婚旅行 30.5万円
新婚旅行土産代 4.2万円
総額 393.4万円
出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2021 首都圏 P.39

いかがでしょうか?
しかし、実はこの結果、2020年までに比べると約100万円も下がっていました
比較のため、2020年の調査結果(調査対象2019年4月~2020年3月までの結婚式)も同様に出してみます。

費用名 2019年4月~2020年3月の平均額
★結納式 36.3万円
両家の顔合わせ費用 7.2万円
婚約指輪 39.3万円
結婚指輪(2人分) 26.6万円
★挙式・披露宴・披露パーティ 382.3万円
★新婚旅行 66.0万円
新婚旅行土産代 10.5万円
総額 493.8万円
出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2021 首都圏 P.39

この差は、表内で★をつけた次の3項目が主な要因となっていました。

  • 結納式(約17万円の差)
  • 挙式・披露宴・披露パーティ(約60万円の差)
  • 新婚旅行(約36万円の差)

昨今のコロナ禍では、この3項目にかけるお金が下がってしまうのは、たしかに仕方がなさそうです。

とは言え100万円下がったとしても、それなりに大きな金額になってしまいます。
挙式・披露宴にかかる費用は、ご祝儀などで約6割程度をカバーできると言われていますが、4割だとしても150~200万円くらいは自己負担になる見込みです。

やはり結婚するとなると、それを見据えて少しずつ貯金をしておくことが必要だと言えるでしょう。

(2)結婚までに貯金しておきたい金額の目安は約200万円~300万円

では、結婚までにいくら貯金していればいいでしょうか?

前項でお伝えしたように、挙式・披露宴にかかる費用はご祝儀でカバーできる部分もあります。
ゼクシィの調査によると、上記と同じく2021年調査でのご祝儀の平均総額は176.8万円となっていました。
(出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2021 首都圏 P.39)

つまり、挙式関連については自分たちで用意する金額は、上記の(1)からご祝儀を引いた分になると考えられます。

  • 2021年の場合:393.4万円ー176.8万円=216.6万円
  • 2020年の場合:493.8万円ー223.7万円=270.1万円

直近の調査結果を参考にすれば、結婚までに約200万円~300万円は貯金しておくのがひとつの目安と言えるでしょう。

2.結婚に向けてお金を準備する方法

(1)先取り貯金

ここまでで、結婚にかかるお金を具体的に知ることができました。それでは、結婚に向けてお金の準備を始めましょう。

お勧めの準備方法は、ずばり、先取り貯金です。通常「貯金しよう」と考えたら、収入から支出を引いた残りのお金を貯金することを考えると思います。

でも、その方法では、つい使い過ぎてしまった時などには貯金する額が減ってしまうことになります。

そこで発想を変え、収入から貯金額を先に確保してしまいましょう。「収入―支出=貯金」を「収入―貯金=支出」に変えるのです。

この方法なら、例えば、二人で毎月5万円ずつ・ボーナス月は10万円ずつの先取り貯金をしていけば、1年半で200万円を貯金することができます。

結婚資金の準備は、結婚が具体的に視野に入ってきた段階から始めても十分に間に合います。二人で協力して、計画的にお金を貯めていきましょう。

<関連コラム>現役独立系FPが伝授する!家計見直しが成功する5つのステップとは?【全体編】

(2)ブライダルローン

そうは言っても、運命の出会いはいつ起こるか分かりません。そんなときに結婚資金の準備で使えるのがブライダルローンです。

ブライダルローンとは文字通り、結婚式や新婚旅行にかかるお金を貸してくれるローンです。
使い道が結婚関連に限定されているのが特徴で、例えば挙式・披露宴費用、衣装費、指輪代、新婚旅行などが挙げられます。
ものによっては、新生活のための住宅入居費や家具の購入にあてていいタイプあります。

結婚式場によっては代金を前払いで請求されることがあり、ご祝儀をもらう前に支払いをする必要があるので、そういった時にはブライダルローンが利用できます

メリットは、前述のとおりブライダルローンは使い道が限られているため、一般的なカードローンに比べると金利が低いことです。
しかし、カードローンに比べると審査が厳しく提出書類も多いというデメリットもあります。

実際の利用者ですが、新婚生活がいきなり借金ありの状態からスタートするのは避けたい思いがあるからか、そこまで多くはないようです。
しかし、事情があって資金を用意できないという人には心強い味方になりますね。

利用する際はしっかりと返済計画を立てて、新生活の負担にならないように十分に気をつけましょう。

ローンメリットデメリット

 

3.結婚とお金の本番は式後から

(1)結婚後のライフイベントを知っておこう

さて、晴れて夫婦となった二人。新生活を、大きな期待とちょっぴりの不安を持ちながら思い描き、二人で力を合わせて過ごすことになるでしょう。

改めてお伝えしたいのは、結婚はゴールではなく二人の人生の新たなスタートだということです。
新しい日々には様々なライフイベントが起こります。結婚とお金について考えるのは、実はここからが本番です。

ここで、これからのライフイベントと、どのくらいお金がかかりそうかを事前に知っておけば、実際にイベントを迎えるまでに準備しておくこともできるかと思います。一緒に確認してみましょう。

結婚後のイベントとして考えられること、まずひとつは出産が挙げられると思います。国民健康保険中央会の調査によると、出産費用は平均して約51万円前後かかるとのこと。

健康保険組合に加入している場合、申請すれば出産育児一時金を受け取ることができます。1児につき42万円支給されるため、実質負担額は10万円前後になります。

〈参照サイト〉公益社団法人国民健康保険中央会|出産費用平成28年度

奥様が仕事をしていると、出産にあたって産休または退職することが考えられますので、世帯収入が減ってしまいます。ですが、収入が減ったのに支出を抑えられないという話がよくあります。

きちんと対処方法を知っておかないと、コントロールできない状態が普通になってしまい、家計が赤字続きとなってしまうこともあるので注意が必要です。出産後も育休を取得することを考えると、それに備えた貯金が必要になるでしょう。

出産後はお子さんの教育費がかかりますね。教育費は人生の三大資金のひとつに数えられるほど、大きな金額になります。一般的には、保育園から大学まですべて公立なら約1000万円、私立なら約2000万円と言われています。

この間で一番お金がかかるのは大学進学時です。この点を踏まえると、高校卒業までに大学進学を見据えた資金の準備をしておく必要があると考えられそうです。

また、マイホームの購入を考える人も多いのではないでしょうか。住宅購入にかかるお金も、人生の三大資金に数えられています。多くの場合は住宅ローンを利用することになると思いますが、金額は様々です。

自分たちの家計の収支状況とライフプランをきちんと考えて適正な金額でローンを組まないと、人生の三大資金の最後のひとつである老後資金の準備にも影響を与えてしまいます。

ここに挙げたのは、結婚後にお金がかかる事柄の中で代表的なものになります。

<初回相談無料>結婚後のライフプランを立てる

(2)結婚は生命保険を見直すタイミング

このほか、結婚は生命保険を見直すタイミングと言われています。結婚して家庭を持ったら、独身時代と違い、もしもの時はパートナーや子供の生活のことまで考えないといけなくなるからです。

しかし若い世帯の場合、新居の準備も含めた結婚関連の出費もあり、十分な貯蓄ができていないケースが多いようです。そんな時に「もしも」が起こってしまったら、どうなるでしょうか?

すでに独身時代に保険に加入している場合、その保険のままでお金に関する不安を解消することができるでしょうか?もしくは保険に未加入の場合、これからも未加入のままで大丈夫でしょうか?せめて家族にはお金で苦労をさせたくない。

そう思う人が多いのではないでしょうか。保険は、条件を満たしていれば加入直後でも十分なお金を確保することができます。特に、貯蓄が少ない結婚初期には心強い味方になってくれるでしょう。

まずは、お互いが加入している保険のことを確認してみるのはいかがでしょうか?

<関連コラム>結婚したら保険は必要?結婚前は?加入タイミングと保障内容

4.まとめ

結婚準備から結婚後の生活まで、お金の動きを確認してみましたが、どうでしたか?
結婚を通過すると、人生でお金がかかるイベントはたくさん出てきます。その時にお金がなかったら、色々なことを我慢しなくてはならなくなります。

そういった事態を避けるためには、お金のことを普段からしっかり考えておくことが重要といえるでしょう。また、先にあげた先取り貯金ですが、これは結婚資金の準備だけに限った話ではありません。

これからの人生に必要なお金を貯めていくためにも、普段から取り入れていただきたい方法です。目標額を決めて、計画的に準備することを心がけ、ぜひご自身の希望を叶えていってください。

2020年6月12日
text by 久保田 正広
FPバンク

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