マンションは本当にデメリットだらけか?注目すべき7つの固有デメリット

「マンションはデメリットだらけだから、買うべきではない」

もし購入する住宅にマンションを考えていたとしても、こういったことを聞いてしまったら不安を覚えてしまうのではないしょうか。

先にお伝えしておきたいのは、マンションだけがデメリットだらけという訳ではない、ということです。

当然戸建てにもデメリットはありますし、中にはマンションと戸建てで共通するものもありますたしかに、しっかり対策しておいた方がいいものもありますが、実はそこまで身構える必要のないものもあります。
これらを整理できていれば「マンションはデメリットだらけだ」と悲観的にならずに、冷静に戸建てと比較できるはずです。

本記事では、まず前半でマンションのデメリット全般について整理していきます。
そして後半では、実際にマンションに住む上で把握しておくべき固有のデメリットとその対策について解説していきます。

対策内容については、現役FPとして年間100件の住宅相談を受けている筆者自身の知見や、提携する住宅業者から聞いた話も盛り込んでいます。

これらのデメリットを理解し、対策の筋道を立てて、安心してマンションを購入できるようにしていきましょう。

1. マンションだけがデメリットだらけではない

まず、マンションだけがデメリットだらけということはありません。
戸建てにもデメリットはありますし、それぞれ固有のものもあれば、共通するものもあります。

「マンションはデメリットだらけだ」という不安や決めつけは、住宅選びにおいて冷静な判断力を失わせてしまいます。また、戸建てのデメリットを軽視することに繋がる可能性もあります。

したがって、まずは両者のデメリットから整理していきましょう。

一般的によく言われているマンションと戸建てのデメリットを挙げてみます。

マンションのデメリット 戸建てのデメリット
  • 管理費用がかかる
  • 修繕積立金がかかる
  • 管理費と修繕積立金の金額は自分で決定できない
  • 住み続けたくても建て壊しになる可能性がある
  • 管理規約の順守義務と制限がある
    ex. リフォームやリノベーションの制限、ペット不可、楽器などの利用時間制限)
  • 上下左右からの住民の生活音が聞こえやすい
  • 災害時に避難しにくい
  • 駐車場代がかかる
  • 通信設備が共有のため、接続が遅くなりやすい
  • 理事会への参加
  • 自宅や周辺の管理に費用や手間がかかる
  • 将来、屋根や外壁の修繕費用がかかる
  • 工事音や振動、子供の声などが聞こえやすい
  • 火災保険・地震保険の保険料が高い(水災リスク・地震リスクがマンションより高いため)
  • 駅から距離がある
  • ゴミ出し時間の制限や収集場所まで距離がある
  • セキュリティ面が弱い
  • 年を取ってから階段の上り降りがストレスになりやすい

筆者が調べたところでは、両者のデメリットとしては、以上の項目がよく挙げられていました。こうして並べて見るとマンションだけが飛びぬけてデメリットだらけだということはないと言えるでしょう。

次に、この中から両者に共通するデメリットを抜き出してみましょう。

マンション・戸建てに共通するデメリット

  • 管理費用がかかる
  • 修繕費用がかかる
  • 騒音の問題
    マンションの場合:上下左右からの住民の生活音が聞こえやすい
    戸建ての場合  :工事の音や振動・子供の遊ぶ声などが聞こえやすい

上記の3つがマンション・戸建てともに発生しうるデメリットでした。詳細は2章で解説しています。

それでは共通デメリットを踏まえて、改めてマンション固有のデメリットを確認してみましょう。
これらは“集合住宅ならではのデメリット”とも言えるので、全て自分の意思で決められる戸建てと同じように考えるのは難しい面もあることを頭に留めおいてください。

マンション固有のデメリットを理解し対策を知ることができれば、住宅選びの選択肢を広げられますし、実際に住んでからの負担の削減にも繋げられます。

マンション固有のデメリット

  • 管理費・修繕積立金を自分で決定できない
  • 住み続けたくても建て壊しになる可能性がある
  • 構造上、災害時に避難しにくい
  • 駐車場代がかかる
  • 管理規約の順守義務
  • 通信環境が悪化しやすい
  • 理事会への参加

マンション固有のデメリットの詳細内容は3章に、対策は4章で解説していきます。

 

2. マンションと戸建てに共通した3つのデメリット

マンション・戸建て共通のデメリットは、どちらを選んでも避けようがありません。さらに、共通のデメリットではあるものの、両者の金銭負担やストレスは全く同一ではない点は注意してほしいポイントです。

この2章では両者に共通する3つのデメリットを、より詳細に解説します。

この内容がわかることで、マンション購入希望の方も戸建て購入希望の方も、どちらが自分にとってストレスや金銭負担が大きいのか、どちらが自分に合っていそうかを判断できるようになるでしょう。

2-1. 管理費用がかかる

管理費用はマンション・戸建てともに発生します。

マンションの住民は購入後、管理費を毎月支払います。
管理費は共用部分である廊下・エントランスの清掃 や敷地内の防犯カメラ等の設備維持などに充てられ、マンションに住んでいる間は支払いの義務がある費用です。

一方の戸建てには、毎月支払う管理費用というものはありません。
しかし例えば敷地内の雑草や害虫の駆除、玄関回りの清掃などの整備にかけたお金は、マンションにとっての管理費用に相当すると考えられます。

したがって、管理費用はいずれも発生すると考えられます。

なおマンションの場合、管理対象が戸建てに比べ広いので、金銭的な負担は戸建てよりも大きくなると言えますが、管理にかかる体力は戸建ての方が大きいと言えるでしょう。

2-2. 修繕費用がかかる

将来の修繕に備えた費用は、マンションも戸建ても準備しておく必要があるものです  

マンションの修繕積立金は、将来の建物の修繕のために毎月積立られています。これは主に将来のマンションの外壁・配管・エレベーターの修繕のために使われます。一般的に築年数が経つ毎に上がっていき、平均すると月15,000円くらいです。

しかし、修繕のための準備は戸建ても同様であり、屋根塗装や外壁のメンテナンスは定期に必要です。戸建ての屋根・外壁のメンテナンスは、一般に15年~20年毎に必要と言われており、かかる費用は150万円~200万円程度が目安です。

2-3. 騒音の問題

騒音に関する問題もマンション・戸建てともに発生するため、どちらにも共通するデメリットです。

マンションは、上下階と左右の部屋に住民が暮らす共同住宅のため、接している部屋の生活音がどうしても聞こえやすい傾向があります。例えば、上の階からの足音や子供の泣き声などが響いてストレスに感じてることがあるかもしれませんし、自分自身も騒音を立てないよう、気を配りながら生活をしないといけません。

では、戸建てに騒音の問題がないかというとそうではありません。マンションの上層階と比較すると、 戸建ては地上付近にありますから、車や工事の音・振動、子供が外で遊ぶ声などが騒音として聞こえやすいことになります。

性質は違うものの、どちらも騒音の問題はあることになります。

3. マンション固有の7つのデメリット

この3章では、マンション固有のデメリットについて解説します。

マンション固有のデメリットは、世帯ごとに分けられているとはいえ、多くの世帯が集まって生活することから生じるものが多いです。

まずはこの点を踏まえておけば、マンションと戸建てを冷静に比べることができます

3-1. 固有デメリット①:管理費・修繕積立金を自分で決定できない

2章で解説した通り、家の管理と修繕のコストはマンション・戸建て問わず、発生します。
その中でマンション固有のデメリットとなるのは、頻度や金銭的なコストを自分で決定することができない点です。

例えば、戸建ての場合、屋根や壁のメンテナンス頻度は所有者が自由に決定できますし、メンテナンス費用についても、それぞれの家庭の財布の状況で、 最低限でいいという人もいれば、十分なお金をかける人もいるでしょう。極論を言えば、メンテナンスを全くしないということもできる訳です。

このように戸建てには管理・修繕に自分の裁量をいれることができますが、一方のマンションは管理組合で決定した事項に従うため、異議があっても決まった管理費と修繕積立金を支払い続けなければならないということになります。

例えば30歳でマンション購入した方が80歳まで管理費15,000円/月、修繕積立金15,000/月の合計30,000円/月を払い続けたとすると、50年間で30,000円/月×12ヵ月×50年=1,800万円の負担になります。

戸建ての場合は自分のペースで修繕の計画を立てることができますので、予算も自分で決定できますが、マンションの場合は約1,800万円を高いと考えても、負担を強いられてしまう訳です。

3-2. 固有デメリット②:住み続けたい希望が叶わない

家は人生で最も大きな買い物です。当然、一生住み続けるというつもりでマンションの購入を決めた方もいるでしょう。マンションにおいては住民に関わる様々な問題を住民全員の多数決で決めることがしばしばあります。

その中でも、最も重要な決議がマンションの建て替えです。
最近は築100年以上のマンションも出てきていますが、マンションも老朽化が進みます。自分が建て替えに反対だったとしても、多くの人が建て替えに賛成だとしたら、それも叶いません

建て替えの決議は現在の法律では区分所有者の4/5の賛成かつ議決権の4/5以上の賛成とされていて、約80%の人の賛成が必要なので可能性は低いものの、自分の希望通りにいかない可能性も考えておきましょう。

またこれは余談ですが、建て替え決議の要件を3/4に緩和する議論もスタートしていますから、今後はより建て替え決議がしやすい法体系になる可能性があります

3-3. 固有デメリット③:管理規約の順守義務がある

マンションの管理規約は多くの住民が同じ敷地内で共同で生活していることもあり、一般的な日常生活より細かなルールが決められていることが多いです。特に騒音に関わる事項は厳しく設定されていますから、管理規約の内容が自分の希望する生活に合わない場合はストレスを感じるでしょう

具体例を挙げると以下のようなものがあります。
・リフォームやリノベーションの制限
・ペット不可
・楽器などの利用時間制限

3-4. 固有デメリット④:通信環境が悪化しやすい

マンションのネット回線は一般に共同利用になっています。その分安く利用できる点はいいのですが、アクセスが集中する夜の時間帯と休日は通常の速度よりも遅くなります

その結果、HPへのアクセスが遅い、動画が途中で止まるというようなことが発生します。最近は動画配信サービスを利用する方も増えていますから、利用頻度の高い方はデメリットの影響が大きいと言えます。

また、コロナの影響から在宅ワークも増えてきており、オンラインで会議や商談を行う方も出てきています。オンラインでの面談がスムーズに行われないと商談や会議にも支障がでることになるので、在宅ワークを行う方にとってもデメリットになりやすい項目です。

3-5. 固有デメリット⑤:理事会への参加

マンションの購入者は必ず管理組合に加入することになります。また、理事会を組織し、管理状況について情報共有したり、問題を話し合ったりする場を設けます。管理組合によって異なりますが、一般的に、数年に一度持ち回りで理事役員という役職に就き、理事会に参加しなければなりません

具体的には理事役員になると、定期に理事会の会議に参加をしたり、議事録の作成などの資料を作ることも仕事の一つです。会議参加と資料作成のための労働的な負担が生じることになります。

理事役員は立候補などでの選出もありますが、役員へのなり手が減っている状況を踏まえると、自ら進んで理事会に参加したいケースは少なくなってきており、そうした役回りが定期的にやってくることは覚悟しておく必要がありそうです。

3-6. 固有デメリット⑥:構造上、災害時に避難しにくい

マンションは災害時の避難に時間がかかってしまうことがデメリットになります。マンションの場合は避難場所に行くために、まず、地上に降りる必要があります。

しかし、大規模地震が起きるとエレベーターは使用できなくなるので、原則、階段で地上に降りなければなりません。

また、過去の地震によるマンションの被災実態で、壁に亀裂が入った結果、ドアが開かなくなったという被害が出ています。避難の際にドアが開かなくなってしまうと、避難できなくなってしまう恐れもあります。

その場合でも、ベランダにある避難ハッチや避難はしごで地上に降りる選択肢もあります。一般的には両端の住戸のバルコニーに設置されていますが、高層階からはしごを使って避難するには多くの時間と労力がかかってしまいます。

3-7. 固有デメリット⑦:駐車場代がかかる

車を所有する希望のある方はマンションの場合、別途、駐車場代かかります。車を所有している人からすると、マンションと戸建てを比較したとき、この点が最もコスト感を感じる点ではないでしょうか?

まず、戸建ての場合、通常、敷地内に車を置きますから、駐車代がかかりません。一方、マンションの場合、都内ですと月15,000円~25,000円程度の駐車場代がかかります。仮に、30歳の人が、リタイアをする65歳まで車に乗り続けたとすると、25,000円×12ヵ月×35年=1,050万円になります。

いつまで車を保有するかにもよりますが、マンションで車を保有する場合、駐車場代は見逃すことができない支出でしょう。

4. マンション固有のデメリットへの対応策

3章ではマンション固有のデメリットについて整理をしてきました。マンション固有のデメリットは前述の通り、数多くありますが、だからと言って購入してはいけないということではありません。

これからの第4章では3章で上げたデメリットに対しての対応策を順番に解説していきます。事前に対策できていれば、マンション固有のデメリットに対しても特段のストレスを感じることはなく、マンションを購入しても後悔することはないでしょう。

そして、あえていうと、特に戸建てと比べた時のデメリット要素が強いものは以下の5つです。入念に対応策を考え、準備をしておきましょう。
・「固有デメリット①:管理費・修繕積立金を自分で決定できない」
・「固有デメリット②:住み続けたい希望が叶わない」
・「固有デメリット③:昼夜を問わない騒音」
・「固有デメリット④:災害時の避難が困難」
・「固有デメリット⑤:駐車場代がかかる」

4-1. 対応策①:管理費・修繕積立金の水準が妥当か確認する

管理費・修繕積立金は自分で決定できません。マンションを維持管理していく上で、過大すぎず、過小すぎない妥当な管理費・修繕積立金はどの程度なのでしょうか。

これは、既に管理・修繕が行われているマンションが手掛かりになります

平均水準の確認方法としては公益財団法人 東日本不動産流通機構が集計した首都圏の 2020年度の  管理費・修繕積立金が参考になります。
このデータによると管理費は191円/㎡・月、修繕積立金:169円/㎡・月が、平均水準になります
(出典:http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202105_1.pdf

仮に、70㎡のマンションの場合、管理費は70㎡×191円/㎡=月13,370円、修繕積立金は70㎡×169円=11,830円となります。
この数字と実際に払う金額を比べることで、平均的な水準かまたは、大幅に乖離がある場合は自分は管理費・修繕積立金を平均的な水準よりも過大(過少)に払う可能性があるのか確認できます

仮に過大(過少)であった場合、それを不動産業者を通じて確認しておきましょう。なにかしらの理由があるはずなので、納得できる理由の確認が取れたら購入しても特段の問題のない物件と判断できます。

4-2. 対応策②:マンションの築年数と理事会の議事録を確認しておく

マンションの築年数と理事会の議事録を確認しておくと、住み続けたい希望が叶わない事態を防げる可能性があります

鉄筋コンクリートのマンションの法定耐用年数は47年ですが、47年を過ぎたら耐久性がなくなるということでなく、実際はメンテナンス次第です。しかし、建て替えが検討される一つの目安になります。

例えば、新築マンションを30歳で購入し70歳まで住むケースと90歳まで住むケースで考えてみます。

①70歳まで住む マンションの法定耐用年数が47年とすると、

30歳+耐用年数47年=77歳

77歳までは少なくとも、建て替えが行われる可能性は低いと言えます。

②90歳まで住む 上記と同じ考え方で、30歳+耐用年数47年=77歳とすると、

90歳ー77歳=13年

希望する90歳までに、法定耐用年数を13年オーバーすることになります。こうしたケースの場合は建て替えが行われる可能性があります。

しかし、②のケースのマンションを購入をしていけない訳ではありません。

法定耐用年数を超えたマンションも実際には数多く存在します。理由は建て替えは居住者への影響力が大きく、法律で建て替えの決議には区分所有者の4/5の賛成かつ議決権の4/5以上の賛成が必要です。よって、実際の現場では決議されにくいのです。

ただ、そうはいっても建て替え決議が行われてしまう可能性もありますから、事前の対策を考えておく必要があります。

建て替えを含めた将来のマンションの管理に関しては定期的に理事会が開催され、議事録も作成されています。一般に建て替え決議は、いきなりなんの前触れもなくやってくることはありません

決議の行われる数年前の段階から、理事会で議論がされており、議事録の内容は住民に回覧されているはずですから、建て替えを行う方向性があるのかないのか、また仮に行うとしても、いつ頃行われそうなのかという情報が事前に察知できるため、余裕をもった対応ができます。

法定耐用年数を超えそうなマンションに住み続けたい方は回覧される議事録を確認する習慣を身につければ、購入に踏み切ってもいいでしょう。

4-3. 対応策③:現在の居住者から騒音の情報をもらう

最近の、新築マンションはある程度の防音対策はできているでしょう。しかし、築年数の経った中古マンションは防音対策に不安が出てきます。その場合、まず、現在所有している居住者から情報を引き出しましょう

一般に中古マンション購入をする前には仲介業者の担当と内覧にいきますが、売主の方がまだ居住している場合、内覧の際に同席してくれるのが通常です。

物件内覧の際には現居住者の方に物件について質問をしたりすることもできますから、お隣さんや上層階はどんな人が住んでいて、騒音の有無や平日・休日・時間帯などによってどんな音が聞こえやすく大きさはどの程度なのかという観点で質問してみましょう。

もし、既に居住者が既に退去している物件であったとしても、あくまで、居住していた時点までの情報になってしまいますが、仲介業者の担当者を通して聞いてもらうこともできます。

いずれにしても、現在の所有者からの情報を聞き出した上で、許容できそうな騒音であるならば、購入検討に入ってもいいでしょう。

4-4. 対応策④:低階層に住む

災害時の避難のしにくさはマンションのデメリットです。特に高階層ほどそのデメリットは大きくなります。気になる方は、マンションの低階層に住むことを選択しましょう。

低階層に住むと水災の懸念がでてきますが、一般に3階以上になれば、水災のリスクはほぼないといえるでしょう。また、ハザードマップを参考にマンションの立地からみて水災の危険性がほぼない場所であれば、1階や2階に住むという選択肢もできます。

つまり、水災の懸念の低いマンションを選び、かつ低階層に住むことができれば、災害時に避難しにくいというデメリットを緩和できます。

4-5. 対応策⑤:カーシェアを利用する

都内でマンションを保有する場合、駐車場代のコストが戸建てに比べて大きな金銭コストになります。
そこでまず検討すべきは、本当に車が必要かといういう視点です。車が手放せれば、デメリットは解決します。

しかし、それでも必要という結論にいたった場合はカーシェアの利用も視野に入れてみましょう。金銭コストはかなり抑えられます。

カーシェアであれば、数千円の月額基本料金は常にかかってしまうかもしれませんが、それ以上は利用した時に上乗せされるだけだからです。利用頻度が少ないほど、カーシェアの方がお得になると言えます。

カーシェア マイカー
自動車税 ~110,000円
(車種・排気量による)
保険料 必要
ガソリン代 必要
駐車場代 15,000円~25,000円/月
基本料金 1,500円~2,000円/月
時間料金 200円~400円/15分
距離料金 10~20円/km
自動車本体 数十万円~数百万円

マンションに居住をしながらの車を保有する場合の年間維持費は60万円程度、都内場合、月の駐車場料金が、15,000円~25,000円程度になり、維持費のおよそ半分を占めます。車の利用頻度が少ない方はカーシェアを利用することで、駐車場の金銭的デメリットを半減できれば、マンション購入も検討できるでしょう。

4-6. 対応策⑥:購入前に管理規約を読む

管理規約は物件購入前でもみることができます。ただ、いざ一から読もうとすると量もあって大変なので、事前に自分が知りたい情報を絞っておくことが重要です。特に以下のことを気にされる方は関係する部分を仲介業者を通じて確認をしておきましょう。

・ペットを飼いたい、またはペット飼育が可能なマンションにデメリットを感じている人
・大規模なリノベーションを検討している人
・楽器など大きな音を出す可能性がある人

4-7. 対応策⑦:ネット回線を個別契約にする

マンションネットは回線が共同になるため、居住者の中にデータ通信量が多い人がいると速度が極端に下がるケースがあります。この場合の効果的な解決策はマンション共同のネット回線でなく、自分で個別契約にすることです。

しかし、個人で判断で個別のネット回線を利用することはできないので、通信速度が気になる方はマンション購入前に管理規約や管理組合にネット回線を個別契約にできるのか確認をしておきましょう

4-8. 対応策⑧:役員理事の決め方・頻度・マンション総戸数の確認

マンションの理事会の参加がストレスという方は役員理事の決め方や頻度とマンション戸数は購入前に事前に確認しておくと負担感がわかります。

まず、

  1. 特定の居住者で持ち回りなのか
  2. 居住者全員の持ち回りなのか確認しましょう。

1の場合、特定の居住者だけで持ち回りだと自分には回ってきませんから、自分の負担はありません。

ただし、

2の場合、負担感の程度を以下の方法で確認します。

  • 理事会が行われる年間の回数
  • マンション総戸数(マンションの総戸数が多ければ、自分に回ってくるケースは少ない)

まとめると2の場合は理事会の頻度が自分にとってストレスを感じない程度に少なく、かつ、なるべく総戸数の多い物件を選択すれば、負担感は軽減できますから漠然とした不安を払拭できます。

5. まとめ

このように、マンションだけがデメリットだらけということはありません。戸建てにもデメリットはあります。ここで重要なことはマンション固有のデメリットに注意して、事前の対策や心構えができていれば、マンションを購入をしても問題ないということです。

こちらの記事がマンション購入を検討している方の一助になれば幸いです。

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