住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)とは何をしているところなのか?

戸建て住宅

住宅金融支援機構は何をしているところでしょうか?

端的にいうと私たちの生活に欠かせない住宅をお金の面から支援をしてくれています。

例えば、老朽化した家を建て替えたいと思った時にスムーズな建替ができるようにフラット35という住宅ローンを提供しています。

▼フラット35については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
フラット35とは?どんな住宅ローンなのか現役FPがわかりやすく解説
フラット35の適合証明とは?手続きの基本から取れない時の対処法まで解説

1.住宅金融支援機構の役割とは?

(1)住宅金融支援機構は住宅取得をお金の面から支援

住宅金融支援機構(以下機構)って8つも漢字が並ぶので固い印象をもってしまいますが、わたしたちの生活にかかせない住まいを取得できるように支援する独立行政法人です。平成19年4月に設立され、主に民間金融機関と提携して全期間固定金利の住宅ローン(フラット35)を提供しています。

住宅ローン(フラット35)の提供のほかにも、住宅金融に関する調査や省エネ住宅・良質住宅の普及、震災時の復興支援、近年では空き家対策なども行っています。機構はこれらの国民の住生活をより良いものにするために、主にお金の供給側として活動しています。

 では、どのようにしてお金の供給をしているのでしょう。その一部を覗いてみます。

(2)機構は個人に直接融資していない!?

あなたは「フラット35」を聞いたことがありますか?これは機構が提供する全期間固定の住宅ローンの通称です。

機構は住宅金融市場にお金を供給することが役目ですから、住宅ローンをどんどん貸していると思っている方もいるかもしれませんが、実は個人に対して直接の融資はしていません。

ではどのようにお金を供給しているのでしょうか。
例えば、私たちがフラット35を申込みする際はフラット35取扱いの金融機関(大手都市銀行、モーゲージバンク、ネット銀行など)に申込を行い、その金融機関から融資を受けます。そして、毎月のローン返済もその金融機関で作成した口座から引き落とされます。

え?それじゃ機構はどこにも関わっていないのでは?と思いますよね。

実は融資をした金融機関は毎月の返済を受ける権利を機構に売却します。さらに機構はその住宅ローンを細かな証券にして、複数の投資家に対してローン証券を売却しているのです。

つまり、民間の金融機関は融資をした後、その融資金を機構が買取るので、融資金が結局戻ってくるわけです。

金融機関からすれば、機構が買取ってくれますから、事実上リスクがなくなり、個人のお客様に対しお金を供給し易いというわけです。
投資家は将来に渡ってローンの返済金を受け取る権利を持っていて、実際わたしたちが毎月支払っているローンの返済は最終的に投資家へ回っているのです。

機構は民間の銀行からローンを買い取り、証券化するという役割を担っています。

2.住宅金融支援機構と言えばフラット35!

(1)全期間固定の住宅ローンは珍しい?

先ほどもお話しましたが、機構が取扱うフラット35は全期間固定です。

民間の金融機関でも、5年固定や10年固定という金利体系があります。
これは決められた期間の金利は変わらないが、その後はその時の市場金利に応じて金利が変更されるというものです。

一方のフラット35は35年間金利が変わりませんが、民間金融機関で35年固定の取扱いはあまり多くないです。
金融機関からすると長期間金利が固定されると市場金利が上がった時に利益が下がるか最悪の場合、マイナスになってしまうリスクがあるからです。

(2)フラット35は有利か?

日銀によるマイナス金利以降、変動金利と固定金利の差が縮小したことで、弊社でも変動と固定どちらでローンを組んだ方がいいのかという相談が増えています。

20年以上続く低金利の状況や金利の低さからこれまで、変動金利が魅力的でしたが、マイナス金利以降はフラット35の固定金利にも注目が集まってきています。

住宅ローン金利が変わらないということは返済額が変わらないということです。家計から出るお金が明確になるため、ライフプランは立てやすいかもしれません。

(3)フラット35Sで優良住宅を普及

フラット35の中にはフラット35〝S〟というものがあります。
これは環境にいい省エネ物件や、耐震性に優れた物件の購入をする際に、フラット35から金利を一定期間引き下げるという制度です。

どんな住宅かは、以下の4つに分類されます。

  1. 省エネルギー性に優れた住宅
  2. 耐震性に優れた住宅
  3. バリアフリー性に優れた住宅
  4. 耐久性・可変性に優れた住宅

フラット35SのAタイプであれば、10年間▲0.25%引き下げられるので総返済額に大きな差が出ます。
このように優良住宅に対して金利優遇を行うことによって、優良住宅の普及につなげているのです。

3.災害時や地域特有の課題解決も!

(1)災害時には復興を支援

生活にとって住まいは大事なもの。地震などの大きな災害が起きたとき、機構は一日でも日常の生活が取り戻せるように復興を支援しています。

例えば、被災者が家を再建する際の融資をしたり、被災者が直接相談できるように現地に窓口を設置しています。
また、平成23年に起きた東日本大震災では被災された方が新しく住宅を購入した場合、当初5年間金利を0%まで引き下げる、災害復興住宅融資を利用するときに被災したことを証明する「り災証明書」を不要にする処置などを執っています。

(2)地方公共団体とも協定

地方では人口減少や空き家問題が顕著になっています。機構は地方公共団と協定を結び、「UIJターンによる移住・定着の促進」や「空き家対策」なども行っています。

フラット35の借入金利を一定期間引き下げる例として、地域連携型(子育て支援・地域活性化等)があります。
また、地方移住の活性化を図るための地方移住支援型なども引下げ対象になっています。

なお、これらの金利引下げはフラット35Sとの併用も可能になっています。

4.まとめ

住まいは生活にとって大事なモノであり、住居は人生で最も大きな買い物です。

住宅金融支援機構は、フラット35で私たちの住居取得をお金の面で支えてくれたり、災害時の支援などその他の面でも、〝住まい〟環境がよくなる活動をしてくれています。

 

2019年8月9日
text by 久保田 正広
FPバンク

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