女性保険はおすすめ?妊娠前に加入した方がいいって本当?

海辺でストレッチをしている女性

こんにちはFPバンク編集部です。

近年、晩産化に伴い帝王切開が増えています。その数は増加傾向にあり医療施設調査によると5人に1人が帝王切開による出産をしています。

妊活をしていると、『妊娠・出産前に女性保険に入った方がいい』という話を耳にしたことはありませんか。

実際はどうなのでしょう。また、年齢が上がるに連れ体の不調を覚えることも出て来ます。そんな時に女性保険を備えておくと安心なのでしょうか。

でもネットでおすすめを検索するとランキングなど情報が多過ぎて迷ってしまいます。

このコラムを読んでからおすすめ情報を見ればあなたに役立つ情報を選んで読めるようになり自分に本当に必要かどうかがわかるでしょう。

毎日を安心して過ごす為にも今からいざという時の為に備えておきましょう。

1. 女性保険の選び方

(1)女性保険とは?

女性保険とは医療保険に女性特有の疾病で入院や手術をした時にその保障が手厚くされる特約が付いたものです。

その保障内容は保険会社によりさまざまですが、女性特有の疾病で入院した時に一日当たり5,000円給付金が支払われる保障内容が、女性特約を付けると10,000円と手厚く支払われるものが一般的です。

他にも女性特有のガンと診断された時に50万円が支払われたり、乳房再建給付金として50万円支払われたりするものもあります。

もちろん保障を手厚くしますので特約の付いていない医療保険より保険料は高くなります。

ですので、ファイナンシャルプランナーとして女性保険の加入を検討しているお客様の相談に乗っていますと『医療保険で十分だわ』と特約を付けずに医療保険に加入されるお客様も多くいらっしゃいます。

今までのお客様を見ていますと特約を付けるか付けないかはその不安の大きさによるのかもしれません。

“女性保険はおすすめ?”というタイトルのコラムを読まれているあなたは『将来乳ガンになるかもしれない』『生理痛が重い』などのご自身の体調に不安を抱えているのかもしれませんね。

いざという時のために、まずは基本となる医療保険の選び方について見ていきましょう。

(2)「終身保険」と「定期保険」

主契約となる医療保険は生命保険と同じように保障が一生涯つづく「終身保険」と5年,10年,15年と決めた期間だけが保障される「定期保険」があります。

「定期保険」は『この先不安だからまだ続けたいわ。』と思ったら契約を更新して保障期間を延ばすことが出来ますが更新時の年齢で保険料は新たに計算されますのでそれまでの保険料より金額は高くなります。

例えば27歳で10年定期の医療保険に加入し37歳で更新となると37歳の年齢の保険料が適用されるということです。

また、予想外のトラブルでの長期入院、帝王切開や吸引分娩などの異常分娩も保障の対象(通常分娩は給付の対象外です)になることから妊娠・出産期にだけ加入する人もいるようです。

しかし、がん死亡率は40代から急激に上昇しますのでいつなるか分からない病気やけがに備えたいのであれば「終身保険」がいいでしょう。

(3)「貯蓄型」と「掛け捨て型」

医療保険には「貯蓄型」と「掛け捨て型」があります。

「貯蓄型」は保険に貯蓄機能が付いており契約途中で解約した際は解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻って来ます。

解約返戻金とは契約途中で自ら契約を解約した際や保険会社から解除された際にそれまで支払った保険料が払い戻されるという仕組みです。その金額は契約した保険の返戻率によります。

また、それまで健康で保険金の支払いが無い場合に健康給付金としてそれまで支払った保険料が全額戻って来るなんていう医療保険もあります。

保険料は「掛け捨て型」より高くなりますが、その給付金を教育資金や老後資金などに充てることが出来ますので保障と貯蓄の両方の機能を持ち合わせています。

一方、「掛け捨て型」は「貯蓄型」より保険料は低くなりますので保障は欲しいけれど保険料は抑えたいという人に向いています。
<関連記事>あなたにとっておすすめの医療保険とは・・・

2.妊娠前までに加入した方がいいって聞くけど本当?

(1)妊娠・出産前までに加入した方がいいと言われる理由

医療保険に加入するには生命保険と同じく告知診査があります。

その中には【妊娠していますか】【過去〇年以内に妊娠・分娩に伴う異常で入院した場合は手術をうけたことがありますか】という告知項目があります。

妊娠時に予想外のトラブルで入院した場合は分娩時に帝王切開や吸引分娩の異常分娩で出産すると該当しますので該当すると子宮や卵巣や卵管などが特定部位不担保(とくていぶいふたんぽ)となります。

特定部位不担保とは指定された部位は保障の対象外になるということです。

つまり、特定の条件が付いた医療保険加入後に妊娠・出産時に伴う入院や手術は保障の対象外になってしまうのです。

女性は社会進出にともないキャリアを積む時期と重なる為、平均初婚年齢が年々上昇しています。

図1の内閣府のデータによると1980年に25.2歳だった女性の平均初婚年齢は2017年には29.4歳となり4.2歳も上昇し晩婚化が進んでいるのが分かります。

結婚するタイミングが遅くなると自然に出産年齢も上がります。

同じく図1を見ると第一子平均出産年齢は1980年に26.4歳だったものが2017年には30.7歳となってこれも4.3歳上昇しています。

晩婚化晩産化に伴い妊娠高血圧症候群などの理由により帝王切開で出産する人は約5人に1人と増えていますが、特定部位不担保となると給付の対象外になってしまうのです。

妊娠前に医療保険に加入した方がいいというのはこういう理由からです。

図1.平均初婚年齢と出産順位別母の平均年齢の年次推移

出典:内閣府 「少子化社会対策白書 令和元年版」
<関連記事>帝王切開での出産、医療費はいくらかかる?高額医療費の活用方法

(2)妊活時に必要な保障が出る女性保険はあるの?

また不妊治療をしている人も告知の申告が必要です。これも該当すると特定部位不担保となります。

晩婚化・晩産化に伴い不妊治療をしている人が増えています。人工授精の1周期あたりの平均治療費は1~5万円、体外受精の1回の平均治療費は30万円~50万円と不妊治療は精神的・身体的・経済的・時間的な負担があります。

全額自己負担となる体外受精や顕微授精などの特定不妊治療に掛かる費用に適用される保険は民間でも一部出始めています。

また国や都、市区町村でも1回の治療につき15万円までの助成金が出るなどありますが、年齢制限や給付金や助成金を受けても経済的な負担が大きいのが現状です。

<参考>厚生労働省 不妊に悩む夫婦への支援について
<参考>東京都特定不妊治療費助成の概要

(3)女性特有の疾病

では、女性特有の疾病とはどういったものがあるのでしょう。

女性特有の疾病には乳ガン・子宮ガン・子宮筋腫・卵巣のう種・子宮内膜症・切迫流産・帝王切開などがあります。

特にガンは国立がん研究センターによると20歳~30歳は乳ガン・子宮頸ガン・甲状腺ガン患者が増えており、40歳以降になると部位別に順位が1位乳房・2位大腸・3位肺・4位胃・5位子宮になります。

また、死亡率は図2のように1位大腸・2位肺・3位膵臓・4位胃・5位乳房という順位になります。その中でも乳ガンは30年で約5倍に増加しております。

例えば乳ガンと診断された時医療保険でも保険金は支払われます。ただ、女性特有の疾患で入院する場合、プライバシーを守りたいと個室や少人数の部屋を希望することがあります。

その際は女性疾病特約の付いた女性保険ですとその保険金額は手厚くなりますのでいいかもしれません。その分、保険料は高くなりますのでどこまでの保障が必要なのかご自身で明確にしましょう。

図2.部位別のガン死亡率(1年間に人口10万人あたり何人死亡するか)

出典:国立がん研究センター

3.まとめ

女性保険は医療保険に女性疾病特約の付いた保険となります。

女性疾病特約の付いた女性保険か特約の付いていない医療保険に加入するか違いを理解して加入を検討しましょう。

また、妊娠時に予想外のトラブルで入院した場合は分娩時に帝王切開や吸引分娩の異常分娩で出産した後に女性保険に加入しようとすると特定部位不担保などの条件が付いてしまいます。

女性保険の加入を検討されている人は入院や手術のリスクが高くなる前の加入をおすすめします。

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2020年8月24日
text by 久保田 正広
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