住宅ローン金利はどうやって決まるの?ポイントは「短プラ」と「長プラ」

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住宅ローンを組む時、変動金利か固定金利を選ぶ必要があります。あなたはどちらの金利を選ぶでしょうか?

変動金利とは、金利が半年ごとに見直され、住宅ローンを完済するまで変動する金利のことです。
一方、固定金利とは、借入当初の金利が住宅ローンを完済するまでずっと続く金利のことです。

金利が今後下がる局面であれば変動金利を、今後上がる局面であれば固定金利を選択するのがセオリーです。

が、今後金利がどうなるかは誰もわからないのが正直なところです。
でも変動金利と固定金利はそれぞれどうやって決まるかを知ると、少しヒントになるかもしれません。

そこで今回は、住宅ローン金利を決める要素である「短プラ」「長プラ」について解説していきます。

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1.住宅ローンの金利は「短プラ」と「長プラ」によって決まる

住宅ローンの金利は、「短プラ」と「長プラ」という金利で決まっています。

それぞれどのような金利なのでしょうか?

(1)「短プラ」とは

「短プラ」とは「短期プライムレート」の略です。貸出期間が1年以内の短期間の金利のことを指します。

一般的にこの「短プラ」はメガバンクが発表するレートが基準になっており、住宅ローンの変動金利や教育ローンの金利の基準になっています。

このレートは半年ごとに見直しが行われています。

(2)「長プラ」とは

一方「長プラ」は、「長期プライムレート」の略です。貸出期間が1年以上の長期間の金利のことを指します。

「長プラ」に関しては、現在は大手都市銀行などが発表しており、10年国債の金利に影響を受けています。
10年国債の金利は住宅ローンの固定金利「フラット35」の金利に影響を与えていることでも有名です。

1989年以前は信用リスクに応じて金利を上乗せする金利決定方式で、公定歩合に連動した金利を元に決められていました。

しかし公定歩合が廃止された1989年以降は、市中金利の資金調達コストに連動して金利を上乗せする金利決定方式となっています。

2.「短プラ」「長プラ」が与える影響

(1)経済への影響

これらの金利が経済にどんな影響を与えるのか見てみましょう。

金利が下がるということは、企業や個人はお金を借りやすくなりますので、市場に流れるお金の流通量が多くなります。そうなることで、消費が活性化し、企業業績が上がるなどの効果があり、物価上昇も考えられます。例えば金利低下で住宅ローンを組もうとする人が増えれば、住宅着工件数なども増え、景気の刺激になるというのがセオリーです。

しかし現代では、政策金利(FF金利)で「マイナス金利」が導入されているにもかかわらず、「短プラ」「長プラ」の数値に大きな変化がなく、消費支出が刺激されていないのが実情です。それだけ経済が複雑化して、セオリー通りにいかないという状況が続いています。

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(2)住宅ローンへの影響

「短プラ」「長プラ」が与える住宅ローンへの影響ですが、短プラは2009年以降、20226月現在まで1.475%と変化はありません。ただ変動金利の店頭金利は変わらずに適用金利は下がっている傾向にあります。これは各行の金利競争によって下がっていると思われます。

一方の長プラは2011年以降下がり基調にあり、長期固定ローンの金利も下がっています。

しかしセオリーでは、景気というのは循環を繰り返し、インフレ刺激策を続けることによりいつかは上がるです。
ですので、5年後、10年後といった先には金利が上昇する可能性も秘めています。

また既に固定金利は1%前後、変動金利は0.5%前後の水準となっているので、さらに下げても下げ幅は0.数%に限られますが、もし上昇局面が来たら上昇幅によってはかなり大きな影響が見込まれます。(バブル時には8%を超えた変動金利時代もありました。)

経済環境がどう動くかわからない20年後、30年後までの住宅ローンを組む方にとっては、今の低金利で固定金利にしておくどうかは、一度真剣に考えておくべき選択肢でしょう。

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3.まとめ

史上最低の金利を更新している今は、単純に言えば、固定金利を選ぶのがセオリーでしょう。

しかし「短プラ」「長プラ」「低金利政策」がセオリー通りに効果を発揮していない状況を踏まえ、また自分の置かれている資産状況や今後の収支の見通し次第では、変動金利という選択肢が合っている場合もあるでしょう。

何れにしても、住宅ローンは将来のライフプランにとても大きな影響を与える選択になるので、自分にはどちらが合っているかを、よく考えてみる事をお勧めします。

2019年10月26日
text by 久保田 正広
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