こんにちはFPバンク編集部です。
個人年金をやった方がいいよって聞いたけどどんなものを選んだらいいんだろう?
そもそも個人年金ってなに?って悩んでいませんか。
個人年金と一口に言っても沢山種類があるしどれが自分に合っているのかわからない。
そこで今回はどんな個人年金があってなぜおすすめするのかそんな疑問にお答えします。
あなたにとっての最適な個人年金がきっと見つかります!
個人年金の加入を検討している人は是非チェックしてみてください!
目次
1. 老後の生活費が不足する?
(1)老後2,000万円問題
2019年6月3日に金融庁金融審議会の報告書が波紋を呼んだのは記憶に新しいと思います。
同報告書では、夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯では年金を受給していても、平均して毎月約5万円の赤字が出ることが書かれています。
仮に30年生きると仮定した場合、5万円×12ヵ月×30年=1,800万円と約2,000万円が不足するという計算になります。
これが老後2,000万円の根拠です。
<参考>金融庁 金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
(2)老後2,000万円をどう準備するか
30歳の夫婦が老後65歳に向けて2,000万円を準備しようとした場合、月々約5万円を貯蓄していく必要があります。
単純に銀行預金に積み立てるのも一つですが、同じ努力をするのであればなるべくお得にできた方が良いと多くの方は思うと思います。
また将来的にインフレが起き物価上昇した場合、ただ銀行預金で積み立てていると元本は保証されていますが実質的な資産価値は目減りしてしまう可能性があります。
お金を貯めることも大切ですが長期的な積み立ての場合、お金を殖やすことも考えた方が良いでしょう。
2.個人年金の種類
(1)確定年金
確定年金とは毎月保険料を支払い、満期を迎えると決まった金額が受け取れるというものです。
受給期間は5年、10年、15年など選択することができます。
例えば30歳の人が加入したとすると30歳から65歳まで保険料を支払い65歳から毎年10年間年金を受け取れるなどが一般的に多い形です。
万が一、受給期間中に亡くなってしまったとしても残りの年金は遺族が受け取れる仕組みになっています。
ただし、長生きをしたとしても受給期間以上に受け取ることはできません。
(2)終身年金
終身年金は支払っている間は確定年金と同じですが、年金の受け取り方が違います。
終身年金は一生涯年金を受け取ることができます。長生きをすればするほど沢山の年金を受け取ることが可能です。
しかし、早く亡くなってしまった場合は支払った保険料よりも受取り金額が少なくなってしまうことがあります。
ですので、終身年金の中には受取りの保証期間を設定できるものもあります。
保証期間中に亡くなってしまった場合は、遺族が残りの年金を受給することができます。
(3)定額年金
定額年金とは将来受け取れる年金の年額が決定している個人年金のことです。
支払った保険料は保険会社が運用していますが、運用の成果が良かったとしても悪かったとしても良くも悪くも年金額は変わりません。
(4)変額年金
変額年金とは支払った保険料の一部を投資信託などの運用商品の中から自分自身で運用先を選ぶ個人年金です。
将来の年金額が運用成果によっては大きく増える可能性がありますが元本は保証されていません。
(5)円建て
保険料を日本円のまま債券や株式等で運用する個人年金になります。
支払い保険料や将来の受取金額も日本円になるため、いくら払っていくら受け取れるかがわかりやすいです。
しかし、現状の日本国債の金利が低いことなどから外貨建てと比べると将来の受け取り金額はあまり増加しません。
(6)外貨建て
支払った保険料を日本円から米ドルや豪ドルなどの外貨に交換して運用する個人年金です。
円建てと比べると利率が高く、円建てよりも多く年金を受け取れる可能性があります。
しかし、円建てにはない為替リスクが存在します。
保険料を支払っている間は毎月、適応される為替レートが変わり年金を受け取る時も為替の影響を受けます。
ですが、年金の受け取りは日本円で受け取るか外貨で受け取るかその時に選択する商品もありますので、将来年金を受け取る際は有利な方で受け取ると良いでしょう。
3.個人年金控除を活用しよう
(1)個人年金控除とは?
年間で支払った保険料の金額に応じて、所得税や住民税の課税対象になる所得の金額から一定額が控除される生命保険料控除があります。
その中の一区分として個人年金控除があります。
個人年金控除を利用することによって所得税と住民税の節税を行うことが可能です。
所得税:年間保険料が8万円を超えていた場合、最大4万円が控除されます。
住民税:年間保険料が5.6万円を超えていた場合、最大2.8万円が控除されます。
控除を受けるためには所定の条件を満たして税制適格特約を個人年金に付加する必要があります。
個人年金の種類や支払い年数などによっては控除の対象にならない場合もありますので注意が必要です。
(2)どのくらいの節税効果があるの?
まず所得税の場合、控除される最大の4万円で考えると所得税が20%だとすると8,000円が年末調整で還付されます。
住民税の場合は最大の控除が28,000円、住民税は一律10%ですので、2,800円が還付されます。
このケースの場合は実際に手元に帰ってくる金額は年10,800円です。
少ないと感じるかもしれませんが、保険料を支払っている間はこの控除を受けることができます。
30年間保険料を支払うと10,800円×30年=324,000円が節税することができます。
税金は所得が高い人ほど税率が高くなり支払う税金も多くなります。
国として税金を優遇する制度ですので上手に利用したいですね。
<出典>国税庁HP
4.個人年金の選び方
(1)確定か変額か
まずご自身のリスク許容度を検討しましょう。
変額年金の方が大きなリターンを得ることが出来るかもしれませんが元本が保証されていません。
確定年金は加入したときにいくら受け取れるかが決まります。
しかし、そこまで大きなリターンは期待できないでしょう。
また最近ですと利率が変動するが最低保証のラインが決まっている商品なんかもあったりします。
ご自身がどの程度のリスクを負えるのか検討して選択しましょう。
(2)総返戻率で比較する
仮に30歳で加入して年金開始が60歳、年金受取10年間、保険料が月1万円で加入したとします。
総支払保険料は月1万円×12ヶ月×30年=360万円です。
年金が毎年40万円受け取れるとすると年40万円×10年=400万円が年金の総受取額になります。
400万円÷360万円×100=111%が総返戻率になります。
支払った保険料より11%多く受け取れるということです。
この総返戻率が商品、保険会社によって違います。
多くの方は同じ保険料を支払うのであればより受取額が増えた方がいいと思いますよね。
(3)商品の自在性は?
年金商品は様々あり保険会社や商品によって取扱いに違いがあります。
ある一定の期間がきたら保険料の支払いをストップしたりまた払ったりできる商品や受取り方も様々選べる商品があったりします。
長い期間保険料を支払い、10年くらいかけて受け取るので商品に自在性があるとよりいいでしょう。
5.iDeCoと個人年金の違い
(1)iDeCoとは?
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは、自分で作る年金制度のことです。
加入者が毎月一定の金額を積み立てあらかじめ用意された金融商品で自ら運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。
(2)節税メリット
個人年金は前述したように個人年金控除の対象になります。
iDeCoは支払った掛金が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になり、掛金に上限がありますが支払った掛金全額を所得から控除することができます。
ですので、税金に関するメリットの大きさは個人年金よりもiDeCoの方が高いと言えるでしょう。
(3)iDeCoのデメリット
iDeCoの最大のデメリットは60歳まで原則引き出せないことにあります。
ですので、お子様の教育資金がかかる時期などに資金を使いたくても使うことができません。
個人年金の場合は中途解約が可能ですのでいつでも引き出し可能です。
またiDeCoで資金を増やす場合は運用商品を自ら選択することになり、自身でリスクを負うことになります。
当然運用商品を選択した場合は元本保証はありません。
しかし、個人年金の場合は保険会社が運用してくれるので安心感は個人年金の方があるかもしれません。
<参考>iDeCo公式HP
<関連記事>インデックス投信とその効果的な運用方法
6.トンチン年金
(1)トンチン年金とは?
トンチン年金はイタリアの銀行家トンチが考案した年金の仕組みを使っており、一生涯の終身年金を受け取ることができる個人年金商品です。
長生きをすればするほどお得になりますが、早く亡くなってしまうと支払った保険料より受け取れる年金が少なくなってしまいます。
人生100年時代の長生きリスクに備えるには良いかもしれませんが、いまから老後資金をしっかり用意できる方にはあまり必要ないでしょう。
7.まとめ
個人年金をはじめる目的は一般的に老後資金の準備のためという方が多いでしょう。
個人年金以外にも老後資金を準備する方法は様々あります。
iDeCo、積立てNISA、貯蓄型生命保険、定期預金、国債、外貨預金etcなどからご自身にあった方法を選択していくことになります。
将来のリターンやリスクから選択するのも一つですが長期的な視点を持ち、今後のライフプラン(長期的な資金計画)から自分たちに合っている方法を探す方が無理なく続けることができます。
まずはライフプランを作成してそもそも老後資金の準備が必要なのか、自分たちはどのくらい準備しなくてはいけないのか確認することから始めましょう。
もしご自身で長期の資金計画を立てるのが難しい場合はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも良いと思います。
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<関連記事>FP相談って、どんな感じ?
2020年7月24日
text by 久保田 正広
FPバンク