家計見直しで、やりくり・節約から解放される4ステップ

家計のやりくりで苦しいとか、節約しているのに貯金(貯蓄)が増えない、なんとなく将来が不安・・。こんな時は、収入と支出のバランスが崩れているかも知れません。まずは、家計見直しが必要かどうかチェックしましょう。具体的な見直し方法についてもお伝えします。

1.家計の見直し方法

ライフプランの相談も家計の見直しもFP相談の一部です。この中からまずは気になる家計見直しの方法からお伝えしましょう。

(1)お金を増やす方法は3つしかない

お金を増やす方法は難しいと感じるかも知れませんが、実は次の3つしか方法はありません。 ①収入を増やす ②支出を減らす ③お金を運用して増やす 大切なのはそれぞれの見直し方法をいかに実行に移すかにかかっています。

①収入を増やす

転職でもしない限り、収入を上げるのは無理だよと聞こえてきそうですが、働き方の見直しだけでもかなりの効果があります。例えば、共働きにする、パートに出る、長く働くなどです。パートで年収100万円でも10年にもなれば1000万円ですから、貯金を相当殖やすことができます。

②支出を減らす

支出を減らす方法は大きく3つ。①節約②節税③金融の見直しです。節約しか思いつかなかった方もいると思いますが、節約はストレスも大きく、できれば最後の手段としたいですね。その前に節税と金融の見直しでストレスフリーに支出を減らしましょう。

③お金を増やす(運用する)

銀行口座に貯まっていて何もしていないという方多いのではないでしょうか。銀行預金は出し入れ自由という手軽さはあるものの、金利はほぼゼロですね。お金を預ける先を見直して、利回りやリターンの良い運用をしましょう。

2.貯金のコツ

上記の3つの貯金の方法を実践して、お金を増やすぞと思ったのになかなか増えないことがあります。実は貯金にはコツがあります。これを知っていないと思うように増えてこない、またはせっかく増えたお金を減らしてしまいます。

(1)貯金の方法とコツA

収入から支出を引いたものを収支(フロー)と言います。家計の見直しをして十分な収支があれば自動的に貯金(ストック)が増えていくはずですが、お金がざるのようにだだ洩れになってしまい、思うように貯まらないことがあります。これはいつの間にか使途不明金が増えて、貯金の増加の邪魔をしているのが原因のこともあります。では、収支(フロー)から着実に貯金(ストック)に回っていくにはどうしたら良いのか?

そのコツは、「お金が貯まるしくみ」を作ることです。例えば給与天引きや口座振替などで銀行預金から別の金融商品へ自動的に振り替わるしくみです。実際にお金が貯まっている人の多くがこのコツを採用しているのです。そして、貯めるべき金額がしくみ化されるよう見直せば、あとは自由に使っても大丈夫というおまけつきです。

(2)貯金の方法とコツB

収支を改善し貯めるコツも使い、貯まったお金を運用もした。ここまでやっても落とし穴があります。それがお金に関する様々なリスクです。例えば運用に伴う値下がりリスク、住宅ローンの金利上昇リスク、物価上昇リスク、事故や病気など万一リスクなどです。

こういったリスクからせっかく貯めたお金を守るには、それぞれのリスク対策が必要になります。そしてお金を守るコツは、いかにコストをかけないでそれらのリスク対策を行うかです。

(3)貯金の方法とコツC

最後にお金を運用する時のコツです。まずお金に色をつけて分けてみましょう。分け方は使う時期。短期(数年以内)・中期(10年前後)・長期(30年以上)です。使う時期に分けて運用を始めてみましょう。

短期のお金はいつでも出し入れできるように銀行預金にします。中期のお金は教資金が代表的な例ですが、確実性が高く利回りの良いものを選びます。長期のお金は老後資金が代表的な例です。これはある程度リスクを取りながらもリターンが期待できるものにします。もちろん、リスクを最小に抑える仕組みを盛り込むことを忘れないでください。

3.家計見直しをする前に

家計簿の目的は収入以上の支出をしないよう家計を健全に保つこと。では健全な家計とは収支がプラス(黒字)のことでしょうか?

(1)現状が良いのか悪いのか、まずは分析

赤字(マイナスの収支)って本当に悪いんでしょうか?1つの家庭でも「共働き・子供なし」の時や、「子供2人・妻パート」のように変化していきます。当然年間の収支は大きく変わります。だから、年によっては赤字の年があり得る。赤字だからイコール不健全という訳ではないのです。

逆に黒字だというだけでは健全とは言い切れません。今年は黒字でも、将来のことを考えるとなんとなく不安。年金や雇用の問題なんかもわかりにくい。このように漠然と不安を抱えている人は多いです。

ならば、年収や貯金の残高を平均と比べるのはどうでしょうか?実は平均と比べても、生涯を通じて健全で安心か、見直すべきかは測れません。家族構成や働き方、住宅など家庭によって全く違うからです。

(2)どんな状態が健全で安心と言えるのか?

では、どういう状態が健全で安心と言えるのでしょうか?健全で安心な家計とは、赤字や黒字を繰り返しながら、貯金の残高が生涯を通じてマイナスにならない家計です。しかし、未来の貯金残高がプラスかどうかなんて今わかれば苦労はない、わからないから「なんとなく不安」なのです。でもご安心下さい。未来の貯金残高が生涯にわたってプラスかどうかがあっという間にわかる方法があります。

(3)ライフプランシミュレーションで未来が見える

未来の貯金残高の推移が見える方法。それがライフプランシミュレーションです。子育て費用から老後の年金・生活費まで家計を計算できるので、生涯に渡って貯金(貯蓄)がどのように推移していくか見通すことができます。

4.FPによる家計見直しならこうなる

上記のような家計見直し方法は一般論であって、自分の場合はどう見直したら良いでしょうか。ライフプランシミュレーションをすればその答えが見えてくるのですが、シミュレーション結果に基づいて、自分の場合はどうすべきか客観的なアドバイスをくれるのがファイナンシャルプランナー(FP)です。

(1)もう家計簿は要らない?!

家計簿アプリが登場した今でも、レシートを貯めたり、クリジットカードやポイントの利用などを整理して、1年間の収支を正確に把握することは、とても手間暇がかかります。普段私たちが目にする家計簿は言わば過去家計簿(または現在家計簿)。しかし、本当に健全で安心できる家計に見直しするには、未来のことまで考えなければ意味がありません。

ライフプランシミュレーションは未来家計簿。この未来家計簿委に基づいて、貯金が増えるしくみを作ってしまえば健全で安心できる家計に導いてくれます。だからもう日々の過去家計簿をつける必要がないのです。

(2)ライフプランと家計見直しの相乗効果

もう一度上の図を見てみましょう。ライフプランシミュレーションをすると家計の問題点が見えてきます。そこで家計見直しをして夢や目標に一歩近づきます。すると、こんな場合は?あんなこともできるかな?と新たな可能性についてまたシミュレーションを行う。こうしてライフプランと家計の見直しを繰り返して本当に自分がやりたかったことを発見、かつそのために何をすれば実現できるかが自ずと見えてくる。これがライフプランと家計見直しの良さなのです。

(3)メリット・効果のまとめと注意点

家計簿が要らなくなることや貯金の方法やしくみも自分ごととして客観的なアドバイスもメリットですが。その結果自分や家族にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。

未来の収支まで考えたプランだからなんとなく不安みたいな漠然とした悩みも解消されます。そして家計のやりくりや管理が楽ちんになる。節約の苦しさから解放されて自動的に貯金ができる体質になることで、安心して日々暮らせることです。このような家計見直しには事前の現状分析なども含めると相当のエネルギーが必要ですが、FPPが全部サポートしてくれることも大きなメリットと言えるでしょう。

さて、良いことばかりに見える家計見直しですが、いくら自動化できる、家計簿不要と言っても、家計見直しは万能ではありません。環境の変化やライフプランの変化に合わせて、あるいは定期健康診断のように定期なチェックをすることが望ましいです。

最後に、家計見直しをFPに相談する場合、一般的には有料になります。ライフプラン相談とセットの場合もありますので、よく確認して下さい。尚、金融商品の提案資格がないFPもいますので事前にチェックしておきましょう。

公開日:2021年01月28日
著者:久保田 正広
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