教育費の平均を幼・小・中・高・大・院・専門まで徹底的に調べてみた

「子どもの教育にはどのくらいお金がかかるのかな?」
「私立ルートに進学すると、どのくらい教育費がかかるんだろう…」
「大学までに用意しておくべきお金って一体いくらなんだろう?」

こんなことを考えたことはないでしょうか。

子どもには望む進路を進ませてあげたいと思う反面、教育費をどう準備するかは、親にとって悩みの種だと思います。

今回は、子の教育費がいくらかかるのか分からないと悩む方に向けて、

  • 幼稚園・保育園
  • 小学校
  • 中学校
  • 高校
  • 大学・大学院
  • 専門学校

以上、6つの進路の教育費の平均について、政府統計などを中心に徹底的に調べてみました。

本記事を読んで、どの進路でどのくらい学費やそれ以外のお金がかかるのか等、全貌を掴んでもらえればと思います。

全貌が掴めれば、どうやって資金を準備するかという計画も立てやすくなるでしょう。

本記事が、教育費に関するあなたの悩みの解決に役立てば幸いです。

 

1. 幼稚園・保育園でかかる教育費の平均は約67万~192万円

幼稚園・保育園でかかる教育費の平均は、約67万円~192万円となりました。

教育費とは、幼稚園・保育園の利用料、給食費、学校外活動費の合計です。

幼稚園・保育園の教育費(合計)
公立幼稚園 約67万円
私立幼稚園 約158万円
認可保育園 約139万円
認可外保育園 約192万円

金額だけを見ると、幼稚園の方が良いように思えてしまうかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか?

本章で確認していきましょう。

本章では、幼稚園・保育園でかかる教育費を、統計を参考に以下のように分類しました。

  • 幼稚園の利用料
  • 保育園の利用料
  • 給食費
  • 学校外活動費

各費用の詳細についてみていきます。

1-1. 公立・私立幼稚園の利用料

公立・私立幼稚園の利用料の平均は1年あたり、公立幼稚園で120,738円、私立幼稚園で331,371円でした。

つまり、私立では公立の約2.4倍の金額がかかります。(下記表の「合計(小計①+②)」参照)

差が大きい費用で主なものは、授業料・その他学校納付金・通学費です。
その他学校納付金とは、例えば初年度入学金が挙げられます。私立ならではの費用と言えるでしょう。

公立・私立幼稚園の利用料(年間)
 

公立・私立幼稚園の利用料(年間)
公立幼稚園 私立幼稚園
授業料 66,206円 211,076円
学用品・実験実習材料費 7,203円 10,081円
学級・児童会・生徒会費 5,627円 703円
教科外活動費 460円 2,541円
その他の学校納付金 2,118円 46,820円
小計① 81,614円 271,221円
教科書費・教科書以外の図書費 1,370円 2,360円
寄附金 4円 347円
修学旅行・遠足・見学費 2,492円 3,494円
PTA会費 4962円 6,885円
通学費 5,831円 18,052円
制服 3,113円 8,075円
通学用品費 11,745円 10,372円
その他 9,607円 10,572円
小計② 39,124円 60,154円
合計(小計①+②) 120,738円 331,371円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

なお、上記のデータには「幼児教育・保育の無償化」の影響は含まれていません

この制度は2019年10月に始まりましたが、その影響を加味した「子どもの学習費調査」がまだ公表されていないのです。(おそらく最新データは2022年冬頃に発表されると思います。)

詳しい結果はデータを確認次第となりますが、ここで「幼児教育・保育の無償化」を考慮した場合の教育費がどうなるかを考えてみました。

結論としては、おそらく無償化によって、公立と私立どちらでも大差ない利用料になるのではないかと思っています。

なぜなら、無償化の限度額は年額30.84万円(月額2.57万円)であるため、公立・私立ともに上表の小計①にあたる費用がほぼ全額カバーできるからです。

したがって公立・私立幼稚園の年間利用料は、小計②の部分が中心になり、

  • 公立幼稚園:39,124円×3年=約12万円
  • 私立幼稚園:60,154円×3年=約18万円

となると考えられるのではないでしょうか。

最新の統計データが確認でき次第、結果を更新したいと思います。

1-2. 認可・認可外保育園の保育料

認可・認可外保育園の保育料は、約112万円~165万円です。

保育園の保育料が高くなる原因は、幼稚園とは違って、0歳から利用で最大6年分の費用となることです。

そのため、2019年から始まった「幼児教育・保育の無償化」の対象ではありますが、無償化の対象になる期間に注意が必要です。
3歳~6歳の利用料は無償になりますが、0歳~3歳までで利用した場合は無償ではありません

また、保育園にも認可・認可外保育園があり、保育料の決まり方も違います。

保育料の違い
認可保育園 親の収入によって保育料が決まる
認可外保育園 保育料を独自に設定できるため、保育料が高くなる傾向にある

では認可・認可外保育園の学費の平均月額保育料を0歳~それぞれ表で見ていきましょう。

認可・認可外保育園の平均保育料(月額)
認可・認可外保育園の平均保育料(月額)
認可保育園 認可外保育園 幼児教育・保育の無償化
0歳 32,213円 47,720円
1歳 30,898円 45,624円
2歳 30,396円 44,154円
3歳 26,458円 41,329円
4歳 25,316円 39,620円 無償化の対象
5歳 25,548円 39,816円 無償化の対象
6歳 25,130円 39,306円
※6歳とは、5歳児クラスで6歳になってから卒園までの利用料になります。

出典 厚生労働省 平成 30 年 地域児童福祉事業等調査結果の概況

1-3. 給食費

保育園、幼稚園でかかってくる給食費の平均は、保育園で約27万円、公立幼稚園で約6万円、私立幼稚園で約9万円になります。

保育園の給食費が高いのは、基本毎日給食とおやつが提供されるからです。
幼稚園は園によって完全給食だったり、完全お弁当だったり、お弁当と給食の併用だったりと違ってきます。

保育園でも幼稚園でも、給食が出る場合、給食費は7,500円が上限ですので、保育園は給食費の負担が大きくなる傾向にあります。  

保育園、公立幼稚園、私立幼稚園の給食費を表にしてみました。

公立幼稚園・私立幼稚園・保育園の給食費
1年あたりの平均給食費 3年間の給食費総額
保育園 90,000円
(上限7500円×12ヵ月)
270,000円
公立幼稚園 19,014円 57,042円
私立幼稚園 30,880円 92,640円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

しかしながら幼稚園では、前述したように園によって給食またはお弁当または併用と、変わってきますが、お弁当を持っていく前提とすると、お弁当の食材費としてもプラスで負担がかかることを加味しておいた方がよいでしょう。

1-4. 学校外活動費

学校外活動費は公立幼稚園で25万円、私立幼稚園では約50万円です。

学校外活動費とは習い事や、学習塾などの学校以外のところでかかる費用のことです。

統計上、幼稚園だとかかるけれど保育園だとかからないとなっていますが、実質的には、親の意向次第と思われます。

そのため保育園に通っていたとしても、幼稚園のが学校外活動費も参考にできるでしょう。

公立・私立幼稚園の学校外活動費(年間)
   

公立・私立幼稚園の学校外活動費(年間)
公立幼稚園 私立幼稚園
学校外活動費 83,895円 165,658円
┗ 補助学習費 22,564円 48,229円
 ┗ 家庭内学習費 11,340円 14,761円
 ┗ 物品費 6,175円 6,564円
 ┗ 図書費 5,165円 8,197円
 ┗ 家庭教師費等 3,036円 5,091円
 ┗ 学習塾費 7,788円 27,401円
 ┗ その他 400円 976円
┗ その他の学校外活動費 61,331円 117,429円
 ┗ 体験活動・地域活動 1,601円 4,901円
 ┗ 芸術文化活動 14,735円 28,514円
 ┗ スポーツ・レクリエーション活動 25,849円 49,120円
19,146円 34,894円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

2. 小学校でかかる教育費の平均は約193万円~957万円

小学校でかかる教育費の平均を分かりやすく表にまとめてみました。

なお教育費は、小学校の学費、給食費、学校外活動費の合計です。

小学校でかかる教育費(合計)
公立小学校 約193万円
私立小学校 約957万円

この表で見ると私立小学校では、1000万円の教育費がかかるということになります。
なぜ公立小学校とこのような大きな差ができてしまうのでしょうか。

また、かかるお金ではありませんが、小学校では条件を満たせば教育費の支援制度を受けることができます。これについても、詳しく見ていきましょう。

  • 公立・私立小学校の学費
  • 学校給食費
  • 学校外活動費
  • 小学校で受けられる就学時支援制度

2-1. 公立・私立小学校の学費

公立・私立小学校の学費の平均は、通学期間の6年間で計算すると、公立小学校で約38万円、私立小学校で約540万円となりました。

私立小学校は、公立小学校の約14.2倍もの学費がかかります

この原因としては、大きいものではまず授業料が挙げられます。
国公立の義務教育は授業料がかかりませんが、私立では授業料の免除はありません。

他にも、修学旅行・遠足・見学費、その他の学校納付金、通学費、制服代などでも、私立は国公立よりもかなりにお金がかかるという認識を持っておくべきでしょう。

公立・私立小学校の学費(年間)
公立・私立小学校の学費(年間)
公立小学校 私立小学校
学費
(学校教育費)
63,102円 904,164円
┗ 授業料 0円 485,337円
┗ 修学旅行・遠足・見学費 6,951円 44,816円
┗ 学級・児童会・生徒会費 7,578円 16,493円
┗ PTA会費 3,058円 11,485円
┗ その他の学校納付金 1,585円 188,525円
┗ 寄附金 14円 14,922円
┗ 教科書費・教科書以外の図書費 2,546円 6,880円
┗ 学用品・実験実習材料費 17,127円 25,175円
┗ 教科外活動費 2,041円 10,507円
┗ 通学費 1,391円 39,283円
┗ 制服 2,554円 31,991円
┗ 通学用品費 14,087円 19,475円
4,170円 9,275円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査
出典 文部科学省 義務教育の無償

2-2. 学校給食費

学校給食費の平均は、6年間で、公立小学校では約26万円、私立小学校では29万円になります。

学校給食費は公立・私立で特に大きな差はないことが分かります。

公立・私立小学校の学校給食費(年間)
公立小学校 43,728円
私立小学校 47,638円

2-3. 学校外活動費

学校外活動費の平均は、6年間では、公立小学校で129万円、私立小学校で388万円です。

私立は公立に比べ、約3.0倍の学校外活動費がかかっていました
表を見てもらうと分かりますが、私立に通っている世帯の方が、塾や習い事にお金をかけている様子が読み取れます。

公立・私立小学校の学校外活動費(年間)

公立・私立小学校の学校外活動費(年間)
公立小学校 私立小学校
学校外活動費 214,451円 646,889円
┗ 補助学習費 82,469円 348,385円
 ┗ 家庭内学習費 14,761円 45,480円
 ┗ 家庭教師費等 13,015円 42,560円
 ┗ 学習塾費 53,313円 252,790円
 ┗ その他 1,380円 7,555円
┗ その他の学校外活動費 131,982円 298,504円
 ┗ 体験活動・地域活動 4,342円 22,789円
 ┗ 芸術文化活動 35,402円 95,712円
 ┗ スポーツ・レクリエーション活動 55,002円 82,902
 ┗ 教養・その他 37,236円 97,101

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

2-4. 小学校で受けられる就学援助制度

小学校で受けられる就学援助制度は、子が国公立の小学校に通う家庭に向けた制度です。

経済的に就学困難と認められる家庭については、この制度により援助を受けることができます
国公立の小学校でかかる教育費は、この制度を利用できれば、さらに軽減できます。

ほとんどの学校では、年度始めに全員に『就学援助制度のお知らせ』と申請書が配布され、希望者は4月中旬までに提出します。
なお、対象になるかどうかわからない場合も全員申請できるようになっています。

詳しい制度内容についてですが、経済的な所得によって以下の2つの区分に分けられます。

支援区分
要保護者 生活保護法第6条第2項に規定する要保護者
(参考:令和2年度では約10万人)
準要保護者 市町村教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮してると認める者
(参考:令和2年度では約123万人)

ただし所得区分の他にも、認定基準や援助費目など、各市町村において制度の詳細が違うため、注意が必要です。

具体的にどのような家庭が対象になるのか、参考に葛飾区の就学援助制度を見ていきましょう。

例:葛飾区の就学援助制度

葛飾区の就学援助制度

【対象者】

  1. 生活保護を受けている方    
  2. 前年度又は今年度に生活保護が停止・廃止になった方    
  3. 同一の生計を営む世帯全員の審査の対象となる金額(注)の合計が認定基準額未満の方   (住民税の申告又は確定申告をしていただく必要があります)    
  4. 児童扶養手当(主に母子及び父子世帯の方が対象の手当)を受給している方    
  5. 前年・現年から申請時に至り、主たる生計維持者の失業や長期入院等による無給、り災な   ど特別な事情のある方で、その方を除いた世帯全員の審査の対象となる金額(注)の合計   が認定基準額未満の方
  6.  令和4年1月から申請時に至り、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減収した   方で、現年の見込所得及びその他の世帯全員の審査の対象となる金額(注)の合計が認定   基準額未満の方

【3の認定基準(参考例)】

葛飾区では、準要保護者をさらに一般と費目認定で分けています。

重要保護者は支援金すべてが対象になりますが、費目認定の場合、給食費のみ支給対象になります。

世帯人数 世帯構成の例 認定基準額
準要保護者
(一般)
準要保護者
(費目認定)
2人 母(35歳)
子(小6)
約243万円 約258万円
3人 父(45歳)
母(40歳)
子(中1)
約311万円 約331万円
4人 父(48歳)
母(43歳)
子1(中2)
子2(小6)
約355万円 約379万円
5人 父(48歳)
母(43歳)
子1(中3)
子2(小5)
子3(1歳)
約377万円 約403万円
6人 父(40歳)
母(35歳)
子1(中1)
子2(小1)
子3(3歳)
子4(1歳)
約407万円 約436万円

出典 葛飾区教育委員会 就学援助費 令和4年10月6日

この要保護者・準要保護者(一般)認定を受ければ

  • 学用品費
  • 体育実技用具費
  • 新入学児童生徒学用品費等
  • 通学用品費
  • 通学費
  • 修学旅行費
  • 校外活動費
  • 医療費
  • 学校給食費
  • クラブ活動費
  • 生徒会費
  • PTA会費
  • 卒業アルバム代等
  • オンライン学習通信費

の支援を受けることができます。

以上を踏まえて、葛飾区の小学校で受けられる就学援助費について、資料をもとに独自に算出した結果が以下の表になります。

この支援が受けられれば、家計にとってかなり大きな助けになるのではないでしょうか。

葛飾区就学支給額(年間)
1年生 129,400円
2年生 68,200円
3年生 72,200円
4年生 72,500円
5年生 86,190円
6年生 173,390円
合計 601,880円

出典 葛飾区 令和4年度 就学援助費 支給額一覧表   

3. 中学校でかかる教育費の平均約147万円~約421万円

中学校でかかる教育費の平均を分かりやすく表にしてみました。

なお教育費とは、中学校の学費、給食費、学校外活動費の合計です。

中学校でかかる教育費の平均
公立小学校 約147万円
私立小学校 約421万円

この表から見ると私立中学校がかなりお金がかかるように見えます。
なぜこのように公立中学校と私立中学校で学費の差が出るのか、詳しく見ていきましょう。

また中学校にも、小学校と同様に就学時支援制度がありますので、そちらについても解説します。

  • 公立・私立中学校の学費
  • 学校給食費
  • 学校外活動費
  • 中学校で受けられる就学時支援制度

3-1. 公立・私立中学校の学費

公立中学校の学費の平均は、6年間では、公立中学で約42万円、私立中学校で321万円です。

私立は公立の約8倍のお金がかかります

公立中学校も義務教育期間のため、授業料がかかりません。
しかし私立中学校は公立中学校と違い、授業料がかかることなどから、学費が多くなっています。

公立・私立中学校の学費(年間)
公立・私立中学校の学費(年間)
公立中学校 私立中学校
学費
(学校教育費)
138,961円 1,071,438円
┗ 授業料 0円 428,574円
┗ 修学旅行・遠足・見学費 26,217円 82,578円
┗ 学級・児童会・生徒会費 6,834円 18,950円
┗ PTA会費 3,863円 13,290円
┗ その他の学校納付金 6,005円 255,578円
┗ 寄附金 56円 17,312円
┗ 教科書費・教科書以外の図書費 5,855円 22,550円
┗ 学用品・実験実習材料費 19,558円 27,648円
┗ 教科外活動費 29,308円 55,796円
┗ 通学費 8,411円 80,656円
┗ 制服 19,023円 43,478円
┗ 通学用品費 10,232円 16,631円
┗ その他 3,599円 8,397円

3-2. 学校給食費

中学校の学校給食費の平均は公立中学校で約13万円、私立中学校は約1万円です。

私立中学校の給食費が安い理由は、給食ではなくお弁当の学校が多いからだと思われます。

中学校の学校給食費の平均(年間)
公立中学校 42,945円
私立中学校 3,731円

 3年間の給食費の平均を計算してみると公立中学校は約13万円、私立中学校は1万円になります。

3-3. 学校外活動費

中学校の学校外活動費の平均は、6年間では、公立中学校で約92万円、私立中学校で約99万円でした。

学校外活動費は、小学校では私立の方が多くなっていました。
しかし、中学校では公立も私立もあまり変わらない傾向が読み取れます。

その理由は、おそらく中学校では高校受験に向けて、公立に通う生徒でも塾に行く等の受験対策が増えるからではないかと考えられます。

実際、学習塾費は公立の方が、私立よりも多くかかっているとの結果でした。

公立・私立中学校の学校外活動費(年間)
公立・私立中学校の学校外活動費(年間)
公立中学校 私立中学校
学校外活動費 306,491円 331,264円
┗ 補助学習費 243,589円 220,346円
 ┗ 家庭内学習費 13,229円 28,534円
 ┗ 家庭教師費等 20,777円 31,174円
 ┗ 学習塾費 202,965円 153,365円
 ┗ その他 6,618円 7,273円
┗ その他の学校外活動費 62,902円 110,918円
 ┗ 体験活動・地域活動 1,484円 10,040円
 ┗ 芸術文化活動 15,865円 45,181円
 ┗ スポーツ・レクリエーション活動 29,167円 24,358円
 ┗ 教養・その他 16,386円 31,339円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

3-4. 中学校で受けられる就学時援助制度

国公立の中学校に通う家庭が受けられる就学時制度は、小学校と同様の「就学援助制度」というものです

具体的な制度内容としては、小学校と同じものになります。詳しい内容は2-4を参照ください

「中学校で援助制度を受けられた場合、いくら支給されるのか」について、葛飾区の例をもとに独自に算出して表にまとめてみました。

葛飾区就学支給額(年間)
1年生 約18万円
2年生 約11万円
3年生 約18万円

この制度を利用できれば国公立はさらに中学校の教育費を軽減できます。

4. 高校でかかる教育費の平均は約137万円~291万円

高校でかかる教育費の平均を分かりやすく表にしてみました。

なお教育費とは、高校の学費、学校外活動費、受験料の合計です。

高校でかかる教育費の平均(合計)
公立高校 約137万円
私立高校 約291万円

私立高校の教育費は、公立高校の約2倍となりました。

この結果だけみると、公立高校に進学してほしいと思ってしまうかもしれません。
しかし高校は、小学校・中学校と違って受験があります。そのため、受験の合否によっては私立高校に行かざるを得ないこともあるでしょう。

ですから、公立が希望でも、私立の教育費も視野に入れておくことが大切です。
本章で、高校でかかる教育費について確認しておきましょう。

また、高校では大学受験の受験料が3年生の時にかかってくるため、受験料についても見ていきます。
さらに高校で受けられる支援制度についても解説していきます。

  • 公立・私立高校の学費
  • 学校外活動費
  • 受験料
  • 高校で受けられる支援制度

4-1. 公立・私立高校の学費

高校でかかる学費の平均は、公立高校では約84万円、私立高校では216万円です。

一番大きな原因として考えられるのは、授業料です。
公立高校の授業料は、4-4で解説する支援制度(月9,900円×12か月×3年=356,400円)のおかげで、ほぼかかりません。一方、私立高校の学費は支援金では賄いきれません。

また、私立高校は公立高校と比べて、その他学校納付金も多くかかります。

その他学校納付金とは、受験時の検定料や入学時の入学金に加えて、保健衛生費や設備費などです。
私立高校の学校納付金は、授業料の次に負担になっていることがわかります。
特に入学金が高いため、高校1年次の費用が一番負担が多いと考えておきましょう。

公立・私立高校の学費(年間)

公立・私立高校の学費(年間)
公立高校 私立高校
学校教育費 280,487円 719,051円
┗ 授業料 25,378円 230,026円
┗ 修学旅行・遠足・見学費 35,579円 53,999円
┗ 学級・児童会・生徒会費 20,385円 18,179円
┗ PTA会費 6,989円 11,360円
┗ その他の学校納付金 27,771円 183,518円
┗ 寄附金 215円 2,942円
┗ 教科書費・教科書以外の図書費 22,432円 23,455円
┗ 学用品・実験実習材料費 18,826円 19,220円
┗ 教科外活動費 40,427円 56,224円
┗ 通学費 45,866円 73,402円
┗ 制服 22,613円 30,275円
┗ 通学用品費 10,953円 10,366円
┗ その他 3,053円 6,085円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

4-2. 学校外活動費

学校外活動費の平均は公立高校で約53万円、私立高校で約75万円になります。

公立と私立の学校外活動費には、そこまで大きな差はありませんでした。

それは公立私立関係なく、大学などの受験のために、予備校や学習塾に通うからです。
ですから公立高校に通っていて大学受験などを考えている場合、課外活動費にも私立高校と同じくらいお金がかかると考えておくことが必要です。

公立・私立高校の学校外活動費(年間)
公立・私立高校の学校外活動費(年間)
公立高校 私立高校
学校外活動費 176,893円 250,860円
┗ 補助学習費 147,875円 193,945円
 ┗ 家庭内学習費 16,769円 27,205円
 ┗ 家庭教師費等 12,836円 20,020円
 ┗ 学習塾費 106,884円 129,313円
 ┗ その他 11,386円 17,407円
┗ その他の学校外活動費 29,018円 56,915円
 ┗ 体験活動・地域活動 2,140円 6,098円
 ┗ 芸術文化活動 8,507円 14,596円
 ┗ スポーツ・レクリエーション活動 5,784円 15,101円
 ┗ 教養・その他 12,587円 21,120円

出典 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査

4-3. 受験料

大学の受験料の平均は約25万円です。

大学受験では共通テストを必ずと言っていいほど受けます。
さらに一般受験として、1校のみ受験するということはあまりありません。滑り止めなど、現役合格にこだわると合わせても多くて8校ほど受ける子もいます。

ですから子供の希望を叶えるためにも、多めに受験料は考えておいた方がよいでしょう。

受験する先がどこの大学かによって受験料が変わるため、分かりやすく表にしました。

受験料(送料・手数料込み)
大学入学共通テスト
(3教科以上受験の場合)
18,000円
国公立大学2次試験 17,000円
私立大学受験料
(医学部を除く)
30,000円~ 35,000円

また受験費用のほかに、遠方の大学を受験する場合、交通費や宿泊費が必要になります。

受験費用は、自宅から大学に通う人が平均253,300円、1人暮らしなど、親元を離れて大学に通う人の平均は254,000円となっていて、大きな負担になることが考えられます。

出典 東京私大教連 私立大学新入生の家計負担調査

4-4. 高校で受けられる支援制度2つ

高校では、所得に応じて受けられる支援制度が2つあります。

文部科学省のWebページ(高校生への就学支援 に詳細があります

  1. ⾼等学校等就学⽀援⾦制度
  2. 高校生等奨学給付金

1. ⾼等学校等就学⽀援⾦制度(国)

この支援制度を利用できると、国公立高校は授業料負担が実質0円になります。

入学時等に学校から案内があるので、申請を行います。
申請月から支給開始となるので、必ず手続を行ってください。 遅れないよう注意しましょう。

ただし学校によっては、就学支援金の支給決定までの間は授業料を徴収して、後日還付する場合があるようです。詳細は学校へ問い合わせしましょう。

公立高校 私立高校
支援金(年額) 11万8,800円 11万8,800円
39万6,000円
親権者の所得目安 約910万円以下

出典 文部科学省 高等学校等就学支援金制度

2. 高校生等奨学給付金(国)

高校生等奨学給付金は、教科書費・教材費など、授業料以外の教育費支援です。

生活保護世帯と非課税世帯が対象で、約3万~15万くらいの支援金がもらえます。

申し込みは学校またはお住まいの都道府県へ行います。手続きは、毎年7月頃です。
詳しい時期については、学校や都道府県に問い合わせる必要があります。

※家計が急変して非課税相当になった世帯も対象になります。また、新入生は、4~6月に一部早期支給の申請ができる場合もあります。

出典 文部科学省 高校生等奨学給付金

5. 短大・大学・大学院でかかる教育費の平均は約97万円~739万円

短大・大学・大学院でかかる費用を、独自に表にまとめてみました。

なお学費の内訳は授業料・その他の学校納付金・修学費・課外活動費の合計です。

短大・大学・大学院でかかる教育費(合計)
国立 公立 私立 一人暮らしの
場合の生活費
短大 なし 約97万円 約219万円 約266万円
大学 約237万円 約242万円 約524万円 約532万円
大学院 約354万円 約366万円 約739万円 約797万円

出典 日本学生支援機構 令和2年度 学生生活調査 
出典 全国大学生活協同組合連合会 第 57 回学生生活実態調査 概要報告 2022 年 3 月 1 日

このように表で見てみると国立と公立は学費にあまり差がありません。
しかし私立になるとその2倍以上の学費がかかるようです。さらに、大学院まで行った場合の学費の負担はかなり大きくなっています。

また自宅から通うことが困難な場合など、1人暮らしなど、自宅を離れることも選択肢として出てきます。この場合、大学の費用のほかに、生活費などの仕送りを視野に入れて考えることが必要です。

しかし、大学生が受けられる支援制度もありますので、合わせて確認してみましょう。

  • 国立大学の学費
  • 公立大学の学費
  • 私立大学の学費
  • 自宅外通学にかかる諸費用
  • 大学で受けられる支援制度

5-1. 国立大学の学費

国立大学の学費の平均は約236万円、大学院は354万円になります。

国立の大学では短期大学はないため、大学と大学院でかかる教育費の平均を表にまとめました。

国立の学費は年間でみると、あまり変わりはありません。しかし年数が多い大学院ですと、プラス2年分多く払うということを考えておきましょう。

国立大学の学費(年間)
大学 大学院
授業料・その他の学校納付金 490.900円 495,600円
修学費・課外活動費・通学費 101,100円 87,600円
合計 592,000円 583,200円

出典 日本学生支援機構 令和2年度 学生生活調査 

5-2. 公立大学の学費

公立大学の学費の平均は短大は約97万、大学は約242万円、大学院は約366万円です。

公立大学の短大、大学、大学院で分かりやすく表にまとめてみました。
なお大学院は大学の4年間の学費と大学院2年間の学費を合計して計算しています。

公立大学の学費は年間で見ると短大が少なく、2年間で考えてみると学費がかなり抑えられることが分かります。

公立大学の学費(年間)
短大 大学 大学院
授業料・その他の学校納付金 39,4600円 506,000円 504,500円
修学費・課外活動費・通学費 89,700円 99,000円 115,800円
合計 484,300円 605,000円 620,300円

出典 日本学生支援機構 令和2年度 学生生活調査 

5-3. 私立大学の学費

私立大学の学費の平均は、短大で約219万円、大学で約524万円、大学院で739万円かかります。

私立大学の学費を分かりやすく表でまとめてみました。

私立の学費はかなり高額になります。
特に、授業料と学校納付金(入学金など)の負担が大きいことがが分かります。

私立大学の学費(年間)
短大 大学 大学院
授業料・その他の学校納付金 966,500 1195,700円 949,900
修学費・課外活動費・通学費 126,100 115,000円 123,700
合計 1,092,600 1,310,700円 1,073,600

出典 日本学生支援機構 令和2年度 学生生活調査 

5-4. 一人暮らしでかかる諸費用

大学生の一人暮らしでかかる諸費用の平均は短大で約266万円、大学で532万円、大学院で797万円です。

もし、アルバイトや奨学金なしで一人暮らしすることになれば、この費用も親が負担することになるため、押さえておきたい費用ですね。

大学生一人暮らしの生活費の平均(1ヵ月)
大学生一人暮らしの生活費の平均(1ヵ月間)
食費 24,680円
住居費 53,920円
交通費 3,850円
教養娯楽費 11,760円
書籍費 1,700円
勉学費 1,900円
日常費 7,520円
電話代 3,110円
その他 2,310円
合計 110,750円

出典 全国大学生活協同組合連合会 第 57 回学生生活実態調査 概要報告 2022 年 3 月 1 日

5-5. 大学で受けられる支援制度  

大学で受けられる支援制度は「高等教育の修学支援新制度」と言います。
内容は、授業料等減免給付型奨学金になります。

この制度の対象者になれば、授業料が減額になり、返さなくてよい給付型の奨学金が月々もらえます

授業料減免と給付型奨学金を上限まで受けられた場合にいくらになるか、表でまとめました。

自宅以外から大学に通う生徒の例で見てみます。

高等教育の就学支援制度の支給額(上限)
給付型奨学金(年額) 約91万
授業料(年額) 約70万円
入学金(1回のみ) 約28万
合計 約161万円(毎年)+約28万円(1回)

出典 文部科学省  令和2年・4月 高等教育の修学支援新制度

支援の対象者は、

  • 制度の対象の学校に通う生徒であること
  • 世帯収入や資産の要件を満たしていること
  • 進学先で学ぶ意欲がある学生であること

の3つの要件を満たす学生全員になります。

給付型奨学金は、進学する前年の4月下旬から、高校などを通じて日本学生支援機構(JASSO)へ申込みます。
授業料等減免は、入学時に、進学先の大学等に申し込みます。

このような制度を利用できれば、大学にかかる費用の負担が少なくなり、経済的な事情で大学をあきらめなくてもよいということが分かり希望がもてますね。

6. 専門学校でかかる教育費の平均は年間約34万円~119万円

国立・公立・私立の専門学校でかかる教育費の平均をまとめてみました。

ここでいう教育費とは、授業料、その他の学校納付金、修学費、課外活動費、通学費をあわせたものになります。

専門学校は2年制~4年制がありますが、数が非常に多いため、分かりやすいように全て1年間の平均で統一しました。

専門学校の教育費(1年分の合計)
国立 約34万円
公立 約33万円
私立 約119万円

出典 日本学生支援機構 令和2年度 高等専門学校生生活調査結果

この表を見ると私立が国公立の約4倍以上になっていることが分かります。
また、専門学校の期間を2年と考えてみても、私立の専門学校では私立大学と大差ない学費がかかると言えます。

では専門学校の教育費の費用を

  • 国立・公立・私立専門学校の学費
  • 課外活動費
  • 通学費

に分けてみていきます。

6-1. 専門学校の学費

専門学校の学費の平均は、国立で約28万円、公立で約25万円、私立で約113万円です。

分野によっては、3年制や4年制があり、学費も変わってくるため、1年間の学費の平均で表にしてみました。

結果、国公立と私立では授業料に大きな差があることが分かります。

なぜなら教育内容・設備ともに充実している専門学校が増えていることから、学校によっては1年間にかかる学費は大学と変わらくなってきているからです。

また、週あたりの授業時間数や帰宅後の制作課題も多い学科の場合、大学生よりもアルバイトをする時間の余裕がないことも注意点です。

専門学校の学費(年間)
国立 公立 私立
授業料 219,400円 199,400円 1,025,600円
その他の学校納付金 24,000円 19,600円 75,100円
修学費 35,600円 35,600円 30,800円
合計 279,000円 254,600円 1,131,500円

なお、学校によってカリキュラムの決め方は変わってきますが、一般的分野ごとの平均年数としては

  • 看護・医療系→3年
  • 歯科助手→1年
  • クリエイティブ系→2~4年
  • 調理系→1年
  • 法律・税務関係→3年
  • 公務員試験→1年
  • 自動車→2~4年
  • 建築系→2~4年

になります。

選ぶ学校によっても卒業までの年数が違うことを加味しておきましょう。

6-2. 課外活動費

専門学校の課外活動費は約7千円となります。

課外活動費に関しては差がないことが分かります。

専門学校の課外活動費(年間)
国立 6,800円
公立 7,100円
私立 6,600円

年間の課外活動費はどの専門学校でも約7千円になります。

6-3. 通学費

専門学校の通学費は国立で国立で約5万円公立で、約7万円、私立で約5万円になります。

公立が一番交通費多くなっている傾向にあります。これは公立の専門学校は看護学校が多いいこと、公立での進学を考えると、比較的自宅から遠い学校になることが多いからだと言えます。

専門学校の通学費(年間)
国立 45,500円
公立 73,900円
私立 54,300円

年間の通学費の総額を計算すると国立で約5万円公立で、約7万円、私立で約5万円になります。

まとめ

教育費の問題は私たちのライフプランに大きく影響してくるものです。

子供のためにもいい教育を受けさせてあげたい、子供が望む進路に行かせてあげたいと思うのが親心でしょう。

そのためにも教育費がどのくらいかかるのか平均を知って、お子様がどんな進路を選んでも大丈夫なように事前に備えておくことが重要になります。

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