変動金利は一気に上がったら怖い!仕組みや上昇時の対策を理解すれば怖くない

「変動金利で、いきなり金利が一気に上がったらどうしよう!?」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、現時点で変動金利が一気に上がる可能性は低いです。
なぜなら、日本銀行は現在、年2%の物価上昇を目指しており、企業や個人が借り入れをし易いように金利を低くする政策を取っているためです。

住宅ローンを借りるとき、ほとんどの人が35年という長い年月で借り入れます。しかし、10年後、20年後、金利がどうなるかは誰にもわからないのです。

金利があがったときの安全措置としてある「5年ルール」や「125%ルール」で、仮に月々の返済額が変わらないとしても、利息は増えていくのです。

また、「変動金利が高くなって来たから、全期間固定に借り換えしよう」と考えた時には、時すでに遅く、全期間固定の金利が高くなっているため、かえって借り換えのタイミングを逃すこともあるでしょう。

そのため、変動金利を選択する時は、こまめな繰り上げ返済で早めに完済したり、金利上昇しても対応できるように貯蓄をしておきましょう。

また、金利が変動することが怖い人や、幼い子どもが居て、これから住宅ローン以外の教育費など、お金がこれから必要になるという人は、お金のやりくりがしやすい全期間固定型を選択することをおすすめします。 

今回のコラムでは、
1.本当のところ、金利は一気に上がる可能性があるがいつ上がるかは誰にもわからない
2.金利が上がっても返済額が上がらないルールがあるものの、利息は増える
3.金利が上がるのが心配な人が検討すべき4つの方法
以上について解説していきます。

1.変動金利が一気に上がる可能性はあるがいつ上がるかは誰にもわからない 

変動金利はその名の通り、金利の推移によって変動するタイプの住宅ローンですが、 「いつまで今の金利で推移するの?」「本当のところ、金利は一気にあがるの?」と疑問に思っている人は多いと思います。
少なくとも、今の金利水準で永遠に推移することはないため、住宅ローンの金利がどのように推移するのか、5年後・10年後に住宅ローンの金利がどのぐらいの水準になるのか、など、今後の金利水準を予想する意識を持つことが必要です。

住宅ローンの金利の動向を予想するには、日銀の金融政策と住宅ローン金利の関連性を理解することが重要になってきますので、ここで解説していきます。

1-1.金利が一気に上がる可能性はある

変動金利型は、各金融機関が短期プライムレートに連動する独自基準によって金利を決めていきます。
シンプルに説明すると、変動金利はその時々の金利情勢によって住宅ローンの金利が変動する、つまり、景気によって金利が左右されるタイプのものです。
ということは、好景気であれば、金利も上昇していき、逆に不景気であれば金利が下がります。金利は景気に左右される変動金利は、当初借り入れの際に低金利でローンを組んでも、景気が良くなり金利が上昇すると、数年後には驚くほど上がる可能性は十分にあります。

金利は下がるときはじわじわ下がりますが、上がるときは一気に上がってしまうこともあるため、当初8万円だった月々の支払い額が、数年後には12万円・13万円とあがってしまうこともあります。
返済額UP

1-2.市場金利の推移からみると金利上昇の可能性はある

過去から現在にいたるまでの金利推移は以下の通りです。(※出典:住宅金融支援機構ホームページ

金利は景気や物価、為替レート、海外金利などさまざまな要因で変動しますが、大きく影響するのは日本銀行の金融政策です。
日本では、政府が目指している年2%の物価上昇が見えてこない限り、金利アップはなさそうです。
少なくとも半年~1年、2年くらいは低金利が続くのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症拡大が収束し、景気回復が明らかになって、株価がさらに上昇するような状況になれば、住宅ローンの金利アップも考えられます。
また、今の変動金利は年0.5%程度。つまり、下がる余地はほとんどなくなってきていると言えるでしょう。でも、過去の金利推移を見ると8.5%という時期もありました。こういった面からも上がる余地のほうが大きいのです。

1-3.市場金利がどうなるのかは誰にもわからない

米中央銀行は2023年までに2回の利上げを示唆しており、市場関係者の間では近い将来に金利が上がる可能性があると言われています。
しかし、それが真実なのであれば、既に債券価格に反映されて金利は上がっているはずです。にもかかわらず、そうなっていないのは、誰にとっても今後の動向は分からないからです。
そもそも、金融市場の金利動向は誰にもコントロールできませんし、それによって決まるとされる住宅ローンの金利は、債権者である金融機関が決めるものです。

住宅ローンの金利については、もとから不確定要素が大きいうえに、コロナ環境下ということで、さらに予想が困難となっているのが今の状況です。

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2.金利が上がっても返済額が上がらないルールがあるものの、利息は増える

変動金利で契約した後の心配といえば、金利の推移です。住宅ローン契約中に半年に1度の金利の見直しがあるため、契約する住宅ローンの金利も上昇する可能性があります。
しかしながら、変動金利型の住宅ローンには、一気に金利が上がっても返済額が上がらないルールがありますので、解説いたします。

2-1.返済額は上昇を抑制する仕組みがあるため、ゆるやかに上がる

一気に金利が上がっても返済額が上がらないルールには、次のルールがあります。
①5年ルール
②125%ルール
これらのルールは、返済額の大幅な上昇から住宅ローン契約者を守るためのものです。それぞれ、解説します。

①5年ルール
住宅ローンの返済額を5年間据え置いてくれるルールのことです。
変動金利型の住宅ローンは、金利が半年に一度見直されます。しかし、この5年ルールがある場合、半年ごとの見直し時に金利が上がっても、5年ルールの存在により毎月の返済額は5年間変わりません。 

もしも、変動金利型住宅ローンの金利が、半年に1度の見直し時に金利が高くなり、ローンの返済額も半年に1度のペースで上がり続けたらどうなるでしょうか?

金利が半年ごとに上がり続けた場合、当初は毎月10万円だった返済額も半年ごとに12万円、15万円と上がってしまいます。これでは、生活が苦しくなって住宅ローンの返済が難しくなってしまいます。
せっかくのマイホームを手放さないといけなくなるかもしれませんね。

また、金融機関側の視点で考えてみても、金利の上昇によって、住宅ローンの返済が困難な人が増えると、大量の不良債権を抱えてしまうことになり、金融機関の経営に大きな支障が出てしまうのです。

そこで、変動金利に5年ルールを設けることで、金利が上昇したとしても住宅ローンの返済に困る人が発生しないように5年間は返済額を据え置いてくれるというものです。
②125%ルール
見直し後の返済額が、最大で1.25倍しか上がらないルールです。
125%ルールが適用されると、見直し後の返済額が、どんなに金利が上がっても見直し前の返済額の1.25倍を超えることはありません。

5年ルールにより、金利が上がっていたとしても、返済額は5年間は変わりません。しかし、6年目に5年前と比較して金利が上昇していた場合は、金利に応じた返済額を支払わなければなりません。

もしも、当初10万円だった返済額が、金利上昇によって2倍の20万円になったとしたら、ローンを返済していけるでしょうか。

その時の収入が5年前と比べて上がっていればいいのですが、そうとも限りません。そのため、金融機関では、変動金利に125%ルールを適用させて返済額の上限を定め、一気に金利があがっても、返済できなくなる人が増えないようにしているのです。
たとえば、見直し前の返済額が10万円の場合は、見直し時に金利が上昇していても、10万円の1.25倍である125,000円までしか増えないということです。また、一方で、見直し後の返済額に下限は設けられていません。 

2-2.返済額は抑制されても未払利息は発生するリスクが生まれる

変動金利には、5年ルールや125%ルールがあると聞いて、返済負担も一気に上がることはないんだと思われた方もいるでしょう。
しかし、この5年ルールや125%ルールがあるから安心とは言い切れません。

住宅ローンの利息額は、前回返済後の借入残高に金利をかけて計算するため、残高が多いほど利息額は高くなります。金利が上がったときに、ご紹介した5年ルールや125%ルールが適用されると、返済額の上昇は抑えられますが、元本の減りが鈍ってしまうため、利息額や総返済額は増えてしまいます。

5年ルール注意
また、金利が急上昇したときに、この5年ルールや125%ルールが適用されると、利息額が返済額を上回ることがあります。上回った利息額は、支払いを免除されるのではなく「未払利息」として、翌月以降の返済に繰り延べされるのです。

125%ルール注意
そして、怖いことに、もしも、最終回の返済日に未払利息や返済元本が残っていた場合は、一括返済を求められるのが一般的なのです。

とはいうものの、この「未払利息」が発生するような金利上昇は、バブルを彷彿とさせる好景気が来ない限り起きないと考えられます。また、これから少子高齢化が進展する日本において、「未払利息」が出るような金利上昇が起きる可能性は低いでしょう。しかし、未来がどうなるのかは、誰にもわかりません。

変動金利の場合は、5年ルールや125%ルールが適用されると、利息額が返済額を上回ることにより、「未払利息」が発生するリスクがあることは押さえておきましょう。

変動金利には、5年ルールや125%ルールがあると解説しましたが、すべての金融機関が、変動金利に5年ルールと125%ルールを設けているわけではありません。
一部の金融機関は、金利が上昇したときの影響に住宅ローンを借り入れた人が気づきにくいという理由から、変動金利に5年ルールと125%ルールを設けていない場合があります。
例えば、ソニー銀行、新生銀行、PayPay銀行にはありませんので注意が必要です。(2021年9月現在)

そのため、変動金利に5年ルールや125%ルールがない金融機関で住宅ローンを借り入れると、金利が一気に上昇したときに、毎月の返済額も増えてしまう恐れがあります。

変動金利型の住宅ローンの借り入れを検討している場合は、5年ルールや125%ルールの有無を必ず確認しましょう。

2-3.抑制ルールが適用されない借り方に注意

変動金利には5年ルールや125%ルールがあることを触れてきましたが、このルールが適用されない変動金利の借り方があるので注意が必要です。
その借り方とは、「固定期間選択型」で借りた場合です。

この「固定期間選択型」とは、住宅ローンを借り入れてから5年や10年などの一定期間、金利を固定する住宅ローンのことです。
このタイプは、金利の固定期間が終了すると「変動金利へ移行する」「再び一定期間の金利を固定する」のどちらかを選択します。

一般的に、「固定期間選択型」では、金利の固定期間が終了したあとの変動金利に、5年ルールや125%ルールは適用されません。
そのため、金利の固定期間が終了したあとの変動金利は、当初から変動金利で借り入れていた場合よりも、金利上昇の影響を受けやすいともいえるのです。

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3.金利が上がるのが心配な人が検討すべき4つの方法

金利があがるのが心配な人は次に紹介する方法をとると良いでしょう。

3-1.全期間固定金利で借りる

現在(2021年9月時点)、全期間固定金利型の金利もかなり低い水準です。
変動金利と違い、固定金全期間固定金利型は融資実行時または申込時点で、借入当初から完済までの金利が決定しています。
つまり、完済までの返済額も決定しているため、将来の金利動向に一喜一憂することなく、将来に渡って家計の見通しがつけやすく安心感があります。

変動金利でローンを組んだものの、金利上昇リスクを考慮して借り換えを検討する方もいるでしょう。
「まだまだ金利が上がっていくだろうな」と考えられる場合は、その時点で、全期間固定金利型に借り換えた方が、金利上昇のリスクは回避しやすくなります。

ただし、最初に変動金利型を選んで、後から全期間固定金利型へと借り換えることには、2つの注意点があります。
①変動金利は、常に固定金利より遅いタイミングで変動するため 、見直しタイミングが難しい
②借入時よりも、借り換え時の方が審査基準は厳しくなることがある 

①変動金利は、常に固定金利より遅いタイミングで変動するため 、見直しタイミングが難しい
変動金利と全期間固定金利型は上がるタイミングが違うのです。どういうことかといいますと、変動金利が上がるタイミングは、全期間固定金利型の金利が上がってからなのです。
全期間固定金利型は国債の利回りに影響を受け、毎月金利見直しのタイミングがあります。
それに対して、変動金利は日本の政策金利(マイナス金利政策など)に影響を受け、半年に1回金利が見直しされることになっています。
変動金利のほうが固定金利より上がるタイミングが遅い気を付けなければならないのは、変動金利が上がったタイミングでは、すでに全期間固定金利型は上がっている状態であるということです。つまり、「金利が低いときには、変動金利で借りて、金利が上がったら固定金利に変えよう」作戦​​​は取りにくいということです。

②借入時よりも、借り換え時の方が審査基準は厳しくなることがある
住宅ローンは借り換えの際にも審査があります。実は、新規借入時よりも、借り換え時の方が審査基準は厳しくなることがあるため、審査に落ちて固定金利タイプへの借り換えができない可能性もあります。

3-2.金利上昇局面になったら全期間固定金利型に切り替える

毎月月末に総務省が消費者物価指数を公表しています。
消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年同月比が+2.0%に近づいてくると、日本銀行が現在の金融政策を変更し、政策金利を上げる可能性があります。

そのため今後の物価の動向を注視し、物価上昇率が+2.0%に近づきそうになった時点で固定金利タイプに切り替えをするといいでしょう。
政策金利が上昇する前の早いうちに、全期間固定金利型への切り替えを行えば、適用金利は上がりますが、以後の金利は変動しません。 

3-3.頭金を入れて借入金額を少なくする

頭金を多く払えば、住宅ローンで借りる金額が少なくなり、その後の毎月の返済額も少なくて済みます。 
最近は低金利で返済負担が軽くなっていることもあり、頭金をあまり多く確保せずに購入するケースもよく見られます。
また、住宅の広告などで「頭金ゼロで購入可能」などと宣伝している場合も少なくないようです。
しかし、やはり頭金を入れるか入れないかでローン残高や毎月の支払額は大きく変わります。

頭金の割合による金額の違い

3-4.こまめな繰上げ返済で早めに完済する

資金に余裕が出てきたら、こまめに繰上げ返済を行い、早めに完済することを目指しましょう。
住宅ローンの繰り上げ返済には、次の2種類があります。
①期間短縮型:月々の支払額はそのままで返済期間を短くする方法 
②返済額軽減型:返済期間を変えずに月々の支払額を減らす方法 

①期間短縮型繰上げ返済

②返済額軽減型
繰上げ返済繰り上げ返済は、元金部分に充当されるため、早い時期に実行するほど返済利息を軽減する効果があります。繰上返済を行う場合、繰上返済額等の他の条件が同一ならば、期間短縮型と返済額軽減型とを比較した場合、軽減効果が大きいのは、期間短縮型です。 

3-5.金利上昇しても対応できるように貯蓄をする

金利が上昇したら対応できるように、手元の資金を準備する方法もあります。
もしもの金利上昇に備えて、銀行預金に投資なども組み合わせ、十分に貯蓄をして資産形成の基盤を作っておきましょう。そうすれば、金利変動時に慌てず対処することができます。
とはいえ、投資に抵抗がある方もいらっしゃると思います。
そのような方には、以下のトライしやすい方法があります。
全期間固定金利型で借りたつもりで、差額分を貯蓄しておくという方法です。
金利が上がってきたとき、元金を減らすための繰上返済資金にもなります。 差額を貯める

「低い金利でしか借りることができない」ではなく「固定金利でも大丈夫だけど、低い金利で借りておく」という考え方をしましょう。変動金利型を選ぶなら、金利が3~4%程度になっても返済できる余裕があるかは確認しておくことをおすすめいたします。

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4.まとめ

いかがだったでしょうか。
変動金利は金利が低いため、毎月の返済額を抑えることができます。しかしその反面、常に金利変動リスクの心配をしないといけないという面もあります。
この金利変動に関しては、仕組みや返済額が上がらないルールを理解して、リスク対策をとることにより、安心できるのではないでしょうか。

また、全期間固定金利型に比べると変動金利型のほうがリスクを抱えることになりますが、 低金利というメリットを十分に生かしてマイホームを手に入れ、住み続けることができるのです。

ぜひ、今回紹介した情報を活かして、ご自分にあった住宅ローンを選択しましょう。

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