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FX初心者がまずやることは?FX初心者向けの基礎知識と始め方を分かりやすく解説

FX 基礎知識

身近な投資方法としてすっかりおなじみになったFX(エフエックス)。

FXという名前や、FXが海外の通貨を利用した投資方法であることをご存知の人は多いでしょう。

しかし、実際にFXでどれくらい稼げるのか?FX初心者がまずやることは?などを知っている人は少ないかもしれません。

FXを始めたいけど稼ぎ方がわからない、そんなFX初心者のためにFXの基礎知識や始め方、1日5000円稼ぐ方法を解説します。

目次

FX初心者がまずやることは?

FX口座の中には即日で開設が完了するタイプもあり、その気になればすぐに高レバレッジを設定して取引することもできます。

ただ、何も準備しないまま取引しても、(ビギナーズラックはあるかも知れませんが)安定して勝ち続けることが難しいのは想像に難くありません。

初心者の方が長くFXで利益を狙うためには準備勉強が欠かせない要素です。

ここからは、FX初心者の方が口座開設前に「まずやること」について紹介します。

1.目標の利益額を設定する

まず、勉強を始める前の準備として、目標とする利益額を決めてみましょう。

何も目標を設定していないと、以下のような弊害が考えられます。

【目標を設定しないとどうなるか】
たくさん稼ごうとして無理なレバレッジをかけてしまったり、
達成率が分からないのでモチベーションが続かなかったりする可能性があります

具体的に「1年後に〇円を〇円まで増やす」と決めれば、そこから逆算して勉強や取引を進めることができます。

達成率が積みあがることでモチベーションも上がり、楽しみながら勉強を続けることもできるでしょう。

2.専門用語を理解する

FXにはさまざまな専門用語が登場し、それぞれの意味を理解していないと上手に取引をすることができません。

初心者の方は、少なくとも以下の単語の意味や使い方については確実に把握しておきましょう。

スプレッド

FX会社が設定している、通貨ペアの「売値」と「買値」の差額のことです。
通貨ペアごとにスプレッドの設定は異なり、マイナーな通貨ペアほどスプレッドが高い(広い)傾向にあります。

FX会社の公式ホームページでは「手数料無料」というフレーズが多く見つかります。

たしかに「売買手数料」「取引手数料」といった名目では手数料は取られませんが、このスプレッドがFXに支払われる実質的な手数料の役割になっています。

トレーダー側から見れば自分の利益を圧迫するものですから、できるだけスプレッドが狭い(安い)FX会社を選びましょう。

スワップポイント

2つの通貨ペアの金利差調整分のことです。

「高金利の国の通貨を買って、低金利の国の通貨を売る」という取引をすることで、その金利差にあたるスワップポイントを毎日のように受け取ることができます。

逆に「高金利の国の通貨を売って、低金利の国の通貨を買う」という取引ではマイナスのスワップポイントが発生します。
この場合、スワップポイント分をユーザー側が支払うことになるので注意が必要です。

通貨ペアを保有しているあいだは毎日のようにスワップポイントが発生しますが、通貨ペアごとに得られるスワップポイントは毎日変動します。

レバレッジ

レバレッジとは、直訳すると「テコの原理」です。金融業界でレバレッジという場合は、借り入れを利用して自己資金のリターンを高めることを指します。

FXでは自己資金までの25倍までの取引をすることが可能で、「〇倍のレバレッジを効かせている」と表現します。

たとえば1米ドル=100円の時に10万円の資金で250万円分の米ドル(2万5,000ドル)分の取引をすることが可能です。

レバレッジ1倍の取引と比較して、倍率分だけリターンが増えますが、逆に損失も増えることになるので注意が必要になります。

ポジション

FXでは「買いポジション」「売りポジション」の2つがあり、通貨ペアの値動きを予想していずれかのポジションを保有することになります。

外貨を買って保有することが「買いポジション」、「売ったままで見約定のポジションを保有することが売りポジション」です。

例えば米ドル円の通貨ペアで「円安(ドル高)」に進むと予想すれば、買いポジションでドルを買うことで利益を上げることができます。

逆に円高(ドル安)に進むと予想した場合はドルを売ることで利益を狙うことが可能です。

3.知識を身につけるための勉強方法を知る

基礎になる用語だけでなく、FXではトレードに関してさまざまなテクニックが存在します。

FXのトレードテクニックを独学で身につけるのは大変難しく、効率も悪いです。

これから紹介するような方法で、プロの技と知識を吸収していきましょう。

書店で専門家の本を買う

本・雑誌でFXの知識を身につけるのは、王道の勉強方法の1つです。

書店にいけば有名なトレーダー・専門家が発行している書籍やFXに関する雑誌を手に取ることができます。

なかにはマンガ形式の書籍もあり、初心者の方でもつまずくことなく、すらすらと読み進めることができるでしょう。

本や雑誌は保管スペースが必要ですが、いつでも気になった書籍を手に取って読むことができるのも強みです。

電子書籍をスマホに保管しておくこともできますし、自身が使いやすい方法でいつでも読めるようにしておくといいでしょう。

動画視聴サイトで学ぶ

インターネットではFXに関して様々な情報が手に入ります。

たとえばYouTubeのような動画視聴サイト。
いわゆる「ユーチューバー」と呼ばれる人達が積極的に動画を配信しているほか、FX会社も初心者向けに特化した解説動画を配信していることがあります。

また動画視聴サイトでは検索機能があるので、自分が調べたいことを検索して、それにマッチする動画を見つけることが可能です。

すでに決まった内容が書かれている書籍とは、その点でも違いがあります。

スマホアプリで学ぶ

FX会社ではスマホアプリを提供しており、スマホにインストールすることで最新のニュースを仕入れることが可能です。

またPCと同様に実際のチャートをみて分析することもできるので、得た知識をすぐに利用することができます。

テクニカル分析手法をクイズ形式で勉強できるユニークなアプリもあるなど、自身のスキルと知識に合わせて好きなアプリから選びましょう。

セミナーに参加する

新型コロナの発生以降、インターネットでオンラインセミナーが開催されるケースも多く見受けられます。

一方、チャンスがあればオフラインのセミナーに参加してみるのもおすすめです。
質問の時間などを使って、講師の専門家や有名トレーダーと直接会話して知識を授かることができます。

欠点は、動画と違って一時停止ができないことです。
専門用語がスラスラ出てこないと話を理解しきれないまま終わる可能性もあります。

本記事で紹介した基礎用語など、基本知識をある程度身に着けた状態で受講することをおすすめします。

4.デモトレードの結果を記録して復習する

FXの最大の勉強方法は、何といっても自分の力でトレードしてみることでしょう。

FX会社のなかにはデモトレードを提供しているところもあり、お金を使わずに実践形式でトレードをすることができます。

実際にトレードして失敗した原因、成功した要因を考えて、記録に残しておきましょう。

FXを続けていくと、過去と似たチャートのパターンに遭遇することがあります。過去の成功・失敗体験を活かすことで、利益獲得のチャンスを広げることができるでしょう。

ただし、デモトレードだけずっと練習しても本当の上達は見込めません。徐々に少額の取引を交えるようにして、得た知識を実際のトレードで使うようにするのが上達の近道です。

5.自分のトレードスタイルを確立する

ある程度取引に慣れてきたら、自身のトレードスタイルを確立させて、末永く利益を狙える体制を整えましょう。

ひとくちにFXといっても、以下のように複数の取引手法があります。

  • 1分単位で取引する「スキャルピング」
  • 数時間~1日単位で取引する「デイトレード」
  • 数週間単位で取引する「スイングトレード」

会社員は平日の昼間のトレードは難しいでしょうから、選択肢は「デイトレード」や「スイングトレード」になるでしょうし、専業主婦(夫)や学生なら時間の使い方次第でスキャルピングも可能です。

自身の取引可能時間やリスク許容度によって取引手法を確立しておくと、無理せず取引を続けられるでしょう。

FXで1日5,000円稼ぐのは可能?

FXで稼ぎたい金額については人それぞれですが、1日「5,000円~1万円を稼いでみたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

結論からいって、1日に5,000円を稼ぐことは可能です。

ただし、自己資金がほぼない状態から1日5,000円を稼ぐ状態にするのは、非常に苦労することになります。

自己資金が多ければ多いほど、低めのレバレッジや値動きでも5,000円の利益を得るチャンスが多くなります。

具体的には、「1万通貨分」の自己資金を用意しておくことをおすすめします。

1万通貨をトレードして1通貨あたり0.05円の利益を得ることができれば、同じトレードを10回繰り返すことで5,000円の利益になります。

無理にノルマを作るのは得策ではない

1日に5,000円稼ぐという目標を決めるのは、モチベーションを保つ意味でも大変重要です。

ただし、それが「ノルマ」になってしまうのはおすすめできません。

ノルマにしてしまうと、「何とかして達成しないと!」という焦りから無茶なトレードに繋がってしまいます。

プロのトレーダーでも1日単位で負け続けることはよくある話です。1ヶ月単位、1年単位で平均して1日5,000円、といったように緩めの目標にすると、かえって冷静に取引できるでしょう。

「複利」を意識したトレードが重要

1日5,000円を稼ぐなら、「複利」を意識した取引を行いましょう。

「複利」とは得た利益を元の資金に組み込んで次の取引をすることです

100万円を使って10%の利益を得たとしましょう。
その利益10万円を元金に組み込んで110万円にすると、次の10%の利益が「11万円」になる計算です。

このように、元金を大きくしていくことで、効率的に利益を得ることができます。

得た利益はすぐに出金して使ってしまいたいものですが、我慢して元金に組み込むことで次回はより多くの利益を得るチャンスが広がります。

FXの稼ぎ方とその仕組み

FXの仕組みと稼ぎ方

FXで通貨の価格が動くとどのように利益を生むのでしょうか?FXのシステムを紹介します。

為替市場の仕組み

為替市場で通貨の価値は常に変化し、FXはその変化を対象とした投資です。通貨の価格を決定するのはその国の経済力や安定性など様々な要因が影響します。

ニュースで円高や円安の話題が常に取り上げられています。それだけ通貨の価値が経済に与える影響は大きく、多くの人々が注視しています。

例えば、米ドルが多く売られて円が買われると、ドルの価値が下がり円の価値が上昇します。その結果、米ドル経済圏で円の購買力が高くなります。

もし、1ドルあたり10円の円高になると、米ドル経済圏では1ドルあたり10円安い価格で物を買うことができるからです。

ちなみに、世界経済はアメリカドルを中心として回っているため、アメリカで円の購買力が上がると世界的に円の価値が上がることになります。

自国通貨の購買力が高くなれば通貨の価値が上がります

通貨の価値が上がれば各国に対して有利に取引を行うことができます。中には、自国の通貨を買ってもらうために高い金利を設定する国もあります。

しかし、通貨の価格が高ければよいとも言えません。円高になれば輸入や海外旅行時には非常にお得にはなるものの、輸出産業には大きな打撃を与えます。

そのため円高になりすぎないように政府が介入して円を売ってドルを買う、ということもあります。国家が通貨の価値を下げることもあるのです。

このような各国の思惑や綱引きもあるため通貨の価値は細かく変化します。

通貨は売値と買値が違う!スプレッドとは?

FXでトレードを行う際、スプレッドは必ずチェックしなければいけません。スプレッドはFXのトレードのコストになり利益や損失に直結するからです。

FX会社をスプレッドで選ぶ、という人も少なくありません。スプレッドとは通貨の売値と買値の差のことです。

通貨は売値と買値で価格が異なります。例えば、2022年5月13日19時時点で1ドルの価格は「売値 128.823」と「買値 128.825」です。この場合、0.02の価格差スプレッドとなります。

ニュースなどで円の価格を紹介する際、「1ドル114円73銭から75銭の間で取引されています」と聞いたことがあるのではないでしょうか?通貨は同じ価格でも売る時と買う時で値段が異なるのです。

上記の場合、もしドルを売る時には1ドル114円73銭で、逆にドルを買う時は114円75銭が必要となります。この「2銭」の差が「スプレッド」です。

取引量の多い通貨はスプレッドの幅が狭く、少ない通貨は幅が広くなります。また、通貨ペア、時間帯、FX取引会社によっても変化します。

FXで押さえておきたい単位pipsとは

FXでは通貨ペアは必ず「pips」という単位が使用されます。通貨の価格の変化をチェックする際にはpipsが重要になります。pipsとは通貨の最少の価格単位のことです。

各通貨によって異なり、日本円は0.01円(1銭)が1pipsで米ドルは0.001ドル(1セント)が1pipsです。もし1ドル115.01円だった価格が115.00円に変化した場合1pips動いたことになり、115.10円になれば10pipsの変化、となります。

pipsがFXで使用されるのは「損益をわかりやすくするため」という理由からです。FXは小数点以下の単位(円以外では小数点以下四桁)といったような僅かな値動きを繰り返します。

pipsを使用しないと「1銭(1pip=0.01円)単位で高く(低く)なる」と表示することになり非常にわかりにくくなります。そのため、小数点がないpipsが採用されています。

また、通貨ペアごとの価格をチェックする際にもpipsを用いると変化が明確に把握することができます。値動きの分析を行うためにもpipsは必須なのです。

FXで利益を上げる方法 ①為替差益(キャピタルゲイン)

FXで利益を上げる方法を紹介します。まずは為替差益(キャピタルゲイン)です。

もし1ドル100円の時に10ドル買い、1ドル110円になった時に売ると10円の利益が出ます。

さらにレバレッジを利用すれば、レバレッジの倍数に応じてその利益はより大きくなります。
このように通貨の売買で発生する利益がインカムゲインです。

メジャー通貨(ドル、ユーロ、円、ポンドなど)は、発行している国が安定していると評価されているため流通量が多く値幅のブレが小さくなります。

動かすレート数にもよりますが、大きな損失が出にくいものの大きな利益も出にくい、という特徴があります。

逆にマイナー通貨は流通量が少ないため、景気や国際情勢、政府の市場介入など様々な事象からの影響を敏感に受け大きく価格が変動します。

大きな利益が出ることもあれば大きな損失が出る可能性も高くなります。

なぜ「売り」からスタートしても利益を上げることができるのか

 FXの特徴に「買い」だけではなく「売り」でも利益が出せることが挙げられます。

所有している通貨を売却すれば利益が出ることは理解できても、「売り」から入って利益が出るのはなぜでしょうか?

仕組みを説明します。

1ドル100円の時に円高になりそうだと予想し100ドル(1万円)を売ったとします。
その後1ドル90円になった時点に円で買い戻せば1000円の利益が出ることになります。

FXは購入した通貨を所有することになりますが、所有していない通貨を売却してスタートしたとしても、後で決済して購入すれば成立する取引なのです。

為替差益を得るためのスタイルとは

FXで為替差益を得るためには、短期勝負で細かく決済を行う、中長期に渡り取引を行うなど様々なスタイルがあります。代表的な売買スタイルを紹介します。

・スキャルピング
 数秒~数分の間で行う超短期のトレード。回数が多い分利幅も小さい。
・デイトレード
 10分~1日程度の間で行う短期トレード。その日のうちにトレードを行います。
・スイングトレード
 数日から数週間ポジションを保有するトレード。デイトレよりも大きな利益を狙います。

FXで利益を上げる方法 ②スワップポイント(インカムゲイン)

インカムゲインとは通貨を一定期間保有することで利益を得る方法です。

前述しましたが、国は自国の通貨に金利を設定しています。
もし自国の通貨より金利の高い通貨に交換すればその差額分(スワップポイント)を支払います。

スワップポイントの計算方法

スワップポイントの計算方法を日本円とトルコリラを例に挙げて説明します。

日本は低金利政策が続いており、円の金利はマイナス0.1%です。
しかしトルコリラの金利は14%です。もし円を売ってトルコリラを買えば、14%以上の金利を受け取ることができます。

ちなみに1万トルコリラの1日スワップポイントの計算方法は、

レート×1万×金利の差額(この場合14.1%)÷365日

となります。トルコリラはおよそ8.4円なので、上記の計算式に当てはめると、

8.4×10000×0.141÷365=32.22

となり、1日のスワップポイントは基本的に32.22円になります。

ただし、FX取引会社が手数料を差し引きます。手数料は各社によってことなるため、実際は20円~29円が一日のスワップポイントです。

もしスワップポイントを20円で計算したとしても1年で7,300円の利息を受けとることができます。日本の銀行にお金を預けても大手都市銀行でも0.002%程度です。スワップポイントが非常に大きな利益を生むことがご理解いただけるでしょう。

スワップポイントは基本的に毎日受け取ることができます。

スワップポイントが高ければ儲かる?

スワップポイントが高ければ非常に効率の良い資金の運用方法であることは事実です。しかしFXに限って言えば一概にそうともいえないのです。

金利が高い通貨はマイナー通貨が中心で、流動性が低く外部要因によって通貨の価値が大きく変化します。さらに金利も大きく変化することがあります。

このような通貨を保持し続けると、その通貨の価値が下落して損をするという可能性も含んでいます。

金利の高い通貨はハイリスク・ハイリターンと考えてください。

金利変動リスクについて

金利の低い通貨を売って高い通貨を買えば、その差額分の利息を受け取ることができます。しかし、金利の高い通貨を売って安い通貨を買った場合、逆に利息分を支払わなければいけません。

スワップポイント目的で通貨を買ったものの金利が逆に低くなる、という状況になれば利息を支払わなければいけない、という事態が発生することもあるのです。

自動売買(システムトレード)

FXのトレードはあくまでも自分で行うことが基本です。しかし、FX取引会社の多くは自動売買のシステムを用意しています。

これは、あらかじめルールを事前に設定していれば、自動売買システムがルールに基づき売買を行うツールです。

為替市場は月曜日の朝から土曜日の朝までであれば24時間稼働しているため、FXの自動売買は忙しい人には重宝するかもしれません。

また、自動売買システムはあらかじめ売買ラインを設定しているため、感情に左右されることなくトレードを行います。

損切り(含み損が生じている金融商品に見切りをつけて損失を確定すること)の判断も機械的に行われます。

損切りの判断をシステムに任せることに不本意だと感じる人はいるでしょう。
しかし、損失が出ても「もう少し待っていれば回復するかも」といった根拠のない期待で損失を大きくする可能性を低くします。

感情に左右されない自動売買システムはFXにおいて重要なツールのひとつと言えます。

そもそもFXとは何?

FXとは

FXは「Foreign Exchange」の略で「外国為替証拠金取引」という金融商品です。
比較的新しい金融商品で、1998年の日本版金融ビッグバンにより、個人の外国為替市場への参加が可能になりました。

1998年10月8日、日本のFXは弊社ひまわり証券で誕生いたしました。その後FX取引は新たな投資先として広く投資家の皆様に認知され、現在では初めて投資を行う方にも選ばれる金融商品としてその地位を確立するまでとなりました。

出典元:ビジョン 社長メッセージ|ひまわり証券

まずはFXの基礎知識やメリット、デメリットを紹介します。

FXは通貨を売買して利益を得る投資方法

FXが金融商品と説明しましたが、具体的には海外通貨を金融派生商品(デリバティブ)として取引を行い、利益を得る方法です。

利益を得る方法は大きく2つあります。

為替差益(キャピタルゲイン)とは
為替レートの変動によって生じた利益が「為替差益」です。

例えば1ドルが100円の時に円で米ドルを買ったと想定します。その後、為替レートが円安に変動し120円になった時点で米ドルを売ると1ドルにつき20円の利益が発生します。これが為替差益です。

その反面、上記の状況で為替レートが円高に進み1ドル90円になった場合、1ドルあたり10円の損失を被ることになります。これは「為替差損」となります。

FXで投資を行っている人の多くが為替差益を狙ってトレードを行っています。

スワップポイント(インカムゲイン)とは
FXで利益を得るもう一つの方法がスワップポイントです。

通貨は発行している国が金利(政策金利)を定めています。
金利の低い通貨を売り、高い通貨を買えば金利の差が生まれ、これを「スワップ金利」といいます。

FXの大きな特徴レバレッジとは

FXで欠かせないのが「レバレッジ」で、なお、レバレッジとは「てこの原理」という意味です。

預けた証拠金にレバレッジをかけることにより、手持ちの資金以上の金額の取引を可能にします。

現在の日本では、最大レバレッジは25倍になっています。

FX取引会社の最低取引単位である「1,000通貨」で計算すると、2022年5月13日時点で1ドルはおよそ130円なので、普通に考えると13万円の資金がないと取引ができません。

しかし10倍のレバレッジをかければ1/10の費用、つまり1万3,000円の証拠金をFX取引会社に預ければ、1,000ドルの取引が可能になるのです。

FXの魅力

FXには多くのメリットがありますので、FXの魅力について紹介します。

少額資金で始められる

投資はある程度の資金がなければ行えない、という印象を持っているかもしれません。しかし、FXはレバレッジを利用できるため、少額の資金で行える投資方法です。

金融庁が定めた個人取引のレバレッジの上限は25倍です。つまり、日本では10万円の証拠金で最大250万円の取引ができるのです。

なお、海外にはレバレッジの上限が数百倍、というFX取引会社も存在します。

さらに、最低取引通貨単位が1通貨、100通貨といったFX取引会社もあり、極論を言えばFXは100円単位で投資ができるのです。

いつでもどこでも取引ができる

外国為替市場は株式市場のように、物理的な取引所があるわけではありません。インターネット上の仮想空間で通貨が売買されているイメージです。

FXのトレード(売買の取引)はインターネット環境とPCやスマホさえあればどこでも行えます。

為替市場は常に変動しているため、基本的には24時間いつでも取引することができます。

日中勤務している人は、帰宅後でもトレードを行うことも可能です。

手数料などのコストが少ない

FXは他の投資方法と比較するとコストが少なく済むのもメリットです。

FX取引会社の多くは口座の開設や取引の手数料などを無料にしています。
口座管理や口座の維持などで生じるコストがほとんどなく、株式や外貨預金のように手数料を支払う必要がありません。

証拠金を預けるなどの初期費用は必要になりますが、これはどの投資方法も同様です。

FXでかかるコストには買値と売値のあいだの金銭差である、スプレッドと呼ばれるものが実質的なコストになります。

FXと他の投資方法との違い

投資の方法にはFX以外にも様々な方法があります。代表的な投資方法との違いを比較します。

株式投資とFXの違い

投資と聞くと株式投資を思い浮かべる人は多いでしょう。FXと株式投資との相違点は、下記などが挙げられます。

  • 投資の対象が異なる
  • 取引時間
  • レバレッジ

FXは通貨を対象とした投資方法ですが、株式は企業に投資して配当金や売買益を得る投資です。

株式は証券取引所が開いている「9:00〜15:00」の間にしかトレードができません。

レバレッジは株式投資にも存在しますが、その倍率は大きく異なり、FXのレバレッジは日本では最大25倍で、株式投資は3.3倍です。

外貨預金とFXの違い

外貨預金は海外の通貨を金融機関に預けて金利を得る投資の方法です。

基本的に銀行にお金を預けるのと同様なので手間がかからず、安定的に資金を増やすことができます。

FXとの違いは下記のような点が挙げられます。

  • レバレッジがかけられない
  • 長期的に運用しないと利益を得ることができない
  • 金融機関に支払う手数料がFXと比較すると高額

投資信託とFXの違い

投資信託は投資家から集めた資金を、投資信託運用のプロであるファンドマネージャーが運用する金融商品です。

株式REIT、債券などの金融商品が、色々な組み合わせで運用されています。

投資信託はあくまでも長期的な運用です。
短期的な効果が出せるFXとは大きく性格が異なる投資方法です。

FXとの違いは下記のような点が挙げられます。

  • 基本的には長期投資
  • 株式、債権、金のセットが投資対象

FXで取り扱われている通貨

FXは2つの通貨を交換することによって差額や利息を得る投資方法です。

どの通貨を組み合わせるのかは投資家の以降次第ですが、通貨の組み合わせをFXでは通貨ペアと呼びます。

通貨ペアで取引される代表的な通貨を紹介します。

各国の通貨の価格(2022年4月22日18:30時点)と政策金利(2022年3月時点)

通貨(円)政策金利(%)
日本(円)-0.10
アメリカ(米ドル)128.120.50
ユーロ138.400.00
イギリス(ポンド)165.380.75
オーストラリア(豪ドル)93.640.10
南アフリカ(ランド)8.224.25
トルコ(リラ)8.6914.00
メキシコ(ペソ)6.306.50

米ドル

FXの通貨ペアでもっとも数が多いのがアメリカのドルです。
世界でもっとも流通している通貨であり、世界経済がアメリカ中心に回っているためです。

日本でもドル / 円が最も流通量が多い通貨ペアです。

米ドルは流通量がいちばん多いため、値幅の動きが小さく安定しています。
外貨の中では比較的リスクが少ないため、FX初心者にはおすすめの通貨です。

ユーロ

ユーロは世界2位の流通量の通貨です。

米ドルと同様に値動きが安定しています。
日本ではドル / 円の通貨ペアがもっとも多いのですが、世界的にはユーロ / ドルがもっとも多い通貨ペアです。

アメリカで不安材料が出るとドルが売られユーロが買われます。
逆に欧州に懸念材料が出るとユーロが売られドルが買われることが多い通貨ペアです。

ポンド

ポンドは世界第4位の流通量の通貨(ちなみに3位は日本円)です。
ポンドを通貨ペアとして取引する投資家も数多く存在します。

しかしポンドは米ドルやユーロ、円と比較すると流通量が少なく、値幅の動きが大きいという特徴があります。そのため、同じ資金でより大きな利益を得たいという人がポンドを通貨ペアにすることが多く見られます。

値動きが大きいということはリターンが大きくなることも、リスクも大きくなることもあります。

マイナー通貨

FXでは米ドル、ユーロ、円、ポンド、カナダドル、オーストラリアドル、スイスフランなどが「メジャー通貨」と言われています。

一方でメジャー通貨以外の通貨は「マイナー通貨」と呼ばれています。

FXでの代表的なマイナー通貨は、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソなどです。
このマイナー通貨でも、通貨ペアとして取引している投資家が数多く存在します。

マイナー通貨は流通量が少なく、価格の変動率が高く金利も高いという特徴を持ちます。

上手くいけば大きな利益を得られる反面、大きな損失が出ることもあります。マイナー通貨はハイリスクハイリターン、と覚えてください。

また、マイナー通貨は流通量が少ないため、希望のタイミングで売買できない可能性がある、ということも忘れてはいけません。
所有していても売りたい時に買い手がつかない、という状況もあり得るのです。

FXの危険性やデメリット

FXには「少額で取引ができる」、「短時間で利益が出る」などのメリットがあります。

しかしデメリットがあることも忘れてはいけません。FXの危険性について解説します。

少額資金でも大きな損失になる可能性がある

FXは少額の資金でも大きな利益を生み出す可能性のある投資法ではあるものの、逆に大きな損失が出る可能性もあります。

FXはレバレッジによって、FX会社に預けた証拠金の最大25倍の取引ができます。
利益が出ればその分大きな儲けになりますが、損失を出した時のことも理解しなければいけません。

FXで損失が出るのは、購入した通貨のレートが自分の想定したトレンドの方向に反した動きをした時です。
レートの上昇を見込んで買った通貨が下落した場合、また、下落を見込んで売った通貨が上昇すると損失となります。

損失の額が一定の金額を超える(証拠金の維持率が下がる)と、FX取引会社から強制的に決済されることも損失をこうむる一因です。

これは「強制ロスカット」と呼ばれ、預けた証拠金が失われてしまいます。

強制ロスカットはFX取引会社が利用者の保護を目的のために行われます。

なお、証拠金の維持率は保有している取引の数(ポジション数)やレバレッジによって変化します。
証拠金の維持率を高くするためには追加の証拠金を入金しなければいけません。

証拠金を追加すれば損失の許容範囲も大きくなりますが、それ以上の損失が出た場合は追加した証拠金も失うことになります。

もしロスカット率50%のFX会社で、10万円を証拠金として1ドル100円を25倍のレバレッジで2万5,000ドル買ったとします。この状況から1円下がると2万5,000円の損失となり、2円下がると5万円の損失となります。

これ以上価格が下がると証拠金の維持率が50%を切るため強制ロスカットされてしまいます。
ロスカットされないためには追加の証拠金を入金しなければいけないのです。

相場が急激に変化することがある

通貨の価格は様々な要因で上下し、イレギュラーな事態に遭遇すると急激に下がることもあります。

例えば気候変動やテロ、戦争なども通貨の価格に影響を与えます。

例えば、2008年のリーマンショックでは、多くのトレーダーが大きな損害を受けました。
中には金融のプロと呼ばれている人も多く含まれており、彼らも予想できない出来事でした。

FXでは全く予想できない事態で財産を失うこともあるのです。

2022年に入ってからは、ウクライナ危機によってアメリカで記録的なインフレが発生し、その対策として行われている利上げで日米の金利差が拡大したことによって、為替相場が大きく変動しています。

米ドル/円は2022年7月1日現在で約135円台と、1998年以来の約24年ぶりの円安となっています。

通貨の値動きの変動率「ボラティリティ」に注意

値動きの幅が大きいとボラティリティは大きく、逆に狭いとボラティリティが小さくなります。

通貨ペアを選ぶ際、必ずボラティリティをチェックしてください。ボラティリティは外部要因だけではなく通貨の性質や時間帯によっても変化するからです。

通貨ペアを選ぶ際、ある程度のボラティリティがないと利益を得ることができませんが、ボラティリティが大きくなると想定以上の損失が出る可能性があります。十分注意してください。

FXの始め方・やり方

FXのやり方・始め方

FXを始めたい、という人のためにFXの始め方と、トレードの一連の流れを解説します。

FXはいくらから取引できるのか

「FXはいくらあれば始められるの?」という疑問はFXに関心を持っている人にとって最も気になるポイントでしょう。

FXを開始するための初期費用は、FX会社の最低取引通貨単位によって変化しますが、約10万円程度の資金があれば十分です。

もし最低取引通貨の単位が1,000のFX会社であれば、米ドルの場合1,000ドルが最低取引額となります。その時1ドル130円であれば13万円程度の費用が必要です。

ただしこれはレバレッジをかけない場合です。25倍のレバレッジをかけると27,500円から1,000ドルの取引が可能になります。

多くのFX会社の最低取引通貨単位は1,000ですが、中には1通貨単位での取引も受け付けている会社もあります。

1通貨単位の取引で実際に利益を出せるかどうかは別の話になりますが、理論的には数百円単位で取引ができます。

FXの初心者はいくらから始めればいいか

初心者の方の場合「いくらから始めるべきか」という点について疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?

【初心者はいくらで始めるべきか】
数百円~数千円の少額で取引してみるのがおすすめです

FXが完全に初めての人であれば、「1通貨単位で取引できるFX会社」で始めてみるのがおすすめです。

「SBI FXトレード」や「松井FX」が該当します。

1通貨であれば数百円~数千円の少額からの取引が可能です。

デモトレードが利用できるFX会社であればお金をかけずに取引できますが、ここに1つの落とし穴があります。

【デモトレードの落とし穴】
お金をかけないことで緊張感がなくなり、無茶なレバレッジでトレードしてしまう可能性があります

実際のお金をかけずにトレードできるため、大損したとしても財布の中身がなくなることがありません。

ギャンブル感覚でデモトレードを使ったまま本番に突入することで、大きな損失につながることも考えられます。

一方、数百円でも自分のお金であれば、緊張感をもってトレードに臨むことができます。

成功と失敗を積み重ねながら取引を重ねていくことで、実践的なFXの知識を身につけることもできるでしょう。

FXを行う際の流れ

それでは、実際にFXの始め方から決済まではどのような流れかを紹介します。

FX口座の開設

FXはFX会社を通さないとトレードすることができないので、まずはFX会社を選び口座を開設する必要があります。

なお、DMM FXFXネオ(GMOクリック証券)、SBI FXトレードなどでは当日中に取引が可能です。

口座開設時には本人確認書類の提出が必要です。具体的には運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、住民票の写しなどです。

これらの本人確認書類は、スキャンしてWEBからのアップデート、郵送、FAXなどの手段で提出します。

証拠金を入金する

口座は個人情報を提供することによって開設できます。
しかしトレードを開始するには証拠金を入金してからとなります。

証拠金の入金方法は、2種類があります。

  • 振込入金
  • クイック入金

振込入金はその名の通り銀行口座、ATMからの入金で、クイック入金はインターネットバンキングを利用した入金方法です。

クイック入金は24時間365日いつでも入金ができるのでFXにはおすすめの入金方法です。刻々と変化する状況に即対応できるでしょう。

取引する通貨ペアを決める

FX口座に証拠金を入金すればトレードができます。実際にトレードを行うにはどの通貨ペアにするかを選ばなければいけません。

初心者が通貨ペアを選択するのであれば、米ドル/円やユーロ・米ドルなど取引量の多い通貨ペアをおすすめします。

基本的に取引量の多い通貨は値動きの幅が狭いので大きなリスクを回避できます。また、情報量が非常に多いので値動きが比較的読みやすいからです。

トレードする

通貨ペアを選んだら自身のタイミングで「買い」「売り」を行います。
FXでは通貨を買って、もしくは売って決済していない状態を「ポジション」といいます。

買いポジションは「ロングポジション」と呼び、売りポジションは「ショートポジション」と呼びます。

決済する

ロングポジションの通貨を売れば、また、ショートポジションの通貨を買い戻せば決済したことになり、損益が確定します。FXの決済のことは「ポジションを手放す」とも言われます。

ロングポジションは買った時の値段より上がって手放せば利益になり、逆に下がって手放せば損失となります(損切り)。その反面、ショートポジションが売った時の価格が下がって手放せば(買い戻せば)儲けとなります。

FX業者の選び方

FXのトレードを円滑に行うためには、自分に合ったFX会社を利用することをおすすめします。

自分に合うFX会社とはどのような会社なのか、選択するポイントを紹介します。

最低取引単位

FX会社が「どの通貨単位からトレードができるか」は第一の選択ポイントと言っていいでしょう。

通貨の最低取引単位はFX会社によって異なります。以前までFX会社の最小取引単位は1万通貨単位が一般的でした。

現在はFX会社の数が非常に増え競争も激しく、1,000通貨単位から取引可能な会社が普通になりました。

中には1通貨単位から取引可能な会社も存在します。自身の経済力に応じた会社を選んでください。

アプリの充実度

FXのトレードはインターネットを通じてPCやスマホで取引を行います。FX会社が利用者に提供しているアプリや、ツールが充実していることもFX会社を選ぶポイントのひとつです。

アプリやツールを上手く活用すれば有利にトレードを行うことができます。

FX会社の提供しているアプリやツールが自身の見やすい、使いやすいものかどうかはしっかり確認しましょう。

スプレッドの狭さ

FXにはスプレッドがあり、同じ通貨でも売却価格と買取価格が異なることは前述のとおりです。スプレッドはFX会社によって設定が異なります。

スプレッドはFXを行う上で必要不可欠なコストであり、スプレッドの幅が広いとトレードに必要なコストが大きくなり、逆に狭いとコストを抑えることができます。

スプレッドは利益の額に影響するので会社を選ぶ上でのポイントです。

情報量の多さ

マーケットの情報や取引に役立つ情報、FXを学ぶコンテンツを提供しているかどうかもFX会社選びでは重要です。

通貨の価格は様々な要因によって細かく変化します。いち早く有利な情報をキャッチできるかどうかはFX会社の提供する情報に左右されます。

さらに、初心者向けにセミナーを実施している、動画を配信しているという会社であれば安心です。FXのトレードに必要なテクニックを学ぶこともできるからです。

キャンペーンの充実度

現在数多くのFX会社が存在し、各社ともに新規顧客の開拓を積極的に行っています。このようなFX会社は新規顧客に向けて入会キャンペーンを実施しています。

例えば、利用金額に応じたキャッシュバックを行うなどのキャンペーンです。キャンペーンは利用の条件次第では数万円のキャッシュバックを用意しているものもあります。

上手く利用すれば非常にお得です。FX会社選びのポイントにしてもよいでしょう。

FXの注文方法とは

FXトレードの注文方法はいくつかのパターンがあり、状況によって使い分けると利益をあげることができるし損失を抑えることができます。

その中で、3つの基本的な注文方法を紹介します。

成行注文

成行注文は通貨の価格の動きを注視し、買いたい、売りたいタイミングで注文する方法です。トレードで一番オーソドックスな注文方法と言えます。

成行注文で注意しなければいけないのは、通貨の値動きが激しい時の場合、希望の金額で約定(注文が確定すること)しない可能性があることです。このことを「スリッページ」といいます。

株式取引などの成行注文は出した瞬間にどんなにレートが動いても約定します。

しかしFXの場合24時間常に市場が動いており、しかも取引数が多いため指定の価格で売買が成立しないかもしれないからです。

なお、FXトレードでは、注文した瞬間に金額が変動すれば約定しないような設定ができるので利用することをおすすめします。

指値注文

指値注文は、通貨の価格が現在より有利な条件になった際に注文する方法です。

例えば、ドル/円の通貨ペアで現在1ドル110円ではあるもの105円まで円高になり、その後円安になりそうだ、と予測したとします。その場合、1ドル105円になればドルを買えるように指値注文を行えます。

指値注文は買い注文の時は現在よりも安いレートで、売り注文の時は高いレートに設定しなければといけません。現在より有利な条件になることが必須だからです。

逆指値注文

逆指値注文とは、指値注文とは反対に通貨の価格が現在よりも不利になった時のための注文方法です。逆指値注文を行うことで損失を少なく抑えることができます。

例えば、1ドル110円で買ったポジションが円高傾向に入ったと想定します。この際、100円に達した場合さらに下落すると予測した場合、100円になれば売るように指定するのが逆指値注文です。

また、1ドル110円で売ったポジションのレートが上昇し、115円を超えればしばらく上昇すると予測すれば115円で買えるように注文を出すことができます。

FXでトレードを行うのであれば、成行注文、指値注文、逆指値注文を場面によって使い分けて有利に進めるように心がけてください。

初心者がFXで稼ぐためには?

初心者がFXで稼ぐためには?

FXに必勝法はありません。しかし大きな利益を狙わなければ、利益を上げることができます。

初心者がFXで利益をあげるための方法を紹介します。

FXの初心者がよくやる失敗の原因

FXで利益をあげる方法を紹介する前に、まずはFXで失敗してしまう人の特徴を紹介します。

FXでの失敗要因は数多くありますが、紹介する項目は特に代表的な理由です。是非参考にしてください。

根拠のない勘や願望で取引してしまう

通貨ペアを売買するときは「ローソク足で買いのサインが出た」「金利の上昇が発表された」など、根拠を持って行いましょう。

勘や「このように値動きしてほしい」という願望で取引してしまうと、一時的に勝てることはあるかもしれませんが、長期的な利益は得られません。

色々な通貨ペアに手を出してしまう

取引できる通貨ペアはFX会社ごとに異なりますが、おおむね20~50種類くらいを扱っています。

様々な通貨ペアに手を出すこともできますが、あれこれと複数のペアに手を出すとリスクを高めることになりかねません。

マイナーな通貨ペアは取引する人が少ないので、急激な値動きによって大損することもあります。

取引に慣れるまではマイナー通貨ペアではなく、米ドル/円などの有名通貨ペアに絞って取引することをおすすめします。

通貨ペアごとの取引が活発な時間を理解していない

どの通貨ペアも平日ならほぼ24時間取引することができますが、相場が活発になる時間と、そうでない時間があります。

通貨ペアの取引が活発になる時間帯は、世界各国の市場がオープンする時間帯です

世界各国の市場がオープンするタイミングでは、相場の動きが活発になります。

活発な取引が行われているということは、それだけ利益獲得のチャンスが大きいということです。

世界の市場ごとに活発になる時間を把握しておけば、その時間に合わせて取引やポジション調整も可能でしょう。

以下に世界の主要な市場のオープン時間をまとめたので、参考にしてみて下さい。

市場オープンする時間帯
オーストラリアシドニー市場7:00~16:00
日本東京市場9:00~17:00
イギリスロンドン市場17:00~翌1:00(サマータイムは1時間早い)
アメリカニューヨーク市場22:00~翌7:00(サマータイムは1時間早い)

少額の金額で取引を行う

FXは証拠金の何十倍の投資を行えるため少額の資金でトレードできることは大きな魅力です。
しかし、少額の資金で行うと失敗することが多いことは覚えておいてください。

理由は投資額が少額だと柔軟な対応ができなくなることと精神的な余裕がなくなるからです。投資を成功させるかどうかはメンタルが重要な要素です。

資金が少額だと多少の値動きで余裕がなくなり、焦って誤った判断をしてしまう可能性が高くなります。

損切りラインを設定していない

FXで注文する際には、「このラインまで値下がり(値上がり)したら損をしてでも決済する」ことを決意していないと失敗する可能性が非常に高くなります。

人間は、利益が出るとすぐにその利益を確定したくなります。逆に損失が出ると回復するまでついつい待ってしまいます。

投資において「損をしていてもいつかは回復する」との考えは厳禁です。全く根拠がありません。場合によっては今まで培ってきた利益を吹き飛ばす大きな損失を出すことが多いのです。

投資では、「損少利大(利益が出てきた際にはすぐに確定せずに損が出た時にはすぐに確定する)」の原則を忘れないようにしましょう。

レバレッジをかけすぎる

レバレッジをかけると手持ちの資金の数倍の金額のトレードを可能にします。

利益が出れば大きな利益になりますが、損失になると大きな損失になることは忘れてはいけません。
あまりにも高い倍率のレバレッジをかけると僅かな値動きでも大きく資金に影響します。

25倍のレバレッジでは100万円の証拠金を預ければ2500万円のトレードが可能です。もし1ドル100円で25万ドル買ったとすると、1円上がれば25万円の利益になるものの1円下がると25万円の損失になります。単純計算で4円下がると100万円の損失になります。

高いレバレッジでトレードを行った場合、思惑が外れると大きな損害をこうむることになるのです。

初心者がFXで利益を出すには

それでは、初心者がFXで利益を出す具体的な方法やトレードに臨む際の心がけを紹介します。

余剰資金で行う

投資を行う際には生活に困らないお金、つまり余剰資金で行ってください。

生活資金で投資を行った場合、損失が出ると当然のことながら日々の生活に影響を与えます。さらに、生活資金で投資を行ってはいけない理由に精神的な余裕がなくなることも挙げられます。

先程も紹介しましたが、人間は利益が出るとすぐに確定したくなり、損失が出ると回復するまで待ちたくなる生き物です。ただでさえ損失が大きくなると冷静な判断ができなくなります。

特に生活資金であればよりその傾向が強くなります。切羽詰まるときっと誤った選択をしてしまうでしょう。

まずは少額の利益を目標にして勝ちを重ねる

FXは短期間で成果が出やすい投資方法です。しかし、初心者は一攫千金を狙わずに、まずは少額の利益を積み重ねることが必要です。

FXで利益を上げる方法のひとつに「自分のルールを守ること」があります。自分のルールを確立するまでは取引を重ねてください。

トレードの経験を積んでその結果を分析できれば、より勝率が高くなります。さらに大きな勝負もしやすくなります。

損切りを恐れない

どんなに優秀なトレーダーでも勝率100%の人はいません。プロのトレーダーでも損失を出すことはあるし、勝率50%で万々歳という話も聞きます。

要はFXをする限りは必ず負けることがある、ということです。

自分の思惑通りに相場が進まず状況が厳しいと感じた時はいかに損失を小さくするかが必要です。見切りをつけて早々に撤退しましょう。

損切りする際はできる限りかすり傷で済むようにしましょう。傷が深くなると回復が難しく、もしくはできなくなります。

情報に敏感になる

通貨の価格はあらゆる要因で上下します。要因はその国の政治的、経済状況だけではありません。自然現象や戦争やテロといった要因でも大きく変化します。

FXをはじめ投資を行うのであれば、世界情勢には敏感になりましょう。

また、様々な経済指標の発表は事前にスケジュールが決められています。常にチェックしましょう。

トレードする時間を決める

FXは24時間365日取引が可能です。「何時でも取引ができる」ため、時間が見つかれば随時トレードしたくなるかもしれませんがおすすめしません。いくつものリスクがあるからです。

まず、生活の合間にFXを行うと、常に相場が気になってしまいます。私生活や業務など他のことがおざなりになってしまうでしょう。

さらに、長時間に渡りトレードを行うと集中力がなくなりミスをする可能性が高くなります。トレードの時間を定めないと損切の判断ができなくなることもあります。

プロのトレーダーでない限り、FXは時間を定めて集中してトレードしたほうが効率がよい、とお考え下さい。

ちなみに、為替市場がもっとも活況なのがNY市場とロンドン市場がオープンしている日本時間の夕方から夜中(17時から翌朝5時まで)です。一日のうちにトレードから離れる時間は必要です。

ただしポジションを持っているのであれば逆指値注文は出しておくようにしてください。価格の急変動が起こり、損失が出る可能性があるからです。

自分のルールを確定して守ること

FXで利益を上げる重要なポイントは「自分のルールを守ること」と言えます。自分が決めたルールを着実に守っていけば利益を確実に出すことができますし、損失を抑えることもできます。

FXには必勝法がなく、利益の出し方も人それぞれです。プロのトレーダーも必ず独自のルールに従って取引を行っています。

設定するルールとは、

・通貨ペア
・投資金額
・ポジションを保持する期間
・利益確定と損切りのタイミング
・取引を行う時間
・取引のスタイル

などに関して自身の決め事を作ることです。

人間は感情に大きく左右される生き物です。一時的な感情で正常な判断が下せなくなることが起こることがありますが、FXで判断を誤ると大切な資産を失うことになります。

ある程度取引を重ねていけば「自身の勝ちパターン」が見つかるはずです。そのパターンに沿った動きをルール化し、感情に左右されず忠実に守れば勝率は上がります。

自分のルールを確立するまでは地道に取引を続け、しっかりと分析してください。

そうすると自分だけの勝ちパターンを見つけることができ、それをルール化し忠実に実行すると勝率が上がるでしょう。

FX初心者はデモトレードの練習も取り入れよう

FX初心者は自己資金が少ないことも多く、なかなか実戦にチャレンジできない方もいます。

そこで、取引に慣れる意味でもデモトレードを駆使しましょう。

デモトレードは仮想のお金を使って実際の画面で取引ができるので、負けても金銭的なダメージがありません。

失敗体験を何度も繰り返すうちに、少しずつトレードのコツが分かってきます。

そうしたら、今まで100%デモトレードだった時間の一部で、本番のトレードにチャレンジしてみましょう。

「デモ80:本番20」くらいの割合で始め、徐々に本番の割合を増やしていくと無理なくデモトレードを卒業できるでしょう。

「FXは失敗するからやめとけ」と言われてしまう理由

ここまでFXの取引について、魅力やメリット・デメリットを紹介してきました。

ただ、FXに関してネットの掲示板やSNSでは、「失敗するからやめとけ」といったようなネガティブな書き込みも多く見つかります。

なぜ、多くの人が「FXはやめとけ」というのでしょうか?

実際には「FXのことをよく知らないから」「FXで過去に大損したから」という自身の実体験や知識によるところが大きいようです。

ここからは、「FXはやめとけ」と言われる理由について詳しく見ていきましょう。

失敗して損をする可能性があるから

もっとも分かりやすい理由が「失敗して損をすることがある」というものです。
FXに限らず、100%儲かる投資というものはありません。

株式投資も投資対象の株価が下がれば値下がりしますし、投資信託も投資対象の指数に連動して値下がりすることがあります。

ただ、投資信託や株式投資と違って、FXは「ゼロサムゲームである」という特徴があります。

【ゼロサムゲームとは】
参加者の利益と損失の総和が「0」(ゼロ)になるゲームのこと

FXでは2国間の為替の取引を行う関係上、市場全体が上がるということはあり得ません。
一方の為替レートが上がれば、もう一方のレートは必ず下がることになります。

たとえば米ドル/円の場合、ドルの価値が上昇する局面ではドルを買った人が含み益を得ますが、逆にドルを売った人は含み損になってしまいます。

一方の株式投資は、銘柄の株価が上昇すれば、全員がその恩恵を受けることができます。

このような投資商品としての特徴の違いによって、「FXは必ず損をする」という話に繋がってくるのかもしれません。

レバレッジをむやみに高めると資産の大半を失うこともあるから

「損をする」という話にも繋がってくる話ですが、FXでは株式の現物取引と違って「レバレッジ」という仕組みを利用することができます。

FXでは最大で手元資金の25倍までの大きな取引が可能です。
10万円でも250万円分の取引ができるので、うまくチャートを読み切ることができれば大きな利益を得ることができます。

一方、もし読みと反対側にチャートが動いた場合のダメージが大きくなります。もしレバレッジを25倍に設定していた場合は損失も25倍です。

一例として日本で100万円分の米ドルをレバレッジ5倍で取引したと仮定して考えてみます。

前提条件・1米ドル100円・証拠金は10万円

1万米ドル(100万円)の買い建玉を建てるとレバレッジは10倍円安が進行して1米ドル110円になった場合、日本円で10万円の利益を得ることができる
逆に円高が進行して1米ドル90円になった場合、日本円で10万円の損失を被ることになる

自己資金10万円で10万円の利益を得ることができる反面、為替の値動きが予想と反対になってしまうと資産がなくなってしまう結果になりました。

このような失敗をしている人が、初心者の方に「やめとけ」とアドバイスをするのかもしれません。

このような失敗をしないためには、レバレッジを自身が許容できる範囲内にしておくことが重要です。

上記の例でレバレッジを5倍にしておけば、損失は5万円で済んだ計算です。

レバレッジは「いくら儲けたいか」ではなく、「いくらまでの損失を許容できるか」で考えると自身に合ったレバレッジ設定がしやすくなります。

FXについてよく分かっていないから

FXについて、投資をしたことがない多くの人は詳しい仕組みを知りません。

知識がないのにネット上では「怖い」「損をする」といったネガティブな情報が飛び交っているので、自分も周囲に「FXは怖いもの」と話してしまうのかもしれません。

FXは「レバレッジ」という分かりやすい形で、リスクをコントロールすることができます。

もちろん損をするリスクもありますが、勉強と経験で損失を抑えることも可能です。

FX会社では、初心者向けのセミナーを開催しているほか、YouTube等を通じて無料の解説動画を配信しています。

お金をかけずにFXの基礎知識を学ぶことができる時代ですから、サービスを存分に活用してみましょう。

よくある質問

FX初心者が感じる素朴な疑問をまとめてみました。

FXで利益が出た場合の税金は?

FXの差益やスワップポイントで得た利益を得た人で下記の人は確定申告が必要になります。

  • 利益が必要経費を差し引いて20万円以上の人
  • 扶養家族で利益が38万円以上の人
  • 給与が2000万円を超えている人
  • 給与を2カ所以上からもらっている人

ちなみに、FXの利益を確定申告する際に必要経費として認められる可能性のあるものは数多くあります。

必要経費として認められるもの例
  • 売買手数料
  • パソコンやスマホの購入代金
  • インターネット通信料
  • 書籍の購入費
  • セミナーの参加費用
  • ソフトウェアの購入費など

確定申告は利益が出た時だけではなく損失が出た時にも行うことをおすすめします。税金には繰越控除という制度があり損失が出ると3年間繰り越しができるからです。

年間20万円以上の利益が出たとしても、前年にそれ以上の損失が出た場合相殺され納税する必要がなくなります。

初心者はレバレッジの何倍がおすすめ?

初心者はまずはレバレッジ1倍でトレードすることをおすすめします。高くても2倍までにとどめておいた方がよいでしょう。

運転免許取り立てでスピードが出るスポーツカーに乗っても上手く乗りこなせるはずはありません。

初心者はレバレッジを低めにして、大きな利益を考えずにまずは相場に慣れることが必要です。

ハイレバレッジは本当に危険?

「初心者にはハイレバレッジはおすすめしない」と説明しました。しかしレバレッジの使い方次第です。

例えば、FXに使える資金が10万円あるとします。レバレッジ10倍のFX会社で1ドル100円の時、1万通貨を買う時に必要な証拠金は10万円です。

しかしレバレッジ25倍の会社では4万円で済むため、10万円全てを証拠金にする必要がなくなります。その分、6万円の余裕が生まれます。

資金に余裕があれば予想しなかった値動きに対応できます。利益を出すことも損失を防ぐこともできるのです。

初心者にとってハイレバレッジが危険なのは、利用可能な資金を全て(もしくはほとんど)高いレバレッジでトレードしてしまうことです。ご注意ください。

FXの分析方法にはどのようなものがあるの?

FXの分析方法には二つの種類があります。それは「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」です。

テクニカル分析は、チャート(価格と時間をグラフ化したもの)の動きを一定の法則にあてはめて分析する方法です。一方ファンダメンタル分析は、金利や経済指標を踏まえて分析する方法です。

FXの世界では両者は相反する分析方法である、と言われています。しかし成果を上げるためにはいずれに取り組んだほうがより確実でしょう。

FX会社はどうやって利益をあげているの?

FX会社の収入源は売買手数料やスワップポイントの手数料、そしてスプレッドです。

スプレッドは1通貨につき数十銭単位にしかつかないため、FX会社が利益を出せることを不思議に感じるかもしれません。

スプレッドの1通貨単位あたりの価格は確かに微々たるものです。

しかし顧客が利益を出しても損失を出してもトレードを行う度にスプレッドは必要になります。顧客が取引を行う度にFX会社の売り上げが上がることになります。

現在、売買手数料を設定していない、というFX会社もありますが、このような会社はその分スプレッドの幅を広く設定しています。

また、新規会員に対しキャンペーンを実施しているものの、手数料が他社より高額、スプレッドの幅が広い、という会社もあります。

キャンペーンに惹かれてFX会社を選ぶ際には、手数料やスプレッドの値段も併せて見るようにしましょう。

FP監修者

慶應義塾大学を卒業後、みずほ銀行(旧富士銀行)に入行。10年以上融資業務に携わリ、大企業向けファイナンスから不良債権処理まで幅広く経験。その後、ファイナンシャルプランナーの道を志し、外資系生保のコンサルティング、金融系ベンチャー企業の創業に参画。2009年に独立系のFP事務所FPバンクを設立し、現在に至る。

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