こんにちはFPバンク編集部です。
教育資金を準備する手段としてジュニアNISAがいいって聞いたことがあるけどそもそもどんな制度なの?
どんなメリットがあってデメリットがあるのか、そんな疑問に答えます!
ジュニアNISAの活用を検討している人は是非チェックしてみてください!
目次
1. ジュニアNISAの概要
(1)ジュニアNISAとは
ジュニアNISAは、お子さま・お孫さまの将来に向けた資産運用のための制度です。
毎年80万円までの非課税投資による効果的な資産形成が行なえます。
なお、ジュニアNISA口座の投資可能期間は、2016年4月から2023年までです。
制度の概要は下記のとおりです。
利用できる方:日本にお住いの0歳~19歳の方(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象:株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数:1人1口座
非課税投資枠:新規投資額で毎年80万円が上限
非課税期間:最長5年間
投資可能期間:2016年~2023年
運用管理者:口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)
払い出し:18歳までは払い出し制限あり
<参考>金融庁HP
2.ジュニアNISAのメリット
(1)運用益が非課税
やはりこれが一番のメリットではないでしょうか。
株式や投資信託の運用で預貯金や学資保険よりも大きく資金が増える可能性がありますし、運用で得られた利益が非課税になります。
ジュニアNISAに預けたお金は子供が18歳にならないと引き出させないため、大学の教育資金をしっかりと準備することができます。
(2)非課税期間を延長(ロールオーバー)できる
非課税で投資できる期間は5年間となっていますが、延長(ロールオーバー)という制度を利用すれば、子供が20歳になるまでは保有期間を延ばすことができます。
ジュニアNISAの制度終了後も運用は継続されますので、長期間非課税で運用することが可能です。
(3)相続対策も兼ねる
毎年の贈与の非課税枠110万円を活用し、祖父母世代から孫にジュニアNISAを使い生前贈与することにより相続税対策にもなります。
ジュニアNISAの非課税枠の上限は年間80万円までなので非課税で生前贈与が可能です。
<関連記事>贈与税の非課税枠を活用すると数百万円得する?
3.ジュニアNISAのデメリット
(1)18歳まで引き出せない!?
ジュニアNISA最大のデメリットは途中で引き出してしまうと売却益や配当が遡って課税対象になってしまうことです。
原則としてジュニアNISAは子供や孫の将来に向けた資金作り、特に大学や短大への教育資金が主な目的となっているためです。
(2)金融機関の変更ができない
ジュニアNISAでの金融機関の変更は、口座廃止手続きをしなければできません。
NISAと異なり、ジュニアNISAでは金融機関の変更はできませんが、開設していたジュニアNISA口座を廃止することにより、他の金融機関でジュニアNISA口座を再開設することは可能です。
払い出し制限が解除される年より前に口座を廃止する場合は、災害等やむ得ない事由により口座廃止する場合を除き、非課税で受領した過去の配当金、譲渡益等に課税されることになります。
(3)損益通算ができない
特定口座や一般口座で利益や損失が出た場合、相殺するのが損益通算です。
ジュニアNISAで利益や損失が出たとしても他の口座と損益通算することができません。
ですので、たとえジュニアNISAで損失が出ていて他の口座で利益が出ている場合は課税されてしまいます。
(4)元本割れするかもしれない
中長期的に見れば確かにリスクが少ないかもしれませんが、ジュニアNISAはあくまで投資なので預金とは違い、実際に大学費用として使おうした時に元本割れしている可能性はゼロではありません。
リスクを理解した上で始めることと教育資金をジュニアNISAだけで用意するのではなく別途分散して準備する必要があるでしょう。
4.ジュニアNISAを使うべき人
(1)子供が18歳になるまでに資金に余裕がある人
やはり18歳までに資金が引き出せないことや18歳の時に元本割れしているリスクを考えると、まずライフプラン上18歳までのキャッシュフローが潤沢にありジュニアNISA以外にも教育資金の積み立てができる家庭じゃないと選択肢に入らないかもしれません。
(2)生前贈与をしたい人
資金が潤沢にあり若い世代だとしても子供に早いうちに生前贈与したい場合には有効かと思います。
もちろん祖父母の相続対策として生前贈与するのもありでしょう。
(3)子供に資産運用の勉強をさせたい人
日本ではまだまだアメリカやヨーロッパに比べ、金融教育や投資教育が遅れています。
自分の口座を持つことにより早くから投資に興味を持って欲しいという思いではじめられる方もいます。
5. つみたてNISAとの違いは?
(1)払い出し制限がない
つみたてNISAの場合は、18歳までの払い出し制限がありません。
ですので、ジュニアNISAに比べて比較的気軽にはじめることが可能です。
(2)非課税枠と買付方法が違う
つみたてNISAの場合は、年間の非課税枠が40万円で買付方法が積立てのみになっています。
まとまったお金を生前贈与したい場合はジュニアNISAの方が向いているかもしれません。
(3)口座を作れる年齢
つみたてNISAの場合は、20歳以上にならないと口座が作成できません。
ですので、NISAの非課税枠を使った親から子、祖父母から孫の生前贈与は子供が20歳以上になるまでできません。
6. 学資保険とどっちがいいの?
(1)安定志向ならば学資保険
学資保険は途中で解約をしたりしなければ、契約したときに定められた金額を受け取ることができます。
あらかじめ受け取れる金額がわかりますので将来の資金計画は立てやすくなります。
また契約者が亡くなってしまった時に保険料の払い込みが免除になる保険機能もついているので万が一の際も安心です。
(2)学資保険は貯蓄性が低い
最近の低金利の影響で一般的にいまの学資保険は資金が増えないことが多いです。
商品によっては元本を下回るケースもありますので注意が必要です。
最近では学資保険の代わりに貯蓄型の終身保険を学資保険代わりに加入する人が増えています。
<関連記事>学資保険とは~比較前おすすめ徹底ガイド~
7.令和2年度(2020年度)税制改正
(1)18歳までの払い出し制限が撤廃
今回の税制改正により、ジュニアNISAは2023年末で口座開設できなくなり事実上廃止になります。
18歳になるまで払い出しができないこともあり、利用者があまり増えなかったためです。
それに伴い、今までの制度の18歳になるまで払い出しができないという年齢制限が今回の税制改正により2024年以降は18歳未満でも非課税で払い出しができるようになりました。
また子供が18歳になるまで非課税で保有できるようにもなっており今回の改正により使い勝手が良くなっています。
廃止が決まって良くなるというのも不思議な話ですね。
8.まとめ
ジュニアNISAを検討しているということはおそらく教育資金の準備を考えらている方が多いのではないでしょうか。
教育資金の準備の仕方も色々とあります。
現預金、学資保険、つみたてNISA、財形貯蓄、投資信託、株などなど多岐にわたります。
まずそもそもどのくらいの教育資金を準備しなくてはいけないのかを確認しましょう。
そしてライフプラン(長期の資金計画)を立て自分たちにはどの方法が合っているのか検討しましょう。
ジュニアNISAは資金力が十分にある人が向いていますので自分たちはジュニアNISAをはじめても大丈夫かよく確認してからはじめることをおススメします。
もしご自身で長期の資金計画を立てるのが難しい場合はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも良いと思います。
お金のプロは、現在の状況だけではなく、将来の家族の生活や希望も考えた上で最適なプランを提案してくれます。
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2020年8月21日
text by 久保田 正広
FPバンク