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2020.6.9
家計・ライフプラン

知らなきゃ損!?サラリーマンでもできるカンタン節税法

こんにちはFPバンク編集部です。
給料日に給与明細を見る時に、額面と実際の手取り額を見て、「こんなに引かれちゃうんだ!」って思ったことはありませんか?

給与天引きされている税金や社会保険料は納付する義務があるし、うちはサラリーマンだから会社で計算もされているし、しょうがないかー。と思う一方、内心、少しでも手元に残るお金が増えたらいいのにと思うこともありますよね。

実はサラリーマンでもできる節税策は沢山あります。そこで今回は、サラリーマンでもカンタンにできる節税策をわかりやすく解説していきます。上手く節税策を活用すれば、今年は去年より手元に残るお金を増やすことも可能でしょう。

今年から節税ができるものばかりですので、自分に使えるものがないかチェックしてみましょう。

1.サラリーマンでも節税できるのか?

会社勤めのサラリーマンは個人事業主と違って、経費にできるものがないし、節税は難しいと思っていませんか?実はサラリーマンに出来る節税方法は思った以上にあります。今からでもできるカンタンな節税方法もありますから自分に使えるものはないかチェックしてみましょう。

2.節税ってどうやればいい?

(1)確定申告

確定申告とは1年間に得た所得を自分で計算し、納税額を確定させる一連の手続きのことです。サラリーマンは会社が年末調整という形で行ってくれるため、確定申告を行う必要はありません。

しかし、節税をする場合は原則、確定申告をする必要がでてきます。確定申告は毎年1月1日から12月31日を計算期間とし、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告書の提出・納税を行います。

(2)年末調整

節税をする場合は原則、確定申告をする必要がありますが、毎年、勤務先で行っている年末調整で節税の手続きが完了できるものもあります。やり方は必要書類を添付し、毎年の年末調整時に勤務先に提出するだけです。

3.給与天引きされている項目を知ろう

(1)税金

所得税

所得にかかる税金でサラリーマンの払う税金の代表は所得税と住民税です。まず、所得税は国に納める税金です。「国税」とも呼ばれています。納付先は税務署になります。

納める税額は所得に税率を掛けて算出しますが、この税率は所得が増加するに従い税率の上がる超過累進課税です。税率は最低で5%で、これは課税所得が195万円以下の人に適用されます。

反対に最高税率は45%で、課税所得4,000万円超の場合に適用されます。所得ごとの詳しい分類は、以下の表を参考にしてください。

住民税

国に納める所得税に対し、住民税は地方自治体に納める税金です。「地方税」とも呼ばれいます。納付先は、各都道府県の地方自治体となります。住民税は「均等割」と「所得割」という二つに区分されています。

均等割は所得に問わず、全員が均等に支払う税金であり、自治体によって上乗せされる場合もありますが、基本的には市町村民税3,000円と都道府県民税1,000円の合計4,000円です。

所得割は所得に市町村民税6%と都道府県民税4%の合計10%の税率を掛けて算出します。その年の所得に応じて段階的に税率が上昇する所得税と違い、住民税の税率は一律10%です。また、住民税はその年の所得でなく、前年度の所得に応じて課税されます。

(2)社会保険

健康保険・介護保険

健康保険は、ケガや病気・出産や死亡に対する保障を行う医療保険制度です。自営業者や年金生活者は国民健康保険に加入し、サラリーマンは全員、健康保険に加入する義務があります。

健康保険料は、まず毎年4月から6月の給与額によって「標準報酬月額」を決定し、この標準報酬月額に保険料率を掛けて算出します。また、40歳以上になると健康保険に加え、介護保険にも加入が義務付けられ、給与天引きされていきます。

厚生年金保険

厚生年金保険とは、サラリーマンが加入する年金制度です。老後に年金を受け取ることができる制度ですが、老後の年金だけでなく、死亡や障害でも年金をもらうことができます。

保険料は健康保険と同じように会社と半分ずつ保険料を負担します。健康保険と同じ要領で「標準報酬月額」を算出し保険料率を掛けます。厚生年金の料率は一律18.3%であり、会社と半分ずつ保険料を負担します。

雇用保険

雇用保険は、失業や転職した際に、失業手当などの給付受け取ることができる制度で、失業による収入ダウンから生活の安定を図るためのものです。会社に雇われているサラリーマンのみ加入の義務があります。加入者が納める雇用保険料の料率は、農林水産などの一部の業種を除いて一律0.3%です。

4.サラリーマンでもできるカンタン節税11選

(1)ふるさと納税の活用

ふるさと納税とは、全国の市町村から自分で寄付先を選び、それによって、寄付金控除を受けることができる制度です。寄付先は複数の制度は「納税」という言葉を使っていますが、実際は「寄付」と同じです。多くの市町村で寄付金のお礼としてその地域の肉や魚、お酒や工芸日などの物産品を返礼品として貰えるため、近年人気を集めています。

全国の市町村の返礼品を比較できるポータルサイトも複数あり、どこに寄付をするか、楽しみながら選べます。もちろん、一つでなく、複数の市町村に寄付をすることもできます。

ふるさと納税は、自己負担額の2,000円を引いた全額が控除の対象となり、所得税から還付(払いすぎた税金が返ってくる)を受けることができます。所得税の計算をする際、寄付した金額を所得額から差し引きます(所得控除)。

所得控除の対象となる金額は2,000円を超える部分です。こうすると、課税される金額が少なくなり、結果として、所得税額が低くなります。また、クレジットカードの利用も可能なので、カード利用時のポイントも獲得できます。

注意が必要なのは、年間のふるさと納税の控除額には上限の設定があります。上限を超えた分は控除されません。上限額の計算は複雑で、家族構成や年収、各種控除の有無で変わります。ふるさと納税のポータルサイトでシミュレーション可能なので、自分の控除上限額を確認できます。

一般にふるさと納税は確定申告をする必要がありますが、給与所得者であるサラリーマンの場合は確定申告を不要にできる方法があります。

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」といって、寄付先が年間5市町村以下に限定されますが、確定申告が不要となります(※ただし、寄付し自治体に申請書を提出する必要はあり)。

この「ワンストップ特例制度」は、確定申告をしないサラリーマンの限定の制度で、控除額はかわりませんが、所得税からでなく、翌年度の住民税から控除されます。5市町村以下に寄付する場合は便利です。

一方、その年に他の控除(住宅ローン控除や医療費控除など)を同時に受ける場合、通常どおりの確定申告をする必要があります。

今後の注意点として、2020年のふるさと納税はルール変更が行われます。背景にあるのは寄付確保のため、寄付金に見合わない高額な返戻品や地元産以外の返戻品行う市町村が出てきたことです。

具体的には次のようなルール変更が行われます。

  1. 返戻品の割合は寄付額の3割以内
  2. 返礼品は地元産品に限る
  3. 控除対象となる市町村は総務大臣が指定

今後は以前ほど、寄付金に見合わない高額な返戻品は期待できなくなります。

〈参照サイト〉ふるさと納税ポータルサイト

(2)住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住宅を新築・購入または増改築した方が、10年にわたって受けられる制度です。土地と建物の両方が対象で、戸建てでもマンションでも利用することができます。

適用条件に違いはありますが、新築物件でも中古物件でも利用できます。サラリーマンがこの減税を受けるには、1年目だけは確定申告の必要がありますが、翌年以降は勤務先に控除証明書(借入金融機関から取得)を提出すれば、年末調整のみで手続きが完了します。

住宅ローン控除は年間40万円(特定住宅以外は20万円)を上限として、年末のローン残高の1%を所得税及び住民税から控除できます。10年間適用を受けると最大控除額は400万円(特定住宅の場合は200万円)です。

ただし、住宅ローン控除を受けるには、その年の所得が3,000万円以下であることや住宅ローン返済期間が10年以上、床面積が50㎡以上など適用要件が細かく規定されています。これから住宅の購入・新築や増改築を検討している人は、事前に条件をチェックをしておくといいと思います。

住宅ローン控除は「税額控除」といって数ある節税策のなかでもふるさと納税と住宅ローン控除にしか認められていません。通常の節税策は「所得控除」といって、納税額を計算する際の「所得」を低く抑えるものです。

一方、住宅ローン控除とふるさと納税は「税額控除」といい、この税額控除は、所得税及び住民税の納税額から直接控除します。

【所得控除】
(所得―所得控除)×税率=納税額
【税額控除】
(所得―所得控除)×税率=納税額

さらに、納付額-税額控除=実際の納税額

例えば、上限の40万円の控除を受ける場合、その年の納税額が丸ごと40万円減ることになり、所得控除より格段に節税効果が高いと言えます。

(3)生命保険料・地震保険料控除

生命保険料控除

生命保険に加入している場合には、所得から一定額を控除することができます。毎年10月以降に保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を勤務先に提出すれば、年末調整だけで手続きが完了します。

勘違いしやすいのですが、支払った保険料の全てが控除されるわけではないという点です。まず、生命保険料控除は保険内容に応じて、「一般生命保険料控除」(終身保険、養老保険・学資保険など)「介護医療保険料控除」(医療保険、がん保険、介護保険)「個人年金保険料控除」(個人年金保険料税制適格特約のある個人年金保険)の3つに区分されます。

所得税の場合、それぞれの控除額の上限は4万円で、上限4万円の控除を受けるには年間で8万円以上の保険料支払いが必要です。3区分された保険を全て網羅すると、合計で所得税では最大120,000円、住民税では最大84,000円の控除を受けることができます。

なお、妻名義の生命保険の保険料を夫が支払っているようなケースでも、夫の所得からの控除対象にできます。契約者ではなく、実際の保険料を誰が払ったのかが基準になるからです。

注意点として、生命保険料の控除額は、契約の時期により、新契約と旧契約に分かれます。※2012年に制度変更があり、旧制度での保険料控除と新制度での保険料控除が異なることになりました。

保険に加入・契約した時期によって、新旧どちらの制度が適用されるかにより、控除額も異なってきます。特に、3つの区分のうち「介護医療保険料控除」は2012年に新設されたので、2012年年1月以降に契約したものだけが対象です。

医療保険やがん保険でも、2011年12月31日以前に契約のものは「一般生命保険料控除」となるので、控除証明書で確認が必要です。新旧の混ざった保険契約でも所得税での控除限度額12万円(住民税の場合は8.4万円)

地震保険料控除

生命保険料控除と同じように地震保険料を支払った場合にも一定の金額で所得控除を受けることが可能です。控除の額としては、年間の保険料が50,000円以下の場合は支払い金額の全額、50,000円超えの場合は一律50,000円になります。

地震保険は火災保険に追加して加入しなければならないため、火災保険の加入は必須です。火災保険のみの契約では全く控除を受けることはできません。

また、控除できるのはあくまで地震保険料部分のみですから、火災保険料の部分は控除対象になりません。火災保険契約のある世帯のうち、約60%が地震保険に加入していると言われています。まだ、加入していない場合は地震保険加入で、節税になります。

(4)iDeCo、NISA(つみたてNISA)

iDeCo (イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことで、国の年金制度に追加して、不足する老後資金を補うために作られた個人年金制度です。サラリーマンの場合は厚生年金がありますが、これに追加して加入するイメージになります。

iDeCo は、銀行や証券会社で口座開設後、毎月一定の掛金を拠出し、定期預金や投資信託で運用します。その後、60歳達齢以降に運用で得た利益とともに年金または一時金で受け取ることのできる個人年金です。

毎月の掛金の全額が所得控除の対象となり、その年の所得税と翌年の住民税が節税となります。手続きは年末調整の際に年間で拠出した掛け金を証明する書類を提出することで完了します。

iDeCoの制度はスタートして、すでに数年経ちますが、私共の相談者でも意外に活用していない人が多く、節税の制度を詳しく説明すると驚かれます。特にサラリーマンの場合、所得税は年末調整時に収める金額が減少するこので、手続きも簡単です。住民税は翌年5月からになりますが、毎月の給与天引きされる住民税が減少することで反映されています。

また、通常、運用で得た利益(利息や値上がり益)は、通常であれば、利益に対して約20%の税金が課税されます。しかし、iDeCoは、運用している時にも、運用で増加した利益に対して税金はかかりません。

さらに、受取時には退職所得控除や公的年金等控除といって有利な税制が適用されるため、税金負担を軽減することができます。拠出額も毎月5,000円から手軽に始めることができますが、毎月の拠出金額には限度があり、サラリーマンの場合、勤務先に企業年金が有りの場合は毎月12,000円、無し場合は23,000円が上限となります。

一方、注意点もあります。

1点目は60歳前では死亡した場合を除き、一切お金を引き出すことができない点です。また、加入期間が短いと受け取る年齢も後ろ倒しになり、65歳以降となる場合もあります。50歳以上の加入者は受け取れる年齢の確認する必要があります。

2点目としてiDeCoの口座開設と維持に手数料がかかることです。金融機関により金額は異なりますが、長期間に渡り利用しますから、総額でどの程度の手数料を支払うか計算し、それでも節税効果が上回るのか確認が必要です。

3点目として、投資信託などで運用する場合、その結果次第では、60歳以降に受け取る金額が増える場合もあれば、反対に拠出額よりも少なくなることもあります。老後にいくらもらえるのか確実性がないことも認識する必要があります。

NISA(ニーサ)とは、年間120万円,5年間で最大600万円までの投資額について非課税になる制度です。またつみたてNISAとは年間の上限40万円で20年間非課税になる制度です。

通常、金融商品を運用して利益が出れば約20%の税金がかかりますが、その投資による利益がNISAの場合は5年間、つみたてNISAの場合は20年間非課税となります。確定申告も不要になっています。

一方NISAはiDeCoと違い、運用益についての節税メリットがありますが、iDeCoのように、積立てした金額を所得から控除することはできません。しかし、iDeCoのように60歳までお金を引き出しできないということはなく、いつでも引き出し可能です。

ですので、両方を特徴を上手く活用して、節税の効果を使っていきます。例えば、iDeCoは所得税と住民税を合わせると、どんなに税金の低い人でも15%の節税効果があります。

こうして節税によって得たお金を今度はNISAの投資で利用します。そうすれば、NISAで生まれた利益には税金がかかりません。iDeCoによる節税効果をそのままNISAの投資に利用していくことで、節税をしながら資産形成をすることもできます。

〈参照サイト〉iDeCo公式サイト 金融庁公式サイトNISA

(5)医療費が多くかかった時(医療費控除)

医療費控除とは自分や家族の医療費を年間10万円超支払った場合、10万円を超えた分の額を所得から控除できる制度です。ただし、総所得が200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超える部分が控除対象となり、限度額は200万円です。

また、保険で補填された金額がある場合は、その額を差し引いた金額になります。一定の金額が所得控除されます。医療費控除を受ける場合は確定申告が必須になります。

勤務先での年末調整で適用を受けることができないので、控除を受けたい場合には自分自身で確定申告を行なう必要があります。人間ドッグや健康診断などは医療費控除の対象にはなりませんが、控除範囲は比較的ひろいです。

ケガや病気のための通院費(病院に行くまでの交通費も含む)や市販の薬も控除対象になります。医療費控除の医療費には、生計を共にする家族の医療費も含みますので、家族分も含めて領収書はとっておくようにするのがいいです。

また、近年の税制改正として、「セルフメディケーション税制」が導入されています。この制度を利用する場合は、健康維持や病気予防のためにその年に健康診断や予防接種などを受け、その証明書を提出することになりますが、対象となる市薬品の購入額が12,000円超えた分の額を、88,000円を上限として控除できる制度です。通常の医療費控除では10万円を超える必要がありますが、サラリーマンの場合は毎年、健康診断をしていますから利用しやすいです。

ただし、医療費控除との選択適用なので、その年の医療費を合計し、お得になる方を選択するようにしましょう。

確定申告時は「医療費控除の明細書」を作成して確定申告用紙と共に提出するだけでよく、領収書は提出不要です。ただし、税務署から提示や提出を求められる場合もありますから、領収書も5年間保存しておく必要があります。

(6)扶養控除

高校生以上の子供を扶養している場合は扶養控除を受けることができるため、税金が安くなります。しかし、共働き夫婦の場合には、収入の高い方が扶養控除を受けるようにします。

所得税は所得が高くなると、税率もあがっていくからです。また、扶養控除は親と同居して家族全体の生活費を負担している場合にも適用できます。

例えば、親が65歳以上で年金生活を送っている場合、年金額が158万円以下であれば、扶養に入れることができます。親が70歳以上になると、扶養控除の金額も増えます。

扶養控除の適用される家族は「6親等内の血族及び3親等内の姻族」で納税者と生計を一にしておいることが条件なので、範囲は広いです。

例えば、祖父母の兄弟やいとこの子供も該当することになります。なお、「生計を一にしている」=「同居」ではありません。仕送りなどをしており、実質的に金銭のやりとりがあれば該当します。

サラリーマンであれば、年末調整で「給与所得者の扶養控除等申告書」に記入することで手続き完了します。勤務先から、本当に扶養しているのか証明を求められることもありますので、特に同居していない場合、送金の証拠となる通帳などは残しておくといいです。

(7)死別・離婚した時(寡婦控除・寡夫控除)

①配偶者(妻もしくは夫)と離婚または死別した場合、寡婦控除(寡夫控除)によって節税することができます。寡婦控除とは、シングルマザーやシングルファザーへの税金を優遇する制度です。

「寡婦」とは、夫と死別や離婚のあと、再婚しておらず、親などの扶養親族や生計を一にする子がいる人です。性別や年収、死別か離別によっても控除できる金額が変わります。サラリーマンであれば、扶養控除と同じく、年末調整により適用を受けることができます。

【女性のケース】

離別か死別を問わず、扶養親族または合計所得38万以下の子どもがいる場合、または本人の合計金額が500万円以下での配偶者と死別した場合は、控除額は27万円となります。

特別寡婦控除は、配偶者と離別か死別か問わず所得が500万円以下、かつ扶養親族である子どもがいる場合に受けられる制度で、控除額は35万円です。

シングルマザーの場合には、合計所得金額が500万円以下になるケースが多いので「特定寡婦」に該当し、8万円上乗せされて好悪女学が35万円になるので、より節税効果が大きくなります。

【男性のケース】

離別か死別を問わず、扶養親族または合計所得38万以下の子どもがいる場合には、27万円の控除を受けることができます。

寡婦控除とは異なり、特定寡婦のような控除額の上乗せはありません。また、寡夫の場合には寡婦とは違って、生計を一にする総所得金額等が38万円以下の子がいることが控除を受けられる条件となります。

(8)災害や盗難にあったら(雑損控除)

雑損控除は生活に必要な財産である住宅や家財、衣服などが震災や火災、盗難、横領によって失われた場合に利用できます。例えば、住宅取り壊し費用など災害によって支出した費用があれば、「災害関連支出」として控除対象となります。

適用を受ける場合は確定申告する必要があります。ポイントは「被害に遭ったのが通常の生活に必要な財産」であるため、自宅ではない別荘や、骨董品・貴金属は生活に必要な財産と見なされないため、雑損控除は利用できません。

また、保険で賄われる分は対象となりませんが、支払われた保険金以上の損害が発生している場合は、利用することができます。具体的に雑損控除として控除できる金額は下記a、bのいずれか高い金額になります。

a:{(損害金額+災害関連の支出-保険金)-総所得金額}×10%
b:災害関連の支出―5万円

また、災害減免法の規定により、災害で、住宅や家財の時価の2分の1以上の損失があると、直接税金を軽減・免除してもらうこともできます。確定申告時には、損失額の明細書を自分で作成して申告書に添付する必要があります。

雑損控除と災害減免法のどちらを受けるかについては、選択する適用となります。災害減免法は所得金額の合計額が500万円以下なら税金が全額免除となりますが、その年しか受けることができません。

一方、雑損控除は損失額が大きくて今年だけでは引ききれないような場合には、原則として3年間繰り越して所得から差し引くことができます。雑損控除と災害減免法のどちらが有利かについては、ケースによって異なるので、事前に確認して有利なほうを利用するのがいいです。

(9)株取引で損失があった場合

上場株式等の売買損失は、その年の配当所得や他の株式の利益と相殺することができます。損益通算とは、その年の株式取引における損失と配当利益や譲渡利益とを足して、所得計算するということです。

この場合の「所得」は「株式など譲渡所得」となります。このため損失もきちんと計算に入れなければ、配当益にのみ税金がかかってしまいます。

なお、その年に損益通算によって控除しきれない程の損失が発生している場合、翌年から3年間は繰越で利益から控除することができます。この制度を繰越控除といい、利用する場合は、確定申告の必要があります。

過去に損失を出していたにもかかわらず確定申告をしていなかった場合でも、サラリーマンなど確定申告の義務がない人であれば、5年前までの損失なら遡って申告することができます。

(10)特定支出控除

特定支出控除は、サラリーマンの経費と認められる「特定支出」に該当する支出の合計額が、その人のその年の給与所得控除額の半分を超える場合に、その超過分を所得金額から控除できる制度です。

特定支出には、通勤費、転勤に伴って引っ越した場合の転居費、職務に直接関連する研修費・資格取得費、職務関連の図書費など幅広いものの、その経費が仕事で直接必要だったという証明書を会社に発行してもらう必要があります。

特定支出控除を受けるためには、確定申告が必要です。給与所得控除額の半分という水準はかなり高いですが、その年に高額なものが発生した場合は利用すると節税になります。

〈参照サイト〉国税庁公式サイト 給与所得者の特定支出控除

(11)税金のクレジットカード払い 

確定申告による税金支払い方法はクレジットカード払いをすることができます。節税策をしながら、クレジットカードのポイントを獲得もできます。また、地方税については、地方自治体によって取扱いは異なりますが、クレジットカード支払いが認められるものがあります。

5.まとめ

サラリーマンのできる節税でもこれだけの数があります。まだ、活用をしていないものがあるなら、検討してみましょう。

私共のお客様でもどれからやるのがいいんですか?との相談をよく受けますが、実際にすぐにやれるものはそう多くありません。どれからやればいいのか迷われる場合、(1)~(4)を優先的に検討するのがいいと思います。

理由は2つあります。

1つ目は年末調整で手続きが完了する点です。確定申告を煩わしいと思う方や時間のない方には有効です。

2つ目は長期間かつ継続的に利用できる点です。長期かつ継続的に活用できれば、その年の節税効果は僅かでも10年という長期間に渡ると大きな金額になります。

特に(2)の住宅ローン控除は税額控除であり、ダイレクトに税金を減らしてくれますから住宅購入の際は特に節税効果が高いです。一方で、他の節税策は継続的に利用ができるとは限りません。

例えば、(5)医療費控除や(8)雑損控除などはその年に大きな医療費がかかったり、災害に見舞われたりした時に効果はありますが、毎年、控除できるとは限りません。サラリーマンの場合(1)~(4)は継続的に利用し、その他の控除はケースバイケースで利用ができるものと言えます。

2020年6月9日
text by 久保田 正広
FPバンク

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