積立投資とは?FPが初心者向けにわかりやすくポイント解説

積立投資は、資産形成の基本とされる手法です。つみたてNISAやiDeCoなどで、すでにご存じの方もいるかもしれません。

ですが、ただ積立をするだけでは、あなたの資産形成は成功にはつながらない恐れがあります

積立投資にも成功のポイントがあるのです。
この記事では、初心者の方でも迷うことなく積立投資に取り組みかつ成功できるよう、基礎から成功するためのポイントまで、幅広く分かりやすく解説していきます

大切なお金を運用する上で、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

1. 積立投資とは、同じ商品を定期的に一定の額で購入し続ける投資手法

積立投資は、投資信託や株式などの商品を、定期的に一定の金額で購入し続ける方法です。

「商品名○○を、毎月×日に、△万円で購入する」という具合です。

一度設定してしまえば「いつ買えばいいんだろう?」「いくら買えばいいんだろう?」といった悩みを持つことなく行える方法であるため、初心者の方でもとても簡単に投資ができ、かつ続けやすいというメリットがあります。

また長期的な視点で見ると、相場の変動によるリスクを減らす効果もあるので、投資は怖いと躊躇している方にもおすすめです。

さらに積立投資は、NISAやiDeCoといった制度でも取り入れられており、これらの制度を活用すると税制面での優遇も受けられます。
これにより、資産運用の効果を最大限に引き出すことが期待できます。

このように、積立投資は初めて投資を考えている方、少しでもお得に投資をしたい方にとっても、おすすめな方法といえるでしょう。

2. 積立投資の5つのメリット

積立投資には次の5つのメリットがあります。それぞれについて解説します。

2-1. 少額から始められる

積立投資のメリットには、少額から始められることが挙げられます。

投資は、長く続けることが大切です。
積立投資であれば、積み立てる金額を自由に設定できることがほとんどなので、毎月の無理のない範囲での投資が可能になり、長期間続けやすいのです。

また、目的や将来の目標に応じて、途中で積立金額を調整することもできます。

これにより、長期的な目線でしっかりと資産を形成していくことが可能となっています。

ただ、自由に手軽に金額を変更できることがデメリットになってしまう場合もあります。

金額の変更は、長く続けることを重視して慎重に行うのがおすすめです。

2-2. 高値掴みで損する可能性を減らせる

積立投資は、高値掴みで損する可能性を減らすことができます。

価格の変動するものを金額を決めて買うことにより、高値の時は買う数量が減り、安値の時には多く購入することができるからです。

私はよくお客様に果物のりんごなどで説明することが多いですが、この方法は商品の購入価格の平均を抑える効果があります。つまり、高値でたくさん購入してしまう可能性を減らすことができるのです。

このように定期的に一定の金額で商品を購入する方法を「ドルコスト平均法」といいます。

まさに初心者にはおすすめの方法と言えるでしょう。

2-3. 時間の分散でリスク軽減ができる

積立投資は、それ自体が分散投資の一種である「時間の分散」となっています。

分散投資とは、積立投資と同じく投資の基本的な手法のひとつであり、投資の対象やタイミングを分けることによってリスクの軽減をはかるものです。

積立投資は「タイミングを毎月一定の時期に設定して、毎月同じ額で購入する」というやり方なので、分散投資と同じことを行っている訳です。

分散投資がどのような手法なのか、どうやって行うのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

相場が上下する中で定期的に同額での購入を続けると、購入価格がどんどん低くなっていく効果があるので、投資家は安定したリターンを狙うことができるようになるのです。

2-4. 買うタイミングで悩むことがない

積立投資では、原則として毎月一定のタイミングで購入するため、価格が上がるか下がるかを予測する必要がありません。

チャートや株価の値動きをチェックする必要もなく、感情に左右されずに投資を続けることができます。

これにより、初心者でも売買のタイミングで悩むことなく資産形成に取り組むことができるのです。

2-5. 投資を続けやすい

最近はどこの金融機関を利用しても、積立投資は簡単に設定することができます。

一度設定してしまえば、それ以降は手間がほとんどかかりません。何もしなくても長期分散の効果を享受できるので、初心者にとってはうってつけですね。

また積立金額の増減も自由ですので「収支がきつくなってきたな」と思ったら、金額を調整して続けることもできます。

これらの理由により、積立投資は継続しやすい方法であると言えるでしょう。

3. 積立投資の5つのデメリット

積立投資には以下の5つのデメリットがあります。

3-1. 元本割れのリスクは消えない

積立投資をしても、元本割れのリスクを完全に消すことはできません。

積立投資はリスクを減らす方法として有効ですが、リスクそのものを消せるわけではないからです。

ただし長期間の運用を前提にすれば、損するリスクは少なくすることができます。
長く続けるためにも積立投資に取り組む上では、家計の収支状況や貯蓄とのバランスを見ておくことが重要です。

3-2. 一方的な値動きだと効果が薄い

一方的な値動きが続く場合、積立投資の効果は薄れることがあります

例えば、長期にわたって株価が上昇し続ける相場では、投資開始時点でまとめて購入した場合のほうが、リターンが高くなる可能性があります。

積立投資をしていると、どんどん高値で買っていく=購入できる数量が少なくなってしまうからです。

しかし、将来の相場を予測するのはとても難しく、運用のプロでさえうまくいかないことが多いです。

ですのでリスクを分散する方法として積立を活用していただきたいのですが、金融資産の状況によっては一度にまとまった資金を購入する方法と合わせてやるのも良いでしょう。

3-3. 短期で大きな利益は上げにくい

積立投資は毎月少しずつ購入を進める方法なので、一度にまとまった金額で購入する方法と比べると、短期では大きな利益を上げにくいと言っていいでしょう。

もちろん運用している資金は徐々に増えていくので、続けていけばドルコスト平均法や複利の効果を十分享受することができ、大きな利益を上げられるでしょう。

短期で大きな利益を目指したい場合は、他の投資方法を検討する必要があります。

しかし投資商品はたくさんあり、初心者には選択が難しいので、こういった場合は専門家に相談しましょう。

3-4. 放置してしまいやすい

積立投資は手間がかからず続けやすいとお伝えしましたが、その手軽さ・手間いらずなことが原因で放置してしまいがちです。

リスクを最小限に抑えるためには、投資先の運用状況や金融市場の変動を確認し、適切なタイミングで商品の切り替え(リバランス)をすることも大切です。 

3-5. 続けないと効果が出ない

積立投資は、続けないと十分な効果は望めません。重要なのはとにかく継続することです。

投資を長く行っていると、リーマンショックやコロナショックのような大暴落に直面する時もあります。

私もリーマンショックを経験しましたが、大きな暴落が起きた時は誰もが不安になります。不安になって積立投資をやめてしまう人がいました。

ですが、暴落した時こそ積立投資にとってはチャンスなのです。

投資は、感情によって失敗することが一番多いと言われています。
どうしても不安が消えず続けるのが怖い、という場合は、信頼のおける専門家に相談するなどして、冷静に対処しましょう。

4. 積立投資で成功するための5つのポイント

本章では、積立投資で成功するためのポイントを5つ解説します。

4-1. 始める前に金額や投資先について専門家に相談しておく

積立投資を成功させるポイントの1つ目は、「積立投資を始める前に、金額や投資先についてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しておく」です。

記事内で繰り返しお伝えしていますが、積立投資は長く続けることが最も重要です。
長く続けるには、行き当たりばったりで金額を決めたり、「みんなやってるみたいだから…」と安易に投資先を選ぶことは避けるべきです。

プロの力を借りて、自分にとってのベストな金額・ベストな投資先を把握することが必要なのです。

資産運用に強いファイナンシャルプランナーは、運用計画・資金計画づくりのプロと言えます。
積立投資を始める前にしっかりと計画を立てることができれば、コロナショックのように相場が大きく動いたり、転職や結婚等で生活がガラッと変わったりしても、無理なく投資を続けられます。

そうすれば、必要以上に手間ひまかけなくても、投資の成果を最大にすることができるでしょう。

「投資を成功させてお金の不安をなくしたい」と思うのでしたら、なおさらファイナンシャルプランナーに相談してみることをおすすめします。

積立投資の相談先に最適なファイナンシャルプランナーを選ぶ方法は、こちらの関連記事で詳しく解説しています。

4-2. 投資先はしっかり選ぶ

投資先の選択は、積立投資の成功のカギを握る要素のひとつです。

信託報酬や運用コストが低い商品を選ぶことで、長期的なリターンを向上させるという観点もあります。
ですが、そもそもの話、将来的に成長する見込みがある投資先を選ぶことも大事です。

積立投資で失敗するケースには、「成長しない投資先を選んでしまった」というものがありす。

3章でお伝えした通り、積立投資を行ったとしても元本割れの可能性はなくならないなど、投資リスクを完全に消すことはできません。

積立投資を成功させるためにも、きちんと情報収集をした上で、投資先を選ぶようにしましょう。

4-3. 続けられる金額で積立する

積立投資は、自分が続けられる金額にすることが重要です。

投資する金額が大きいほど利益も大きくなるとはいえ、使えるお金が無くなって短期で解約してしまうのはとても勿体ないことですし、タイミングが悪ければ損をしてしまう可能性も高まります。

積立投資は、自分が長く続けられる金額、万一の時でも解約せずに済む金額で取り組むようにしましょう

4-4. 余裕ができたら積立額を見直す

積立投資を続けていくなかで、余裕ができたら積立額を見直すことをおすすめします。

別の言い方をすると、「貯金に回せる金額が増えたら」と言えるかもしれません。

金融資産が増えるにつれ、リスクを取る余地ができるため、商品や積立額を見直すことができるのです。

例えば、安定型の商品からリスクが高いものに変更することで、より利益を上げられる可能性があります。

これは預金などの安定資産を十分用意しているからこそできることです。

積立額は年1回程度のスパンで増額を検討してみるようにしましょう。

4-5. 積立する期間はできるだけ長くする

積立投資を行う際には、できるだけ期間を長く設定することが重要です。

長期的な投資であれば、時間の分散が長期にわたって行われリスクが低減される効果があります。

また複利の効果を長期にわたって享受できるため将来的な利益も期待できます。

例えば、若い頃から始めることで月々無理のない金額で老後資金を貯めることができるでしょう。

目標金額に到達する確率も高まります。

また、運用期間が長いほどコスト面でのメリットも享受できます。

このように積立投資を行う際には、できる限り長い期間を設定し、継続して資産運用を行うことを心がけましょう。

5. まとめ

積立投資は、初心者でも簡単に取り組めて、かつ効果の高い投資手法です。
「つみたてNISA」や「iDeCo」も積立投資がベースとなっている制度であり、政府や金融庁がこれらを積極的に取り組みを推奨していることからも、効果が高いという事実がうかがえると思います。

とは言え、無計画にやっても成功するという訳ではありません。
押さえなければならないポイントがありますので、本記事を読んでそれを掴み、実際に投資を始めてもらえたらと思います。

なお、積立投資以外にも「長期投資」や「分散投資」など王道的な投資手法があります。それらも組み合わせもらえれば、もっと安心感を高めながら成果の出る投資に取り組んでもらえるでしょう。

ほっとFP~お金の相談室~には、これらについて解説する記事もありますので、ぜひ参考にしてください。

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