長期投資は儲からない?長期投資で利益が出ない原因と対策を徹底解説

「長期投資しているのに、儲からない」そんな方はいませんか?

一般的に、1~2年程の短期投資よりも、10年や15年以上といった長期投資の方が利益は出しやすいといわれます。どの投資本を読んでも、投資は長期目線で考えるのがセオリーと書かれているでしょう。

しかしそれでも、長期投資で利益が出ない、という人がいます。なぜでしょうか?

確かに、投資の世界に絶対はありません。ですので長期投資であっても必ず儲かるわけではありません。
ですが長期投資は、注意点さえしっかり押さえられれば、投資初心者の方でも比較的利益が出しやすい投資方法です。

では、長期投資ではどんなところに注意すべきなのでしょうか。
本コラムでは、長期投資で利益を出せない原因を解明し、その対策について解説していきます。

多くの投資の教科書にも共通して書かれていますが、長期投資は王道の投資方法の一つです。
王道である長期投資が上手くいかないのは、必ずどこかに原因があります。考え得るあらゆる原因と対策を知ることで、効果的な長期投資をすることができるようになり、あなたの資産形成にも役立てられるはずです。

本コラムが、あなたの投資ライフの一助になれば幸いです。

1. 長期投資でも儲からないケースはある

前述の通り、長期投資はどの投資の教科書にも書かれている、基本中の基本です。

しかし、そんな長期投資であっても絶対に利益が出せるわけではなく、儲からないケースもあります。

長期投資でも儲からないケースとしては、どのようなケースが考えられるか、3つ紹介します。

このいずれかに該当する場合、長期投資でも儲からない場合はあり得ます。それぞれ、解説していきます。

ケース1:投資先が成長しない

長期投資においても利益を得られないケースとして挙げられる一つ目は、投資先の企業が成長しないことです。

長期投資の目的は、将来的な利益を獲得するために安定的かつ成長性のある企業に資金を投入することですが、選んだ企業が想定通りに成長しない場合、利益が出ないどころか損失が発生する可能性があります。

投資先が成長しない理由は様々です。例えば、

  • 経済環境の変化
  • 企業の経営戦略の失敗
  • 競合他社に対する競争力の低下
  • 世界経済の先行きが不透明
  • 市場全体が下落している

などが挙げられます。

投資する際は、株価や企業の業績だけでなく、経済環境や市場動向にも目を向け、リスクを軽減するために銘柄を選定することが肝心です。さらに、ポートフォリオを分散させることで、個別の企業リスクを緩和することも重要です。

ケース2:コスト負けしてしまう

長期投資において利益を得られないもう一つのケースは、コスト負けしてしまうことです。

投資には手数料や税金、信託報酬など様々なコストがかかりますが、これらが投資成果を上回ってしまうと、結果的に損失が出ることになります。

特に初心者が陥りやすいのが、何度も取引を行い過ぎて手数料が膨らんでしまうケースです。
長期投資では、基本的には株を買った後は放置しておくスタイルが推奨されます。しかし短期的な株価変動に焦って売買を繰り返すと、手数料が積み重なりコスト負けのリスクが高まります。

また、投資信託の場合、信託報酬等のランニングコストも利益に影響を与えます。低コストの商品を選ぶことで、コスト負けを避けることができます。

コスト負けを防ぐためには、まず自分の投資スタイルを見直し、無駄な取引を抑えることが重要です。また、なるべくランニングコストが低い商品を投資先に選ぶことも効果的です。

ケース3:投資信託で分配金を毎月受け取っている

最後に長期投資でも儲からないケースとして挙げられるのは、投資信託で分配金を毎月受け取っている場合です。

分配金を毎月受け取るということは、運用資産から頻繁に資金が抜かれることを意味します。長期的な資産成長を達成するためには、元本を増やすことが重要ですが、分配金を受け取ることはその機会を失う可能性に繋がります。

加えて、投資信託の運用パフォーマンスが良くなくても、分配金が支払われることがあります。これは特別分配金と言われ、実質的には「元本の払い戻し」です。
これにより、元本が減少し、投資資産が成長しにくくなってしまうのです。

弊社にご相談に来られる方にも、長年、投資信託で運用しているけど全然儲からない、むしろ元本を減らしてしまっている、という方は珍しくありません。
そういう方々に多くに共通していることは、やはり投資信託で分配金を受け取っており、しかも特別分配金=元本の払い戻しのため、分配金を受け取るほど投資資産が成長しない悪循環に陥っていた、という状況でした。

このように投資信託の分配金を受け取ることは、長期的な投資目標を達成するために必要な資産を保有しにくくします。

2.「長期投資しているのに儲からない」が起こる原因

1章のような「長期投資しているのに儲からない」という事態は、なぜ起こってしまうのでしょうか。

様々な原因が考えられますが、本章では、その代表的な原因を3つ紹介します。

これでは、せっかく長期投資をしていても儲からないというのも頷けるでしょう。
以下、詳しく解説していきます。

2-1. 投資先の選定が甘かった

長期投資をしているにもかかわらず利益が上がらないことがありますが、その原因の一つとして、投資先の選定が甘かったことが挙げられます。

投資先を選ぶ際に注意すべき点はいくつかあります。

成長性のある企業や業界を選ぶ

まず、成長性のある企業や業界を選ぶことが大切です。過去の株価や利益だけでなく、将来のビジョンや成長戦略に着目することが重要です。また、市場での競争力を保つことができる企業を選ぶことも大切です。業界内でのシェアや、新技術・サービスの開発力を確認しましょう。

適切な価格で投資を行う

次に、適切な購入価格で投資を行うことが重要です。株価が過去の平均よりも高い場合は、短期での価格上昇が期待できないため、長期投資には不向きです。一方で、割安な株価を持つ企業もリスクが高く、慎重な判断が求められます。

投資先の分散など、適切なリスク管理を行う

最後に、適切なリスク管理を行うことも重要です。全ての資金を一つの企業や業界に投資することは、リスクが高いため避けましょう。分散投資を行うことで、個別のリスクを減らすことができます。

まとめると、投資先の選定が甘いと、長期投資で利益を上げることが難しくなります。成長性のある企業や業界を選び、適切な購入価格で投資し、リスク管理を行うことで、長期投資での利益を得やすくなります。

2-2. 投資後の状況確認をしていなかった

投資において重要なのは、投資後の状況確認です。怠ると、リスクを把握できなくなります。

例えば、ある銘柄が長期的に成長する見込みがあったとしても、短期的に株価が下がることがあります。その場合、状況確認をしないまま放置すると、損失を拡大させてしまう可能性があります。

また、投資先の会社の業績が悪化し、投資した資金が回収できなくなるリスクもあります。これも、定期的に状況確認を行わないと、気づかぬうちに失敗につながることがあります。

状況確認の方法には、例えば以下のようなものがあります。

  • 日本経済の動向や、投資先の業界の動向を随時チェック
  • 投資サイトや証券会社のアナリストによるレポートを読む
  • 投資先企業の株価と決算情報を定期的に確認
  • 現状が自分の投資ポリシーと合っているか照らし合わせる

状況確認を行っていれば、投資後のリスクを把握し、適切な対策を立てることができます。その結果、長期的な資産運用で利益を上げることが可能になります。

2-3. コストやリスクなど、投資に関する知識が不足していた

投資を始める前に、コストやリスクなど、投資に関する知識が不足していると、失敗につながることがあります。

例えば、投資にかかる手数料や税金が、投資のリターンを上回ってしまうと、結果的に投資がマイナスになってしまいます。どのタイミングで・どんなコストが・どれくらいかかるのか、を把握しておくのは基本といってもいいでしょう。

また、投資にはさまざまなリスクがあります。
例えば、株式投資では会社が倒産するリスクがありますし、外国為替投資では為替レートの変動によるリスクがあります。投資に関する知識が不足していると、それらのリスクを十分に把握できず、適切な対策を立てることができません。

投資知識を身につける方法としては、例えば以下のようなやり方が挙げられます。

  • 専門書やインターネット上の情報を読む
  • 投資家向けのセミナーやワークショップに参加する
  • ファイナンシャルプランナー等、プロの話を聞く

投資に関する知識が十分に身についていれば、適切な投資判断ができ、長期的な資産運用で利益を上げることができるでしょう。

こちらの記事で、上記それぞれの勉強方法のメリット・デメリット、有効活用する上でのポイントをまとめています。まずは知識をつけていきたいという方は、ぜひ参考にしてもらえればと思います。

3.「長期投資しているのに儲からない」を防ぐポイント

ここまで、長期投資でも儲からないケースや、その原因について述べてまいりました。それらを知った上で、最後に「長期投資しているのに儲からない」を防ぐポイントを3つ紹介していきます。

この3つの行動を実践することが、長期投資でしっかり利益を出すための第一歩に繋がるでしょう。

それぞれどういうことか、事例も用いて解説していきます。

3-1. 投資先に対して期待や願望を持ちすぎない

投資において、投資先に対して期待や願望を持ちすぎないことが重要です。

理由は、過剰な期待はリスクの認識を鈍らせることがあるからです。
株式投資を例にとると、株価は企業の成長や業績に影響を受けますが、市場全体の動向や経済状況にも左右されます。従って、一部の成功企業の株価が急上昇することで過度に期待を抱くと、リスクを過小評価し、損失を招く可能性があります。

具体例として、過去にインターネット関連株が大きな成長を遂げた際に、多くの投資家が大きな利益を追い求めて高値で購入し、バブルが弾けた後に大きな損失を被ったケースがあります。このような事態を避けるためには、以下のような対策が有効です。

  • 自分の投資目的を明確にする
  • 長期的な視点で投資を行う
  • リスクとリターンのバランスを意識する
  • 他の投資家の意見や市場の状況に左右されない、独自の判断力を身につける

弊社にご相談に来られたA様は、とある会社の株を10年以上前から持ち続けていました。
投資当初は期待を持ってその会社の株を買ったものの、今では当時の株価の半値以下になってしまったとのこと。

今は特にお金が入用ということもないそうですが、かといってその株を売ってしまっては損を確定してしまうことになるため、売るに売れないとのことでした。いわゆる「塩漬け」状態です。

このように、長期投資していても、その投資先に対して過度に期待や願望を持ちすぎてしまうと「長期投資しているのに儲からない」という事態なることも充分に考えられるのです。

投資の経験が少ない初心者にとっては、これらの対策を実践しながら投資を進めることで、過剰な期待による失敗を未然に防ぐことができます。

3-2.「年何%のコストがかかっているか」の意識を持つ

投資において、「年何%のコストがかかっているか」の意識を持つことが大切です。

コストを抑えることは、長期的な運用成果に大きく影響を与えるからです。
例えば、投資信託やETF(上場投資信託)に投資する際、運用会社が毎年かける運営コストである「信託報酬」は、リターンに対するマイナス要因となります。

信託報酬は、投資信託の総資産額に対して年間何%かかるかを表す指標であり、「経費率」とも呼ばれます。これが高いほど投資家が支払わなければならないコストが増え、長期的な運用成果を圧迫することになります。また、手数料がかかる売買取引も投資におけるコストの一部であり、取引回数が多くなるほど、コストが増えます。

したがって、投資を行う際には以下のポイントを意識することが望ましいといえます。

  • 信託報酬が低い商品を選ぶ
  • 取引回数を抑えることで、売買手数料を減らす
  • コストに見合ったリターンが得られることを確認する
  • 長期的な視野で運用し、コストを最小限に抑える

これらのポイントを踏まえた投資を行うことで、長期的な運用において効果的なリターンを追求することが可能になります。

3-3. 少なくとも年1回は運用状況を確認する

運用中の資産に対して、少なくとも年1回は運用状況を確認することが重要です。

理由は、自分の資産がどのように成長しているか把握するためと、リスク管理の観点からも不要な損失を防ぐことができます。

運用状況の確認には、まず、保有している株式や商品、信託等の銘柄ごとに運用成果を把握しましょう。
これにより、どの銘柄が利益をもたらし、どの銘柄が損失をもたらしているかを知ることができます。また、これを通してポートフォリオ全体のリスクバランスを理解し、適切な資産配分に調整することが可能になります。

さらに、運用状況を確認することで経済の動向や世界情勢による影響も把握することができます。例えば、日本経済が低迷した場合や外国の政治情勢が不安定になった場合、これらの変化が運用資産へどのような影響を与えるかを分析することができます。

運用状況の確認方法としては、金融機関や証券会社のサイトを利用したり、アプリを使う方法があります。また、独自に資料を作成し、過去の取引履歴や運用成績をまとめることができます。

運用状況の確認には以下のポイントに注意しましょう。

  • 短期的な運用成果だけでなく、長期的な視点で運用状況を評価する
  • 運用において設定した目的やリターン目標に対して、達成状況を確認する
  • 株価の上昇だけでなく、配当も含めた総合的な収益を評価する

運用状況を確認することは、資産運用において重要なプロセスであり、これを怠ることによりリスク管理が十分に行われない可能性があります。今後も無理のない範囲で、運用状況を確認して賢い資産運用を行いましょう。

まとめ

長期投資でも儲からないことがあるのは何故か、その原因と対策を知ることが、長期投資でしっかり利益を出していくための第一歩です。

しかし、投資はあくまでも手段です。最も重要なことは、長期投資でしっかり利益を出して、そのお金であなたの思い描く将来のビジョン、ライフプランを実現することではないでしょうか。

たとえばお子さんの大学の学費のためという人もいれば、老後のためという人もいて、投資で得た利益をどう遣うは人それぞれです。

つまり、一言に長期投資といっても、どのくらいの期間で、どれくらいの利益を出すために、どんなリスクを取り、どんな投資先に投資すべきなのかというものは人によって異なるのです。

あなたには、どんなライフプランがありますか?そのライフプランの実現に向けて、どんな投資をしていきますか?

そういったことの相談先として、私たちファイナンシャルプランナー(以下、FP)を頼りにしていただく、というのも一つです。

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