あなたは今、
「長期投資がいいらしいと聞いたけどどうして?」
「早く利益が出る方が良いのになぜ長期投資?」
「長期投資って本当にメリットはあるの?」
そんなことを考えながら、こちらの記事を読んでいるのではないでしょうか。
長期投資は、複利効果の恩恵を受けられるなど5つものメリットがあり、初心者にも優しい投資方法です。
本記事では長期投資の基本をまとめてみましたので、これらを参考に資産運用を成功させてもらえればと思います。
本コラムでわかること
- 長期投資のメリット・デメリット
- 長期投資がおすすめである理由
- 長期投資がおすすめな人
- 長期投資を成功させるのに必要な準備3つ
- よくある質問
1. 長期投資の5つのメリット
第1章では、長期投資のメリットを解説していきます。
1-1. 複利の恩恵を受けやすい
長期投資の大きなメリットは、複利の恩恵を受けやすいことです。
複利とは、元本に対して得られた利益を元本に上乗せし、大きくなった元手でさらに運用を繰り返して資産を効率的に増やしていく方法のことです。得られた利益を元本に上乗せせずに運用していく単利に比べて、時間が経つほど元本が増えるため、投資期間が長いほど大きな利益を得られます。
例えば、毎年10%の利益が得られる投資があるとします。
この投資を元本100万円で、単利・複利それぞれで10年間続けてみた場合をシミュレーションしてみたところ、以下のような結果になりした。
経過年数 | 単利(万円) | 複利(万円) | 差額(万円) |
1年後 | 110 | 110 | 0 |
2年後 | 120 | 121 | 1 |
3年後 | 130 | 133.1 | 3.1 |
4年後 | 140 | 146.4 | 6.4 |
5年後 | 150 | 161 | 11 |
6年後 | 160 | 177.1 | 17.1 |
7年後 | 170 | 194.8 | 24.8 |
8年後 | 180 | 214.3 | 34.3 |
9年後 | 190 | 235.7 | 45.7 |
10年後 | 200 | 259.3 | 59.3 |
5年経過した時点では、単利と複利の運用結果の差は11万円です。しかし10年後には、差額は約60万円近くにもなっています。
元手の100万円も、単利では200万円ですが、複利では約260万円になりました。
このように、長期投資は複利と相性が良く、その恩恵を受けやすいのです。
1-2. 精神的な余裕を持ちやすい
長期投資のもう一つのメリットは、精神的な余裕を持ちやすいことです。
短期投資では、市場のチャートや価格動向を常にチェックし、売買タイミングを見極めることが重要であり、相場の動きの確認や銘柄分析に多くの時間を割かなければなりません。
しかし、長期投資では最初に選んだ銘柄をしっかりと保有し続けることが重要です。
短期的な値下がりや損失があっても気にする必要はないので、短期投資のように気を張る必要はないと言っていいでしょう。
このように、長期投資は精神的な余裕を持ちやすいのです。
1-3. 短期売買による損失を防げる
長期投資の3つ目のメリットは、短期売買による損失を防げることです。
短期売買では、相場の動きや株式の値動きに連動したタイムリーな投資判断が求められます。しかしこれはプロでも予測が困難であり、勝ち続けることは不可能に近いです。
そのため、短期売買では損失が発生しやすくなります。
長期投資では、長い目で見た市場全体の動向や企業の実績に基づく投資判断を行うことができるので、安定した成果を上げることが可能です。
このように、短期売買による損失のリスクを軽減することができるのです。
1-4. 売り買いの回数が減るので余計なコストがかからない
長期投資の4つ目のメリットは、売り買いの回数が減るため余計なコストがかからないことです。
基本的に株式や投資信託の取引では、売買の都度、手数料が発生します。
最近はネット証券を中心に手数料ゼロで取引できる金融機関も現れつつありますが、まだまだ少数です。
短期投資では、頻繁に売買を行う必要があるため、その分取引コストを多くが発生します。
これらのコストは投資の成果に影響を与えるため、長期間にわたって投資を行う場合、運用効率が悪くなります。
長期投資では、一度購入したらその資産をずっと持ち続けることになりますので、必然的に売買の回数が減ります。それにより余計なコストを抑えることができるのです。
1-5. 平均リターンが安定しやすい
平均リターンが安定しやすいという特徴は、長期投資の大きな魅力です。
長期間の投資であれば、一時的な価格の上昇や下落が起こることはありますが、それらの変動が平均化されます。
この結果、投資のリスクを軽減できるのです。
世界経済は、一定の周期で上昇と下落の傾向が続いているため、短期間での投資では収益が安定しにくいことがあります。
しかし、世界経済は長期的には拡大傾向であり、経済が回復すれば、投資商品の価格も上昇します。
したがって、長期間投資を行うことで、投資の成果を安定させることが可能となります。
また、長期投資の運用では、一時的な価格変動の影響を受けにくくなります。
現在の投資状況と過去の推移を比較することで、安定した平均リターンを確保できる可能性が高まります。
数カ月などの短期間での投資では、個別銘柄や市場全体の値動きが影響するため、リターンが安定しないことが一般的です。
しかし、長期投資を選ぶことで、短期的な市場の変動から目を離し、確実なリターンを追求することができます。
2. 長期投資の2つのデメリット
第2章では、デメリットも解説していきます。
2-1. 成長しない投資先を選んでしまったら成果が出ない
長期投資のデメリットは、成長しない投資先を選んでしまったら、いくら時間をかけたとしてもあまり成果が出ないことです。
これは、長期投資に取り組む際に最も注意すべきポイントでもあります。
この問題を回避するには、まず購入する前に十分に調べておくことが大事です。
そして購入前に調べて大丈夫だったとしても、年1回程度は状況を確認するようにしましょう。
また投資先を1つに絞るのではなく、複数にわける「分散投資」も対策として有効です。
分散のさせ方は大きく5パターンありますので、自分の方針や管理のキャパシティを踏まえた上で取り入れることをおすすめします。
なお分散投資のコツについては、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
2-2. 失敗した時の後悔が大きくなりやすい
長期投資のもうひとつのデメリットは、失敗した時の後悔が大きくなりやすいことです。
投資は利益が出ることもあれば、損失が発生することもあります。
長期投資は、数年~数十年の時間をかけて取り組むものなので、結果がでるまでにも相応の時間が必要です。
ですので期待した成果が出ないと、「いままでの時間はなんだったんだ」「このお金をもっと別のことに使っていれば良かった」と後悔が大きくなりやすいのです。
このデメリットへの対策も、2-1と同じように、投資前の事前調査と定期的な状況確認、そして分散投資が有効です。
しかし初心者の方が、これらの準備をひとりで行うというのも難しいかもしれません。
その場合は、抱えている不安や自分はどのように長期投資に取り組むかについて、あらかじめファイナンシャルプランナー(FP)などの「資産運用の専門家」に相談して自身の投資プランを作っておくことをおすすめします。
最初に専門家に相談しておけば、長期投資の不安を回避できるだけでなく、より良い結果を出すコツもアドバイスしてくれると思います。
長期投資の相談ができるFPはどこにいるか、どうやって選べばいいか等については、こちらの記事で詳しく解説しています。
3. 長期投資がおすすめな人
第3章では、長期投資がおすすめな人3つを解説していきます。
3-1. 10年超のスパンで投資できる人
10年超のスパンで投資できる人に長期投資がおすすめな理由は、時間が味方になるからです。
複利効果により、長期間投資することで利益が大きく増える可能性が高まります。
また、若いうちから投資を始めることで、将来の資産形成や老後資金の準備に役立ちます。
そして、若い頃から投資を続けることで、投資に関する知識や経験が積み重なり、資産運用のスキルが向上します。
3-2. 投資未経験または初心者の人
投資未経験や初心者に長期投資がおすすめな理由は、長期間投資することで、市場の短期的な変動から影響を受けにくくなるからです。
また、長期投資では、定期的に資金を投入する積立投資が効果的で、初心者でも継続的に投資を行うことが容易になります。
さらに、長期投資は、短期的な売買による手数料や税金の負担が軽くなります。
3-3. 長期目線で利益が出ればいいと思える人
長期目線で利益が出ることを望む人には、長期投資が向いています。
長期投資では、市場の短期的な変動を気にせず、時間をかけて資産価値が上昇することを期待できます。
また、長期投資は、短期間での売買を行わないため、手数料や税金の負担が軽くなります。
さらに、長期投資は、資産運用の知識や経験が豊富でなくても、成功する可能性があります。
4. 長期投資を成功させるのに必要な準備3つ
第4章では、長期投資を成功させるのに必要な準備を解説していきます。
これまでの章で長期投資はメリットが多く良いものだ、と思ったのではないでしょうか。
ですが、長期投資は無計画にやると失敗します。
失敗せず成功に導くためのやって欲しい準備3つについて見ていきましょう。
4-1. 投資に回した資金を使わずに済む資金計画をつくる
投資に回した資金を使わずに済む資金計画の作成は、長期的な視野で資産運用を考える上で重要です。
その理由は、資金計画によってリスクを軽減し、効果的な投資を行うことができるからです。
具体的な方法としては、まず自分の目的や目標期間を設定し、それに基づいて資金を確保することが大切です。
資金の確保には毎月一定の金額を積立てたり、資産を複数の投資商品に分散させることが有効です。
また、投資の際には一般的なNISAやiDeCoなど、税金優遇が受けられる制度を利用することをおすすめします。
長期間保有することで複利効果を最大限に活かすことができ、将来的に大きな利益が期待できます。
投資先では、株式や債券などのリスクとリターンがバランスよく組み合わさった商品を選ぶことが重要です。
さらに、手数料やコストも考慮に入れることで、より効果的な運用が可能になります。
4-2. 投資先の見極めをしっかり行う
投資先の見極めは、資産を効果的に運用するために非常に重要です。
まず、投資の目的に合った銘柄やファンドを選ぶことが大切です。
具体的には、自分がどの程度のリスクを取りたいか、どのようなリターンを求めているかを明確にし、それに応じた選択を行うことが求められます。
また、投資先企業の業績や市場情勢をしっかりと把握し、株価の値動きや収益の安定性を考慮して選ぶことも重要です。
さらに、複数の投資先に資金を分散させることで、リスクを低減する効果が期待できます。
このように、投資先の見極めを行うことで、長期的に安定した収益をあげることが可能になります。
4-3. 専門家に相談する
これから行う長期投資を、成功したいのであれば、事前に専門家に相談しましょう。
なぜなら、長期投資であるとは言え、無計画にやると失敗するからです。
失敗しないためには、お金の経験と知識が豊富なファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。
これまでに見てきた「資金計画を作る」「投資先の見極めを行う」は自分でも行えるかもしれません。
しかし、自分の資産状況や投資目的と全く同じ人はインターネットで検索しても出てこないはずです。
個別の事情やお金の悩みは人それぞれ、それを一気にFPに相談して解消することにより、安心して長期投資が開始できるでしょう。
5. 長期投資のよくある質問
第5章では、投資信託のよくある質問を見ていきます。
弊社でご質問を受けることも多いので以下2つを解説していきます。
- 長期投資とは何年で投資することですか?
- 損していても長期投資を続けるべきでしょうか?
5-1. 長期投資とは何年で投資することですか?
長期投資の期間には明確な基準はありませんが、一般的には5年以上を長期投資とみなされることが多いです。
その理由は、長期間にわたって投資を行うことで、市場の変動によるリスクを分散させたり、複利効果を最大限に活かすことができるためです。
ただし、投資の目的やリスク許容度によっては、より長い期間投資を行うこともあります。
5-2. 損していても長期投資を続けるべきでしょうか?
損をしている状況でも、長期投資を続けるべきかどうかは、投資の目的やリスク許容度によって異なります。
損失が一時的なものであり、将来的に回復する見込みがある場合は、長期投資を続けることが適切です。
しかし、損失が拡大し続ける恐れがある場合、投資先の見直しを検討しましょう。
最終的には、専門家に相談して適切な判断を下すことが重要です。
次のステップとして、専門家に相談し、適切な投資戦略を見直すことをおすすめします。
6. まとめ
これまで解説してきた通り、長期投資は多くのメリットがあります。
長期投資がおすすめ、と言われる理由についても解説してきました。
一方でデメリットもあるため、万人に良いとも限らないことから、長期投資がおすすめな人に当てはまれば、向いていると判断してよいのでした。
長期投資を成功させるのには必要な準備が3つあり、専門家を頼れば計画から一緒に行ってもらえて安心なことが分かりました。
長期投資を失敗しないで始めるためには、弊社FP相談をお気軽にご利用下さい。
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