証券会社でファンドラップを提案された、そんな経験のある方も多いでしょう。
そういった方にお話を聞くと…
「ファンドラップは運用をお任せできるが手数料が高い」
「自分でもファンドラップのような運用ができるのではないか」
「証券会社が儲かるだけなのでは?」
といったマイナスのイメージを持たれている方が多いようです。
ですが、ファンドラップは正しく理解して運用すれば、手間をかけずとも上手に資産を増やせる可能性を持つサービスです。
ファンドラップの魅力をお伝えできるよう、本コラムでは、ファンドラップのメリット・デメリットに絞って詳しくお伝えしていきます。
このコラムを読んでいただければ、ファンドラップについてあなたが不安に思っていることが明確になることでしょう。
本コラムでわかること
目次
1. ファンドラップのデメリット2つ
ファンドラップのデメリットとして、主に次の2つが挙げられます。
ファンドラップのデメリット
それぞれについて、以下で解説していきます。
1-1. 自分で運用するよりもコストが高くなる
ファンドラップのデメリットとして、「自分で運用するよりもコストが高くなる」という点が挙げられます。
ファンドラップにかかる手数料は金融機関によって異なりますが、おおむね年率1%~3%程度です。
購入時にまとめて支払うのではなく、「運用残高×年率何%」と計算されて、毎年支払いが行われます。
定期的に支払いがあるサブスクリプションをイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。
資産運用では、手数料などのコストは注意すべきものです。
コストが高いと、それが運用で得られた利益を相殺してしまう可能性があるからです。せっかく専門家に運用をお任せして楽だったとしても、それでは本末転倒です。
特に長期で資産運用する場合、手数料の累積が大きくなります。
そのためファンドラップを選ぶ時は、手数料を含めたトータルな運用コストを考慮し、将来の収益性を見極める必要があると言えるでしょう。
1-2. NISA口座で購入できない
ファンドラップのデメリットの2つ目は、NISA口座で購入できないことです。
通常、株式や投資信託などに投資して運用益が出た場合は、約20%の税金がかかります。
ですがもし商品をNISA口座で購入していた場合かかる税金は0%に、つまり利益から引かれるはずの税金が0円になるという、超お得な制度です。
しかし残念ながら、このお得なNISA口座ではファンドラップは購入できません。
従って、ファンドラップでの運用益は課税対象となり、必ず税金がかかってしまうことになります。
この点は明確にデメリットと言えるでしょう。
2. ファンドラップのメリット
ファンドラップのメリットとして、主に次の3つが挙げられます。
それぞれについて、以下で解説していきます。
2-1. 専門家に運用をお任せできる
ファンドラップのメリットの一つ目としては、やはり専門家に運用をお任せできる点が挙げられます。
資産運用で成功するためには、
- 運用の考え方や手法について勉強する
- 運用に回せる資金を管理する
- 多様な資産に分散投資を行ってリスクを抑える
- 自分が取れるリスクを適切にコントロールする
- 定期的に運用状況を確認する
- 相場の状況を踏まえて次はどうすべきか判断する
など、やっておくべきことはたくさんあります。
これらを初心者がいきなりやるというのも、かなりハードルが高い話です。
そして、ここに挙げたものでもほんの一部です。自分が望んだ運用成果を出すには、やらなければならないこと、なるべくできた方がいいことなどは、もっとあります。
しかし中途半端な知識しか持っていなかったり、ビギナーズラックを経験したりしてしまうと、誤った資産運用をやってしまいかねません。
例えば、初心者が資産配分を自分で行う場合、「早く利益を出したいから」と株式への偏りが強くなりがちです。
またどのような分散投資が正しいのかがよく分かっていないため、分散投資をしていると言いながら、「5銘柄もっているけど全部日本株orアメリカ株」「日本とアメリカの資産を持っているけど業種はITセクターのみ」などの人も、よくいます。
その点、専門家は多くの知識・経験を有し、会社のリソースを使って調べものを行い、市場全体の動向を把握しているので、一般人とは一線を画した資産運用が可能です。
専門家に資産運用を依頼することができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
2-2. リスクを適切にコントロールできる
ファンドラップのメリットの二つ目は、専門家に任せているのでリスクを適切にコントロールできる点です。
どのようにリスクをコントロールしているのかというと、ファンドラップでは資産配分の決定において資産運用会社(資産配分の決定に関する専門家)の助言を受けており、その助言をもとに資産配分の見直しや、組み入れる投資先の変更を行っているのです。
他にも、たとえば株式を中心にした投資先で比較的高めにリスクを取っている場合は、債券の投資先は比較的リスクの低いものを選定する、といった工夫をすることでリスクコントロールしています。
無論、専門家自身も市況や経済の分析、日々の情報収取も欠かさず行い、リスクを適切にコントロールしながらより良い運用成果を目指していきます。
このようなリスクのコントロールによって、お客様は自分自身の知識や経験に自信がない場合やリスクを把握しにくい場合でも、より良い運用成果を期待することができるのです。
2-3. グローバルかつ複数の資産に分散投資できる
ファンドラップの三つ目のメリットは、グローバルかつ複数の資産に分散投資を行うことができる点です。
投資資金を異なる資産クラスや地域に分散投資することで、リスクを分散させ、投資全体の安定性を高めることができます。
例えば、お客様が自分で株式だけを買い付ける場合、その銘柄の業績や市場の動向によってリスクが大きく変動します。
しかし、ファンドラップは株式や債券、不動産といった様々な資産クラスに分散投資するため、一つの資産クラスの動向が影響を及ぼすリスクを軽減できます。
さらに、ファンドラップはグローバルな市場にも投資することができるため、国内市場だけに依存するリスクも低減されます。
このように、特定の銘柄や産業に依存するリスクを減らすことで、不確定な市場環境にも対応しやすくなります。また、異なる資産クラスの投資を通じて、投資全体の安定性を高め、長期的なリターンの向上を期待することができます。
このようにファンドラップを活用することで、安定的な資産運用を行うことができるのです。
長期的な目標を持ちつつ、グローバルな市場の機会を活かすためにも、ファンドラップのグローバル分散投資の特長を活用することをおすすめします。
資産運用のご相談はFPバンクへ
本コラムではファンドラップを、メリット・デメリットという観点から解説しました。
ファンドラップは証券会社に運用をお任せする、証券会社が提供するサービスになります。
ですので各証券会社によってコンセプトや方針などが大きく違うという点もポイントになってきます。
それに共感し、対価を払ってでもやりたい!と思えるような証券会社のファンドラップなら、大切なご資産を預ける先として良いのではないでしょうか。
そういった観点での見極めは難しいかもしれませんので、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもひとつの方法と言えるでしょう?
是非、あなたのライフプランやリスクに対する考え方に合ったファンドラップを見つけてください。
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