4歳からのお金入門編☆親子で学ぶお金との向き合い方☆

本を持ち想像している子供たち

こんにちは。FPバンク編集部です。

4.5歳のお子さんにおねだりをされたとき、ダメよと答えると、「なぜ?」「どうして?」と返され、うまく答えられなかったり、怒ってしまったりしていませんか?

こどもたちに好奇心が増し、疑問が増えることに成長を感じる反面、困りますよね。日本では、金銭教育を受ける場がとても少ないです。

そこで今回は、お子さんに『お金の大切さ』を伝えるためにはどうしたらいいのかズバリお答えします。きっとすぐに家でも実践したくなる内容となっています。

これから生きにくい未来を背負うこどもたちに何を伝えるべきなのか。

教育環境もグローバル化している中でどんな金銭教育をすべきなのか。考えるきっかけと日々の実践のヒントがここにあります。

是非、読んでみてくださいね!!

1.金融教育とは

金融教育は、生きる力を育む教育です。

金融教育は、「お金や金融の様々なはたらきを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育」です。

(1)諸外国と日本の金融教育の違い

①アメリカ

大切にしているのは、パーソナルファイナンス(個人のお金の計画や管理)です。

例えば、しばらく使う予定のないお金をどんな状態にしておけばもっとも効率的か。

・現金・預金でもっている場合
・株式や投資信託などによって運用する

どちらが有利か、それぞれリスクがあるか、自分なりの考えを持ってお金を動かせる十分な知識を学んでいきます。

それには、自分なりの金融戦略をどうするか、どんな情報を集めればいいかを判断する情報リテラシーについての学習も含まれてきます。

すでに、小さいころから時間軸を取り入れて学んでいます。

②イギリス

2014年より、公立学校のカリキュラムに金融教育が盛り込まれ必修となっています。

3歳から金融と経済について学び、小学校を卒業するまでにお金に関する社会構造の理解を目指していきます。

教科としての「金融教育」はありませんが、英語・算数・PSHD(個人と社会の生活:道徳や保険)の各教科の学習のなかに「金融教育」の視点が含まれています。

例えば、数学。「遠足や旅行に出かけたときの電車賃など、公共料金やおこづかいの使い道」を議論する課題が設定されています。

またPSHDでは、「友だちにおこづかいを貸したが返してくれない。どうすればいいか」をテーマにグループで議論する……など、お金に関する考える力を高めます。

③日本

「お金=不浄のもの」「こどもの前でお金の話はしない」といった道徳心が一般的で、「金融教育」は遅れていました。

義務教育の最終章、中学でも1年生で74.2%、2年生で58.2%の学校が「金融経済教育」にかける時間が0【ゼロ】だったそうです。

この状況に対する危機感から、近年やっと日本でも「金融教育」の必要性を説く声が高まり、2017年9月より全国22の学校で金融教育の公開授業を行っています。
参考ページ:金融教育公開授業

例えば小学校にて。
●社会科:くらしを支える水について調べよう
参考ページ:くらしを支える水について調べよう

くらしや産業に必要な飲料水の確保は、いかなる努力によって確保されているかを調査・見学し、金銭面から「限りある水」である事実を理解します。

水道料金、浄水のためのコスト、ダムの建築費など金銭的な背景を知り、「お金の流れ」を通じて関係性を学び、身の回りの想像しやすい社会の動きでお金と社会について深い理解を求めていきます。

●生活科:パン屋さんとなかよくなろう
参考ページ:パン屋さんとなかよくなろう

街のショップの調査・見学を通して、買い物への興味を高め、買い物の計画を立てる力を求めていきます。買い物体験を通じて、お金の流れやどのようにお店の商売が成り立っているかを理解します。

※アメリカやイギリスと日本の違いで大きいのは、授業のスタイルにもよりますが、「議論」を重ねるアメリカやイギリスに対して、日本では自分事として捉える授業にまでなっていない印象があります。

(2)金融教育の役割

金融教育とは、お金持ちになる方法ではない。

「お金=不浄のもの」の背景には、「金融教育=お金儲け」という印象があるのかもしれません。

長い年月をかけて風習となったといってもいいでしょう。

金融教育とは世の中のつながりを見て、自分が正しい行動を取るための判断材料を得ることが本来の目的です。

イギリスの金融教育では「金融が人の生活で果たす役割」のなかで「チャリティの役割」についても語られます。

公正・公平なお金の流れを理解した上で、いかに金融に接するか、どんな態度がふさわしいか1人1人のこどもに適切な知識を提供する金融教育が求められているのです。

日本における金融教育はまだスタート地点に立ったばかり、これから多くの議論を重ねて理想の姿を求めていこうとしています。

2.キッズマネー~こどものお金のお勉強~

(1)こどもに金銭教育は必要?

生きていく上で欠かせないものの1つがお金です。

もちろんお金が全てではありませんが、幸福度の高い豊かな生活を送るには経済的余裕と精神的余裕のどちらも非常に大切な要素となります。

このバランスは、人によってマチマチです。「価値観の違い」はお金についてのシェアが高いといってもよいでしょう。

では、みなさんはこどもの頃に「マネー教育」を受けましたか?

恐らく、ほとんどの人が「いいえ」とお答えになるのではないでしょうか。

日本は、先進国の中でも国民の幸福度が低いと言われています。

もしかしたら、その原因の1つは日本が「マネー教育」に積極的では無いため、上手なお金の使い方を知らないことなのかもしれません。

大人になってから、「親や学校が教えてくれればよかったのに」と、思った経験をお持ちの方も多いと思います。

例えば…
・サッカーボールを手でパスする
・赤信号で横断歩道を渡る
・免許なしで車の運転をする

といったように、ルールを知らないと誤った行動をしたり、聞いた話を鵜呑みにしたりしてしまいます。

それは、ルールや規則を知らないことが原因だったり、ルールや規則を知らないことで自分にとって正しい選択だと判断ができないのです。

そうならないためには、しっかりルールを知ること、学ぶことはとても大切なことなのです。

お金に関しても、同じことがいえます。

しかし、スポーツのルールや交通ルールは学ぶ場があるのですが、残念ながらお金について学ぶ場がないのです。

最近では、365日24時間身近なコンビニでお金が下せる時代となり、クレジットカードやデビットカードなど見えないお金での決済が当たり前となってきている中、こどもたちはお金の大切さを理解できているでしょうか?

小さい頃から金銭感覚を少しでも身に付けると自分で生きていく力となります。

今後は、人生を生き抜くためにこどもには金銭教育が必要な社会となるでしょう。

<お役立ち情報>お役立ち情報で金融のルーツを知る
<関連記事>お金の管理はどうする?夫婦での家計のやりくりとは
<関連記事>おすすめの資産運用はどれ?初心者必見の資産運用ガイド

(2)実態調査

前述でも触れてきましたが、まだまだ日本は「金融教育」のスタート時点に立ったばかりです。

こどもの金融教育を行うにあたり、親御さんの関わりというのがとても重要となってくるわけです。

ここでは、世帯年収1,000万円以上のご夫婦にアンケートを実施した内容に触れてみたいと思います。

①お子さんにお金に関する金融教育「マネー教育」を行っていますか?

マネー教育を行っていますか?

2/3以上の方が「マネー教育」に
取り組んでいるようです。

②どのような「マネー教育」をしていきたいですか?

どのようなマネー教育をしていきたいですか?

大半は、4歳以降におこづかいからスタートする親御さんが多いようです。電子マネーの使い方など時代の移り変わりを感じます。
また、何を教えたらいいかわからないといった意見も素直なご意見です。

③小さいころから「マネー教育」が重要だと思いますか?

マネー教育が重要だと思いますか?
約9割の親御さんが「マネー教育」は小さいころからの取り組みが重要だと感じられているようです。

生きていく上で必要不可欠な「お金」に関する知識。

できるだけ早いうちから身に付けておくことが、将来のためにも非常に重要だと言えそうです。

理由としては、「学校では教えてくれないから」「大人になって急に身につくものではないから」「自分が受けたかったと思うから」などといった、親御さんの体験からお子さんに対して環境を作ってあげたいと思われるようでした。

出典:PRITAIMES「世帯年収1,000万円以上の保護者の9割が「子どもの頃からの“マネー教育”が重要」と回答!子どもが楽しく学べる方法とは…?」

3.キッズマネースクールとは

【公式】キッズマネースクール
“日本中のこどもたちの生き抜く力を育成する”と同時に、こどもの親御さんである“日本中の子育て世代の生き抜く力を育成する”を理念として掲げ、少しでも多くの方とのご縁を結び、伝えていくことを目的としています。

<講座内容>

こどもたちに、学校では教えてくれない「金銭教育」を。お金の学びを通して「ありがとう」伝えます。お金は汚いものではなく、私たちをHappyにしてくれるもの。お金の交換は、「ありがとうの交換」なんだと体験を通じて伝えていきます。

①お仕事体験

お店屋さんごっこをして働く体験とお金の大切さを学ぶことができます。

がんばったら自分のお店の品物が売れるんだ!売れたらお金がもらえるんだ!どうやったら売れるんだろう?と店主になったこどもたちは試行錯誤して販売活動をしていきます。

お金の行き来を通じて喜びや感謝の気持ちを学びます。そこに行き交うたくさんの「ありがとう」の言葉を聞いて、温かい気持ちになります。

こんなことを実感し最後にお給料袋を手渡しでもらって満面の笑みになります。

②大人向けセミナー

こどもへのおこづかいのちょっとした工夫や、コツをお伝えします。

継続的に親子で関われて、実践しやすい「マネー教育」ですので、ヒントがいっぱい。

そして、お店屋さんごっこの準備で、仕入れをして、お値段を決めて、色塗りをして…店頭でお客様の呼び込みに。元気いっぱいの発声練習をしている間は、親御さんの「お手伝い」タブー!!

こどもたちは、最初から最後までスタッフにSOSがだせますが、基本的にはこども1人で開店準備をします。

その間、親御さんはワクワク期待して待つ時間。

この時間を利用して親御さんも学びの時間、知っトク情報の大人向けセミナーを開催します。

人生の三大資金である教育費の貯め方、住まいの持ち方。住宅ローン等、大きな買い物だからこそタイミングや頭金等の金額設定のしかたなどは重要。

金利だけでない「住宅ローン」をはじめとする「お金」との上手な付き合い方を学べます。

興味関心はあるけれど普段はなかなかママ友にも聞く機会がないお金のことを、プロのファイナンシャルプランナーが教えてくれます。

お金は人生をHappyにするもの。こどもたち同様、真剣に親御さんも学びます。

そして、破ってはいけない「お約束」をします。お店屋さんごっこでは、買い物終了時必ず「ありがとう」と大きな声でこどもたちに伝えること。

この魔法の言葉がこどものやる気を引き出します。自然とこどもの熱量に伝染して、親御さんも笑みがこぼれます。

③お子さんの成長が実感できます

吸収力の速いこどもたちは、2時間という短時間でもお金に対する感覚・センスを身に付けます。

3つの大切なことを最後にお伝えします。

お金は、働いて手に入るもの。お金は無限ではないこと。お金を使うときはしっかり考えてから使うこと。欲しいものを手に入れるためにはお父さん・お母さんが毎日働いてくれいるおかげ。

自然とこどもたちから、親御さんに対して『ありがとう』がこぼれます。

ご自宅に戻った後も働くことについて親子で話す機会が増えたとお喜びの声をたくさんいただいております。

この日々の積み重ねがこどもたちの生き抜く力につながっていきます。学びの時間はたった2時間。そこで大きく成長したこどもたちの姿をリアルに感じてください。

4.まとめ

お金の歴史は古く、お金という概念のない時代から、お札と小銭まで進化してきて今や、365日24時間お金を引き出せる時代になりました。

銀行の中でお金は流通し、楽payなど決済機能が目覚ましい成長を遂げております。

便利が身近になる反面、「ありがたみ」や「感謝」の気持ちを表現できる機会も減ったようにも感じます。

その昔は、親御さんへの感謝の気持ちは学びを通さずとも、感じることができたのです。

毎月お父さんのお給与が現金での支払い。親の背中を見て、目に触れることでお給与=お父さんの努力の結晶と理解もできていましたし、自然とお給与を家に運んでくれるお父さんは家族の中でもヒーローだったのではないでしょうか。

現代では、お給与は振込。支払は引き落とし。手でリアルにお札に振れる機会がなくなりました。そんな今だからこそ、お金の大切さやお金の使い方は、知っておく必要があります。

こどもたちももちろんそうですが、我々大人も立ち止まって改めてご夫婦で身を引き締めることができるかもしれません。

最後に、金銭教育とはこどもがどんな時代でも自分で生きていける力を育む教育です。

1人でも多くの子供たちがお金を通してお金に興味を持ち、そしてお金を働いて稼いできてくれる親御さんに感謝の心を持てるきっかけになってくれたらうれしいです。

2020年8月21日
text by 久保田 正広
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