病気の治療中や過去に大病をしている人は住宅ローン審査に通らないのでしょうか?
住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険(団信)の告知が原則義務付けられます。
そのため残念ながら、病気の内容によっては団信に加入できず、そのせいで住宅ローン審査に通らないということも起こり得ます。
ではどんな病気が審査に影響するのでしょうか。また過去の病気も申告する必要があるのでしょうか。
詳しく解説していきます。
目次
1.住宅ローン審査に持病は関係するか
(1) 治療中の場合は?
住宅ローンを組むときには団体信用生命保険(団信)と呼ばれる保険に加入することが原則、義務付けられています。多くの金融機関ではこの保険に加入できなければ、住宅ローンを組む事ができません。
よって、過去に大病をしている方や治療中の方は、この団信の審査が住宅ローン審査の最大の鬼門となるのです。
(2) 過去の病気はいつまで遡って報告する?
過去の病気について最初に押さえておくのは、告知が必要な期間についてです。10年前の既に完治している病気について申告する必要はあるのでしょうか?
一体、何年前の病気まで告知しなければならないのでしょうか?
告知義務のある期間は、長いもので5年です。
つまり5年以内に病気・ケガは告知事項にあてはまります。
引受け保険会社によってはより期間の短いものもあったりしますが、規定の告知義務の期間を経過していれば、申告する必要はありません。
2.どんな持病を申告するのか
(1)申告する病気がある場合の気になる審査基準
どのような病気が審査にひっかかるのでしょうか。
例えば、花粉症は持病として申告する必要はありますか?
もちろんありませんよね。花粉症で亡くなるなんてことは聞いたことがありません。
ここでいう病気とは、糖尿病・高血圧症・脳卒中など、場合によっては生死にかかわるような病気が主に該当します。
告知する必要のある病名は引受保険会社によって異なるので確認してみましょう。
(2)病気を隠すことは絶対にNG
病気の治療中であることや過去の病気を隠すことは、絶対にNGです。
もし隠したままで住宅ローン審査に無事通過したとしましょう。
その後なんらかのきっかけで、病気を隠していたことがバレてしまったらどうでしょうか。
そうなると以下のようなことが起こり得ます。
- 告知義務違反として、万一が起こっても団信の保険金が支払われない。
- 契約違反として、住宅ローンの一括返済を求められる。
このように、非常に重いペナルティを覚悟する必要があります。
告知が必要な病気はきちんと申告する、これは絶対に忘れないでください。
3.まとめ
いかがでしたか?
病気治療中の方や過去に病気のある方は少なからず住宅ローンの審査に影響しそうですね。
告知事項があっても、団信加入できる場合もあります。
また、そもそも団信加入が必須でない住宅ローンも存在します。代表として「フラット35」などが知られています。
いずれにしろ、持病や病歴がある方は治療開始時期や治療内容等を住宅ローンの審査前に確認しておくとよいでしょう。
2020年1月17日
text by 久保田 正広
FPバンク