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2019.11.5
ライフプラン

幼児教育・保育の無償化はライフプランにどう影響する?

2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」がスタートしました。子育て世帯にはうれしい制度ですね。家計がどのように変化するのか、良いことばかりなのか、気になるところですね。ライフプランに与える影響をみていきましょう。

1.幼児教育・保育の無償化とはどんな制度?

2019年10月から変わったことというと、まず消費税率の引き上げとおっしゃる方が多いことでしょう。ですが、子育て世代にとって大事な政策の変更がもう一つあります。

それが「幼児教育・保育の無償化」です。子育て世代を応援し、幼児教育の重要性や少子化対策の観点から取り組まれるこの制度、無償化になるなら家計にとってはありがたいことですよね。まずは制度の内容をみていきましょう。

(1)何がどう変わるのでしょう?

 

0歳~2歳児

3歳~5歳児

保育所
(認可外保育施設)

自治体が設定する世帯
年収に応じた利用料

無償

認可外保育施設

各施設が定める利用料
自治体が設定する補助あり

各施設が定める利用料
3.7万円/月まで補助

認定こども園

自治体が設定する世帯
年収に応じた利用料

無償

幼稚園

自治体や施設が定める利用
料2.57万円/月まで補助

幼稚園からの
預かり保育

幼稚園利用料とあわせて
3.7万円/月まで補助

障害児通園施設

無償

(2)幼稚園・保育園の費用全てが無償化になるわけではない?

今回の無償化施策では保護者から実費として徴収している金額は含まれないようです。具体的には入園料、通園のためのバス代、行事等の実費で払っている費用、制服代、学用品代は無償化の対象になりません。

自治体によっては今までこれらも含めて無償だったところもあり、そういった家庭の支出は逆に増えてしまうことになります。

2.制度が家計に与える影響は?

(1)無償化で得られるメリット・デメリット

メリットの一つはまず家計の支出が減ることです。年に数十万の支出減はうれしいですね。

それから、今まで保育料が高いために働くメリットを感じられなかった方が少しでも働きに出ようということになれば家庭の中だけではなく、人材不足の解消等、社会的にも良い効果があるのではないでしょうか。

デメリットはというと、今回の無償化の財源は同じく2019年10月1日にスタートした消費税の増税ということで家計の支出増を挙げる方もいらっしゃるでしょう。

また、恩恵を受けるのは一部の子育て世代ですので不公平感もあるでしょう。その他、実際に幼稚園や保育園に通わせている世代からも入園者が増え保育の質が下がるのではないか等、心配の声があるようです。

(2)メリットを家計にどういかすか

例えば、
5歳と3歳の子供2人を平均的な料金の幼稚園に通わせていた場合ですと、
無償化の前と後では、

  • 前:第一子30,000円+第二子15,000円=45,000円、1年で540,000円
  • 後:第一子30,000円-25,700円(助成額)+第二子分0円=4,300円、
      1年で51,600円

となり、差額は年間488,400円となります。

また、保育園の一例で5歳と3歳の子供を通わせていた場合ですと

  • 前:第一子40,000円+第二子20,000円=60,000円、1年で720,000円
  • 後:0円(+実費徴収)

となり、差額は年間720,000円となります。

家庭によっては数十万円浮く計算になります。
皆さんでしたらどういかしますか?

そのまま普通預金に放置してしまうと知らない間に生活費に消えてしまうなんてことになりかねません。無償化で浮いたお金はすぐに別の場所に移したほうがいいでしょう。ではどこへ移しますか?将来の教育資金として銀行の積立定期預金でもよいですが現在の金利ではほとんど増えませんので積立NISAなどの制度を利用するのもよいでしょう。またお子様の習い事に使ったりお母様の自己投資という選択もあるでしょう。

いずれにしても一番もったいないのは何に使ったかわからない使途不明金になってしまうことですので気を付けたいところです。

3.まとめ

今回の無償化で受けられる金銭的なメリットは期間限定のものです。

例えば大学の入学金に充てるなど将来の教育費の一部を準備することはできます。

それもきちんと貯めていなければいつの間にかなくなってしまうことになりかねませんし、それができたとしても教育費の一部にすぎません。ですからこれをきっかけに家計の収入を増やしたり、教育費を貯める方法を見直したりすることによってよりよいライフプランになるでしょう。

2019年11月5日
text by 久保田 正広
FPバンク

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