
目次
1. はじめに
ファイナンシャルプランナー(FP)は、はたしてこの先、生き残っていける仕事なのでしょうか?
AIやデジタル技術が進化する中で、金融・資産運用に関する相談も例外ではなく、FPの役割も変化しつつあります。
しかし、FPの仕事は完全になくなるわけではありません。
今後、FPとして生き残っていくためには「どのようなFPを目指すべきか?」という戦略が重要になってきます。
本記事では、FPの将来性をデータと実例を交えながら解説し、生き残るための戦略をお伝えします。
2. ファイナンシャルプランナーの仕事がなくなる?その理由とは
FPの仕事がなくなるといわれる理由には、おもに以下の3つが挙げられます。
2.1 AIやロボアドバイザーの台頭
近年、AIを活用した「ロボアドバイザー」や「デジタルFPサービス」が登場し、顧客の資産管理や投資アドバイスを自動化する動きが加速しています。
特に、定型的な投資提案やリスク管理はAIの得意分野であり、FPの一部の業務は代替される可能性があります。
2.2 ネット型保険や金融商品の普及
従来、FPが担当していた保険や投資商品の提案も、オンラインで完結するケースが増えています。
特にシンプルな保険商品は、対面での説明なしに契約できるようになり、FPの介在が不要になる場面も増えてきました。
2.3 FP資格保有者の増加と競争の激化
FP資格は年々取得者が増え、競争が激化しています。
特に「資格を持っているだけのFP」では差別化が難しくなり、収益性が低下しているという現状があります。
3. 生き残るFPと淘汰されるFPの違い
FPとして生き残っていくためには「FPの仕事はなくなってしまうかも知れない」と考えるのではなく「今後はどのようなFPが生き残っていけるのか」という発送がとても重要です。
生き残るFPと淘汰されるFPの特徴を整理すると以下のようになります。
3.1 淘汰されるFPの特徴
- 保険や投資商品の販売に依存している
- 相談料だけで収益を得ようとしている
- 顧客との長期的な信頼関係を築いていない
- AIに代替される業務(単純な商品の説明や売買手続き)に依存している
3.2 生き残るFPの特徴
- フィーベースモデル(顧客の資産残高に応じた報酬モデル)を採用している
- 顧客の長期的な資産形成をライフプランに基づくゴールベースで提案できる
- 毎年、面談やアフターフォローを徹底し、顧客と長期的な信頼関係を築いている
- 単なる投資戦略ではなく、ライフプラン全体を考慮したアドバイスを提供している
- AIにはできない、個別の状況、顧客の気持ちを汲んだアドバイスを行う
アメリカではFPの報酬はフィーベースモデルが主流であり、成功しているFPはこのモデルを採用しています。
4. フィーベースモデルとは?
4.1 フィーベースモデルの概要
フィーベースモデルとは、顧客の資産額に応じて報酬を得る仕組みです。従来の「買付手数料」モデルとは異なり、以下のメリットがあります。
顧客との利益相反が起こりにくい
FPの報酬が顧客の資産成長と連動するため、無理に新たな商品販売をする必要がない。
長期的な資産形成をサポートできる
短期的な回転売買を促す必要がなく、顧客のライフプランに即した長期的な投資、運用を重視できる。
透明性が高い
手数料体系が明確であり、顧客の信頼を得やすい。
4.2 フィーベースモデルが長期運用に最適な理由
フィーベースモデルが長期運用に適している理由に以下の3つが挙げられます。
- 顧客とFPの利益が一致するため、長期的な信頼関係を築きやすい
- 市場が不安定な時期でも、拙速な確定売りや狼狽売りを防ぐ伴走サポートができる
- 定期的な面談やアフターフォローを通じて、資産運用の継続を支援できる
5. 将来性のあるFPになるための戦略
5.1 手数料体系の透明性を確保する
信頼できるFPとして評価されるためには、手数料体系の透明性を確保することが重要です。
特に確保すべきポイントは次の3点です。
- フィーベースモデルを採用しているか
- 買付手数料が発生しないか
- 隠れたコストがないか
5.2 長期運用の視点を持つ
短期的な利益の追求ではなく、顧客のライフプランに沿った長期的な資産形成を提案できるFPが生き残ります。
そのためには、以下にあげる3つの事の実践が重要となります。
定期的な面談を行う
毎年の面談で資産状況を確認し、適切な調整を行う。
アフターフォローを充実させる
市場変動時のサポートや、税制改正に応じたアドバイスを行う。
顧客が感情的な売買をしないように伴走する
市場の暴落時に冷静な判断を促し、長期運用を継続できるよう支援する。
5.3 ゴールベースアプローチを重視する
ゴールベースアプローチとは、顧客の将来設計から逆算して資産形成を計画する手法です。
- 短期的な投資戦略ではなく、人生全体の資産設計を考慮する
- 顧客の目標(住宅購入、教育資金、老後資金など)を基に最適な投資プランを構築
- 市場の変動に惑わされず、一貫した資産形成を支援する
6. まとめ
ファイナンシャルプランナーの仕事は、AIやロボアドバイザーの台頭により変化しつつあります。
しかし、「FPの仕事がなくなる」わけではなく、求められるスキルやサービスが進化しているのです。
生き残るためには、顧客のライフプランに即したゴールベースアプローチを取り入れ、長期的にサポートしていく体制と、顧客と智雄に長期運用の視点を持つことが不可欠です。
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