ETFで運用を始めたいと思っているけれど、そもそも普通の投資信託と何が違うの?
どんなメリット、デメリットがあるの?
とお悩みの方に贈る、ETF基礎講座
1.ETFって投資信託と何が違うの?
(1)ETFとは
ETFとは上場投資信託(Exchange Traded Funds)という意味です。通常の投資信託は上場していないので値動きは1日に1回。これが基準価格となります。
しかし、ETFは株式等と同じく上場しているため取引時間内は常に価格が変動します。
(2)ETFのメリット・デメリット
ETFは投資信託とは異なり販売会社に支払う信託報酬がないため、コストは低くなります。また、株式と同様に取引価格を見ながらの売買も可能ですし、あらかじめ価格を指定しておく指値注文や信用取引もできます。
コストが低いことと1日の中で値動きを見ながら投資ができることがメリットです。
デメリットは小額での投資ができないことです。投資信託の多くが100円程度からの注文が可能なのに対し、ETFの場合は最低でも1.5万円程度からの注文でないとできないケースが多く見受けられます。
2.ETFは運用商品として魅力的か
(1)運用の基本は分散投資
運用する際に重要なのはいつまでにどのくらいの金額に増やすのか、という目標設定です。そして、運用の基本は分散投資。1点集中の投資だとハイリスクになるためです。ETFの場合基本的には日経平均と連動するものや東証株価指数に連動するものが圧倒的に多い(もちろん中には一部、国内ETFでも海外に投資しているファンドもあります)ので日本の国内では分散しているかもしれませんが、海外や債券など幅広い視点では分散しているとは言い切れません。
(2)ETFは意外と高リスク
ETFは日経平均や東証株価指数に連動するものが多いので、わかりやすい、簡単、身近に感じるというイメージをもってETFを始める方もいらっしゃいます。しかし、ETFはそもそも流通量が少ないため銘柄によっては売りたい時に売りたい価格で売れない可能性があります。つまり流動性、換金性は落ちてしまうという意味です。
また、そもそも指標にしているのが日経平均ということは分散投資というより、日本のみという集中投資ですし、指数は近年動きが激しくなっているため、たった1日で驚くほどの値動きを見せることがしばしばあります。
このことから国内ETFの多くはリスク・リターンが高いと言えるでしょう。
3.まとめ
運用初心者の方にとってETFはお手軽だという印象があるかもしれません。確かにコストが低くベンチマークに追随する(もしくは上回る)運用を目指しているので分かりやすいかもしれません。
しかし、値動きが激しいことや低額からの投資ができないというデメリットもあるのでご自身に合う運用方法かどうかを考えてから始めましょう。
2019年6月29日
text by 久保田 正広
FPバンク