毎月分配型は悪い?悪くない?メリット・デメリットを解説

毎月分配型は悪い?悪くない?メリット・デメリットを解説

毎月分配型の投資信託は、毎月分配金を出すことが特徴的な投資信託です。毎月決算型、といわれることもあります。

一時期は非常に人気の高かった毎月分配型投資信託ですが、最近では悪い評価をされることも増えています。
毎月分配型の投資信託は悪いのでしょうか?悪くないのでしょうか?

この記事では、「毎月分配型は悪いのか?悪くないのか?」をテーマに、毎月分配型投資信託のメリットやデメリット、保有に適した人などを解説します。毎月分配型の投資信託への投資を検討している人は参考にしてください。

1.毎月分配型は悪い?悪くない?

1.毎月分配型は悪い?悪くない?

結論からいえば、毎月分配型の投資信託は使い方次第で良くも悪くもなる商品と言えます。

「毎月分配金が出る」ことは、どのような目的で運用するかによって、良いか悪いかが変わるためです。

毎月分配金での運用が悪くない例としては「仕事をリタイアして、投資信託の毎月分配金で生活する」というケースが挙げられます。まとまった資産があり、それを取り崩しながら生活する場合は、毎月分配型投資信託で運用しながら月々の収入にすることは悪手ではありません。

例として2,000万円の資産を運用しながら取り崩した時のシミュレーションを紹介します。

(2,000万円を65歳から毎月10万円取り崩した場合)

運用の利率 年率0.1%で運用 年率3%で運用 年率5%で運用
終了年月 81歳10カ月 87歳11カ月 99歳3か月

運用しながら取り崩した方が、資産寿命が長くなり収入源が確保できることがわかります。

一方であまり資金のない若い世代の人は、毎月分配型投資信託で大きく利益を出そうとしても難しいでしょう。
分配金は投資信託の運用益もしくは預かり資産から出されるので、投資信託の基準価額は下落する傾向にあります。若い世代の場合、分配金は受け取るよりも再投資して、長期的な複利効果を高める方がおすすめです。

2.毎月分配型投信とは?

2.毎月分配型投信とは?

その名の通り毎月分配金を出す投資信託が毎月分配型の投資信託です。前述の通り、資産寿命を伸ばせる反面、基準価額が下がりやすい傾向にあります。
毎月分配型の投資信託とは何か、メリットとデメリットなどを確認しておきましょう。

(1)投資信託とは

投資信託とは複数の投資家から資金を集めて、資産運用のプロが代わりに運用する仕組みの商品です。運用した得た利益は投資家に基準価額の上昇や分配金という形で還元されます。

少額から始められ、運用をプロに任せられるので投資初心者にもおすすめです。運用を任せるので、信託報酬や買付手数料などコストがかかるので事前によく確認しておきましょう。

資産運用の投資先としては、国内外の株式や債券、不動産(リート)など様々なものがあり、最近では株式や債券など複数の投資先を組み合わせたバランス型の投資信託も人気です。
自分のリスク許容度に合わせた投資信託を選ぶことが大切です。

(2)「毎月分配型」投資信託とは

分配金とは、投資信託の運用で得た収益を投資家に還元する仕組みのことです。現在の運用成果や今後の運用戦略を考慮して、運用会社が分配額を決定します。
注意すべき点としては、分配金を支払うと投資信託の資産が減るという点です。分配金を支払うとその分、投資信託の基準価額は下落します。株高や為替変動で運用がうまくいっていれば問題ありませんが、相場が変動して運用がうまくいかない場合は資産を取り崩して分配することになります。

例えば毎月分配型の投資信託を保有していて、1,000円の分配金を受け取ったとします。これは「1,000円利益が出た」というわけではありません。「1,000円を現金化した」とイメージした方がわかりやすいでしょう。

また分配金には利益から還元される「普通分配金」と元本の払い戻しにあたる「特別分配金」の2種類があります。普通分配金は投資家にとって利益になるため、20%程度課税されます。特別分配金は元本の払い戻し分にあたるため、非課税での受け取りになります。

3.毎月分配型投信のメリット

3.毎月分配型投信のメリット

毎月分配型投信のメリットは主に2つあります。定期的な収入が望める点と、運用している実感がもてる点です。詳しく解説します。

(1)定期的な収入を得られる

毎月分配型投信の一番のメリットは定期的な収入を得られる点です。特に、退職金や貯金していた老後資金などまとまった資金がある場合、毎月分配型投信で運用することで年金にプラスして毎月の収入源にできます。

実際の毎月分配型投信の分配金がいくら出ているのか、仮に2,000万円保有していた場合はいくら受け取れるのかを確認してみましょう。

(毎月分配型投信の分配金例)

銘柄名 1口当たりの分配金(2024年6月) 2,000万円保有していた場合の月の分配金
インベスコ世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし) 150円 238,920円
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース(為替ヘッジなし)毎月決算型 400円 474,560円
グローバルAIファンド(予想分配金提示型) 300円 392,400円

(※事例として列挙しているものであり、上記銘柄を推奨しているものではありません。)

分配金は投資信託の運用成績によって変わるので保証されているものではありません。とはいえ、運用によって毎月一定の収入が得られる点はかなり大きなメリットといえるでしょう。

(2)運用している実感をもてる

毎月分配型投信は分配金を定期的に受け取れるので、運用している実感が持ちやすい点もメリットです。

資産運用が面倒な人や興味がない人は、分配金の出ない投資信託や、配当金のない株式を保有していても資産運用をしている実感が沸かず「運用している意味があるんだろうか?」と疑問を感じてしまうものです。
しかし毎月分配型投信なら、毎月分配金が振り込まれるので「今月も分配金が受け取れた。資産運用していて良かった。」と感じられるはずです。

     

4.毎月分配型投信のデメリット

4.毎月分配型投信のデメリット

毎月分配型投信のデメリットは、分配金を出すために投資信託全体の資産を取り崩しているケースがあることです。

毎月分配型投信が悪い、と言われる一番の理由がこれでしょう。
分配金は投資信託の純資産から支払わられています。そのため毎月分配型投信は、分配金を出さない投資信託と比べると純資産が少なくなりやすく、基準価額も下がりやすい傾向にあります。

5.自分に合った投資信託とは?

5.自分に合った投資信託とは?

結論としては、毎月分配型の商品は使い方次第で良くも悪くもなるということが言えます。

特に退職してセカンドライフを迎える人の中でも、資産運用で毎月の生活費の足しにしたいという場合はニーズに合致しているケースがあるでしょう。すでに運用するまとまった資産があり、それをできるだけ長期間取り崩していくというニーズに合致しているためです。

反対に、現役世代で将来的な資産を築きたい人やまとまった資金がない場合は、毎月分配型投信はおすすめできません。分配金を再投資に回して複利効果による利益を最大限狙った方が良いでしょう。

資産運用に関するニーズは多岐にわたっています。「自分に合った運用商品は何だろう」「自分はいつまでに、いくらくらい増やさないといけないのだろう」といった目的や目標を把握せずに、流行の金融商品に飛びついてはケガの元です。

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