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2020.8.22
資産運用・投資

「わからないNISA」 を 「わかるNISA」に

こんにちはFPバンク編集部です。

2014年1月からスタートしたNISAですが、2019年12月末時点でNISA口座数は1363万7,583口座、買付額は18兆1,833億260万円となっています。

2018年12月末時点から、約8.8%増になっていますので、将来に向けて資産運用をスタートしている人が増えているようですが、まだまだNISAに対してぼんやりとした知識しか持っていない人も多いはず。

改正により2024年から新NISAがスタートするなど、ますます苦手意識が増している皆さまに、「NISAってなに?」をわかりやすく解説します。

資産運用をはじめるきっかけになること間違いなし!

1. NISAってなに?

2014年1月からスタートしたNISA。

制度については何となくしか分からないけれど、今さら聞けないと思っている方も多いのではないでしょうか?

今さら聞けないNISAについて、そして2024年からスタートする新NISAについても解説します。

(1)制度の概要

NISA、正式名称は「少額投資非課税制度」、個人投資家のための税制優遇制度です。

投資や預金をすると利益の約20%は税金として引かれますが、それが非課税(=無税)になるのがNISAです。

上場株式や投資信託などを年間120万円まで購入でき、投資から5年間、配当や売却益が非課税(=無税)となります。

このように税制優遇で資産形成ができるNISAですが、はじめる際に知っておくべき概要の基礎知識を分かりやすくポイントごとにまとめました。

ポイント① NISA口座を開設する

NISAを始めるためには、先ずは一般の証券口座を保有していなければNISA口座は利用できません。

証券会社や銀行などの金融機関で証券口座と同時にNISA口座を開設しましょう。NISA口座は、日本在住の20歳以上であれば誰でも開設できます。

ポイント② NISAの運用可能商品と運用方法

NISAの対象商品は、上場株式や投資信託です。

年間120万円以内であれば一括購入、または分けて購入もできます。

例えば、2020年1月に上場株式を40万円で購入し、翌月2月に投資信託を30万円で購入。その後、3月~12月まで5万円ずつ投資信託を購入、そんな買い方もできます。また、年間上限120万円を使いきらなくても大丈夫です。

ポイント③ 投資可能期間と非課税期間

2014年からスタートした現行NISAは、新規でNISA口座を開設し、上場株式や投資信託を新たに購入できるのは2023年までです。

2023年中に購入した上場株式や投資信託は、2027年(5年間)まで非課税期間があります。

通常、株式や投資信託の配当・譲渡益(売却益)には、20.315%の所得税・復興特別所得税・住民税が課税されますが、非課税期間の5年間は無税になります。

例えば、上場株式に100万円投資して200万円で売却した場合、通常、利益の100万円に20.315%課税され、実際の受け取り総額は179万6850円になりますが、NISAの場合は200万円まるまる受け取れます。

NISA

運用益は全額非課税

(2)非課税にならない落とし穴

NISA口座で保有している上場株式や投資信託は、売却益に限らずその配当金や分配金も非課税の対象ですが、非課税にならない落とし穴があるのをご存知ですか?

【配当金の落とし穴】
上場株式の配当金とは、年に1~2回、企業が出した利益の中から利益の一部を現金で受け取る仕組みのことです。

通常は、この配当金にも20.315%課税されますが、NISA口座であれば非課税対象となります。

ところが、配当金の受け取り方次第では非課税にならないということがありますのでご注意ください。

配当金の受け取り方は以下の4つです。
①配当金領収書方式 
②個別銘柄指定方式 
③株式数比例配分方式 
④登録配当金受領口座方式

この4つの中で非課税の恩恵を受けることができるのは、③株式数比例配分方式 のみです。

株式比例配分方式とは、証券会社で保有している株数の残高に応じて、配当金が証券口座に入金される方法です。

配当金の受け取り方の選択を誤っていると、課税されてしまいますので、受け取り方が「株式比例配分方式」になっているか必ず確認しましょう。

【分配金の落とし穴】
 投資信託の分配金には、課税扱いの普通分配金と非課税扱いの特別分配金の2つあります。

普通分配金は運用収益から支払われる分配金で課税の対象になりますが、特別分配金は元本を取り崩して支払われる分配金でもともと非課税になります。

そもそも元本を取り崩して分配金を出し続けるような投資信託は、NISAの非課税メリットを享受できません。

投資信託を選ぶ際は、月次レポートやパフォーマンスなどをしっかり確認するようにしましょう。商品選びを専門家に相談することも検討しましょう。

(3) 2024年スタート新NISAとは?

2024年スタートする新NISAは、2023年までの一般NISAが改組され、2階建てになります。

1階部分は積立、2階部分は従来の一般NISA同様に一括、積立どちらでも購入できます。

投資上限額は、1階部分が20万円、2階部分が102万円です。

原則、1階部分での積立投資をしないと2階部分の投資ができないようになっています。ただし、すでにNISA口座を開設していたり、または上場株式の投資経験がある場合は、例外として、1階部分を利用しなくても2階部分で上場株式に投資することができます。

この例外は、投資対象が上場株式に限定されていますので、投資信託に投資する場合は、1階部分の積立投資が必須になるのでご注意ください。

新NISA

2. NISAのメリットデメリット

(1)メリット

NISAの最大のメリットは、配当金や売却益が非課税になることです。

非課税の対象となる収益には上限が定められていませんので、利益が多いほどその恩恵は大きくなります。

また、安定して高配当が見込まれる企業の株式であれば、配当金を非課税で受け取ることができるのもメリットです。

(2)デメリット

NISAのデメリットは、損益通算や繰り越し控除ができないことです。

「損益通算」とは、株式取引などにおいての利益と損失を相殺することができる制度です。

損益通算

「繰り越し控除」とは、売却して損が出た場合や損益通算してもなお控除しきれない損失があった場合、翌年以降3年間にわたり、確定申告することによって、売却益からその損を繰り越し控除できる制度です。

繰り越し控除
出典:国税庁
<関連記事>NISA、知らないと損する6つのデメリット
資産運用パーフェクトマニュアルはこちら

3.つみたてNISAとジュニアNISA

(1)つみたてNISA

つみたてNISAは2018年にスタートした比較的新しいNISAです。

少額からの長期・積立・分散投資ができる、投資初心者にとって利用しやすい制度です。金融庁が指定し、その中から金融機関が選択した投資信託に年間40万円を上限に積立投資ができ、その運用益に対しては最長20年間非課税なります。

毎月100円から積立できる証券会社もあり、NISAと比べて気軽にはじめられると思います。また、いつでも解約できるので、資金が必要なときには解約できるので融通がききます。

つみたてNISA

(2)ジュニアNISAとは?

ジュニアNISAは、2016年にスタートしました。子どもの将来に向けた資産形成をするために導入された非課税制度です。

日本国内に居住する0歳~19歳までが利用できます。口座開設する年の1月1日時点で19歳であれば、その年中に口座開設できます。

口座開設者は子どもの名義になりますが、運用や管理は親権者等の親などが行います。もし、子どもが売買注文を行う場合は、都度親権者の同意が必要になります。

ジュニアNISAは一般NISAと同じく、売買益や配当金、分配金にかかる20.315%の税金が非課税になります。また、非課税期間も5年間、上場株式、投資信託などに投資できます。制度内容が違う点と言えば、上限投資額が年間80万円です。

NISAやつみたてNISAは新制度や期間延長になりましたが、ジュニアNISAは従来通り、2023年までになります。

もうすぐ終わってしまいますが、2024年~2028年に5年間の非課税期間終了時に保有している運用商品は「継続管理勘定」へ移すことができます。

継続管理勘定では20歳まで非課税で運用継続できます。ただし、その間、売却はできますが、新規買付はできません。

ジュニアNISA

<関連記事>ジュニアNISAってはじめた方がいいの!?

4.今さら聞けない、つみたてNISAとiDeCoの違い

つみたてNISA、iDeCoともに、原則的には毎月積立で投資信託などを買い付けしていくという共通点があり、「どちらをはじめたらいいの?」と悩む人も多いです。似たようで異なる2つの制度、違いを比較してみましょう。

(1)制度の違い

つみたてNISAはいつでも資金を引き出せますが、iDeCoは原則60歳まで引き出せない、これが大きな違いです。

60歳まで引き出せないと聞くと、つみたてNISAの方が使い勝手がいいように感じますが、自由に引き出せると、結局あれこれと使ってしまい、思ったほど貯まらないということもあるかもしれません。

つみたてNISAは住宅購入資金や教育費など、iDeCoは老後資金づくりとして考えるといいでしょう。

年間に投資できる額も違います。つみたてNISAの上限額は年間40万円、iDeCoは職業や勤務先の条件によって変わりますが、年間14万4千円~81万6千円です。

また、毎月積立の下限額も決まっています。

つみたてNISAは最低100円から、iDeCoは最低5,000円からです。毎月積立額は、つみたてNISAはいつでも、iDeCoは年に1度変更できます。収入が減ったり、予期せぬ出費続くときでも柔軟に金額変更できるので安心です。

つみたてNISAとiDeCo

(2)非課税項目の違い

何が非課税対象になるのかというと、つみたてNISAもiDeCoも、運用で得た利益に対して非課税になるのは同じですが、iDeCoについては、運用益だけではなく、毎月積立額も全額所得控除の対象になり、所得税、住民税を節税することができます。

また、受取時も、「公的年金等控除」もしくは「退職所得控除」の対象になります。下図をご参照ください。

全額所得控除

税制優遇

5.まとめ

老後を支えてきた日本の年金制度は少子高齢化の影響を受け、昔に比べると年金支給額は減少しています。

今後は、支給開始時期がより遅くなる可能性も否定できません。

「公的年金があるから老後は万全」とは言えない昨今、国任せにせず、なるべく早いうちから老後に備えることが大切です。

NISAやiDeCoといった非課税制度を利用して、上手に資産形成できれば、老後の蓄えを補うことができます。

思い立ったら吉日、非課税制度を利用して、少額で早速実践してみてはいかがでしょうか。

2020年8月22日
text by 久保田 正広
FPバンク

 

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