住宅金融支援機構は何をしているところでしょうか?
端的にいうと、私たちの生活に欠かせない住宅をお金の面から支援をしてくれています。
本記事では、住宅金融支援機構について解説していきます。
▼フラット35については、こちらの記事でも詳しく解説しています。 フラット35とは?どんな住宅ローンなのか現役FPがわかりやすく解説 フラット35の適合証明とは?手続きの基本から取れない時の対処法まで解説 |
目次
1.住宅金融支援機構は、住宅取得をお金の面から支援
住宅金融支援機構(以下、機構)とは、私たちの生活にかかせない住まいの取得を、お金の面から支援する独立行政法人です。
機構は国民の住生活をより良いものにするために、
- 民間の金融機関を通じた、全期間固定金利タイプの住宅ローン(フラット35)の提供
- 住宅に関わるお金に関する調査
- 省エネ住宅・良質住宅の普及活動
- 震災時の復興支援
- 空き家対策
などの活動しています。
2.住宅金融支援機構と言えばフラット35!
(1)全期間固定の住宅ローンは珍しい?
先ほどもお話しましたが、機構が取扱うフラット35は全期間固定です。
民間の金融機関でも、5年固定や10年固定という金利体系があります。
これは決められた期間の金利は変わらないが、その後はその時の市場金利に応じて金利が変更されるというものです。
一方のフラット35は35年間金利が変わりませんが、民間金融機関で35年固定の取扱いはあまり多くないです。
金融機関からすると長期間金利が固定されると市場金利が上がった時に利益が下がるか最悪の場合、マイナスになってしまうリスクがあるからです。
(2)フラット35は有利か?
日銀によるマイナス金利以降、変動金利と固定金利の差が縮小したことで、弊社でも変動と固定どちらでローンを組んだ方がいいのかという相談が増えています。
20年以上続く低金利の状況や金利の低さからこれまで、変動金利が魅力的でしたが、マイナス金利以降はフラット35の固定金利にも注目が集まってきています。
住宅ローン金利が変わらないということは返済額が変わらないということです。家計から出るお金が明確になるため、ライフプランは立てやすいかもしれません。
(3)フラット35Sで優良住宅を普及
フラット35の中にはフラット35〝S〟というものがあります。
これは環境にいい省エネ物件や、耐震性に優れた物件の購入をする際に、フラット35から金利を一定期間引き下げるという制度です。
どんな住宅かは、以下の4つに分類されます。
- 省エネルギー性に優れた住宅
- 耐震性に優れた住宅
- バリアフリー性に優れた住宅
- 耐久性・可変性に優れた住宅
フラット35SのAタイプであれば、10年間▲0.25%引き下げられるので総返済額に大きな差が出ます。
このように優良住宅に対して金利優遇を行うことによって、優良住宅の普及につなげているのです。
3.災害時や地域特有の課題解決も!
(1)災害時には復興を支援
生活にとって住まいは大事なもの。地震などの大きな災害が起きたとき、機構は一日でも日常の生活が取り戻せるように復興を支援しています。
例えば、被災者が家を再建する際の融資をしたり、被災者が直接相談できるように現地に窓口を設置しています。
また、平成23年に起きた東日本大震災では被災された方が新しく住宅を購入した場合、当初5年間金利を0%まで引き下げる、災害復興住宅融資を利用するときに被災したことを証明する「り災証明書」を不要にする処置などを執っています。
(2)地方公共団体とも協定
地方では人口減少や空き家問題が顕著になっています。機構は地方公共団と協定を結び、「UIJターンによる移住・定着の促進」や「空き家対策」なども行っています。
フラット35の借入金利を一定期間引き下げる例として、地域連携型(子育て支援・地域活性化等)があります。
また、地方移住の活性化を図るための地方移住支援型なども引下げ対象になっています。
なお、これらの金利引下げはフラット35Sとの併用も可能になっています。
4.まとめ
住まいは生活にとって大事なモノであり、住居は人生で最も大きな買い物です。
住宅金融支援機構は、フラット35で私たちの住居取得をお金の面で支えてくれたり、災害時の支援などその他の面でも、〝住まい〟環境がよくなる活動をしてくれています。
2019年8月9日
text by 久保田 正広
FPバンク