自治体の子育て支援サービスには意外にお得な助成、手当がたくさんあります。転居先を検討する際、ぜひ押さえておきたい子育て支援。特に手厚いサービスを行うのはどの自治体なのでしょうか?
1.共働き子育てしやすい街ランキング
近年、大きな期待が寄せられている地域の子育て支援。国を挙げて少子化対策が取り組まれ、各自治体でも子育て支援の施策は重要視されています。このような取り組みがすすめられている背景には、共働き夫婦の家庭が増え、仕事も子育ても頑張って両立したいという意欲はあっても、なかなか思い通りにはいかず、子育てに不安や悩みを持つ働くママ、育児経験に乏しい働くママが増えていることが挙げられると思います。そのような中、各自治体独自の子育て支援サービスの広がりはここ数年著しいものがあります。
働くママとパパを支えるWEBメディア 日経DUAL、日本経済新聞が実施する「共働き子育てしやすい街ランキング」*¹は、共働き世帯の出産や育児を支援する各自治体の施策を独自の視点で調査したランキングで、2015年から毎年発表されています。2019年、全国の自治体のトップに輝いたのは、葛飾区(東京)。2位は松戸市(千葉)、3位は新宿区と杉並区が同率でした。葛飾区と言えば、有名な映画や漫画の舞台になっている下町のイメージが強いと思いますが、JR常磐線、総武線、京成本線の副路線を利用でき、都心へのアクセスも比較的良く、住居費の相場も安く、子育て世帯以外の人にとっても暮らしやすい街のようです。では、全国トップの街、葛飾区の子育て支援策とはいったいどのようなものがあるのでしょうか?補助、助成金や行政サービスの中から特徴的なものをいくつか見ていきましょう。
〈出典〉*¹ 日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 総合編」
https://dual.nikkei.com/atcl/feature/19/112700020/121000001/?P=2
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2.総合ランキング1位「葛飾区」の取り組み
(1)ゆりかご葛飾
妊娠・出産・子育て支援事業である「ゆりかご葛飾」*¹は、保健師、助産師が面接形式で出産・子育てにまつわる相談を受けて、一人一人に合わせたサポートプランを作成して渡してくれるサービスです。面接を受けた人には、1万円分のこども商品券*²が交付されます。この商品券は、区内はもちろんのこと、区外でも買い物やタクシー代としてりようすることも可能です。
〈出典〉*¹ 葛飾区ホームページ
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000050/1001803/1014924.html
*² 子供のためのギフト券「こども商品券」ホームページ
https://toycard.co.jp/shopsearch/
(2)マタニティパス *³
ある程度の妊娠期になると自転車など利用できなくなり、妊婦検診などに行くにも公共交通機関の利用が増えると思います。妊娠中の外出支援を幅広く行うため、母子健康手帳の交付から1年以内の人に、5500円分をチャージした交通系ICカードが交付されます。
〈出典〉*³ 葛飾区ホームページ
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000050/1001803/1015907.html
(3)三人乗り自転車等購入費助成事業 *⁴
6歳未満の子どもが2人以上いる世帯を対象に、子どもを2人乗せられる自転車や幼児用の座席、ヘルメット、電動自転車のバッテリーなどの購入費用が補助されます。購入金額の2分の1が補助されますが、3万円が上限です。
〈出典〉*⁴ 葛飾区ホームページ
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000056/1002336/1002419.html
(4)保育ママ *⁵
保育の資格や経験のある人が自宅等でお子さんを保育します。0歳から3歳未満のお子さんが対象で、基本保育時間は8時間です。保育料は、認可保育園と同様、住民税に基づき算定されます。
〈出典〉*⁵ 葛飾区ホームページ
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000056/1002333/1002379.html
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3.まとめ
今回は総合ランキング1位の「葛飾区」の支援についてご紹介しましたが、葛飾区に限らず、独自に子育て支援策を展開している自治体もたくさんあります。また、各自治体に限らず、NPO法人や民間のボランティアによる子育てひろば、育児中のママたちが自主的に運営している子育てサークルなど、地域を見渡せば、様々な相談窓口やサークルなどもあります。子育ての悩みの中には、自治体ごとの子育て支援サービスで解決できるものもあるかもしれません。先ずは、お住いの自治体にどんな子育て支援があるのか調べてみてはいかがでしょうか?
子育ては社会全体で支えていくことが求められている昨今、自治体や地域の力を積極的に借りましょう!
2020年6月4日
text by 久保田 正広
FPバンク