誰しもいずれは訪れる、老後生活。
年金だけじゃ老後生活は送れないなんて噂はありますが、本当のところはどうなのでしょうか。
老後資金って一体いくらお金がかかるの?貯蓄はしなきゃいけないの?
そんな疑問にお答えします。
目次
1.年金だけで老後生活は送れるの?
(1)もらえる年金額はいくらなのか
私たちが年金だけで老後生活を送りたいと考えたとき、まずどのくらいの年金額を受け取ることが出来るのか知っておくべきでしょう。
では、一体いくら受けとることが出来るのでしょうか。
厚生労働省が発表する「令和4年度の年金額の改定について」では、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業した場合、受け取ることができる年金額の平均月額はおよそ22万円となっていました。
(出典:厚生労働省 「令和4年度の年金額改定についてお知らせします」)
(2)老後生活はいくらかかるのか
それでは、私たちが実際に老後の生活を送るとなると、毎月いくらの資金が必要になってくるのでしょうか。
生命保険文化センターが公表する「生活保障による調査」によると、夫婦二人が最低限の老後生活を送るためには月額平均22万円が必要という結果が出ています。
先ほどの厚生労働省の公表では年金受給額は22万円でしたので、これら平均値の比較で言えば、年金だけでも老後生活を送ることはできるように見えます。
(出典:生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計)
<関連コラム>ほんとうに必要な老後の生活費、その平均はいくらなのか?
2.あなたにとっての理想の老後とは?
(1)理想の老後生活を考えてみる
みなさんは、老後生活と聞いて、どんな生活を想像するでしょうか。習い事をしている姿とかたくさん旅行をしている姿、なんて想像するかもしれません。
実際に考えてみると、私たちがイメージする老後生活は人それぞれ違ってくるのではないでしょうか。
前章では、老後生活を送るためには月額平均22万円の資金が必要とのお話をしましたが、あくまでもみなさんの平均的な結果ですので、実際の老後資金の金額は理想の生活によって変わっていくことでしょう。もしも、理想の老後生活があるとしたら、それに応じて資金面の準備が必要になってくるでしょう。
参考として、生命保険文化センターの公表によると、ゆとりのある老後生活を送るためには月額平均36.1万円の資金が必要になるという調査結果もあります。
(出典:生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計)
(2)老後資金をためる方法
もし、理想の老後生活を送りたいのであれば、年金以外で老後資金を準備しなければならないでしょう。そのために出来ることが3つあります。
①退職するまでに貯蓄しておく
退職するまでに、将来ゆとりのある老後生活が送れるように貯蓄しておくこと方法です。人生には大きな出費があると言われています。例えば、マイホーム購入時の住宅ローンの返済や家賃の支払いなどの住宅費や、お子様がいらっしゃるご家庭では教育費などの出費です。このような出費を考えながら、計画的に貯蓄をしていく必要があります。教育資金は特にお子様が大学進学時にまとまってかかり、多くのご家庭が貯金を取り崩している場合があります。お子様がまだ小さいうちか大学卒業後にしっかり貯蓄しておくことになるでしょう。
②雇用を延長する
勤め先の会社で定年退職を迎えても、再雇用制度がある場合、延長して働くことができます。現状の日本の年金制度は、年金受給者を若い世代が支える仕組みになっているのはご存じでしょうか。そのため少子高齢化により、将来もらえる年金額が減ってしまう可能性があるため、定年を伸ばす会社が多くなっています。予定よりも延長して働くことで収入を増やしていきましょう。しかし、仮に大きな病気にかかり働けなくなってしまった場合、収入を増やすことは難しいでしょう。
③お金を運用する
もし退職までに期間がとれるのであれば、運用してお金に働いてもらう方法もあります。すでに共働きの夫婦であれば、収入をすぐに上げることは難しいでしょう。運用にはまとまった資金が必要だと思われがちですが、毎月少額を積み立てて運用する方法もあります。老後資金を着実に用意するため、リスクを抑えた運用をしましょう。
初回相談無料ファイナンシャルプランナーと一緒にライフプランを立てる
<お役立ち情報>老後資金パーフェクトマニュアルを取得する
3.まとめ
厚生労働省が公表する内容では、年金だけで生活していくことも可能かもしれません。ただし、このもらえる年金額はあくまで平均した統計値であること、また少子化がいっそう進んだ場合年金の受給金額がさらに下がることも予想されますので注意しなければなりません。
もしそうなった場合、年金だけでは老後生活は送ることは難しくなるでしょう。年金だけに頼らず、早い段階からしっかり備えていくことが必要になるかもしれません。
みなさんはこんな老後生活を送りたいというような具体的なイメージはお持ちですか?
どんな老後生活にしたいかはみなさんそれぞれ違います。
自分はどんな老後生活を送りたいのか、そのためにどんな準備をしていけばいいのか考えてみるとよいかもしれません。
2019年7月2日
text by 久保田 正広
FPバンク