今家を買うべきか、迷っている方必見!

今家を買うべきか、住宅を購入するタイミングは皆さん悩まれるところ。住宅価格は適正なのか。住宅ローンはどうすればよいのか。住宅ローン金利の予想など悩みは尽きないものです。このコラムでは、今どう判断すべきかのポイントをお伝えします。

1.住宅購入を慌ててはいけない理由

今家を買うべきか。住宅購入を検討中の方からでよく聞くキーワードです。
今は住宅ローン控除など住宅購入を支援する制度が充実している。今は住宅ローンの金利が低迷している。リーマンショックやコロナショックなど経済ショック時で物件の価格が下がってきているetc。住宅購入を検討する際、不動産事業者の方から、今ですというセールストークは沢山出てきます。たしかにいずれのセールストークも間違ったことは言っていません。では今購入すべきなのかというと、そこは一歩踏みとどまってほしいと思います。なぜなら、住宅購入を検討している一人一人置かれている状況そして今後の展開がまるで違うからです。今後の年収の推移は。住宅購入以外に大事したい支出があるのか。転勤の予定はあるのか。将来売却を考えるのか。お子様の年齢、人数、教育プラン。実家がどこで将来戻る予定があるのかetc
個々のご家族がおかれている状況は100人いれば100通りあります。不動産事業者のセールストークに乗って買うべきかはご家族ごとに違うということになります。

2.今家を買うべきかを考える前に

住宅購入を慌てなくてよいといっても、購入自体を否定するわけではありません。ただ、冷静に自分の買い時を知るためにもまず準備してほしいことがあります。

(1)己をしるべし

まず大事なことは、ご家族の将来像や価値観を家庭内で共有することです。
家が大事なのか、家族旅行が大事なのか、趣味が大事なのか、お子様の教育が大事なのか。ご家族によって優先順位が違います。この整理ができていないと、住宅購入で舞い上がってしまい、本来予定していた購入価格を上回る、結果としてご家族で大事にしている家以外の予算を削らなければいけなくなってしまうというのはよくある話です。

(2)己の実力をしるべし

ご家族にとっての優先順位が見えてきたところで次に大事なのは、自分たちにとっての適正価格を見極めるということです。前述の優先順位にも関係する話ですが、同じような年収、家族構成でも、お子様が私立に行くか否か、旅行にどのくらい予算をとりたいかで住宅にかけられる予算、将来にわたって住宅ローンの支払いに苦労しない金額は変わってくるのです。

(3)急がば回れ

そんなことを考えなければいけないなんて、面倒くさい、時間がかかってしまうとお思いの方もいるかもしれません。一生のうち一番高い買い物だからというのも理由の一つですが。実はこの己をしるということは、不動産購入にとってメリットこそあれデメリットはないのです。なぜかというと、己を知りご家族にとっての住宅の適正価格が分かっている人は、冷静に物件を見極めることはできるのです。今、気になっている物件の価格が予算内に収まっているのか否かという基準があれば、今家を買うべきかという判断を迫られたときに迅速に決断できるということになります。その物件がいかに人気のある物件だったしても迅速に決断できる人、不安があってすぐに決断できない人どちらが有利かはいうまでのないですよね。そして、この気持ちの余裕が、あせって物件を決めてしまうという最悪の事態が起こる可能性を減らしてくれるのです。対不動産事業者で考えるとどうしても一般消費者と情報格差ができてしまいます。そんな状況の中で、己を知っているという気持ちの余裕というのはとても大事なことなんです。

3.今家を買うべきか

(1)価格は適正なのか

エリアによって、現在の住宅価格の推移はかわりますので、東京23区の中古マンションの相場観を例に挙げたいと思います。2000年と2019年の平均価格の差は約1.6倍になっております。
〈出典〉株式会社東京カンテイホームページ
(https://www.kantei.ne.jp/report/70m2/index.html 閲覧日:2020.5.1)

正直かなり高い価格水準ということは言えると思います。ただ2020年現在コロナショック影響かつ現在の販売物件の在庫状況などをみると今年から本格的な価格調整期に入ることが予想されます。購入のタイミングとして十分検討に値するのではと思います。ただ、全部のエリアが値下がりするのではなく人気にあるエリアとそうでないエリアの差が明確になるのではと思います。

(2) 住宅ローンの金利はどうなのか

2019年と比べてやや金利の上昇傾向はみえるものの、2020年時点では歴史的低水準であることに変わりはなく、今後の予測は難しいですが、住宅ローン金利の側面から見ると現在は物件購入のタイミングとしてよい局面にあるといえます。

(3) 住宅購入の補助制度はどうなるのか

住宅ローン控除は事実上住宅ローン金利を1%カットしてくれるかなりメリットの大きい補助制度です。今後縮小も予想され、この側面方はメリットの大きい期間中に住宅購入を検討するというのは間違いじゃないと思います。

(4) だから家を買うのか

(1)~(3)の情報を考えれば住宅購入は前向きに検討すべきとお思いかもしれません。
ただし、そもそも本当に家を買いたいのか?今後のライフプランに変更はないのか?
本当にその物件に住みたいのか?自分の適正予算はいくらなのか?ぜひとも冷静な視点で住宅購入を検討していただきたいと思います。慌てて決断してもいいことはりません。冷静に検討した上でなおかつ本当に買いたい思った時これがあなたの買い時なはずです。

2020年6月4日
text by 久保田 正広
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