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仮想通貨(ビットコイン)にかかる税金の計算方法|確定申告しなくてもばれない?

ボラティリティ(価格の変動幅)が非常に大きく、うまくいけば大きな売買益を得られる仮想通貨(暗号資産)。

利益を得た場合には税金を納める必要がありますが、税金の計算方法は株式投資・FXと違います。
ノウハウがなく、困ってしまう人も少なくありません。

そこで今回は仮想通貨に関する税金の基本や確定申告の方法、株式やFXと異なる注意点について解説します。

目次

仮想通貨にかかる税金

仮想通貨は他の金融商品と同じく、利益を得れば税金が発生します。

所得税は大きく分けて10種類に分かれていますが、仮想通貨はその中でも「雑所得」に分類されることを覚えておきましょう。

【所得税の種類 一覧】

事業所得農業・小売業・サービス業などの事業から生じる所得
不動産所得不動産の貸付けから生じる所得
給与所得会社員や公務員など勤務先から受け取る給与や賞与
退職所得退職金やiDeCoの一時金などの所得
配当所得株式の配当金や投資信託の分配金などの所得
利子所得預貯金や公社債の利子などに得る所得
山林所得山林を伐採して譲渡したり立ち木を譲渡したりした場合の所得
譲渡所得土地や建物、ゴルフ会員権などを譲渡した場合の所得
一時所得生命保険の満期金など、営利外の行為で得た所得
雑所得上記のいずれにも分類されない所得。仮想通貨はここに含まれる。

雑所得は総合課税の対象

上記で紹介した所得税は、収入がアップした場合に課税率がアップする「累進課税」です。
なかでも雑所得は「総合課税」に分類され、給与所得など他の所得と合算した金額に応じて税率が決まります。

利益が大きい場合、所得税の税率は最大で45%まで上がります。住民税は所得に関係なく一律で10%なので、合計で55%になる可能性があるのです。

所得金額と税率の関係を確認したい場合、以下の速算表が役に立ちます。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
引用元:国税庁|No.2260 所得税の税率

ちなみに、仮想通貨の分類である雑所得以外に以下の所得も「総合課税」に分類されます。
雑所得以外にも下記の所得があった場合、すべて合算して所得を計算します。

【雑所得以外に「総合課税」に分類される所得】
利子所得(源泉分離課税とされるものおよび平成28年1月1日以後に支払を受けるべき特定公社債等の利子等を除く。)配当所得(源泉分離課税とされるもの、確定申告をしないことを選択したものおよび、平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当について、申告分離課税を選択したものを除く。)不動産所得事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く。)給与所得譲渡所得(土地・建物等および株式等の譲渡による譲渡所得を除く。)一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)

引用元:国税庁|No.2220 総合課税制度

そもそも確定申告とは

そもそも確定申告というものについて分からない人もいるでしょう。
簡単に説明します。

確定申告は「その年の1月1日から12月31日までの1年間」に得た所得金額で所得税を計算し、翌年の2月15日から3月15日までに申告書を税務署に提出する手続きのことです。

会社員や公務員は年末調整が行われるため基本的に確定申告の必要はありませんが、以下にあてはまる場合は確定申告が必要になります。

給与所得がある方で、確定申告が必要な方
(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える(2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた(5) 給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた(6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている

引用元:国税庁|確定申告が必要な方

今回の仮想通貨をテーマにした確定申告については(2)の「各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える」という条件を覚えておいてください。

年間利益が20万円を超えた場合に確定申告が必要

仮想通貨の売買などで20万円以上の利益(所得)が発生すると、その利益に対して「所得税」がかかります。

学生や主婦が扶養されているケースでは、33万円以上の利益が出た場合に確定申告と納税が必要です。

仮想通貨で発生する所得税・住民税の目安

具体的に「どれだけ儲けたら、どれだけの税金が発生するのか」も目安になる金額について見ていきましょう。

今回は仮想通貨で1,000万円を稼いだAさんと、1億円を稼いだBさんを例に計算してみます。

Aさんは仮想通貨で1,000万円を稼ぎ、経費は年間で100万円でした。900万円が所得金額です。

100万円の所得控除があり、800万円が課税所得になりました。

前述した速算表を見てみると、所得税率23%です。

【800万円×23%-63万6,000円=120万4,000円】

所得税額は120万4,000円です。住民税は800万円×10%=80万円ですから、2つ揃えて200万4,000円が税金として発生する計算です。

Bさんは1年間の仮想通貨取引で1億円の利益を得ました。必要経費は毎月200万円、年間で2,400万円だったと仮定します。

1億円-2,400万円=7,600万円

7,600万円が所得金額で、所得控除が300万円あったとすると課税所得は7,300万円です。

累進課税の税額表に当てはめてみると、上限の45%になることが分かります。

【7,600万円×45%-479万6,000円=2,940万4,000円】

所得税だけで3,000万円近くが税金として持っていかれるということです。
さらに一律10%(7,600万円×10%で760万円)の住民税がかかります。

2つを合計すると3,700万4,000円です。1億円のうち、じつに37%は税金で持っていかれる計算です。

もし1億円儲けたとしても、これだけの金額を手元に残しておかないと、納税できない事態に陥る可能性があるということです。

仮想通貨と株式・FXとの違い

投資として思いつくものには仮想通貨以外にもたくさんありますが、仮想通貨とは課税の方法が異なります。

株式投資は証券会社の特定口座を利用している会社員なら確定申告が不要ですが、仮想通貨で所定の利益を得た場合には会社員でも確定申告が必要です。

また課税方法についても違いがあります。仮想通貨・株式投資・FXそれぞれの課税方法の違いを表にまとめました。

投資方法課税方法税率
仮想通貨雑所得(総合課税)最大55%
株式投資譲渡所得(申告分離課税)20.315%
FX雑所得(申告分離課税)20.315%

株式投資で得た利益は仮想通貨のような雑所得ではなく、譲渡所得に分類されます。
FXは仮想通貨と同じ雑所得ではあるのですが、他の所得と分離して税額を計算する「申告分離課税」が適用されます。

申告分離課税は所得額に関係なく一律で20.315%です。

仮想通貨の場合、儲け方によっては他の投資方法よりも税金が重いことは理解しておきたいですね。

仮想通貨で発生する税金の計算方法

仮想通貨の計算方法が株式やFXと違う方法であるということは、すでに説明したとおりです。

ここでは具体的に、仮想通貨の税額を計算する方法について基本になる考え方を紹介します。

売買損益は「移動平均法」「総平均法」で計算する

仮想通貨の売買益にかかる所得税は、その年の1月1日~12月31日までの1年分の取引が対象です。

損益額を求める際には「仮想通貨をいくらで取得したのか」という情報が必要で、取得価額が分かれば損益額が計算できます。

取得価額は「平均単価×売却数量」で求めますが、平均単価を求めるのに「移動平均法」「総平均法」を使います。

1度選択した計算方法は継続して使用するルールがあるので、どちらを選ぶかは慎重に判断が必要です。

ちなみにどちらを選択するかによって所得金額が異なることがありますが、その差はタイミングの問題だけであって、将来にわたって生じる所得額は変わりません。

ちなみに購入も売却も1回ずつのようなシンプルなケースでは、どちらを使っても計算結果は同じです。

複数回の購入・売却をしたケースで差が生じることになります。

それぞれの計算方法の基本的な考え方について、以下のケーススタディで解説します。

ケーススタディ
以下のタイミングで仮想通貨を購入した
1.1BTC=50万円のときに1BTCを購入
2.1BTC=100万円のときに1BTCを購入
3.1BTC=200万円のときに1BTCを売却
4.1BTC=250万円のときに1BTCを購入

移動平均法の計算

移動平均法は、仮想通貨を購入するたびに購入額と残額と平均して所得を計算する方法です。

1.1BTC=50万円のときに1BTCを購入(平均単価50万円)
2.1BTC=100万円のときに1BTCを購入(平均単価75万円)
3.1BTC=200万円のときに1BTCを売却(平均単価75万円)
4.1BTC=225万円のときに1BTCを購入(平均単価150万円)
→ビットコインを購入する度に平均単価を計算し直す方法です。

利益額の計算方法
売却額200万円-(平均単価75万円×売却数量1BTC)=125万円

移動平均法は購入する都度に平均単価を算出するため計算が大変ですが、年内の所得計算ができるので所得の見積もりがしやすいメリットもあります。

総平均法の計算

総平均法は、1年間の購入平均レートをもとに計算した総購入金額と売却合計金額の差額を計算する方法です。

1.1BTC=50万円のときに1BTCを購入(平均単価125万円)
2.1BTC=100万円のときに1BTCを購入(平均単価125万円)
3.1BTC=200万円のときに1BTCを売却(平均単価125万円)
4.1BTC=225万円のときに1BTCを購入(平均単価125万円)
→1年間の合計購入金額を1間の購入数量で割って平均額を計算する方法です。

利益額の計算方法
売却額200万円-(平均単価125万円×売却数量1BTC)=75万円

総平均法は年度内の購入を一度集計して平均単価を算出するため、計算がしやすいのがメリットです。

ただし、年度が終わらないと平均単価が分からないので、所得の見積もりや納税資金の計算がしにくいデメリットもあります。

仮想通貨の税金計算は自動計算ツールがおすすめ

ここまで「移動平均法」「総平均法」について解説してきました。

仮想通貨で利益を狙ううえで理解しておきたい基本知識ではありますが、無理に計算式を暗記する必要はありません。

インターネット上では自動で計算できる損益計算ツールがあるので、それを使えば取引履歴をアップロードするだけで自動計算が可能です。

代表的なサイトを以下で紹介するので、気になる方はリンク先をチェックしてみてください。

Cryptact(クリプタクト)
Gtax(ジータックス)
CryptoLinC(クリプトリンク)

仮想通貨で課税されるケースは3つ

株式投資やFXでは「売買で利益を出したとき」「配当金(FXならスワップポイント)をもらったとき」などのケースで20.315%が課税されます。

一方の仮想通貨の場合、株式やFXと違うタイミングで課税される場合がある点に注意が必要です。

具体的には、以下の3つのタイミングで課税されます。

・仮想通貨の売買で利益を出した場合
・仮想通貨での買い物も課税の対象
・マイニングで仮想通貨を得た場合

仮想通貨の売買で利益を出した場合

仮想通貨の売買で利益を出した場合、1年分の合計所得を計算して申告する必要があります。

仮想通貨を売却した場合の計算は他の投資方法と似ていて、もっとも分かりやすい部類です。
実際に購入した金額と売却した金額の差額が利益になります。

【仮想通貨を売却したときの計算方法】
(仮想通貨の売却価額)ー(仮想通貨の1単位あたりの取得価額 × 数量) = 所得額

※取得価額:仮想通貨を取得するのに要した金額のこと

1BTC=100万円で購入し、1BTC=200万円になってから売却すれば利益は100万円になる計算です。

仮想通貨を別の種類に交換した場合

仮想通貨といえばビットコインが有名ですが、ほかにもさまざまな種類があります。別の仮想通貨に交換する場合に適用されるのは以下の計算式です。

【仮想通貨を交換した場合の利益計算】
購入する仮想通貨の時価 ー売却する仮想通貨の取得価額=所得額

2BTCを100万円で購入し、その後に10ETHを支払うために1BTCを使った場合の利益は以下のとおりです。

(10万円×10ETH)-((100万円÷2BTC)×1BTC)=50万円

仮想通貨での買い物も課税の対象

仮想通貨は文字通り「通貨」としての機能も持ち合わせており、現在はビットコインなどの通貨で買い物ができる店舗も増加傾向にあります。

【ビットコイン決済に対応した店舗の例】

・DMM.com
・ビットコインモール
・東京時計
・ビックカメラ
・コジマ
・ソフマップ
・メガネスーパー など

ビットコインでテレビを買った場合、その際に利益が生じた場合は課税対象になります。

【仮想通貨で買い物を時の利益計算】
所得金額=商品価格-1BTC当たりの取得価額(取得価額÷取得数量)×支払ったBTCの数量

1BTC50万円のときに1BTCを買い、1BTCが100万円に上がったときにテレビを購入したケースの利益は以下の通りです。

テレビの購入金額100万円(1BTC)ービットコインの取得価格50万円=50万円

マイニングで仮想通貨を得た場合

ビットコインはユーザー同士で取引を承認し合うことで不正を防ぐ仕組みがあります。

仮想通貨取引の承認作業(マイニング)を行うことで、対価として仮想通貨を得られますが、これも課税対象です。

マイニングで取得した仮想通貨の時価から、電気代やマイニング機材の購入費用を引いた金額が課税されます。

仮想通貨の税金にまつわる注意点

株式投資やFXなどの税金と仮想通貨の税金は根本的に考え方が異なる部分があります。
株式投資に慣れた人ほど戸惑ってしまうかもしれません。

そこで、ここでは仮想通貨の税金にまつわる注意点について解説します。

・仮想通貨は「損益通算」「繰越控除」の対象外
・平均取得単価は来年に引き継がれる

仮想通貨は「損益通算」「繰越控除」の対象外

所得は大きく分けて10種類ありますが、以下のような所得の場合、損益通算や繰越控除の対象です。

【損益通算・繰越控除の対象になる所得】

・不動産の貸付けで得られる「不動産所得」
・事業で得られる「事業所得」
・株式の売買で得られる「譲渡所得」

これらの所得で損失が生じた場合、利益が出ている所得から差し引くことで課税価格を減らすことができます(損益通算)。

また株式投資等で損失が発生した場合は向こう3年間にわたって損失を繰り越すことで、翌年以降の利益を圧縮することもできます(繰越控除)。

仮想通貨の場合、雑所得内では損益の差し引きができますが、他の金融資産と損益通算ができず、繰越控除も対象外です。

平均取得単価は来年に引き継がれる

仮想通貨を取得した際の平均取得単価は、年をまたぐと翌年に引き継がれ、翌年の利益計算の際も用いられます。

2021年末のビットコインの平均購入単価が200万円で翌年に1BTCを300万円で売却した場合、100万円の利益になるといった具合です。

利益が出ていないとしても損益計算を行い、平均単価を理解しておくことが重要です。そうすることで翌年の利益計算が非常に簡単になりますよ。

仮想通貨の利益を確定申告する際のやり方

ここでは仮想通貨の利益を確定申告する場合の流れについて解説します。

具体的な手続きの流れは以下のとおりです。

1.年間取引報告書を手に入れる
2.暗号資産計算書を作成
3.確定申告書に記入
4.仮想通貨の税金を納税する

年間取引報告書を手に入れる

確定申告をする場合、仮想通貨の年間取引報告書を手に入れる必要があります。
年間取引報告書は自分が利用している仮想通貨取引所から交付されます。

一般的に1月末あたりに交付されるので、時期が近づいたら取引所からの連絡をこまめに確認しましょう。

暗号資産計算書を作成

年間取引報告書を入手したら、国税庁のホームページから「暗号資産計算書」をダウンロードしましょう。

たとえば令和3年12月に更新された暗号資産計算書はココからダウンロードできます。

暗号資産計算書に所定の内容を入力する

暗号資産計算書のダウンロードが完了したあとは、実際に内容を入力していきます。
ざっくりとした流れは以下のとおりです。

・年間取引報告書に記載された項目を入力する
・暗号資産での決済した場合は必要事項を入力する
・前年末の残高があれば年始残高に入力する
・売却価額・売却原価・所得金額の3つが自動計算される

具体的な方法は国税庁が進め方を公表しているので、こちらを参考にしてみてください。

参考リンク:国税庁|スマホで確定申告(暗号資産編)

確定申告書に記入

利益を計算できたら、その内容を確定申告書に記入していきます。

確定申告書は税務署で入手できる紙の申告書を窓口に提出するか、郵送やe-Taxを利用する方法があります。

初めて確定申告する人は分からないことも多いでしょう。各自治体が実施している無料相談会に参加するのも1つの方法です。

仮想通貨の税金を納税する

確定申告が終われば、それで終了ではありません。決められた期日までに計算された所得税を納税する必要があります。

金融機関や税務署の窓口での現金納付のほか、QRコードを利用したコンビニエンスストアでの納付やインターネットでの納付も可能です。

仮想通貨の確定申告には期限がある

仮想通貨に限った話ではありませんが、確定申告する場合には期限に気を付ける必要があります。

仮想通貨で20万円以上の利益を得た会社員や個人事業主は期限内に確定申告を行い、納税まで済ませなければいけません。

所得税の納付は「毎年2月15日~3月15日」が納付期限です。

ちなみに令和3年度の確定申告について、新型コロナウイルス「オミクロン株」の急速な感染の拡大によって自宅待機者や通常の業務が維持できない人が急増したことから、申告が困難になる納税者が増加することが予想されました。

そのような状況を踏まえて、通常期限の申告が困難な場合に4月15日まで申告・納期限の延長申告が可能でした。

出典:国税庁|所得税等の確定申告について

ただし、この措置はあくまでも新型コロナウイルスが発生したことによる特別な処置ということを覚えておきましょう。

年明けは何かと多忙なもので、3月15日はあっと言う間にやってきます。
期限までに確実に申告と納税を済ませるように事前に準備を進めておきましょう。

期限後申告のペナルティは?

期日までに確定申告書類の提出が間に合わない場合、無申告加算税が発生し、期限内に納税されないと延滞税がかかります。

延滞税は確定申告が遅れたり税務調査の影響で納税額が増えたりした場合に納める税金で、税率は最大14.66%です。確定申告の納期限から税金を納めるまでに日割りで発生します。

無申告加算税は、故意ではない確定申告の遅れで発生する税金です。

税務調査の通知が届く前の自主申告なら税率は5%で済みますが、税務調査の通知から更正・決定の通知前なら10%(50万円を超える分は15%)、税務調査による決定後は15%(50万円を超える場合は20%)と、どんどん税率が高くなってしまう点に注意が必要です。

仮想通貨の税金対策には何ができる?

今まで仮想通貨の税金について解説してきました。
株式投資やFXは一律20.315%の申告分離課税ですが、仮想通貨は雑所得として総合課税になる点が大きく異なります。

大きな利益を得ると所得税・住民税を合わせて55%まで税率が上がることもあるため、常に利益を計算しておくことが重要です。

可能であれば税金が上がりすぎないような対策も進めましょう。

ここでは、仮想通貨の所得をできるだけ圧縮して節税につながる方法をいくつか紹介します。

・仮想通貨に関する経費を計上する
・年20万円以内の利益で確定させる
・利益を確定させない
・個人事業主なら思い切って法人化する

仮想通貨に関する経費を計上する

取引で利益を得たとしても、そのまま課税されるわけではありません。
仮想通貨取引で使った費用を経費として差し引くことで課税所得を圧縮し、税金を少なくすることが可能です。

以下のようなものを経費にできるので、少しでも課税所得を少なくするために、できるだけ経費として計上しましょう。

【経費として計上できるものの一例】

・取引にかかった手数料
・仮想通貨を勉強するためのセミナー代、書籍代
・取引を行うために購入したパソコン・スマートフォン

ただし、パソコンやスマートフォンは全額を経費に計上できるわけではありません。

いくら経費になるか個別に異なるので一概には言えないので、仮想通貨に詳しい税理士にアドバイスを受けることをおすすめします。

年20万円以内の利益で確定させる

会社員の場合、年間の利益が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。

少額の利益を確定させる場合、可能であれば年間の所得が20万円以内になるように計算しておきたいものです。

ただし、住民税に関しては20万円以内の利益でも納税が必要なため注意しましょう。

利益を確定させない

仮想通貨を日本円や他の仮想通貨に交換せず、ただ保有するだけなら確定申告の必要はありません。

ただし、仮想通貨を交換したタイミングで課税される点は覚えておきたいところです。

また、仮想通貨はボラティリティ(価格変動の幅)が非常に激しく、節税目的で利益を確定させないと暴落によってかえって含み損が発生するかもしれません。

個人事業主なら思い切って法人化する

仮想通貨で大きな利益を得た場合、法人化することも選択肢になります。
法人税のほうが、所得税よりも最高税率が低いためです。

個人の所得税は累進課税なので、所得によっては最大で45%まで税率が上がります。
法人税も累進性がありますが、所得税よりは弱いです。所得800万円まで15%、800万円を超えても約23%に収まります。

もし最高税率がかかると仮定すると、その差は22%にもなるのです。

個人事業主があまりに巨額の利益を得てしまった場合、法人化を検討するのも1つの方法といえます。

仮想通貨の税金に関するよくある質問

最後に、仮想通貨の税金に関する疑問と回答をまとめました。税金について不安がある方は読み進めてみて下さい。

確定申告しないとバレる?

はい。バレます。

確定申告の義務があるにもかかわらず、故意に確定申告をしなかった場合は必ずバレてしまいますのでご注意ください。

税務署は税金に関する調査能力を持っていて、「税務調査」「法定調書」などの手段でバレてしまいます。
また第三者からの「通報」というケースもあるようです。

いずれにしても、無申告だったことがバレた場合「無申告加算税」「重加算税」「延滞税」といったペナルティが生じ、かえって税金が重くなってしまいます。

最初から正直に申告することが大切です。

確定申告が不要なケースはどんなとき?

仮想通貨取引で以下のケースが発生した場合、確定申告は原則必要ありません。

  • 年末時点で損失が出ている場合
  • 仮想通貨取引で得た利益から経費を引いた「所得」が20万円以下の場合

ただし、他の所得がある場合や医療費控除などを受ける場合は確定申告が必要です。

高すぎる税金が払えない場合はどうする?

仮想通貨の税金が高すぎたとしても、先延ばしや無申告はNGです。
税務署から督促状が届き、最終的には家の財産を差し押さえられる可能性もあります。

どうしても税金が払えない場合、「納税の猶予」を税務署に相談してみましょう。最初から税務署に行くのが怖ければ、仮想通貨に強い税理士に相談してみるのも1つの方法です。

税金を捻出するために費用負担を減らしたいんですが……

少しでも手元に残すお金を増やすなら、思い切って取引所を変えてみるのも1つの方法です。

取引する通貨が1つであれば、その通貨をもっとも安く取引できる仮想通貨取引所をメインにしてみましょう。
取引手数料はどこも無料ですが、スプレッドの違いが大きな差になる場合があります。

複数の仮想通貨を持っている場合はそれぞれお送金手数料が異なるため、仮想通貨ごとに手数料がもっとも安い取引所を複数持つことでコストを削減できる場合があります。

まとめ

今回は仮想通貨に関する税金の基本や確定申告の方法、株式やFXと異なる注意点について解説しました。

一律20.315%が課税される株式やFXの利益と違い、仮想通貨の利益は雑所得として総合課税になるのが特徴です。給与所得等と合算した所得次第では、税金が20%を超えて最大55%(所得税と住民税の合計)になることもあります。

得た利益は間違いなく申告が必要なので、この機会に確定申告の方法を理解しておきましょう。

FP監修者

慶應義塾大学を卒業後、みずほ銀行(旧富士銀行)に入行。10年以上融資業務に携わリ、大企業向けファイナンスから不良債権処理まで幅広く経験。その後、ファイナンシャルプランナーの道を志し、外資系生保のコンサルティング、金融系ベンチャー企業の創業に参画。2009年に独立系のFP事務所FPバンクを設立し、現在に至る。

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