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2019.11.21
住宅相談

東京オリンピックで住宅価格は上がるのか!?

東京オリンピック招致決定から6年が経ちました。開催決定後は20兆円の経済波及効果がある、121万人の雇用創出など、様々な経済効果がピックアップされましたが、これまでにどのような効果があったのか?今回は住宅市場に焦点をあてて考察してみましょう。

1.東京オリンピックと住宅市場

(1)東京オリンピックの経済効果

2020年の東京オリンピック招致決定後、日本全体で約20兆円の経済波及効果があることや、約121万人の雇用が創出されるなど様々な経済効果がピックアップされました。
さて、東京オリンピックが来年に迫っている今、住宅市場はどのように変化したのか振り返ってみようと思います。

(2)オリンピックと住宅市場の関連性

オリンピックのような超ビッグイベントが開催される場合、その開催地では関連施設の建設やインフラの整備といった基本的な需要と同時に、開催時に訪れる観光客を少しでも多く集め、そして快適に滞在してもらおうと様々な商業施設も整備されていきます。こうしてあらゆる業種に新しい需要が生まれると、経済が活性化されます。と同時に「需要」が著しく伸びている土地は投資対象としても非常に魅力的なため、お金もどんどん集まってきます。人気の物件は当然価格も上昇していくのです。
オリンピックと土地価格の上昇には関連性があるのです。

2.東京オリンピック後、住宅市場はどうなるか?

(1)新築分譲マンション・建売住宅は上昇

2017年以降、首都圏の新築分譲マンション・建売住宅は価格上昇が目立ちます。一方、新築マンション成約率をみると、2018年は62.1%となっており、5年前から下落基調をたどっています。新築マンション購入者が減る中、価格が高止まる最大の要因はなにか?「資材価格」と「人件費」の高騰です。

資材価格の高騰はオリンピックの公共工事関連の建設需要があるものの、東日本大震災の復興需要や台風・大雨などの自然災害等、以前から高止まりが継続しているのです。また、人件費高騰の要因は建設業の就業者数の減少です。バブル崩壊、リーマンショックにより、建設業者の倒産が相次いだのです。また高齢化の進展もあり、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2018年には503万人と3割弱も減少しています。

〈出典〉総務省労働力調査
(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)

(2)東京オリンピックによる影響は少ない

東京オリンピックによる住宅市場高騰の影響は一定程度あるものの、「資材価格」と「人件費」の高止まりが恒常化しているところに東京オリンピックが重なったというのが実態ではないだろうか?

今後も、震災復興や台風・大雨などによる自然災害により資材価格の高止まりは継続していくでしょう。また、高齢化の進展により、建設業の就業者数は減少をたどります。よって、五輪開催の2020年を区切りとして不動産価格や建築費が下がるといった要因は特段見あたらないといっていいでしょう。

3.住宅ローン金利への影響

(1)東京オリンピックは住宅ローン金利に影響したか?

東京オリンピックが住宅ローン金利に影響を及ぼしたかというと、その影響はほぼなかったといえるでしょう。東京オリンピック招致決定後、日本に一定の経済効果があったとはいえ、「日銀」による追加の金融緩和により長期金利は低く抑えられおり、住宅ローン金利の上昇はありませんでした。経済状態が良くなると一般的には金利は上昇していきます。しかし、金融緩和が継続された結果、日本の住宅ローン金利は低いままだったのです。住宅ローン金利に大きな影響を及ぼしたのは「日銀」といえそうです。

(2)東京オリンピック後の住宅ローン金利

東京オリンピック後も住宅ローン金利に大きな影響を与えることは少ないといえそうです。日銀の金融緩和が継続するうちは住宅ローン金利が上昇する可能性は低いからです。ただし、日銀もこれ以上の追加緩和余地は少なそうですから、更なる金利低下は期待薄でしょう。上記の通り、住宅価格の低下は今後望めない一方、住宅ローン金利は低い状況が続きそうですから、住宅の購入を検討する方にとっては良い状況が続きそうです。

2019年11月21日
text by 久保田 正広
FPバンク