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2019.6.20
相続相談

相続がおきる前に考えること

相続税の基礎控除額が引き下げられ、相続の問題に対面する人が増えています。日本は増々高齢化社会へとなっていきますので相続の問題に対面する人はさらに増えるでしょう。遺言書を作成するときに、必ず念頭に置かなくてはいけない遺留分です。遺留分というものはどのようなものか、簡単にまとめました。

1.遺留分とは

(1)遺留分の権利はだれが持っているの?

相続財産は被相続人が遺言を残し、相続財産を誰か一人に相続できるかというと、必ずしもそうではありません。なぜならば、相続人は被相続人の相続財産を相続する権利があるからです。「遺留分」とは、被相続人が相続人に対して遺さなければならない相続財産のうちの一定の割合のことをいいます。

遺留分を申請できる権利を持っている相続人のことを遺留分権利者といいます。遺留分権利者は被相続人の配偶者・被相続人の子およびその代襲相続人並びに直系尊属が対象です。被相続人の兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。
 
たとえば、相続人が配偶者と被相続人の兄弟姉妹だった場合、配偶者は遺留分権利者となりますが、兄弟姉妹は遺留分権利者となりませんので、遺言で遺産を全て配偶者に渡すとあってもそれを覆すことはできません。

(2)遺留分の割合は?

では、遺留分権利者は遺留分として申請できる割合はどのぐらいなのでしょうか。 相続人が直系尊属(父母および祖父母)のみの場合は1/3、それ以外は1/2となります。
たとえば、相続人に配偶者、被相続人の子が3人いた場合、
法定相続分であれば、配偶者の法定相続分は1/2、子はそれぞれ1/6となりますが、遺留分はその1/2になりますので、配偶者は1/4、子はそれぞれ1/12となります。

2.遺留分についてさらに詳しく

(1)遺留分の請求権

冒頭で話したように、被相続人が遺言で遺留分を侵害するような相続をしたとしても、遺留分権利者は遺留分の範囲内でそれを取り戻すことができます。
 
この請求権は相続の開始を知ったときから1年間、相続の開始のときから10年間と期限が設けられ、それを経過すると時効により消滅します。相続人は遺留分の範囲で相続を受ける権利を持っています。理不尽な相続になった場合にはこのことを思い出して、正当に協議分割をしましょう。

(2)遺留分の放棄

遺留分を放棄することはなかなかないとは思いますが、遺留分の放棄は相続開始前でも家庭裁判所の許可を受ければ可能です。遺留分の放棄をしても、相続を放棄したことにはなりません。ですので、被相続人が相続をさせたくない場合はやはり遺言を書く必要があります。

3.まとめ

いかがでしたか。意外に身近な「相続」。「争族」にならないためにも、相続が発生する前に家族で話し合っておくと、安心です。我が家は遺産がなんかないから大丈夫!って思っていても下下記のグラフからわかるように相続で揉めているケースが年々増えています。また、相続対策と言うと、税金対策を思い浮かべる方が多いかも知れませんが、「遺産分割対策」つまりどう分割するのかが実は重要です。一度、誰にどのようにどのくらい遺したいのか考えてみる機会を設けましょう。

<遺産分割事件の新受件数(審判+調停)>

遺産分割事件の新受件数(審判+調停)

出典:最高裁判所「司法統計年報(家事事件編)

2019年6月20日
text by 久保田 正広
FPバンク

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