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2019.6.28
保険相談

自営業の本当に必要な保険とは?~ストレスフリーとは引換に~

転職?!独立?!家族の理解はどこで得る?自営業を決断するその前に。知らなきゃ損する保険のお話です。

1.自営業とサラリーマンの国の制度の違い

国民は大きく分けて二つの制度で保障されています。通称【社会保障制度】。それは年金と健康保険です。

(1)年金の役割について

公的年金は大きく2種類、属性により加入するものが決まっています。

◆国民年金・・・全ての人

◆厚生年金・・・会社に勤務する人

自営業の場合、国民年金に加入。サラリーマンの場合、国民年金と厚生年金の2つに加入することになります。自営業者の年金が少ないのは厚生年金の上乗せ部分がないためです。年金というと65歳以降にもらえるもの、とイメージされるかもしれませんが実は厚生年金の種類は3つあります。

❶老齢年金(目的は老後):65歳以降に受け取れる

❷障害年金(病気・ケガ):病気やケガにより障害が残った場合に給付を受けられる

❸遺族年金(死亡):一家の大黒柱が無くなった時に、残された遺族が受け取れる

❶❷❸共に、自営業者は、基礎年金部分しか受給されません。サラリーマンは、「老齢厚生年金」「障害厚生年金」「遺族厚生年金」がプラスで受け取れるため、二層で受給できるわけです。自営業者より、サラリーマンが手厚くなっているのは言うまでもありません。このように一言に「年金」といっても実は病気・ケガにも大いに関係があるのです。


参考:日本年金機構HP
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=1726

(2)健康保険の役割について

健康保険も大きく2種類に分かれています。

◆国民健康保険・・・主に自営業者:全額自己負担

◆健康保険・・・会社に勤務する人:勤務先と折半

どちらも治療費自己負担は、3割です。他にも「出産一時金」や医療費が高額になった場合の補助である「高額療養費制度」などがあります。健康保険は国民健康保険にはない大きな特徴があります。
その名も「傷病手当金」。簡単に説明すると休職してから1年半は給料の3分の2を受け取ることができます。今まで傷病手当金の制度を知らなかった方は「えっ?そんなに?」と思われるかもしれません。サラリーマンは有給や労災もあるため実は保障されている部分が大きいのです。

2.自営業向けの加入すべき保険とは?

自営業者はどのような保険が必要でしょうか。サラリーマンは会社や国から手厚い保障がありますが、自営業者は公的な保障や年金制度など、国からの手当てが薄い部分に関しては自助努力が必要です。

前項でも述べたように、「傷病手当金」を保障されているか、いないかで家族の安心は大きく変わってきます。そこで、自営業者が手薄な部分、すなわち、大きな事故や大病などにより「就業不能」状態になってしまった時、どんな手立てができるのか見ていきます。

(1)就業不能時どのような保険が適しているか

❶事故やケガの場合

例えば、交通事故で半身不随になり、車いすが必要な状態になってしまった場合、治療やリハビリを行ったとしても交通事故に合う前と同じ状態まで回復する可能性はとても低いでしょう。健康な状態に戻ることが非常に難しいということです。
その場合、全く働くことができないか、もしくは車いすのまま働くことになります。デスクワーク中心の仕事であれば車いすでも勤務できるかもしれませんが、建設関係や土木関係などの肉体労働の場合、車いす勤務は厳しいでしょう。
つまり、収入が0になることも覚悟しなくてはなりません。将来的に回復する望みも薄いため多くの金額を備える必要があります。毎月の給料の代わりとなるような保険に加入しておけば収入が0になっても安心です。
病気の場合

一般的に多いのはいわゆる「三大疾病(ガン・脳卒中・心筋梗塞)」です。今や日本人のおよそ3人に2人は三大疾病になると言われています。

では、どのくらいの期間就業不能になるのでしょうか。ひとつの目安として完治まで3年程度と言われています。3年以上の治療は、亡くなるかのケースが大半です。完治する場合でも、治療に専念するため仕事を退職する方、給料が半減する方も少なくありません。そのため三大疾病になった場合、治療費に加え収入の減少にも対応できるような保険がよいでしょう。

(2)就業不能時、どのくらいの金額が必要か

事故やケガの場合

健康な状態に戻ることは非常に難しいため、備える金額も大きくなります。

仮に30歳のご夫婦(奥様専業主婦)、0歳、1歳のお子様がいるご家庭を例にどのくらいの備えが必要なのか計算してみます。健康な場合を基準に考えるとよいでしょう。

<健康な場合>
生活費:15万円/月×12か月×35年=6,300万円
住宅費:15万円/月×12か月×35年=6,300万円
教育費:1500万円×2人=3,000万円

健康で35年過ごした場合は上記3つの合計1億5,600万円を使うということになります。しかし、1億5,600万円全額を保険で備えようとすると保険料の負担も大きくなってしまうので、必ずしも全額保険で備える必要はありません。
もしかしたら専業主婦の奥様が働くかもしれないですし、親族からの援助があるかもしれません。国の制度として障害年金もありますのでそれらの金額を加味した上で就業不能の際に必要な金額を考えればよいのです。


病気の場合
代表的な三大疾病の場合で考えていきます。一般的に、発症から完治まで3年程度が目安なので年収×3年分の備えがあれば治療に専念することができるでしょう。サラリーマンの場合だと健康保険から傷病手当金の給付や有給休暇、会社の福利厚生などをうまく利用すれば、1年程度の備えでよいかもしれません。自営業者の場合だと自助努力が必要なため、やはり最低でも年収の3年程度の備えをしておく必要があります。

3.まとめ

自営業者の場合、サラリーマンに比べてより一層の自助努力が必要になってきます。特に就業不能時の備えをしなければなりません。老齢年金も基礎年金だけで薄くなっておりますので、貯蓄が必要であればあるほど無駄な入り方をするわけにはいきません。貯蓄と保障を両立させるためにも適した保険を選びましょう。

 

2019年6月28日
text by 久保田 正広
FPバンク

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