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2019.11.5
住宅相談

地価の最近の動向~住宅購入計画への影響~

世間的に住宅の購入価格が高騰しているといわれる今、購入検討している人のなかでも買い時かそうでないかという判断で迷われている人も多いのではないでしょうか。その価格と連動してくる地価について紐解きながら分かり易く解説していきます。

1.そもそも地価とは?

地価とは、土地の価格を指すもので、いわゆる「土地の値段」です。では、何を基準に土地の値段を決めているのでしょうか。代表的な価格指標とされる基準はいくつかあるとされていますが、そのなかでも重要とされているもので地価公示と呼ばれるものがあります。これは、例年3月下旬頃に国土交通省から公表され、メディアなどでも一番大きく取り上げられるものです。

一般的には「公示価格」と呼ばれていて、毎年1月1日時点のその正常価格を複数の不動産鑑定士が鑑定し、土地鑑定委員会で審査して決定した価格がこれにあたるとされています。そして、この公示価格は土地の取引価格の目安となるほか、不動産鑑定や他の地価指標の評価額の基準ともなり、地価の中で最も注目されている指標とも言われています。

本稿では、この代表的な指標であるこの公示価格をもとに最近の動向を確認していきたいと思います。

2.最近の地価の動向

(1)公示価格における地価の動向

まず、ここでは公示価格をもとに最近の地価の動向を確認していきたいと思います。公示価格の前年比の推移を表したのが下のグラフになります。通常、公示価格は「住宅地」と「商業地」に分けて調査されるものですが、ここでは全用途の平均でみていきたいと思います。

これをみると、全国平均では地価はいずれもバブル期に大幅に上昇し、そのままバブル崩壊後の平成4年からは前年比がマイナスに転じています。そして、その後は平成17年から20年にかけてのミニバブルといわれた一時期を除き、このところ前年比プラス圏まで緩やかに持ち直していることが分かります。全体的に長らく低迷してきた日本経済でしたが、近年では全体的にも地価が持ち直しいている状況とみえます。

〈出典〉国土交通省 (http://www.mlit.go.jp/common/001280202.pdf

(2)最近の地価上昇の理由

地価上昇の理由は複合的な要因が関係しますが、最近の要因は主に2つあるとされています。

①金融緩和による超低金利時代からの住宅需要の高まり
②外国人観光客増加に伴う店舗、ホテル需要の高まりや再開発

①については、金利水準が低い今のタイミングを利用して住宅ローンを組みたいという人が増えているということが大きな理由と言われています。また、②については、訪日外国人が近年上昇の一途を辿っていて、日本政府観光局(JNTO)の調べ *によると、2012年には約800万人だった訪日外国人の数が、2018年には約3,100万人にまで増えており、その間は年々増加傾向になっています。これにより、全国の観光地で店舗やホテル等の需要が活性化し、それに伴い地価も上昇したといわれています。

今後の見通しとしては、2020年の東京オリンピックを控え、訪日外国人の増加による全国各地への観光需要を見込み、今後もこの上昇傾向はしばらく続くのではという見方もされています。

〈出典〉*日本政府観光局(https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_outbound.pdf

3.住宅購入への影響

一般的に、地価の上昇は住宅価格にどんな影響を及ぼすのかをケース別でみていきたいと思います。

まず、新築マンションや新築戸建の場合は、売主であるディベロッパーが土地を仕入れ、建物を建てて販売しますので、地価の上昇は土地の仕入れ価格が上昇することを意味します。したがって、一般的には住宅の販売価格は上昇します。しかし、あまり価格が上がると売れなくなってしまう恐れがあるため、一戸あたりの土地面積を減らしたり、マンションの専有面積を小さくしたりすることによって、一定の価格帯を維持する傾向があります。

そして、土地を仕入れて注文住宅を建てる場合は、地価の上昇は土地の購入価格にダイレクトに影響します。したがって、一定の予算内に収めるためには、より狭い土地を買うか、より単価の安い郊外の土地を求めざるを得なくなります。

最後に中古マンションや中古戸建の場合は、土地の部分の価格が影響を受けます。したがって、販売価格に占める土地価格の割合が大きいほど、地価上昇の影響を受けやすくなります。また新築物件の価格が上昇することにより、新築検討層が中古市場に流れてくることで、相場が押し上げられ、価格上昇につながることもあります。

いずれのケースにおいても地価の上昇は住宅価格の上昇につながると考えてよいでしょう。

4.まとめ

上述のように近年における公示価格の動向と住宅価格推移の背景より、まさにこれから住宅購入を検討しているかたにとってはせかされるような思いになったり、逆に買い時かどうなのかの判断に迷われたりする方もいるとは思います。しかし、大切なことはあまり周りの情報や動向にあまり振り回されず、自分自身にとっての買い時を見極め、そしてちゃんと価値のあるものを手にするということです。衝動的なお得感に煽られ、今後のライフプランに見合わない無理な予算建てをしてしまったり、適正予算内で探していたものの、当初希望していた条件からはかけ離れた物件しか見つからず、理想に合わない物件を購入するなどとなっては本末転倒です。

自分自身にとっての買い時というのは世帯ごとに異なります。家族の転勤や子供の成長、今後の収入ペースによって変わってきます。そして、自分や家族にとっての適切な買い時を考慮しましょう。

2019年11月5日
text by 久保田 正広
FPバンク

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