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2019.10.11
資産運用相談

間違った投資信託選びを正すポイント

投資信託協会調べによると、実は約10,000本が日本では運用されています。そのうち皆さんが金融機関で購入する事が出来るのが約6,000本あります。
この中から投資信託を選ぶのは至難の業ですね。特に金融機関でおすすめされた投資信託は、要注意です。

1.銀行、郵便局がおすすめする投資信託は…

(1)誰もが間違えるポイント その① 「銀行、郵便局は・・・」

さて、本題の間違えた投資信託選びです。投資信託の歴史は古く、仕組みを活用した投資は戦前からあり1941年に今の野村證券がさきがけと言われております。戦後、法律が整備され本格的に販売が開始されました。

今は誰でも銀行や証券会社や郵便局で投資信託を購入する事が出来ます。皆さんが購入した投資信託は「運用会社」(アセットマネジメント会社)によって運用されています。

当時は証券会社がこぞって子会社に運用会社(アセットマネジメント会社)を設立し、販売をしていました。その結果、50年以上「投資運用は証券会社、貯金は銀行・郵便局」という文化が作り上げられて来たのです。

しかし、世の中は変わり「規制緩和」のもと「金融ビッグバン」が導入され銀行でも投資信託が販売され、遅れて郵便局でも販売されるようになったのです。この結果、投資信託の販売額は急激に増加して行きます。しかしながら多くの投資家を間違った投資信託選びの方向に導いてしまったのです。

それは「銀行、郵便局では損をする事がない」という今までの慣習そのままに理解を進めてしまった方々が多かったのです。冗談のような話ですがそれほどまでに「銀行・郵便局」神話は強い影響力を持っていたのです。

このコラムを読んでいる方々は「えー?」と思う世代が多いと思いますがご両親、祖父母の世代では当たり前の話です。一度、聞いてみて下さい。「銀行や郵便局にお金を預けたら損はしない」とおっしゃるはずです。「預けたら」というところに間違いがあるのです。結果として大損をしていたとしても気付かない事にもなってしまうのです。

(2)誰もが間違えるポイント その②「ランキングに弱い」

以前、テレビのバラエティー番組でこんな企画がありました。名前を伏せたお茶を並べて「これは高級なランキング順にならんでいます」と道行く一般人に試飲をしてもらいます。実はそのランキング順は全くの反対に並べてあるのです。しかし、試飲した人たちは…。ランキングに騙され高級品より一般的なお茶を「美味しい」と評価してしまうのです。

実は我々は「ランキング」などの評価に非常に弱いのです。そして、その傾向はお茶だけに留まらず投資信託の世界にも影響が出てしまうのです。ネット証券でも当然のように。

〈出典〉楽天証券 投資信託ランキング
(https://kakaku.com/fund/ranking/ 閲覧日:2019.6.13)

そして、ネット証券だけではなく対面の証券まで…

〈出典〉みずほ銀行 投資信託ランキング
(https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/fund/ranking/index.html
閲覧日:2019.6.13)

残念なことにランキングは売れている事を表しており中身が良いかどうかのランキングではないのです。このランキングに振り回されて大損してしまう事に成りかねないのです。

(3)誰もが間違えるポイント その③「毎月分配型投資信託のまやかし」

皆さんも「果樹園」にぶどう狩りやみかん狩りに行った事があるかと思います。その際、どうやって果実を収穫しましたか?きっと、もいだり、ヘタの部分から切ったりされたと思います。もし、枝からごっそり切ってしまったらどうでしょう?管理されている人に怒られてしまうでしょう。

なぜなら枝から切ってしまったらそこに果実が出来るまで時間がかかったり最悪、二度と果実が実らない可能性もあります。この投資信託とは全く関係ないように見えるお話しが実は毎月分配型投資信託の仕組みそのものです。

なぜなら日本で販売されている投資信託のうち約半分がこの毎月分配型の投資信託なのです。ここで、少し毎月分配について基本的なところをおさらいしてみましょう。この投資信託の特徴は運用で増えた分を毎月決まった日に投資した方に分配する仕組みをとっています。

この投資信託の仕組みを初めて採用したのは1997年1月登場した投資信託です。当時はそれほど注目をされていなかった毎月分配型の投資信託ですが翌年から始まった銀行窓販、いわゆる銀行の店頭で投資信託の販売が解禁されると爆発的な売れ行きを残します。

特に通称「グロソブ」と呼ばれる三菱UFG国際投信(旧国際投信)の「グローバル・ソブリン」は爆発的な販売実績を残しました。最高で2008年には5兆7000億円まで膨らみました。これは投資信託全体の10%近くを占める事になるのです。

なぜ、このようにヒットしたかというと毎月、口座に分配金が振り込まれ、はがきでご案内が来るという安心感がこの傾向を加速させました。更に更に、年金が受給されない奇数月にも振り込まれるという幸福感がとんでもない事態を巻き起こしたのです。

どんな事態かというと・・・「大損」している事に気付かない事態です。先ほど果樹園の例えでお伝えした果実の収穫の仕方を大きく間違えてしまっている投資信託が多いのです。それは、枝ごとバッサリと切り落としてしまったり、ひどいケースの場合、幹まで切ってしまうような事をしている投資信託があるのです。

そんな事をされたら「果樹園」はどうでしょう?「大損」ですよね?二度と実が成らない木ばかりになってしまうのです。もう少し専門的な表現をすると毎月分配型の分配に回せるのは下記のものになります。

①配当金等(経費控除後)

②保有資産売却益・評価益(経費控除後)

③分配金準備積立金

④収益調整金

①から③は字をみるだけで想像出来ると思います。しかし④はどうでしょう?難しいと思います。

(4)誰もが間違えるポイント その④「分配金のタブーに切り込む」

さて、投資信託が上手に運用出来ているかを計るために「ベンチマーク」と呼ばれるものがあります。例えば、投資信託の基準価格が10100円だったとします。昨日は10000円だったとすると100円運用が上手く出来たという事になります。

では、この100円の運用益はどの評価になるのでしょうか?この評価をしっかりとする為に「ベンチマーク」が必要になるのです。この評価の仕組みをしっかりと憶えていて頂ければ幸いです。投資信託が運用されている市場がどのような動きをしているのかチェックする事が大事です。代表的なインデックスはこちらです。

日本株に関して

・日経平均225種
・TOPIX(東証株価指数)
・JPX400

米国株に関して

・ダウ30種
・S&P500
・NASDAQ

世界の株に関して

・MSCIコクサイインデックス
・FTSEエマージンインデックス

日本債券に関して

・NOMURA-BPI総合

世界債券に関して

・シティ世界国債インデックス

などがあります。

そもそもおさらいですが投資信託は様々な投資先がある中でどの投資先が良いのかをプロに手数料を払って運用を委託(信託)するものです。そのプロが正しい運用をしているのかどうかしっかりと見極めないと「大損」する事につながってしまうのです。しっかりと「ベンチマーク」と投資信託のパフォーマンスを比較して行きましょう。

(5)誰もが間違えるポイント その⑤「ベンチマークとは・・・」

前回まで毎月分配型の投資信託の仕組みについてお伝えして来ました。もう少しこの毎月分配型投資 信託で大損しない為に必要な情報をお伝えしていきます。分配金の原資については下記の4つとご案内しました。簡単に振り返ってみましょう。

①配当金等(経費控除後)

②保有資産売却益・評価益(経費控除後)

③分配金準備積立金

④収益調整金

①は投資信託が保有している株や債券、オルタナティブへ投資をして得られた配当金です。②は投資信託が保有している株や債券、オルタナティブへ投資をして得られた収益です。③は①、②で得られた収益金を分配し余った分をストックしていた部分です。ここまでは簡単な話で理解されている方も多いと思います。

問題は④の収益調整金です。これが投資信託で「大損」する事になる要因を含んでいるといっても過言ではありません。この収益調整金とはどんなものか簡単に説明すると「分配金を調整する為に新規で購入した方の投資資産を分配金に回す事が出来る」という制度なのです。

前回のポイント1の例え話に出た果樹園を思い出してみて下さい。「枝から切ったら怒られる」と表現したところ、まさにこの部分なのです。

運用の上手くいっていない毎月分配型の投資信託はこの「枝」はたまた「幹」を切って分配金を出している可能性があります。こうなったら「大損」ですよね?この状況を表した図がこちらです。

(6)誰もが間違えるポイント その⑥「運用会社の能力の見抜き方」

前のパートでもお伝えしたように投資信託は「運用会社」(アセットマネジメント)の能力によって運用結果が大きく左右されます。せっかく、コスト払ってプロに運用を任せたのにフタを開けてみたら「大損!」なんて事にならいようにしっかりと見極めたいと思います。その為の参考となる資料があります。

このグラフは投資信託の目論見書や月報と呼ばれる資料に必ずと言って良いほど掲載されている投資 信託の運用の成果を解りやすく図にしたものです。多くの投資信託が「ベンチマーク」を定め成果をアピールしています。「税引前分配金再投資基準価格」という青い線に注目して下さい。

この線がこの投資信託の運用成果を 表しています。この投資信託は運用スタート後はあまり上手く運用が出来ていないようでしたが2003年ごろからベンチマークを大きく上回る結果が出ており、その後は順調に実績を伸ばしています。一方、こちらのグラフをご覧ください。

こちらも同時期に運用をスタートした投資信託ですがベンチマーク(グラフではTOPIX)が下がると一緒に下がりベンチマークを上回る事がほとんど出来ていません。このグラフは「基準価格」と書いてある青い線がこの投資信託の運用成果です。実はこの2つの投資信託は同じ日本株を対象した投資信託なのです。

同じ市場での運用結果がここまで開くのは運用会社の能力に大きな違いがあると言わざるをません。もちろん、1社で1つの投資信託しか運用していない訳ではないので他の商品の比較も必要ですが大筋でこのような差が出るのは運用会社の力の差と言っても過言ではありません。運用会社が投資先をセレクトする際に「しがらみ」や「圧力」が掛からないとは言い切れない日本における投資信託運用の問題でもあるのです。

多くの証券会社が子会社に運用会社を設立しその会社で商品化した投資信託を販売します。これは「販売」と「製造」の一元化に近いものがあり証券会社の収益構造上、大きな問題があります。

2.まとめおすすめ投資信託がいいとは限らない)

このように投資信託の選び方は、さまざまな知識を必要とします。ご自身の大切なお金をどのような金融商品でどうやって運用していくかを判断していくことは慎重に考えたいものです。

2019年10月11日
text by 久保田 正広
FPバンク

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