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2019.5.20
住宅相談

10年固定金利の住宅ローンと他のローンを比較してみた結果

10年固定金利の住宅ローンは本当にお得なのか?? 変動金利と固定金利のハイブリッド金利と言われている10年固定金利の住宅ローン。今後の金利の推移も踏まえて、ローンの仕組みから他のローンとの比較など、10年固定金利ローンを徹底解説!!

1.10年固定金利の住宅ローンとは

(1)しくみ

最初の10年間は金利が固定されているため、毎月の支払金額が約束されていて、10年間は変動することがありません。11年目以降は変動金利にするか固定金利にするかを選べるタイプが一般的ですが、選ぶ際に適用される金利は11年目時点での金利となるため、金利上昇リスクを伴います。
また、金利に関しては優遇を受けられるケースが多く、金利優遇の種類としては、当初10年間のみ大きく金利を下げるタイプと、全期間(35年など)にわたって低い金利が適用されるタイプがあります。
ただし、金利優遇期間が当初10年のみの場合は11年目以降、金利が大きく上昇し毎月の返済額が大きく跳ね上がってしまう可能性がある反面、11年以降は今よりもさらに金利が下がっていて毎月の返済額が少なくなる可能性もあります。

(2)全期間固定ローンとの比較

全期間固定金利は返済期間中、ずっと金利が上昇することのないローンのことです。ずっと金利が上がらないメリットがある分、そもそも金利は高めに設定されています。
それと比較すると、10年固定金利は初めのうちは金利が低く返済額も安く感じますが、その後適用される金利は未知数です。10年後の金利は誰にも判りません。過去最低水準の金利相場から推測すると、10年後には金利が上がっている可能性のほうが高いと想像されますが、もしかするともっと金利が下がっていることも考えられなくはありません。
また、全期間固定金利は金利が高めと申し上げましたが、実は、全期間固定金利と変動金利の金利差は、小さくなってきているのが現状です。

(3)全期間変動金利との比較

全期間変動金利(以下、変動金利と記載します)はローンの返済期間中、ずっと金利が変動する可能性のある住宅ローンです。固定期間があるローンに対して、金利が低く抑えられることがメリットです。例えば仮に今後数十年間、低金利時代がずっと続いた場合には、最もお得な住宅ローン金利だということになります。
ただし、そのような低金利時代が続く保証はなく、やはり金利上昇リスクがあります。10年固定は変動に比べ金利は高いですが、10年間に限っては金利上昇リスクを回避できます。

(4)10年固定金利の住宅ローンとは

つまり10年固定金利の住宅ローンとは、「固定金利ローンの金利の高さと変動金利ローンの金利上昇リスク」という両方のデメリットを併せ持っている商品になります。一般的なイメージである「固定金利の安心感と変動金利お得感の両方を兼ね備えた住宅ローン」というイメージの間逆の商品であると言えるでしょう。
ただ、なかには「10年後の借り換えを前提とし、10年間は固定された低金利のメリットを得たい」と思う方がいらっしゃるかも知れません。ある意味ではそれも策のひとつでしょう。ただし、もし10年後、予想外に金利が上昇していて、借り換えようと思っても今からは考えられないような金利の高いローンしか選択がなかったらどうしますか?そういった可能性まで考慮して10年固定金利の住宅ローンは、慎重に検討しなくてはなりません。

2.10年固定金利ローンを選ぶべき場合とは

では、10年固定金利住宅ローンを選ぶことでメリットが発生するのはどんな場合でしょうか。
金利が10年間固定されるメリットを最大限に享受できる状況とは、「返済をし始めてすぐに金利が大きく上昇し、11年目を迎えるときには再び現在のような低金利時代が到来。そしてその後、ローンを完済するまでずっとその低金利が維持されるであろう」と予測する場合です。
ここで注意しなくてはならないのは、もちろん、果たしてこの先「すぐに金利上昇するのか」ということと、「10年目までに金利がまた下がるのか」。そして「11年目以降はずっと低金利を維持できるのか」ということです。この予測に確信が持てないのであれば、安易に10年固定を選ぶのは危険ということになります。
「変動は怖いイメージがあり、でも全期間固定は返済額が高い、だからとりあえず10年間は安心な10年固定にして、その先のことは後から考えよう」という流れで10年固定を選ぶ方が多くいらっしゃるのですが、そういった安易な理由で住宅ローンを選ぶのは危険です。
10年後に考えようという問題の先延ばしは後々、取り返しのつかないことになり兼ねません。予想通りにはうまくいかなかった場合を考え、しっかりと「悲観的に準備」し、余裕を持って「楽観的に対処」できるようにしておきましょう。

3.自分にぴったりのローンとは

ここまで固定金利と変動金利、10年固定金利を比べて参りましたが、将来の金利予測が難しい中、自分ならどの形のローンを選んだら良いのかというところが一番気になると思います。実際多くのお客様からそういった内容のお問い合わせをいただくのですが、実はどのケースにも最適となるローンはないのです。
固定金利は支払い額が変わらない安心感というメリットがあります。変動金利は月々の支払いが増えたとしても、払っていける余力がある方には得となる可能性もあります。10年固定は変動金利よりは高いが、固定金利よりは低い金利が当初10年間適用されるという特色があります。
人によって選ぶべきローンは様々です。自分に合ったローンを選ぶには、まずはキャッシュフロー診断などを行い、自分たちの返済能力を明確にすることが重要です。そうすれば、おのずとご自身が選ぶべき住宅ローンが見えてきます。

4.まとめ

住宅ローンに関して、それぞれのメリット/デメリットをお伝えしましたが、結論としては今後絶対に金利が上がらないと予測するなら変動、金利が上昇するかも知れないと思うのなら全期間固定を選ぶのが良いでしょう。両方のデメリットを持ってしまっている10年固定はあまり積極的に選ぶ必要はないかもしれません。何千万円というお金の借り方を選ぶ重要な選択ですから、将来後悔しない為にも、ご自身の返済能力と今後の資金計画、金利水準の推移を鑑み、慎重に検討して決断しましょう。

2019年5月20日
text by 久保田 正広
FPバンク

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