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2019.11.22
住宅相談

生涯コストの差は1000万円以上⁉ マンションと戸建の比較ポイント2つ

これから家を買おうと思った時に「戸建」にしようか、「マンション」にしようかを悩まれる方も多いのではないでしょうか?比較する時に必要となるのが、決断のポイント。今日はその決断のポイントのなかでも、特に多くの方が「決め手」としている項目をご紹介します。

1.ポイント①ランニングコスト

(1)ランニングコストって何?

ランニングコストとは、マンションなら「管理費」「修繕積⽴⾦」「駐⾞場代」、⼾建なら建物の「修繕費」などです。マンションの場合、管理費・修繕積⽴⾦の⼀般的な相場は⽉2万5,000円前後。駐⾞場代を仮に⽉2万円とすると、35年住んだ場合で(2万5,000円+2万円)×12ヵ⽉×35年=1,890万円の⽀出になります。

(2)修繕費っていくらかかるの?

マンションの「修繕積⽴⾦*」は新築当初は安く、5〜10年程度のスパンで値上がりしていきます。今は6,000円前後だとしても、修繕積⽴⾦の適正額は⼀般的に1㎡辺り200円程度ですので、仮に70㎡のマンションなら、少なくとも1万4,000円前後まで値上がりすると考えておいたほうが良いでしょう。最近では修繕積立金が不足しているケースもあり、今後は値上がり幅が更に高くなる可能性もあります。

⼀⽅、⼾建のランニングコストは建物の「修繕費」だけです。10〜20年に⼀度、最低でも外壁塗装や給湯器の交換等は必要になりますので、⽉1万5,000円程積み⽴てるとベストでしょう。仮に35年住んだ場合、⽉1万5,000円×12ヵ⽉×35年=630万円の⽀出になります。その他、最近の気候変動による災害等が気になる方は、市町村等で手に入るハザードマップ等で水害を、海が近い地域にお住いの予定の方は、塩害等も事前に調べると良いでしょう。

決められた額を毎⽉(ローン完済後も︕)払い続けるマンションに対し、⼾建は修繕の額や時期を⾃分達である程度コントロールできる点は家計には安⼼です。例えば「今年は⼦供2⼈の教育費が重なる年だから修繕は来年にしよう」とか「今年は最低限の外壁塗装だけにしておこう」等、その時の懐事情と相談し調整できるのは⼤きなメリットでしょう。

検討するのも一つの手でしょう。

  • *修繕積立金とは・・・・
    主に、管理組合等が将来の大規模修繕に備えて、マンション住民から徴収する積立金の事。
    ちなみに、2018年時点で国が調査した結果では、積立金が目安に未達のマンションが75%に上る結果であることや、2019年に管理組合にアンケートした結果、積立金に不足があるまたは回答がなかった管理組合が70%程度あったことからも、多くのマンションが抱える社会問題になっています。

(3)マイカーと住宅購入

最後に駐車場代ですが、⾞有りのマンションと⼾建を⽐較すると1,000万円以上も生涯コストは違ってきますので、車を持つ持たないの判断をこのタイミングで検討するのも一つの手でしょう。

2.ポイント②資産価値

以前はマイホーム=終の棲家という考えが⼀般的でしたが、今はライフスタイルに応じて住み替える⽅も増えてきました。

例えば、⼦供が独⽴するまでの間は広い家、⼦供が独⽴した後は夫婦だけのコンパクトな家に住み替えるなどです。そこで⼤事なのは「資産価値」。仮に10年後、住宅ローンの残債とほぼ同じ、もしくはそれ以上の価格で売却できればスムーズに買い替えができますし、残債が売却価格を上回れば買い替えは苦戦するでしょう。前者と後者でどちらがハッピーかは、⾔わずもがなですね︕

そしてこの資産価値を⼤きく左右するのが「⽴地」です。駅近で利便性が⾼ければ⼾建・マンション関わらず資産価値は落ちにくいですが、マンションのほうが利便性の良いところに建っていることが多いため、資産価値で⽐較するとマンションに軍配が上がるでしょう。

「⼾建なら⼟地が残る分、資産価値があるのでは︖」という考えももちろんありますが、⼀慨にそうとも⾔いきれません。というのも少⼦⾼齢化・⼈⼝減少は深刻化しており、⼀部の地域ではコンパクトシティ*を⽬指す動きも出ています。また、共働き世帯が増え、夫婦互いに家事や育児に時間を注げるよう職場の近くに住む「職住近接」の志向も強くなりつつあります。いくら⼟地を所有していても、時代のニーズに合わずその⼟地に住みたいという⼈が現れなければ値はつきません。「あなただけでなく、他の⼈もここに住みたいと思うか」、この視点を持って「⽴地」を考えると良いでしょう。

  • *コンパクトシティとは…
    少ない税収でも効率的に⾏政が運営できるよう街をコンパクトにする計画のこと。住宅や⽣活に不可⽋な医療・福祉・商業施設等をある⼀定の地域に集約し、逆にそのエリアより外には新しい建物が建てにくいような規制を設けること。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

維持費で⾒れば「⼾建」、資産価値で⾒ると「マンション」に軍配が上がりましたね。もちろん、この他にも各々の育った環境や今住んでいる環境など、選ぶ基準は数多くあると思います。

ただ、多くの方にとって住まいは一生に一度か二度の大きな買い物になると思います。後から「こんなはずじゃなかった。」と思わないためにも、住まい選びは「⼼地よく暮らせそうか」という今の視点と、「思い描くライフスタイルへの変化に対応しうるかどうか」という将来の視点も加えて、ご決断頂く事が大切だと思います。

 皆さんが住宅を購入した時だけでなく、住宅を購入してから30年後、50年後に「あの時買って良かった。」と言える住宅購入になる事を、陰ながら願っています。

〈出典〉1)日本経済新聞ホームページ
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33697250R00C18A8TJ1000/ 閲覧日2019.9.19)

〈出典〉2)日本経済新聞ホームページ
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=2&n_m_code=083&ng=DGKKZO47811550W9A720C1PPD000 閲覧日2019.9.19)

2019年11月21日
text by 久保田 正広
FPバンク

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