ファイナンシャルプランナー相談
のFPバンク
東京駅・新宿駅

2019.7.13
保険相談

子どもの医療費助成制度は地域によって内容が違う?加熱する助成拡充競争

子どもの保険について、皆さんはどうされていますか? 実は、子どもの医療費、自治体ごとに手厚い助成があります。子どもの医療費助成制度とはどんな制度なのか?注意することは?

1.子ども医療費助成制度とは?

子ども医療費助成制度は、義務教育修了までのお子さんが、保険診療でかかった医療費の自己負担額を市区町村が助成する制度です。制度を利用するには、申請手続きを行い、医療証の交付を受ける必要があります。

(1)何歳まで無料?

皆さんがお住いの市区町村では、子どもの医療費自己負担額は何歳まで無料ですか?

法律上は、就学前の子どもの自己負担額は2割です。しかし、実際は、全ての市区町村に子どもの医療費助成制度があるため、自己負担額が無料か、かなりの低額で済むケースが殆どです。これらは、どこの地域でも一緒でしょ?と思われている方も少なくはないのですが、実は制度の内容は厚生労働省で決められているのではなく、各自治体によって対象年齢や支援内容が決められているので、地域によって内容が異なります。

(2)自治体によって異なる対象年齢や支援内容

東京23区は各区でも制度内容は様々です。対象年齢については中学3年生までが一般的でしたが、千代田区や北区などは高校3年生まで対象年齢になっています。これは、高校に通っていなくても高校相当の年齢まで対象となります。ただし、子どもが就職して扶養から外れた場合などは対象外となるので注意が必要です。その他、入院中の食事代(標準負担額)まで支援してくれる区も多くあり、東京23区内でも助成制度は一律ではありません。

子どもは小さい間は熱を出したり、風邪をひいたり、成長期にはケガをしたりと病院に通う回数も多いかと思います。そう考えますと、制度により家計への負担も変わってきますので、制度内容で住む地域を選んでいる方も少なくないそうです。今後、転居予定がある方は、今まで住んでいた地域の制度と異なる場合がありますので、事前に役所などに確認されるといいでしょう。

(3)子どもの医療保険は必要か?

「子どもに医療保険は掛けておいた方が良いでしょうか?」という質問をいただく事がしばしばあります。結論から言うと医療制度の対象年齢期間については必要ないでしょう。では、加入するとすればいつからが良いのでしょうか?考え方は様々です。

例えば、医療制度の対象年齢期間になった時からかけておく終身保険であれば、保険料はずっと安いままというメリットはありますので、将来子どもの保険料負担を減らすことができます。

ところが、保険商品は年々変わっています。昨今の医療現場では入院は短期化傾向で、通院治療が多くなってきています。今後の保障内容改正も考えられるので、子どもが独立してから自分

自分たちの生活に合った保険を加入してくれたらという考え方もあります。また、ここでは詳しく説明しませんが、*高額療養費制度もありますので、入院時の治療費に関しては、過度に心配される必要はないかもしれません。

<出典>* 全国健康保険協会ホームページ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150

2.過熱する助成拡充競争で注意すること

子育て世代を支援する、この子ども医療費助成制度は、経済的負担を軽減する制度であるので、自治体にとっては若い世代を呼び込むための好ましい政策の1つです。制度の内容を各自治体で決められる利点を利用して、全国でも助成拡充競争が過熱している感があります。そこに課題はないのでしょうか?

(1)医療費の高騰?

自己負担額が軽減されると、一般的に受診頻度が上がり、医療費が高くなることが予測されます。医療費助成制度を利用すると、医療費の自己負担2割は自治体が負担し、8割は公的医療保険が負担することになります。自己負担が軽くなったことにより、過剰に受診する子どもが増えれば、小児科を中心とする医師の負担が大きくなるだけでなく、医療費を高騰させる一因になる可能性もあります。

(2)制度を見直す自治体も

財政基盤の弱い自治体は助成規模を縮小見直しする動きも出ています。

実際、持続的な助成を行うために、兵庫県三田市では、中学生以下の医療費を無償としていましたが、税収の減少に伴い、平成30年7月から患者の一部負担や所得制限の導入を決めました。本来であれば、適正な制度でなければならないところ、助成拡充競争により、限りある財源で子どもだけを助成していいのか?助成が受けられない年齢の重度の疾病を抱えている若者への助成も注目していく必要があるのではないかと思います。

3.まとめ

子どもの医療費を助成するという趣旨は、子育て世帯にとってありがたい制度であることは間違いありません。ただ、現実、助成拡充競争が過熱している中、今後医療費が高騰する可能性もあり、制度を縮小する自治体も増えてくる可能性もあります。

公的保障制度は、知らない間に制度が変わることも多いです。こんなはずではなかったと思わないように、在住の自治体制度につてはマメに確認しておくことが大切ではないでしょうか?

2019年7月13日
text by 久保田 正広
FPバンク

関連記事