お金をふやす4つの方法

こんにちは。FPバンク編集部です。
多くのかたがお金をふやす方法について興味はあるものの、そのふやし方や仕組みについて正しく理解しているかたは少ないのではないでしょうか。
しかし、私たち日本人にはお金の教育(授業)がほぼなく、誰からも教わることもなかったのも事実で、知らなくて当然とも言えます。
お金をふやす4つの基本的な方法について、ファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説していきます。
お金のふやし方について何から始めていけばいいかわからないと思ってるひとは是非チェックしてみてください!
1. お金を「ふやす」を考えるとき
「あなたはお金のふやし方を知っていますか?」と聞かれて「はい、知っています」と答えられるかたはそんなに多くはいないのではないでしょうか。
それもそのはずで、わたしたちは義務教育過程でお金のことを勉強する機会がほとんどなかったからです。
もちろん、親も知らなければ誰からも教わることなくそのまま大人になっていて、気になったとしてもお金のことは誰に聞いていいかもわからないというのが今の日本の実情ではないでしょうか。
先進国のなかでもこのような国は珍しいともいわれています。
米国では驚くべきことに10歳相当で「お金をふやす理由」「単利と複利の違い」を学び、ほとんどの子どもはその説明ができるものとされています。
日本では小学4年生の子どもで複利計算を理解している人はどれくらいいるでしょうか。
冒頭から少し話が脱線しましたが、今回はお金を「ふやす」ためのオーソドックスな手段をみていきたいと思います。
世界的な共通定義としてお金をふやすには4つの方法しかないとわれていて、その4つとは「預貯金」「投資」「投機」「博打」という内容です。
次にそれぞれの特徴や違いについてみていきましょう。
2. 預貯金
「預貯金でお金がふえるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。現に預貯金はすでにおこなっているという方もほとんどだと思います。
でも実は上の図でもあるように預貯金は資産運用の一つなのです。
しかし令和時代を生きる今、銀行などの金融機関にただ預けているだけではほぼふえないといった感覚が定着しているかと思いますが、1990年代では1年ものの定期預金でも5%前後の金利がつく時代があったことをご存知でしょうか。
単に100万円を銀行に預けておけば1年で5万円の利息がつくということです。
これも立派な資産運用のひとつなのです。しかも、預金の大きなメリットは「元本保証」があり、損するリスクがほぼゼロに等しいという点が挙げられます。
さらに、万が一金融機関が破綻したとしても、一般的な普通預金や定期預金は預金保険制度の対象になるため、1つの金融機関あたり1,000万円までが保護されています。
このような観点から今から20~30年前であれば何も難しいことを考えることなく銀行にお金を預けておくだけで充分だった時代というのも確かにありました。
しかし、今の金利は全く異なり、比較的に利率が高いといわれているネット銀行に預けたとしても適用される金利はせいぜい0.1~0.2%とほぼゼロに近い数字となっているため、昔とお同じような魅力は全くありません。
残っている魅力は「元本保証」だけです。
しかし、インフレ(物価が上がること)のことを考慮すると、お金の価値は減り続けているので結局のところはほぼ確実に損をする手段ともいわれるようになってきているのも事実です。
3.投資
(1)投資とは
まずあなたは「投資」ときくとどんなイメージをもちますか?
「難しそう」「興味はあるけど損するリスクが怖い」「投資はお金もちがするもの」などどちらかというとネガティブなイメージをお持ちのかたも少なくないはずです。
そうした不安をお持ちのかたは、もしかすると単に知識の不足が原因かもしれません。もしそうであればまず、投資について正しく理解することから始めていきましょう。
そもそも投資とはなんなのでしょうか。
それは「お金を投じることで将来それ以上の利益なって返ってくるのを期待する行為」のことです。もう少し具体的にいうと、値動きがするような株や債券にお金を投じてコツコツと時間をかけてお金を育てる方法になります。
これらは前述の預貯金と違い「元本保証」はありません。ただ投資には損する可能性をゼロに近くするルールというものがあります。
投資で損をしたことがあるかたのほとんどはこのルールを無視している人やそもそも知らないという人に多い傾向があります。
逆にこのルールだけ抑えておけば安心して誰でもできて、初心者にも始めやすい内容となっています。
ではこのルールとはいったいどんなものなのでしょうか。
(2)3つのルール
①長期投資
ここでいう長期とは10年以上の保有することをいいます。短期間の損益で一喜一憂するのではなく、コツコツと世界の経済成長を自分の利益にすることが目的となります。
②積立投資
積立投資の対義語は一括投資で、積立投資は時間分散効果によって「そのときの値段によって買える量が変わる」ということがポイントになります。
購入するタイミングを分散して一定金額ずつ購入することで“値段が高いときは少なく、値段が安いときは多く買う”ということを自動的に行うことで一時的な高掴みを回避することができ、平均購入単価を下げる効果に期待ができます。
③分散投資
分散投資とは、投資先をひとつに限定せず、複数の投資先に投資をすることをいいます。一つの資産に集中投資をしてしまうと、その資産の値動きだけで運用資産全体が左右されてしまうことになります。
これらの3つのルールをしくみ化することにより極力、運用リスクを排除することができ安心して資産形成ができるようになります。
(3)投資の種類
①iDeCo(確定拠出年金)
iDeCo(確定拠出年)は投資信託などのしくみを利用して自らで運用先を選定しながら資産形成をしていきながら60歳以降に年金または一時金で受け取ることができる制度です。
逆に60歳までは引き出すことができないという点がデメリットになります。
②積立NISA
これも投資信託などのしくみを利用した資産形成術のひとつでiDeCoと似たような制度となります。iDeCoとの最大の違い(メリット)は途中でいつでも資産を換金できるという点です。
逆にデメリットとしてはiDeCoにはある所得控除の効果がないことや最大でも20年間しか運用益の非課税期間がないという点にあります。
③変額保険
保険会社が資産を株式や債券などの金融商品で運用し、その運用実績に応じて保険金や解約払戻金を受け取るものです。
一般的な生命保険と違い、解約返戻金に最低保証はありませんが保険金には最低保証があるものが多いため、生命保険としての保障を確保しながら資産形成も同時にできるものです。
iDeCoのように積み立てたお金が全額所得控除になるメリットはありませんが、生命保険料控除の対象にはなります。
4.投機
(1)投機とは
上述の「投資」とは何らかの付加価値を生み出す資産を購入し、長期的に保有し続けていくことが目的に対し「投機」とは資産価値の動く方向を予測し、上がるか下がるかに賭けて売買を行うやり方になります。
投資と一緒で「元本保証」はありません。
一般的に「投資」と「投機」は混在し易くされますが「投資」は長期的な視野で資金を投じる行為に対し、「投機」は短期的な値上がりのタイミングを狙って資金を投じる方法として知られます。
(2)投機の種類
①FX
簡単に説明すると、為替レートが将来上がるか下がるかを予測し利益を狙いにいく取引です。ある国の通貨を別の国の通貨に交換(外国為替)し、その為替レートの変動を利用した差益を目的としたやり方となります。
②仮想通貨
2017年には「億り人」で知られた仮想通貨取引。
仮想通貨は電子データのみでやり取りされ、主にインターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用でき、中央銀行などの発行主体や管理者が存在せず専門の取引所を介して円やドル、ユーロなどの法定通貨とも交換が可能となっています。
今やビットコインやイーサリアムをはじめ3,000種類を超える通過が存在するともいわれています。
③先物取引
先物取引とはある商品を将来の決められた日に、取引の時点で価格で売買することを約束する取引です。取引されるものは大豆やとうもろこしといった農産物や石油から無形の株価指数といったものまで取引されます。
5.ギャンブル
ギャンブルとは偶発的な事象に金品を賭け、リターンを得ようとする行為そのものをいいます。
ギャンブルには胴元がいて偶然性のある事象に対してお金を賭けることに対し、投資や投機は胴元が不在で「企業や貨幣の成長・衰退を分析・予測し利ざやを稼ぐものとして区別されます。例えば宝くじなどはギャンブルにあたります。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。 一概にお金をふやすといってもその目的や理由は人それぞれかと思います。
また、どこまでリスクを追えるのかその考え方や許容度も様々です。
リスク(不確実性)は「預貯金」→「投資」→「投機」→「ギャンブル」の順に高くなっていきます。
あなたが本当に理想とする手段をきちんと選んでから始められることをおすすめします。
2020年9月19日
text by 久保田 正広
FPバンク